ツインターボ一車一覧~「ツインターボ」の特徴や過給機を2基搭載している旧型車や現行車を一挙に紹介して特徴も比較します
2基の過給機を搭載させて、アクセルレスポンスを引き上げて、高出力も達成しているツインターボ車を、2023年時点で新車販売が行われている車両だけではなくて、フェラーリ「F40」やマツダ「RX-7」などの国産車・外国車の旧車も含めて一挙に紹介します。
ツインターボ車がどのような経緯で開発されたのかについて、混同されがちなツインスクロールターボとの違い、各車の特徴についても解説していきます。
ツインターボが開発された経緯や構造的な特徴、混同しやすいツインスクロールターボとの違いについても紹介
シングルタイプのターボチャージャーで起きていたターボラグを改善する目的で開発された「ツインターボ」の構造的な特徴、ツインターボのデメリット、混同しやすいツインスクロールターボとの違いについても紹介します。
「ツインターボ」はシングルタイプの過給機で起きていたターボラグを解消させる目的で開発されたコンパクト化させたターボチャージャーを2基設置する構造的な特徴を備えている動力系パーツ
「ツインターボエンジン」はシングルタイプの過給機で起きていた排気干渉などの影響によって起こる、アクセルを踏んでもスムーズな加速が行われないターボラグを改善するために開発された
ターボチャージャーは、ガソリンなどの燃料を燃焼させた際に排出された排気ガスのエネルギーを利用して、タービンと呼ばれるパーツを回転させ、連結されるコンプレッサーも同時に回転させる事で、酸素濃度を高めた圧縮された空気を、エンジンルーム内に送り込んで高出力化を実現させる目的で設置します。
過給機を1基のみ設置するシングルタイプのターボチャージャーでは、低回転域においては排気されたガス同士が狭い室内空間で干渉し合うなどして、アクセルを踏み込んだとしても3,000rpm程度の回転数にならなければ、十分な過給が行われず、加速自体もなだらかではなくて、瞬間的に爆発するようなドッカンターボ(ターボラグ)とも呼ぼれる現象が起きていました。
各自動車メーカーは、ターボラグによって引き起こる急加速現象を改善して、低回転域からであっても過給を行って加速を安定させて、パワフルな走りをコンスタントに実現させるために、コンパクト化させたターボチャージャーを2基搭載させる事で、排気干渉を抑え、タービンにあたる排気ガスの流量をコントロールする機構も備えた、ツインターボシステムを開発しました。
ツインターボには常に2基で過給を行わせるノーマルタイプと高回転域でのみ2基を稼働させる「シーケンシャル・ツインターボ」の2種類がある
A80系スープラは高回転域のみで2基の過給機を稼働させる「シーケンシャル・ツインターボ」を搭載していた
ツインターボは設置した2基の過給機を常に稼働して、酸素濃度の高い空気の供給を行わせるノーマルタイプと、A80系スープラやRX-7などの車種が採用していた、サイズの異なる過給機を直列あるいは並列に並べて、低回転域では1基のみを稼働させ、高回転域では2基を稼働させて、タービンの慣性モーメントを低減化させる「シーケンシャル・ツインターボ」の2種類があります。
「シーケンシャル・ツインターボ」は、ノーマルタイプと比較すれば、各ターボチャージャーを管理するユニットを設ける必要性が生じるなど、システム構築が複雑かつ煩雑なため、コスト高となってしまう傾向があります。
ツインターボのデメリットは構成パーツが多いためコスト高となってしまい車両重量が増してしまうこと
ツインターボは、シングルタイプのターボチャージャーよりも、コンパクト化させた過給機を2基搭載してはいるものの、2基の過給機をスムーズに稼働させるためには構成パーツが多くなってしまう為、コスト高となってしまう、車両重量が増してしまうといったデメリットが伴います。
以前と比較すれば、ターボチャージャー技術が進化して、シングルターボでも低回転域からであっても、空気の効率的な圧縮化を行えるようになった為、ツインターボチャージャシステムを導入している車は、2023年時点においては外車の超高級車のみとなっています。
ツインスクロールターボは異なる排気ガスをタービンへと送る流路を2分割させている種類のシングルターボなのでツインターボとは異なる
