V型エンジンとは?何気筒まであるの?搭載している日本車まとめ
V型エンジンとは、シリンダーと呼ばれる気筒をV型に並べたエンジンのことで、気筒の数によってV6やV8、V10にV12などと呼ばれています。一般的な市販車にはV6が搭載されることが多く、スポーツカーや高級車になるにつれてV8やV10、V12エンジンが搭載されています。
V16やV18、V12を2つ並べたV24エンジンも存在しますが、超大型トラックや船舶、航空機などに搭載されていて、日本車では採用された例はありません。
そこで、V型エンジンの特徴や気筒数ごとに分類されるV6やV8、V12などのエンジンを搭載した日本車をまとめました。
V型エンジンはシリンダーがV字に配置
V型エンジンは、シリンダーとも呼ばれる気筒がV字に配置されたエンジンで、横並びにシリンダーが並んでいく直列エンジンに比べて多気筒の場合コンパクトにできるメリットがあります。
一般的な市販車に搭載されているエンジンはV型6気筒(V6エンジン)が多く、スポーツタイプの車や高級車などにV8エンジンが搭載されている例もありました。V10やV12エンジンまで視野を広げると、ほんの限られた車種にしか搭載されていない特別感のあるエンジンです。
日本車では直列4気筒や直列3気筒エンジン、V6エンジンが多いですが、アメリカ車ではV8やV10エンジンが多く採用されています。
V型エンジンのメリットはコンパクトさ、デメリットは重くて複雑な構造
V型エンジンのメリットは、シリンダー列をVの字に配置することで直列エンジンより全長を短くできる点が挙げられます。V型レイアウトだからこそ、8気筒や10気筒、12気筒にもできるわけです。
デメリットとしては、V8エンジンは直列エンジンなどに比べると、バルブや排気系のパーツが多くなり、エンジンの総重量が増す点が挙げられるでしょう。構造も複雑化するので、メンテナンス性も直列エンジンに比べると悪化します。
V型6気筒(V6エンジン)
スポーツカーや一般的な市販車などに採用されることが多いのがV型6気筒の通称V6エンジンです。コンパクトに収まるエンジンなので、2ドアの車にも人気のエンジンです。
JNC型のV型6気筒エンジンを搭載したNSX/ホンダ
2016年からホンダが発売している2代目NSXには、「JNC」型のV型6気筒エンジンが搭載されています。排気量は3,492cc、最高出力は373kW、最大トルクは550Nmを記録していて、価格は2,370万円です。ハイブリッドモデルなので燃費は12.4km/Lと、スーパーカーとしては燃費が良く技術の進歩を感じられる1台です。
型式 | JNC |
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種類 | 水冷V型6気筒縦置 |
排気量 | 3,492cc |
最高出力 | 373kW/6,500~7,500rpm |
最大トルク | 550Nm/2,000~6,000rpm |
燃費 | 12.4km/L |
JNB型のV型6気筒エンジンを搭載したレジェンド/ホンダ
ホンダのフラッグシップセダンであるレジェンドは、2015年に5代目が発売されて2018年2月にはアキュラフェイスを採用したマイナーチェンジを行いました。搭載しているエンジンは、「JNB」型のV型6気筒エンジン、排気量は3,471cc、最高出力は231kW、最大トルクは371Nmで、価格帯は707万円です。
型式 | JNB |
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種類 | 水冷V型6気筒横置 |
排気量 | 3,471cc |
最高出力 | 231kW/6,500rpm |
最大トルク | 371Nm/4,700rpm |
燃費 | 16.4km/L |
2GR-FKS型のV型6気筒エンジンを搭載したアルファード・ヴェルファイア/トヨタ
トヨタのフラッグシップミニバンであるアルファードは2015年1月に3代目へとモデルチェンジし、2017年12月にはマイナーチェンジが行われました。姉妹車であるヴェルファイアも同じ時期に行われています。
搭載しているV6エンジンは「2GR-FKS」型で、排気量は3,456cc、最大出力は221kW、最大トルクは361Nmです。V型6気筒エンジンを搭載しているグレードは、アルファードで「Executive Lounge系統」、「GF」、「SC」、ヴェルファイアで「Executive Lounge系統」、「ZG」、「VL」になっていて、価格帯は463万円からです。
型式 | 2GR-FKS |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,456cc |
最高出力 | 221kW/6,600rpm |
最大トルク | 361Nm/4,600~4,700rpm |
燃費 | 10.6km/L |
クラウンの各モデルもV型6気筒エンジンを搭載
トヨタのフラッグシップセダンであるクラウンは、2012年に14代目にフルモデルチェンジし、2018年には15代目へフルモデルチェンジするという噂があります。V型6気筒エンジンを搭載しているモデルは、マジェスタ、ロイヤル、アスリートのガソリン車に搭載されています。
