レクサスRCとRC Fは2025年11月に生産終了 11年の歴史に幕
レクサスの2ドアクーペ「RC」「RC F」は、2025年11月をもって生産を終了しました。2014年10月の発売から約11年、フルモデルチェンジを受けることなく初代のまま一代限りでその役目を終えています。
最後を飾ったのは2025年1月16日に設定された特別仕様車Final Edition(ファイナルエディション)で、200台限定のRC F“Final Edition”はすでに完売。新車として手に入れる手段は残っておらず、現在は中古車市場のみが入手経路です。
さらに2026年3月にはフラッグシップクーペのLCも販売終了となり、レクサスのクーペは一旦ラインナップから姿を消す流れとなりました。ここではRCの最新状況から、これまでの改良・特別仕様車の歩みまでを順に整理します。
RC亡き後のレクサスクーペはどうなるのか LCも2026年に販売終了へ
RCとRC Fが去ったあと、レクサスのクーペはフラッグシップのLCだけが残る形になりました。しかしそのLCも、2026年3月上旬までに公式サイト上で「LC500h/LC500/LC500 Convertible」の販売終了が案内され、新規受注を締め切っています。生産そのものは2026年夏頃まで続くとされ、北米向けの案内では2026年8月末が最終とされました。これが確定すれば、RC F・LC500が積んできた5.0L V型8気筒自然吸気「2UR-GSE」型エンジンは市販レクサスから完全に姿を消すことになります。
RCの直接的な後継については、レクサスから公式なアナウンスは出ていません。もっとも、RCとLCを統合した新しいFRクーペを2027年頃に投入するという見方が業界内では強まっており、3.5L V型6気筒のハイブリッドを主軸に、将来的にはBEVも加えるという観測がささやかれています。加えて、LFAの後継と目されるスーパーカー「LFR」のコンセプトがジャパンモビリティショー2025のブース中央に据えられたことも、レクサスがスポーツカーそのものを捨てたわけではない証拠と受け取れます。
ただし当編集部としては、RCと同じDセグメント2ドアクーペが同じ形で復活する可能性は低いと見ています。根拠は3点です。第一に、RCの11年間の累計が約7万9000台、年平均に均せば7000台程度と、専用ボディを起こして規制対応を続けるには荷が重い規模であること。第二に、日本国内の月販目標がRC 80台・RC F 30台という控えめな設定だったこと。第三に、衝突安全・排出ガス規制への対応コストが2ドアクーペには重くのしかかることです。復活があるとすれば、RC単独ではなくLCの器に統合された上級クーペとして、というのが現実的な線でしょう。
2025年11月に生産終了が完了 RC Fファイナルエディション200台は完売しレクサスから“F”が消滅
2025年1月に予告されたとおり、RCとRC Fの生産は2025年11月に終了しました。2014年10月23日の発売開始から数えて約11年、RCは62の国と地域で累計約7万9000台、RC Fは57の国と地域で累計約1万2000台を送り出しています。
最終仕様となったファイナルエディションのうち、200台限定のRC F“Final Edition”(1360万円)は早い段階で完売し、受注を終了しました。RC“Final Edition”についても、生産枠の消化にともなって新規の受注は締め切られています。
見落とされがちですが、これはレクサスにとって大きな節目でもあります。2007年のIS Fに始まった“F”の称号を掲げる市販モデルは、RC Fが最後の1台でした。RC Fの生産終了によって、現行ラインナップから“F”を名乗るモデルはいなくなっています。5.0L V8自然吸気(481ps/54.6kgm)に8速SPDSを組み合わせるという構成は、いまとなっては望んでも手に入らない贅沢な組み合わせになりました。中古市場でRC Fの相場が底堅く推移しているのも、この希少性を反映した動きと考えられます。
レクサスRCとRC F最後の特別仕様車Final Edition(ファイナルエディション)を2025年1月16日に発表
生産終了に合わせて設定されたFinal Edition RC Fは200台の限定販売
レクサスRCとRC Fの生産終了に伴い、最後の特別仕様車Final Edition(ファイナルエディション)が2025年1月16日に発表され、同日から発売されました。以降、RC・RC Fのパッケージはこのファイナルエディションのみとなっています。
RC“Final Edition”は“F SPORT”をベースとし、エクステリアにはスパッタリング塗装のENKEI製19インチアルミホイール、ブラック塗装とスモーク塗装を加飾したドアミラーなどを装着。