名称が似ている事から混同されがちな「ツインターボ」と、シングルタイプに属する「ツインスクロールターボ」との違いは、ツインターボは、過給機本体を2基配置する事で排気干渉を抑えるなどして、ターボラグに対処しているのに対して、ツインスクロールターボは、単体の過給機を設置して、排気ガスをタービンへと送る流路を分割させて2つの流路を設ける内部構造を導入して、ターボラグを抑える仕組みを採用している点です。
ツインターボ車一覧~2基のターボチャージャーを搭載してアクセルレスポンスを引き上げ、ハイパワーを実現している国産・外国車の旧車と現行車種の特徴やスペック比較
シングルターボチャージャーのネックであった、低回転域においてのレスポンスの悪さを改善するために開発されたツインターボ。
ツインターボを搭載して、他車を凌駕するハイパフォーマンスを実現していたフェラーリ「F40」や、RX-7などの国産車や外国車の旧車、ポルシェ「911TURBO(992)」など、2023年時点において、新車販売が行われているツインターボ車も含めて、各車の魅力やスペック情報を紹介していきます。
マセラッティ「ビトゥルボ」は世界で初めてツインターボを搭載してパワフルな走りを実現させていたヘリテージカー
マセラッティ「ビトゥルボ」にはIHI(石川島播磨重工業)製の2基のターボチャージャーが設置されていた
「Biturbo(ビトゥルボ)」は、ツインターボシステムを世界で初めて搭載した車という事だけではなくて、スーパーカー・メーカーとして認知されていたマセラッティが初めてリリースした量産車という事もあって、発売当時から注目度の高い車であった。
「ビトゥルボ」は1981年から1994年にかけての車歴の中で、4人乗りクーペ / 2シーターのオープンカー/4ドアセダンのボディタイプを展開していた。
イタリア語ではツインターボを意味する『ビトゥルボ』という車名を採用していた同車は、V型6気筒エンジンに、IHI(石川島播磨重工業)製の2基のターボチャージャーを組み込んで、インタークーラーなどを装備して、アクセルレスポンスを引き上げて、パワフルな走りを実現させていた。
エンジン | V型6気筒SOHC3バルブ ツインターボ |
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最高出力 | 200PS / 5,500rpm |
最大トルク | 30.8Kgm / 3,000rpm |
総排気量 | 2.490L |
創業40周年を記念して製作された特別限定車フェラーリ「F40」は3.0Lツインターボエンジンを搭載する希少価値の高い名車
フェラーリ創業40周年を記念して製作された「F40」は希少性が高くオークションなどでは高値で取引されている
「F40」はフェラーリ創業40周年を記念して製作された特別限定車で、創業者であるエンツォ・フェラーリが最後に開発に関わったという、ストーリー性も希少性に加味して、現在は国際的なオークションなどで、高値で取引されているスーパーカー。
「F40」は高速走行時に発生する車体を浮き上がらせようとする力を抑える為に大型サイズのリアスポイラーを設置している
「F40」に装備されていたツインターボチャージャーは初期モデルにおいては、精度は優れてはいなかったが、改良が加えられたことでアクセルレスポンスなどが向上した
「F40」は、3.0L V型8気筒DOHCエンジンにツインターボシステムを組み込んでいたが、初期モデルにおいては、低回転域において発生するブースト圧は、十分に加速をアシストできる程には達してはいなかった為、ターボラグが生じていたが、改良が加えられて誕生した後期モデルにおいてのアクセルレスポンスは向上した。
3.0L V型8気筒DOHCツインターボエンジンを搭載する事で、最高速は320km/hをクリアする「F40」には、高速走行時に車体を安定化させる為に必要となる、ダウンフォースを発生させるリアスポイラー等のエアロパーツが設置されていた。
エンジン | 3.0L V型8気筒DOHCツインターボ |
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最高出力 | 478ps / 7,000rpm |
最大トルク | 58.8kg-m / 4,000rpm |
総排気量 | 2.946L |
最高速 | 324Km/h |
BMW3シリーズは第5世代がレスポンスに優れパワフルな走りを可能とするツインターボエンジンを搭載するモデルをラインナップしていた