マジェスタでは2WDのみ、ロイヤルでは2.5Lのみ、アスリートにはガソリン車の2WDに3.5L、4WDには2.5LのV6エンジンが装備されています。価格帯はアスリートで409万円から、ロイヤルで381万円から、マジェスタで642万円からです。
型式 | 2GR-FSE | 4GR-FSE |
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種類 | V型6気筒 | V型6気筒 |
排気量 | 3,456cc | 2,499cc |
最高出力 | 232kW/6,400rpm | 149kW/6,400rpm |
最大トルク | 377Nm/4,800rpm | 243Nm/4,800rpm |
燃費 | 9.6km/L | 10.2km/L |
クラウンと同様のV型エンジンを搭載しているマークX/トヨタ
トヨタが販売するスポーツセダンのマークXは、2009年に2代目へとフルモデルチェンジしていますが、新型カムリに統合されるのではないかという噂が立っています。2016年に2度目のマイナーチェンジ、2017年にGRスポーツが発表されています。
搭載しているエンジンは3.5Lと2.5Lのエンジンで、クラウンと同様のエンジンが搭載されています。3.5Lは2WDのみ、2.5Lは2WDと4WDがラインナップしていて、価格帯は2.5Lで291万円から、3.5Lモデルは385万円からになっています。
型式 | 2GR-FSE | 4GR-FSE |
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種類 | V型6気筒 | V型6気筒 |
排気量 | 3,456cc | 2,499cc |
最高出力 | 234kW/6,400rpm | 149kW/6,400rpm |
最大トルク | 380Nm/4,800rpm | 243Nm/4,800rpm |
燃費 | 10.0km/L | 11.8km/L |
VQ35DEのV型エンジンを搭載したエルグランド/日産
高級ミニバンの元祖ともいえる日産のエルグランドは、2010年に3代目へとフルモデルチェンジしていて、2018年1月には特別仕様車の「ハイウェイスター ジェットブラックアーバンクロム」が発売されています。
エルグランドに搭載されているV6エンジンは、「VQ35DE」と呼ばれるエンジンで、排気量は3,498cc、最高出力は206kW、最大トルクは344Nmあります。燃費は9.4km/L、駆動方式は2WDと4WDが用意されています。
型式 | VQ35DE |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,498cc |
最高出力 | 206kW/6,400rpm |
最大トルク | 344Nm/4,400rpm |
燃費 | 9.4km/L |
VR38DETT型のV型エンジンを搭載したGT-R/日産
日産のフラッグシップスポーツカーの「GT-R」は、2007年にR35型へとフルモデルチェンジし、毎年進化を続けている車両です。搭載されているエンジンは「VR38DETT」型で、R35型のGT-R専用のエンジンです。排気量は3,799cc、最大出力は419kW、最大トルクは637Nmを記録していて、価格帯は1,023万円からです。
型式 | VR38DETT |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,799cc |
最高出力 | 419kW/6,800rpm |
最大トルク | 637Nm/3,300~5,800rpm |
燃費 | 8.8km/L |
VQ37VHR型のV型エンジンを搭載したフェアレディZ/日産
日産のスポーツカーであるフェアレディZは、2008年にZ34型のフェアレディZとしてフルモデルチェンジし、毎年マイナーチェンジや一部改良、特別仕様車の発表などを行っているスポーツカーです。2018年5月には、レーシーなエクステリアの「ヘリテージエディション」を発売することが決定されています。
搭載しているエンジンは「VQ37VHR」型で、排気量は3,696cc、最大出力は247kW、最大トルクは365Nmになっていて、価格帯は390万円からになっています。
型式 | VQ37VHR |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,696cc |
最高出力 | 247kW/7,000rpm |
最大トルク | 365Nm/5,200rpm |
燃費 | 9.0km/L |
フェアレディZと同じV型エンジンを搭載するフーガ/日産
フーガは日産のフラッグシップセダンのうちの1つであり、海外で展開しているインフィニティのQ70と兄弟車でもあります。フーガに搭載されているエンジンは「VQ37VHR」型で、フェアレディZと同様のエンジンです。排気量は3,696cc、最高出力は245kW、最大トルクは363Nm、価格帯は480万円からになっています。
型式 | VQ37VHR |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,696cc |
最高出力 | 245kW/7,000rpm |
最大トルク | 363Nm/5,200rpm |
燃費 | 9.4km/L |
3.5LのV型6エンジンを採用するスカイライン/日産