インテリアはウルトラスエードのシートを軸に、ブラック&フレアレッドの2トーンでコーディネートされています。ボディカラーには新規設定色のソニックイリジウムが加わり、RCは全9色から選べました。
レクサスRC Final Edition(ファイナルエディション)の装備
- ボディカラー9色
- スパッタリング塗装 ENKEI製19インチアルミホイール
- LEXUSロゴ入りレッドブレーキキャリパー
- ブラック塗装+スモーク塗装加飾 オート電動格納式ドアミラー
- インテリアカラー ブラック&フレアレッド
- カーボンオーナメントパネル
- フロントコンソール ネームプレート
- ウルトラスエード スポーツシート
- 運転席ポジションメモリー
- 運転席・助手席ヒーター&ベンチレーション機能付
- パドルシフト付ステアリング
- スエード調ファブリック メーターフード
- 専用オープニング 8インチTFT液晶式メーター
- プロジェクションカーテシイルミなど
一方のRC F“Final Edition”は、高精度チューニングを施したエンジンとリヤディファレンシャルを採用したのが最大の見どころです。回転バランスの最適化とフリクション低減を突き詰め、V8ならではの上質な回り方をさらに研ぎ澄ませています。
エクステリアはメタルスターグロスブラック塗装のBBS製19インチ軽量鍛造アルミホイールにレッドブレーキキャリパーを組み合わせ、ルーフ・フロントスポイラー・リヤディフューザー・格納式アクティブリヤウイングにカーボンを投入。
インテリアカラーはRC“Final Edition”と同じくブラック&フレアレッドでまとめられ、ボディカラーは全7色から選択できました。
価格はRC“Final Edition”が6,660,000円から7,670,000円、RC F“Final Edition”が13,600,000円。
なおRC F“Final Edition”は200台の限定販売で、すでに完売しています。
レクサスRC F Final Edition(ファイナルエディション)の装備
- 専用エンジンカバーバッジ付 高精度チューニングエンジン
- 高精度チューニングリヤディファレンシャルギヤ
- ボディカラー7色
- カーボンフロントスポイラー
- カーボン大型ロッカーフィン
- カーボンルーフ
- カーボンリヤディフューザー
- 格納式カーボンアクティブリヤウィング
- BBS製メタルスターグロスブラック塗装19インチ軽量鍛造アルミホイール
- レッドブレーキキャリパー
- ブラック塗装+スモーク塗装加飾オート電動格納式ドアミラー
- インテリアカラー ブラック&フレアレッド
- 専用オープニング アナログスピードメーター&大径センターメーター
- カーボンオーナメントパネル
- フロントコンソール ネームプレート
- ウルトラスエード ハイバックスポーツシート
- 運転席ポジションメモリー
- 運転席・助手席ヒーター&ベンチレーション機能付
- 8速パドルシフトステアリング
- メーターフード スエード調ファブリック
- Fマーク プロジェクションカーテシイルミ
- Final Editionスエード調ファブリック車検証ケース
RC FにEnthusiast(エンスージアスト)とEmotional Touring(エモーショナルツーリング)を各25台限定で抽選販売
RC Fエモーショナルツーリングは上質さと洗練を突き詰めた25台限定の特別モデル
レクサスはRC F“Performance Package”をベースとする特別仕様車Enthusiast(エンスージアスト)とEmotional Touring(エモーショナルツーリング)を、それぞれ25台限定で設定しました。 2023年10月5日(木)から10月18日(水)まで全国のレクサス店で抽選申し込みを受け付け、当選者には10月20日(金)以降に販売店から連絡が入り商談が始まる形式です。
RC F特別仕様車Enthusiast(エンスージアスト)の装備
- 高精度チューニングエンジン・リヤディファレンシャル採用
- 特別仕様車専用バッジ エンジンカバー
- 限定色チタニウムカーバイドグレー
- 特別仕様車専用オーナメント パワーウィンドウスイッチ
- プロジェクションカーテシイルミ標準設定
RC F特別仕様車Emotional Touring(エモーショナルツーリング)の装備
- 高精度チューニングエンジン・リヤディファレンシャルを採用
- 特別仕様車専用バッジ エンジンカバー
- 限定色チタニウムカーバイドグレー
- 特別仕様車専用オーナメント パワーウィンドウスイッチ
- プロジェクションカーテシイルミ標準設定