世界市場で評価されるBMW「3シリーズ」は、Dセグメント規格を満たしているセダン / クーペ /カブリオレ / ステーションワゴンなどの様々なボディタイプを展開させてグルーピングし、各国のニーズに応えている。
1975年に初代E21型が誕生して以来、長い車歴を誇る「3シリーズ」では、第5世代(2005年~2013年)にツインターボエンジンを搭載していた。
BMW3シリーズは、燃焼効率を従来型よりも改善させた直噴エンジンに、パラレル・ツインターボチャージャーを組み込んで、走りの魅力を引き上げるモデルも展開するマーケット戦略が評価されて、全世界で累計250万台のセールスを記録した。
エンジン | 3L 直噴ツインターボ |
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最高出力 | 306PS |
最大トルク | 40.8Kgm |
総排気量 | 2.979L |
「マーク2」「チェイサー」「クレスタ」の3兄弟車は日本の車で初めてツインターボエンジンを搭載させた車両で当時流行っていたハイソカーブームの中心的な役割も担っていた
マーク2は1968年~2004年まで開発・製造・販売が行われていたトヨタの高級セダン。画像は(80型)
「MARK 2 (マーク2)」は、総合性能の高さから警察車両や社用車としても幅広い用途で活躍していたトヨタの高級セダンで、1985年に5代目に対して実施されたマイナーチェンジでは、兄弟車であるチェイサーとクレスタと共に、日本の車では初めて1G-GTEU型ツインターボエンジンを装備させて走りの魅力を引き上げて、当時流行っていたハイソカーブームの中心的な役割を担っていた。
「マーク2」は1989年にリリースした6代目(X80型)でも、1JZ-GE / 1JZ-GTE 6気筒ツインターボエンジンを搭載させて、当時の車好き達を満足させるのに十分なハイレスポンスを実現させていた2.5 GTツインターボ などのグレードを展開していた。
エンジン | 1JZ-GTE 6気筒縦置DOHC |
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最高出力 | 280PS(206kW)/6,200rpm |
最大トルク | 37.0Kg・m(362.8N・m)/ 4,800 rpm |
総排気量 | 2.491L |
ツインターボエンジンを搭載させる事で圧倒的な加速性能を実現していた「アリスト」は国産最速セダンの異名を誇っていた
1991年に誕生したアリストはレクサスGSへと移行させる形をとり2004年12月に生産終了となった
1991年にリリースされたハイパフォーマンスセダン「アリスト(JZS14#型)」は、ロー&ワイドボディによって安定感のある低重心走行を可能とし、上級モデルではスープラよりも先に3リッター直列6気筒ツインターボエンジンを搭載する効果で、圧倒的なスポーティな走りを実現させていた事が評価され、当時は国産最速セダンとも呼ばれていた。
新たなプラットフォームの基で開発が実施された2代目「アリスト(JZS16#型)」は、ダウンサイズされたボディに、改良を加えて進化させたツインターボエンジンに、可変バルグタイミング機構の調整を担うVVT-iを組み合わせ、足回りにはフレックスロックアップ方式を選択する事で、高級車に相応しい、安定感のある走りを実現していた。
コックピットセンター部に3眼表示のスピードメーターを配置させるなどして、運転時の臨場感を引き上げていた同車は、国内市場においても海外市場と同様にレクサスGSへと車名を変更する形で車歴を終えた。
エンジン | 2JZ-GTE型 3リッター直列6気筒ツインターボ |
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最高出力 | 280ps(206kW) / 5,600rpm |
最大トルク | 46.0Kg・m(451N・m)/ 3,600rpm |
総排気量 | 2,997L |
長い車歴の中で「フェアレディZ」は4代目(Z32系)でツインターボエンジンを搭載する車両も展開していていた
4代目「フェアレディZ」はツインターボチャージャー付エンジンを搭載する事で日本の車では初めて最大出力は280PSをクリアした
「フェアレディZ」は生誕20周年を迎えたアニバーサリーイヤーである1989年に、フルモデルチェンジを実施して誕生させた4代目(Z32型)に、自然吸気型エンジンを搭載するモデルの他に、新開発のVG30 DETT型3リッターV6ツインターボエンジンを導入し、国産車では初めて最大馬力は280をクリアする車種もラインナップしていた。