スカイラインは、1957年の初代発売から続く歴史のある車で、スポーツセダンとして有名な車種です。2014年に13代目のV37スカイラインが発売され、北米のインフィニティではQ50が兄弟車として存在します。搭載されているエンジンは「VQ35HR」で、排気量は3,498cc、最高出力は225kW、最大トルクは350Nm、燃費は17.8km/Lを記録しています。
型式 | VQ35HR |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,498cc |
最高出力 | 225kW/6,800rpm |
最大トルク | 350Nm/5,000rpm |
燃費 | 17.8km/L |
スカイラインと同じVQ35HR型V型エンジンを搭載するシーマ/日産
シーマは日産のフラッグシップセダンで、1度は販売が途切れましたが2012年に復活したモデルです。ハイブリッド専用モデルで、インフィニティにQ70Lと呼ばれる兄弟車があります。搭載しているエンジンはスカイラインと同様に「VQ35HR」で、排気量3,498cc、最大出力225kW、最大トルク350Nmで、燃費は15.6km/Lを記録しています。
型式 | VQ35HR |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,498cc |
最高出力 | 225kW/6,800rpm |
最大トルク | 350Nm/5,000rpm |
燃費 | 15.6km/L |
燃費性能も高い6G72型のV6エンジンを搭載するパジェロ/三菱
三菱のフラッグシップモデルのパジェロは、ラダーフレームを溶接した頑丈なモノコックボディを持つ車種です。パジェロといえばディーゼルエンジンのイメージですが、ガソリンモデルに「6G72」型のV6エンジンを搭載しています。
排気量は2,972cc、最高出力は131kW、最大トルクは261Nm、燃費は8.0km/Lを記録しています。2006年の発売から2019年ですでに13年経過しているため、そろそろフルモデルチェンジするのではないかと噂されていましたが、生産終了が決定してしまいました。
型式 | 6G72 |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 2,972cc |
最高出力 | 131kW/5,250rpm |
最大トルク | 261Nm/4,000rpm |
燃費 | 8.0km/L |
8GR-FXS型のV型エンジンを搭載するフラッグシップセダンのLS/レクサス
レクサスが販売するフラッグシップセダンのLSは、かつてトヨタでセルシオとして販売されていた車種で、2017年にフルモデルチェンジし、5代目のLSが販売されています。搭載されているエンジンは「8GR-FXS」型で、排気量は3,456cc、最高出力は220kW、最大トルクは356Nm、燃費は16.4km/Lを記録しています。
型式 | 8GR-FXS |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,456cc |
最高出力 | 220kW |
最大トルク | 356Nm |
燃費 | 16.4km/L |
最高出力217kWの2GR-FXE型のV型エンジンを搭載するGS/レクサス
レクサスが販売するグランツーリングセダンのGSは、アリストとして販売されていた車種で、2005年からは日本でも3代目のGSが販売されました。4代目のGSは2012年にフルモデルチェンジし、2015年には後期型へとマイナーチェンジしています。
搭載されるエンジンは「2GR-FXE」型で、排気量は3,456cc、最高出力は217kW、最大トルクは356Nm、燃費は18.2km/Lを記録しています。
型式 | 2GR-FXE |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,456cc |
最高出力 | 217kW/6,000rpm |
最大トルク | 356Nm/4,500rpm |
燃費 | 18.2km/L |
排気量3,456ccのV型エンジンを搭載するIS/レクサス
レクサスISは以前アルテッツァとして販売されていた車種で、日本でも2005年から販売されています。2013年にフルモデルチェンジを行い3代目へ進化しており、IS350に「2GR-FKS」のエンジンが搭載されています。
排気量は3,456cc、最大出力は234kW、最大トルクは380Nm、燃費は10.4km/Lを記録しています。
型式 | 2GR-FKS |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,456cc |
最高出力 | 234kW/6,600rpm |
最大トルク | 380Nm/4,800rpm |
燃費 | 10.4km/L |
LSと同じV型エンジンを搭載するフラッグシップクーペのLC 500h/レクサス
レクサスが販売するLCは、2017年3月に新発売したクーペモデルで、ハイブリッドモデルにV6エンジンを搭載しています。型式は「8GR-FXS」、排気量は3,456cc、最高出力は220kW、最大トルクは356Nmあります。燃費は15.8km/Lを記録していて、搭載エンジンはフラッグシップセダンのLSと同様のものです。