- ボディ同色 カーボンフード
- 格納式カーボンアクティブリヤウイング
走りの純度を高めたのがEnthusiast、そこに上質さと洗練を上乗せしたのがEmotional Touringという棲み分けで、後者はボディ同色のカーボンフードと格納式カーボンアクティブリヤウイングを特別装備します。両車とも新規の限定色チタニウムカーバイドグレーを選べ、エンジンカバーの専用バッジやプロジェクションカーテシイルミが標準となります。
価格はEnthusiast・Emotional Touringともに15,000,000円。ベースとなったRC F“Performance Package”の心臓は2UR-GSE型5.0L V8(481ps/7100rpm、54.6kgm/4800rpm)で、いま振り返れば、この2台がファイナルエディション前夜の“作り込み”の到達点でした。
RCとRC Fが2022年12月22日に一部改良を発表 ハブボルト締結の採用と安全装備の拡充
2022年の一部改良でRCとRC Fのホイール締結方法がハブボルト式に変更
レクサスは2022年12月22日にRCとRC Fの一部改良を発表し、2023年1月9日に発売しました(メーカー公式の区分は「マイナーチェンジ」ではなく「一部改良」です)。
内容はホイールの固定方法をナット式からハブボルト締結へ変更して操舵性能を高めたこと、アブソーバー特性やAVS・EPS制御の最適化、Lexus Safety System +の機能拡充、マルチメディアシステムへのタッチディスプレイ採用などです。
発表時点でRCは62の国と地域で累計約7万4000台、RC Fは57の国と地域で累計約1万1000台を販売していました。
2022年レクサスRC・RC Fの変更点
- ホイール締結方法をハブボルト式に変更
- アブソーバー特性やAVS・EPS制御を適正化
- マルチメディアシステムにタッチディスプレイ採用
- プリクラッシュセーフティの対応領域拡大
- レーントレーシングアシストの支援範囲拡大
- レーダークルーズコントロールにカーブ速度抑制機能を追加
- ロードサインアシスト追加
- ボディ剛性配分の最適化(RC F)
- 電動パーキング&オートブレーキホールド追加(RC F)
RC F側では電動パーキングブレーキとオートブレーキホールドを標準装備。RC・RC Fに共通する安全面では、プリクラッシュセーフティの検知領域を広げ、全車速追従機能付レーダークルーズコントロールにカーブ速度抑制機能を追加、ロードサインアシストも採用しています。
2023年1月9日発売時の価格はRCが5,814,000円から7,352,000円、RC Fが10,580,000円から14,550,000円でした。結果的に、これがRCにとって最後の商品改良となっています。
RC Fパフォーマンスパッケージへ内装色ブラック&アクセントブルーを追加する一部改良を実施
RC Fパフォーマンスパッケージに専用内装を追加するなどした一部改良を2021年9月2日に発表
RC Fパフォーマンスパッケージの一部改良が2021年9月2日に発表されました。
変更点は専用インテリアカラーにブラック&アクセントブルーを追加したことと、19インチ鍛造アルミホイールの意匠をマットブラックへ改めたことです。
RC Fパフォーマンスパッケージの一部改良内容
- 専用内装色ブラック&アクセントブルー フロントシート
- 専用内装色ブラック&アクセントブルー シートベルト
- 専用内装色ブラック&アクセントブルー ステアリングホイール
- 専用内装色ブラック&アクセントブルー メーターフード
- アルカンターラ ステアリングホイール
- アルカンターラ シフトノブ
- マットブラック塗装 19インチ鍛造アルミホイール
一部改良後の価格はRC Fが10,520,000円、RC Fカーボンエクステリアパッケージが11,320,000円、RC Fパフォーマンスパッケージが14,490,000円で、発売は2021年10月でした。
RCのFスポーツをベースにした特別仕様車Emotional Ash(エモーショナルアッシュ)を2020年10月28日発売
黒光輝塗装や銀墨素材を使ったRCの特別仕様車エモーショナルアッシュ
レクサスRCに、黒光輝塗装のスピンドルグリルが目を引く特別仕様車エモーショナルアッシュが設定されました。ベースはRC350、RC300h、RC300の各Fスポーツで、専用ホイールやマフラーカッターをブラックで統一し、ステアリングやオーナメントパネルはオープンフィニッシュと銀墨でまとめた落ち着いた仕立てです。
RC特別仕様車Emotional Ash(エモーショナルアッシュ)の装備
- 専用黒光輝塗装スピンドルグリル&漆黒メッキフレーム