ショートオーバーハングのボディ構造によって、最小回転半径を短くして、街中においての機動性の良さを引き上げている同型フェアレディZは、二人乗りタイプの2シーターと、実用面で勝る4人乗りの2by2を展開していた。
エンジン | VG30DETT型 V6・4バルブ DOHC・ツインターボ |
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最高出力 | 206kW(280 ps) / 6,400rpm |
最大トルク | 388N・m(39.6Kgm)/3,600rpm |
総排気量 | 2.960L |
ツインターボエンジンを搭載していた「スカイラインGT-R」は市販車をベース車として競技が行われていた全日空ツーリングカー選手権で圧倒的な好成績を収めていた
8代目「スカイライン(R32型)」をベース車とするGT- Rは全日本ツーリングカー選手権などで圧倒的な成績を収めた
8代目「スカイライン(R32型)」の上級グレードとして、1989年8月に復活販売を果たしたGT-R。RB26DETT型 2.6Lツインターボエンジンをパワートレインに組み込み、電子制御トルクスプリット4WDシステムを導入する事で、セダンタイプのスポーツカーとしては世界トップレベルの走行性能を実現していた。
ツインターボエンジンを搭載させる事で、ターボラグを抑えパワフルな走りを実現していた同型「スカイラインGT-R」は、市販車をベースとして競技が行われる全日本ツーリングカー選手権において、1990年から1993年に渡っての4シーズンで参戦した29戦全勝の圧倒的な好成績を収めた。
エンジン | RB26DETT型 (直6・4バルブDOHC・ツインターボ |
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最高出力 | 206kW(280ps)/ 6,800rpm |
最大トルク | 353N・m(36.0Kgf・m)/4,400rpm |
総排気量 | 2,568L |
三菱「GTO」はツインターボエンジンが可能とするレスポンスが優れ・パワフルさも兼ね備える走りによって海外市場でも4WDのGTカーとして支持されていた
GTOはクライスラーにOEM供給されて、海外市場ではダッジブランドからステルスという車名で展開されていた
1990年にスタリオンの後継車とした誕生したスポーツカーである「GTO」は、最高出力は225PSを実現していたNA車の他に、新開発の3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジンに、ゲトラーグ社製の5MTを組み合わせて、最高出力は280PSをクリアするモデルも展開していた。
「GTO」は、搭載する高性能エンジンの動力を路面へと確実に伝達する為に、駆動方式は全グレードフルタイム4WDを採用し、排気ガスの流れをシステマティックに切り替えて、臨場感のあるエンジンサウンドを楽しませる、アクティブエアロシステムなどの機能性が支持されていた。
北米市場を意識して開発された同車は、当時ライバル関係にあったスカイラインGT-Rよりも車両重量は重かったものの、スポーティかつスタイリッシュなデザインが評価されて、4WDのGTカーとして、OEM供給されていた北米市場を中心に高い人気を得ていた。
エンジン | V6 3.0L ツインターボ |
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最高出力 | 280PS |
最大トルク | 43.5Kgf・m |
総排気量 | 2,972L |
ロングツーリングを得意とする車として一時代を築いた「レガシィ」は2代目・3代目がツインターボエンジンを搭載していた
2代目レガシィ ツーリングワゴンの外観。フルモデルチェンジによって、従来モデルよりも走行性能・積載力などが全方向で引き上げられた
2代目レガシィ ツーリングワゴンのエンジンルーム。2代目モデルは2ステージツインターボエンジンを搭載していた
ロングツーリングを得意としていた「レガシィ」は、スポーツセダンとステーションワゴンを展開していた。1993年にフルモデルチェンジを実施して誕生した2代目「レガシィ(BD/BG系)」は、EJ20G型2.0L水平対向4気筒DOHCエンジンに、シーケンシャル・ツインターボ機構を組み合わせて、従来モデルよりも走行性能や燃費性能を引き上げた。