型式 | 8GR-FXS |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,456cc |
最高出力 | 220kW/6,600rpm |
最大トルク | 356Nm/5,100rpm |
燃費 | 15.8km/L |
ISと同じV型エンジンを搭載するRC/レクサス
2014年に発売されたノッチバッククーペのレクサス RCは、3.5LのガソリンエンジンモデルにV型6気筒エンジンが搭載されています。型式は「2GR-FKS」で、排気量は3,456cc、最高出力は234kW、最大トルクは380Nmあります。レクサス ISと同様のエンジンで、燃費は10.2km/Lを記録しています。
型式 | 2GR-FKS |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,456cc |
最高出力 | 234kW/6,600rpm |
最大トルク | 380Nm/4,800rpm |
燃費 | 10.2km/L |
2GR-FXSというV型エンジンを搭載するSUVがRX/レクサス
レクサスRXはトヨタ ハリアーとして販売されていたモデルで、2015年にフルモデルチェンジをして4代目へと進化しています。RX450hとRX450hLの2モデルにV6ハイブリッドエンジンが搭載されていて、型式は「2GR-FXS」です。
排気量は3,456cc、最高出力は193kW、最大トルクは335Nmで、同じエンジンを搭載しているRCやISとは若干出力やトルクが違います。
型式 | 2GR-FXS |
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種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,456cc |
最高出力 | 192kW/6,000rpm |
最大トルク | 335Nm/4,600rpm |
燃費 | 17.8km/L |
V型8気筒(V8エンジン)
フルサイズSUVなどのボディサイズが大きい車に搭載されているのがV型8気筒の通称V8エンジンです。トヨタの高級車ブランドのレクサスにも採用されているパワフルなパワートレインです。
パワフルなV8エンジンを搭載するランドクルーザー/トヨタ
トヨタのランドクルーザーは、1951年から販売しているクロスカントリー車のフラッグシップモデルです。2007年から販売している200系は、2015年にマイナーチェンジを行い大幅なフェイスリフトを行いました。
搭載しているエンジンは「1UR-FE」のV型8気筒エンジンで、排気量は4,608cc、最大出力は234kW、最大トルクは460Nm、燃費は6.9km/Lです。
型式 | 1UR-FE |
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種類 | V型8気筒 |
排気量 | 4,608cc |
最高出力 | 234kW/5,600rpm |
最大トルク | 460Nm/3,400rpm |
燃費 | 6.9km/L |
ランクルと同じV8エンジンを搭載するLX/レクサス
レクサスのLXは、トヨタのフラッグシップSUVであるランドクルーザーの兄弟車で、2015年に日本へ導入されました。グレードはLX 570の1つのみの展開で、搭載されているエンジンは「3UR-FE」のV型8気筒エンジンです。
排気量は5,662cc、最高出力は277kW、最大トルクは534Nm、燃費は6.5km/Lを記録しています。
型式 | 3UR-FE |
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種類 | V型8気筒 |
排気量 | 5,662cc |
最高出力 | 277kW/5,600rpm |
最大トルク | 534Nm/3,200rpm |
燃費 | 6.5km/L |
スポーツモデルFシリーズのV8エンジン搭載車GS F/レクサス
セダンのGSにはV6エンジンが搭載されていましたが、スポーツモデルのGS Fには、V8エンジンが搭載されています。2015年に発売され、GSに比べてボディー剛性が高まっていたり、ハンドリング性能が良くなっています。
搭載しているエンジンは「2UR-GSE」で、排気量は4,968cc、最高出力は351kW、最大トルクは530Nm、燃費は8.2km/Lです。
型式 | 2UR-GSE |
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種類 | V型8気筒 |
排気量 | 4,968cc |
最高出力 | 351kW/7,100rpm |
最大トルク | 530Nm/4,800~5,600rpm |
燃費 | 8.2km/L |
GS Fと同じV型エンジンを搭載するRC F/レクサス
レクサスのRC Fは、クーペのRCをベースとしたスポーツモデルで、GS Fと同様にV型8気筒の「2UR-GSE」が搭載されています。RC Fに設定されている「カーボンエクステリアパッケージ」を選ぶと、エンジンフードやルーフなどがカーボン素材となり、軽量化が可能になります。