- 三眼フルLEDヘッドランプ
- 専用ブラックスパッタリング塗装 19インチアルミホイール
- 専用ブラックメッキ マフラーカッター
- 専用ブラック塗装 ドアミラー
- 専用シルバーステッチ 本革スポーツシート
- 専用オープニング 8インチTFT液晶式メーター
- 専用アッシュ ディンプル本革ステアリング
- 専用アッシュ インストルメントパネル
- 専用アッシュ パワーウィンドウスイッチベース
スポーティな外観とは対照的に、内装には自然の風合いを生かした素材を採用。メーターのオープニング画面に「Emotional Ash」の文字が浮かび上がる演出も与えられていました。
価格はRC350 Emotional Ashが7,477,000円、RC300h Emotional Ashが6,917,000円、RC300 Emotional Ashが6,469,000円でした。
レクサスRCが安全装備やボディカラーを変更する一部改良を2020年9月に実施
2020年9月17日に一部改良を実施したRC
レクサスRCとRC Fは2020年9月17日に一部改良を実施しました。マーキュリーグレーマイカやスパークリングメテオメタリックを整理してソニッククロムを追加するボディカラーの見直し、Lexus Safety System +のアップグレード、電動パーキングブレーキとブレーキホールドの採用、ボディ剛性の向上などが主な内容です。
2020年の一部改良でRCとRC Fに追加されたボディカラー
- ソニッククロム(RCとRC Fに追加)
- セレスティアルブルーガラスフレーク(RCのみに追加)
エクステリアとインテリアの意匠変更はなく、事前には特別仕様車の追加をうかがわせる声もありましたが、この一部改良のタイミングでは特別仕様車は設定されませんでした。実際にはこの翌月、2020年10月にEmotional Ashが登場しています。
| グレード | 販売価格 |
|---|---|
| RC300 | 5,769,000円~ |
| RC300 Fスポーツ | 6,299,000円~ |
| RC300 バージョンL | 6,248,000円~ |
| RC300h | 6,217,000円~ |
| RC300h Fスポーツ | 6,747,000円~ |
| RC300h バージョンL | 6,696,000円~ |
| RC350 | 6,584,000円~ |
| RC350 Fスポーツ | 7,307,000円~ |
| RC350 バージョンL | 7,063,000円~ |
| RC F | 10,420,000円~ |
| RC F カーボンエクステリアパッケージ | 11,220,000円~ |
| RC F パフォーマンスパッケージ | 14,320,000円~ |
改良版レクサスRC Fの「トラックエディション」がシカゴモーターショーに出展
レクサスの米国部門は、2020年2月6日から開催されたシカゴモーターショー2020に、RC Fの「トラックエディション(日本名:パフォーマンスパッケージ)」を出展しました。サーキット走行を強く意識したグレードです。
RCは2018年秋に改良モデルが発売され、RC Fも2019年にデザインなどを刷新しています。レーシーな外観をまとった当時の新しいRC Fは、従来型から20kgの軽量化を達成。空力を磨き、足回りとパワートレインを鍛え直すことで走行性能を引き上げました。
北米仕様のRC Fは2UR-GSE型5.0L V型8気筒自然吸気を積み、最大出力472hp/7100rpm、最大トルク54.6kgm/4800rpmを発生します。
トラックエディションはルーフやエンジンフード、フロントスポイラーなどに炭素繊維強化樹脂を採用。専用アルミホイールやチタンマフラー、カーボンセラミックブレーキを組み合わせることで、先代比70kgの軽量化を実現しました。0~96km/h加速は3.96秒とされています。
レクサスRCが一部改良を実施してスマートフォンとの連携を強化
レクサスRCのエクステリア
レクサスは2ドアクーペのRCに一部改良を施し、2019年10月31日から発売しました。マルチメディアシステムの仕様向上が中心で、エクステリアとインテリアのデザインに大きな変化はありません。Apple CarPlayやAndroid Auto、SmartDeviceLinkに対応し、スマートフォンとの連携が一段と扱いやすくなりました。
RC Fがマイナーチェンジ 公道からサーキットまで楽しめる本格派へ
2019年5月のマイナーチェンジで追加されたRC Fパフォーマンスパッケージ
RCをベースに「公道からサーキットまで楽しめるスポーツモデル」として開発されたRC Fが、マイナーチェンジを受けました。