スバルが「2ステージ・ツインターボ」とネーミングしていた、ツインターボエンジンは、3代目(BE/BH系)レガシィにも引き継がれた。
1998年にフルモデルチェンジが実施されて誕生した3代目「レガシィ」。ラインナップされたターボ車は、2ステージ・ツインターボ機構に組み込む各ユニットの性能を従来型よりも引き上げる事で、更なる機敏性に富んだパワフルな走りを実現させた。
同型「レガシィ」は、ポルシェデザインが開発させた、エアロパーツで架装させた限定モデル「BLITZEN(ブリッツェ)」を発売させ、2002年にはスバルのワークスチームが参加して開発され最高出力は293馬力をクリアした限定400台の「レガシィS401 STi version」がリリースされた事でも話題を集めた。
エンジン | EJ20 水平対向4気筒4カム16バルブ ターボ |
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最高出力 | 260ps/6,500rpm |
最大トルク | 32.5Kg・m / 5,000rpm |
総排気量 | 1,994L |
「RX-7(FD3S型)」はロータリーエンジンにツインターボ機構を組み合わせていた世界でも類をみないスポーツカーで中古車市場ではプレミア価格が付けられている
RX-7は1991年に開催されたル・マン24時間耐久レースで総合優勝を果たすなどして走りのポテンシャルを発揮させていた
「RX-7」は初代モデルが1978年にリリースされてから、排ガス規制の強化を受けて2003年に生産終了となるまで、三角形の形状をしたローターを回転運動させる仕組みでクルマを動かすエネルギーを創り出すロータリーエンジンを搭載し続けた、マツダのライトウェイトスポーツカーのハイパフォーマンスモデル。
1991年に発売された最終モデルである3代目「RX-7(FD3S型)」は、スポーツカーらしい無駄のない均整のボディに、曲面パーツを多数組み合わせた美しいフォルムを採用した外観が特徴的であった。同車は13B型ロータリーエンジンに、日立が開発したシーケンシャル・ツインターボ機構を組み合わせる効果で、最高出力は255馬力をクリアしていた。
マイナーチェンジによって、ピュアスポーツカーに求められる走りを追求し続けた3代目「RX-7」は、ロータリーエンジンにツインターボシステムを組み込んだ希少性の極めて高い車であるため、中古車市場ではプレミア価格で販売されている。
エンジン | 13B-REW 水冷直列2ローターICツインターボエンジン |
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最高出力 | 195kW(265ps) /6,500rpm |
最大トルク | 30.0kg・m(294N・m)/5,000rpm |
総排気量 | 1.308L |
海外市場でも人気の4代目「スープラ(A80型)」は空力効果が優れる軽量ボディにシーケンシャル・ツインターボエンジンを搭載させてアクセルレスポンスの良い走りを実現させていた
「SUPRA(スープラ)」は、北米市場で人気を得ていたフェアレディZを意識して開発されたクーペスタイルのスポーツカー。1993年にリリースされた4代目(A80型)の上級グレードにあたるRZとGZでは、初代アリストに搭載されていた3.0Lシーケンシャル・ツインターボエンジンを流用させて、空力効果が優れるボディに組み込む事で最高出力は280馬力のパワフルな走りを実現させていた。
BMWとの共同開発を行う事で、2019年に17年ぶりに復活を果たした5代目「スープラ(DB型)」は、流路を2分割させてアクセルレスポンスを引き上げる、ツインスクロールターボエンジンを搭載している。
エンジン | 直列6気筒DOHC ツインターボ |
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最高出力 | 206kW(280ps)/5,600rpm |
最大トルク | 431N・m(44.0Kgf・m)/ 3,600rpm |
総排気量 | 2.997L |
「NSX Type S」は3.5L ツインターボエンジンに3基の高出力モーターをパワーユニットに組み込む事でもターボラグの発生を解消していたホンダのフラッグシップスポーツカー