搭載されているエンジンの排気量は4,968cc、最高出力は351kW、最大トルクは530Nm、燃費は8.2km/Lです。
型式 | 2UR-GSE |
---|---|
種類 | V型8気筒 |
排気量 | 4,968cc |
最高出力 | 351kW/7,100rpm |
最大トルク | 530Nm/4,800~5,600rpm |
燃費 | 8.2km/L |
排気量4,968ccのV型エンジンを搭載するLC 500/レクサス
レクサスの新型クーペであるLCは、V型8気筒エンジンを搭載しているグレードもあり「LC 500」と呼ばれています。搭載エンジンはGS FやRC Fと同様の「2UR-GSE」で、排気量は4,968cc、最高出力は351kW、最大トルクは540Nm、燃費は7.8km/Lです。
型式 | 2UR-GSE |
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種類 | V型8気筒 |
排気量 | 4,968cc |
最高出力 | 351kW/7,100rpm |
最大トルク | 540Nm/4,800rpm |
燃費 | 7.8km/L |
V型10気筒(V10エンジン)
トヨタの高級ブランド レクサスなどに搭載されているのがV型10気筒の通称V10エンジンです。レクサスで初めて製作さえスーパーカーのLFAもV10エンジンを搭載しています。
FシリーズのフラッグシップモデルはV型10気筒エンジンが搭載LFA(終売)/レクサス
レクサス LFAは、2010年から2012年の間に限定500台で販売したFシリーズのフラッグシップモデルで、全てのFのもととなっています。レクサスで唯一のV10エンジンを搭載した車種で、エンジン型式は「1LR-GUE」、排気量は4,805cc、最高出力412kW、最大トルク480Nmです。
型式 | 1LR-GUE |
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種類 | V型10気筒 |
排気量 | 4,805cc |
最高出力 | 412kW/8,700rpm |
最大トルク | 480Nm/7,000rpm |
V型12気筒(V12エンジン)
V12エンジンはごく限られたか車両にしか搭載されていないプレミアムなエンジンです。2018年6月現在もトヨタのセンチュリー以外では見ることはできない貴重なエンジンです。
日本車唯一のV型12気筒エンジンを搭載するセンチュリー(終売)/トヨタ
日本車で唯一のV型12気筒エンジンを搭載した車両は、トヨタのセンチュリーでしたが、残念ながら終売になっているため中古車でしか手に入れることができません。2017年に販売を終了したセンチュリーは、2018年に3代目へフルモデルチェンジしました。
搭載しているエンジンは「1GZ-FNE」と呼ばれ、センチュリー専用のエンジンです。排気量は4,996cc、最高出力は206kW、最大トルクは460Nmで、燃費は7.6km/Lです。
型式 | 1GZ-FNE |
---|---|
種類 | V型12気筒 |
排気量 | 4,996cc |
最高出力 | 206kW/5,200rpm |
最大トルク | 460Nm/4,000rpm |
燃費 | 7.6km/L |
V8エンジンやV12エンジンは音が大きくてうるさいは誤解
V8エンジンやV12エンジンと聞くと、「大排気量でうるさい」というイメージを抱く人もいます。世界的に人気を博した1960~1970年代のアメリカの「マッスルカー」と呼ばれるカテゴリのスポーツカーの多くがV8エンジンを搭載していたことも影響しているのでしょう。
V型8気筒以上のエンジンは世界中の高級車で採用されてきた歴史がある
「V8やV12エンジン=うるさい」は大きな誤解です。
例えば、国産車では2018年に発売された3代目トヨタ・センチュリーも5.0LのV型8気筒エンジンを搭載していますが、非常に高い静粛性を誇っています。世界的な高級車ロールス・ロイスはV型12気筒エンジンなどを搭載しています。
マッスルカーに搭載されていたV型エンジンは確かに静粛性が高くありませんでしたが、V型エンジンは振動が少なく、静粛性に優れたエンジンとして数多くの高級車に採用されてきた歴史があります。
音がうるさいかどうかはマフラー(サイレンサー)の性能の問題
車の走行音が大きいかどうかは、基本的にはマフラー(サイレンサー)の問題です。現代の技術的には、V型12気筒エンジンを積んでいても静粛性を高めることは十分可能です。
スーパーカーなら迫力あるサウンドを求める人が多く、高級車なら静粛性を最優先。各社が車の個性にあわせたサウンドチューニングを行っているだけで、エンジンの特性とは無関係です。
時代の流れはハイブリッドエンジンが主流
スポーツタイプの車種を除き、大排気量のV8エンジンは高級車と呼ばれるクラスでも少なくなり、V6エンジンもハイブリッドシステムを組み込み、燃費を向上させたモデルが増えてきています。
V8エンジンを搭載したモデルがあったシーマやクラウンマジェスタは、V6ハイブリッドエンジンに変わっていますし、国産唯一のV12エンジンを搭載したセンチュリーもハイブリッドエンジンになると予想されています。燃費の悪い大排気量のV8エンジンをやめて燃費のいいV6ハイブリッドエンジンを搭載するのは、時代の流れなのかもしれません。