ホンダのフラッグシップスポーツカーとして君臨していたNSX Type Sは2022年に生産を終了した
NSX Type Sはコンパクトながらも10.0の高圧縮比を達成してハイパフォーマンスを実現させる3.5L V6 DOHCツインターボエンジンを搭載している
2022 年に生産終了となるまでホンダのフラッグシップスポーツカーとして、圧倒的な存在感を誇っていた「NSX Type S」は、3.5L V6ツインターボエンジンに、レスポンス特性も優れる3基の高出力モーターを搭載させるSPORT HYBRID SH-AWDシステムを導入する事で、ターボラグ現象を抑えてストレスのない瞬発性が伴う上限値の高い加速力を実現させます。
「NSX Type S」は軽量かつ高剛性を備えるオールアルミニウムサスペンションを装備させて高速時においても安定感のあるハンドリング性能を実現させる
国産スポーツカーでは、最高レベルの走行性能を誇る「NSX Type S」では、フロント部にはダブルウィッシュボーン式、リア部にはマルチリンクサスペンション方式を選択するオールアルミサスペンションや、電磁コイルによって減衰力を調整可能とするアクティブ・ダンパー・システムを設置することで、負荷が加わりやすい高速時においても安定感のある走りを達成させます。
エンジン | 3.5L V6 DOHCツインターボ+3モーター |
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最高出力(エンジン) | 389kW(529PS)/ 6,500~6,850 rpm |
最大トルク(エンジン) | 600N・m(61.2Kgf・m)/ 2,300~6,000rpm |
総排気量 | 3.492L |
BMWのワークスチームがチューニングを施したピュアスポーツカー「M4」はツインターボエンジンを搭載する事で圧倒的な加速力を実現させている
BMW「M4」は直列6気筒Mツインパワー・ターボ・エンジンに、アダプティブMサスペンションシステムを組み合わせて走りに安定感をもたらす
2014年に日本市場でも初代モデルがリリースされた「M4」は、4シリーズをベース車として、BMWのワークスチームであるBMW Mが、レースシーンなどで構築した技術力を導入してチューニングを行ったスポーツカー。
2021年に誕生した2代目「M4(G82 / G83)」は、空冷効果の最適化にも貢献する大径化されたキドニー・グリルや、先端のエアロダイナミズムを導入する事で空気抗力を徹底的に低減化させられるボディに、2基のターボチャージャーを組み込む、直列6気筒Mツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジンを搭載する事で、上級モデルでは最高出力は510psものハイパフォーマンスを発揮させる。
2代目「M4」は、路面状況に合わせてダンピング特性を可変させるアダプティブMサスペンションや、
走行モードにマッチさせたエンジンサウンドを奏でさせるMスポーツ・エキゾースト・システムを搭載する事で、スポーツドライブを安全に楽しませる。
エンジン | 直列6気筒DOHC ツインターボ |
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最高出力 | 375kW(510 PS)/6,250rpm |
最大トルク | 650Nm(66.3kgm)/ 2,650-6,130rpm |
総排気量 | 2,992L |
0-100Km/h加速 | 3.5秒 |
メルセデス・ベンツ「Sクラス」のハイパフォーマンスモデルAMGはツインターボエンジンにF1で磨かれた技術力を組み合わせて異次元の加速性能を実現している
7代目「Sクラス」は求められる静粛性を引き上げるために、サイドウィンドウを2重化している
メルセデス・ベンツ「Sクラス」は、圧倒的な存在感や走行性能の高さから日本市場においても、セレブ層を中心として支持を集めているラグジュアリーカー。
日本市場には2021年にリリースされた7代目「Sクラス(W223)」は、光沢感や立体造形によって、比類なき貫禄を与えているフロントグリルや、操作性においても魅力的12.8インチ有機ELメディアディスプレイ、気品漂うレザーシートを配置する事で、内外装をエレガントに仕上げている。
SクラスのハイパフォーマンスモデルにあたるAMGは4.0LVV型8気筒直噴エンジンに高性能バッテリーを組み合わせている
メルセデス・ベンツ「Sクラス(W223)」のハイパフォーマンスモデルにあたるAMGは、2基のターボチャージャーを、Vバンドの内側に配置させるレイアウト方式を採用し、タービン等のパーツを軽量化・高剛性化させる事で、低回転域からの出力数を引き上げ、ターボラグの低減化を徹底的に行うツインターボエンジン機構を搭載している。
同車は4.0L V型8気筒ツインターボエンジンに、F1で磨かれたAMGハイパフォーマンスバッテリー等のユニットを組み合わせる事で、最高出力612PSを達成している。
エンジン | 4.0L V型8気筒ツインターボエンジン |
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最高出力 | 612ps(450kW)/ 5,500~6,500rpm |
最大トルク | 91.8Kg・m(900N・m)/ 2,500~4,500rpm |
総排気量 | 3,982L |
世界最速のSUVを目指してベントレーが開発した「ベンティガスピード」は6.0LW12気筒ツインターボTSIエンジンを搭載させる事で最高速は306Km/hを実現させている
「ベンティガスピード」には、草原や砂利道などのオフロードにおいても安定した駆動力を発揮させられるドライビングモードが設定されている
世界最速のSUVを目指して開発が進められた「ベンティガ スピード」には6.0L W12気筒ツインターボTSIエンジンが搭載させている
2019年にリリースされた「BENTAYGA SPEED (ベンティガ スピード)」は、イギリスの高級自動車メーカーであるベントレーが、世界最速のSUVを目指して開発された車両で、6.0L W12ツインターボエンジンを搭載させる効果で、最高出力は635PS / 最大トルクは900Nmをクリアさせ、最高速は306Km/hを実現させているハイパフォーマンスカー。
「ペンティガスピード」の室内空間は運転に集中しやすい環境でありつつ高級感も備わっている
「ベンティガスピード」のコックピットでは、シートやドアトリムなどにレザー加飾を施してベントレーブランドの車に相応しい高級感を付与させて、パーキンングアシスト機能などの運転サポートシステムの操作性も優れるセンターインフォメーションディスプレイ等の車載デバイスによって、オーナーらの満足感を引き上げている。
エンジン | 6.0L W12気筒ツインターボTSI |
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最高出力 | 467kW(635ps) / 5,000-5,750rpm |
最大トルク | 900Nm / 1,500-5,000rpm |
最高速 | 306Km/h |
0-100Km/h加速 | 3.9秒 |
総排気量 | 5,960L |
アストンマーティン「DB12」は4.0LツインターボV8エンジンを搭載する効果であらゆる回転域からでも瞬時にパワフルな走りを楽しませてくれる車
アストンマーティンのDBシリーズの新型モデル「DB12」はツインターボエンジンを搭載する事で最高速は300Km/h超えを実現
創業以来、高級スポーツカーを創り続けているイギリスの老舗自動車メーカーであるアストンマーティンは、2023年に同車の人気シリーズであるDBから新型モデル「DB12」をリリースさせた。
「DB12」は、歴代モデルからエレガンスな車体の魅力を継承しながらも、大型サイズのフロントグリルではワイルドさとクールさを演出させている。
同車は、冷却機能の高精度化、軽量タイプの鍛造アルミニウム製ピストンを装備させるなど、最先端テクノロジーを積極的に導入して開発を進めた4.0L ツインターボV8 エンジンを搭載する事で、アストンマーティン史上最高レベルのパワフルな走りを実現するスーパーツアラー。
「DB12」は、ミシュランと共同開発した専用の21インチスポーツタイヤを標準装備させて、各輪へのトルク配分を緻密にコントロールする電子制御リアディファレンシャルを組み込んで、人間工学を駆使してコックピットを完成させる事で、マシンとの一体感のある走りを楽しませます。
エンジン | 4L ツインターボV8 |
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最高出力 | 680ps/6,000rpm |
最大トルク | 800Nm/2750-6,000rpm |
0-100Km/h加速 | 3.6秒 |
最高速度 | 325Km/h |
「パナメーラ(971)」は4人が乗車できる実用性を備えながらも4.0L V8ツインターボエンジンを搭載させる事でポルシェらしい圧巻の走りを実現している高級スポーツカー
「パナメーラ(971)」はポルシェらしいウエストラインを採用しながらもリヤシートに着座する方の十分なスペースを確保している
「Panamera(パナメーラ)」は、4人が乗車できるポルシェブランドの高級スポーツカーで、2016年にリリースされた2代目(971)は、運転手に最高レベルの操作性を体感させるために、ポルシェドライバーエクスペリエンスを採用し、シャープなデザインを特徴とするマトリックスLEDヘッドライトを設置する事で、フロントマスクに存在感を与えます。
「パナメーラ ターボEハイブリッド」に搭載させる4.0リッターVBツインターボエンジンは単独では最大出力382kW(519PS)を達成している
2代目「パナメーラ(971)」は、ハイパフォーマンスモデルのPanamera4 や、新開発4.0LのV8 ツインターボエンジンに、ポルシェの次世代バッテリーであるE-ハイブリッドシステムを組み合わせて、最高出力は500kW(680PS)を実現させているPanamera Turbo E-Hybridなど、3タイプのモデルを展開しています。
エンジン | 4.0L V8ツインターボ |
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最高出力 | 270kW/353PS |
0-100Km/h | 5.0秒 |
最高速度 | 270Km/h |
「911TURBO」は水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載する事で0-100Km/h加速は脅威の2.8秒を実現させている走りを徹底的に追及したポルシェのハイパフォーマンスモデル
ポルシェ「911TURBO」はクーペの他にもカブリオレも展開している
「911」は、1964年誕生し半世紀以上も同一車名でリリースを続ける、世界的にみても稀有なスポーツカーで、ポルシェブランドのフラッグシップモデルにあたり、長い車歴の中で多数の派生車を誕生させている。
ポルシェ「911TURBO(992型)」は、動作性を引き上げるために大型ターボチャージャーに加えて、ピエゾインジェクターを初採用した
「911」は2018年に992型へと移行。911の派生モデルとして人気の高い「911TURBO」の同型モデルでは、回転数に応じてタービンの角度を変化させるVTG(可変タービンジオメトリー)をユニットに組み込んだ、水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載し、効率的な燃料噴射に寄与するピエゾインジェクターを装備させるなどして、求められるスポーティな走り徹底的に追及しているポルシェのハイパフォーマンスモデル。
エンジン | 水平対向6気筒ツインターボエンジン |
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最高出力 | 427kW(580PS) |
0-100Km/h加速 | 2.8秒 |
最高速度 | 320Km/h |
ツインターボは加速・走行性能を売りにしているスポーツカーとの相性が良く装備すればハイレスポンスでパワフルな刺激的な走りが実現される
ツインターボエンジンは、加速・走行性能をセールスポイントにしているスポーツカーに搭載されるケースが割合的に多く、車市場においては、圧倒的なパフォーマンスを実現しているスーパーカーが隆盛を誇っていた時代が変化し、環境性能の高さや安全性が求められ、SUVが世界的な人気車種になるにつれて、搭載する車種は減少してしまいました。
昨今の過給機ニーズにおいては、EUの厳しい排ガス規制をクリアするために欧州で誕生した、縮小化させたエンジンのパワーロスを補うために設置させるダウンサイジングターボが主流です。
時代的な流れもあり、今後ツインターボ車が増えていくのも難しいかもしれませんが、COBBYは今後も、圧倒的なポテンシャルを備え、刺激的な走りを体感させてくれるツインターボ車の動向に着目していきます。