2019年1月のデトロイトモーターショーでワールドプレミアされ、北米で先行して販売が始まったのち、2019年5月13日に日本でも発売されています。
軽量化と空力設計の作り込みが柱で、車両重量は従来から約20kg軽くなりました。サーキットを視野に入れたFモデルにとって、この20kgはドライブフィールに直結する重要な要素です。
北米で先に公開されたハイパフォーマンス版のトラックエディションは、日本ではパフォーマンスパッケージという名称に改められてラインナップに加わりました。
RC Fパフォーマンスパッケージはカーボン素材を多用したレーシーなスタイル
リヤウイングやボンネットにカーボンを用い、足回りには専用のカーボンセラミックブレーキとレッドブレーキキャリパー、専用アルミホイールを組み合わせた特別感の強いグレードです。
RC F パフォーマンスパッケージの特別装備
- カーボンフロントスポイラー
- カーボンリヤウィング
- カーボン大型ロッカーフィン
- カーボンエクステリアパーツ
- マットブラック塗装 軽量鍛造アルミホイール
- チタンマフラー
- カーボンパーテーションブレース
- カーボンセラミックブレーキ
- 専用レッドブレーキキャリパー
最高出力は477psから481psへ、最大トルクは54.0kgmから54.6kgmへ向上。燃費もJC08モードで8.2km/Lから8.5km/Lへ改善しました。
ボディカラーに新色の追加はなく、マイナーチェンジ前に設定されていた「ラヴァオレンジマイカ」と「マーキュリーグレーマイカ」が整理されています。
RC Fが北米で発売 現地価格は約7,220,000円 日本発売は2019年5月13日
2018年12月7日に公開されたRC Fのティザー画像 カーボン素材のエアウイングが精悍な走りを予感させる
改良版のRC Fは、2019年1月14日から北米で開催されたデトロイトモーターショー2019で世界初公開されました。公開されたのはスポーツ性能を一段と引き上げたRC Fと、レクサスが発表前から示唆していたRC Fトラックエディションの2台で、RC譲りの三眼ヘッドライトやメッシュグリルを受け継いでいます。
デトロイトモーターショー2019ではRC FとRC Fトラックエディションが公開された
V型8気筒5.0Lは従来型を上回る472hpを発揮し、0-96km/h加速は3.96秒と、従来から約0.4秒短縮しました。北米での発売は2019年4月、日本は2019年5月です。
スポーツモデルでも手を抜かないレクサスらしい高い質感のインテリア
RC Fの北米価格は6万4750ドル(当時のレートで約7,220,000円)。従来の日本仕様が9,824,000円だったため一見すると割安に映りましたが、これはベースモデルの価格であり、主要装備を標準化する日本仕様は北米価格を上回ると当時予想していました。
結果はその通りで、日本仕様のRC Fはその後も1,000万円超の価格帯で推移し、2021年の一部改良後には10,520,000円となっています。北米のベース価格をそのまま日本に当てはめる読み方は成立しなかった、というのが答え合わせです。
2018年8月30日にRCが世界初公開されプロトタイプのRC300hがレクサスグローバルニュースに登場
レクサスが公開したRC RC300hのプロトタイプ
2014年10月に登場したスポーツクーペのRCは、V型6気筒3.5LのRC350、ハイブリッドのRC300h、2.0LターボのRC300という3本立てでした。2017年11月の一部改良を経て、2018年10月31日にマイナーチェンジを実施しています。
このマイナーチェンジでは、上位モデルLCのデザイン文法を取り込み、スポーティさとエレガンスを両立させました。見た目だけでなく、サイドウィンドウモールのフィン形状化やリヤバンパーへのダクト追加、Fスポーツ用の新デザイン19インチアルミホイールとグリップの高いタイヤなど、走りに関わる部分にも手が入っています。
2018年マイナーチェンジでのレクサスRCの変更点
- 新しいメッシュパターンのスピンドルグリル
- 縦型3連LEDヘッドランプとL字LEDクリアランスランプの採用
- リヤバンパーへのエアダクト追加
- リヤコンビネーションランプのデザイン変更
- 新規設定ボディカラーを2色追加して全11色のカラーバリエーション
- FスポーツにLS・LCのデザインを採用した19インチアルミホイール
- レクサスLCと共通のアナログクロック
- オーナメントパネルにダークグレーヘアラインなどを追加し5種類展開に
- インテリアカラーにブラック&アクセントマスタードイエローなどを追加して全7色へ
- 改良型ショックアブソーバーと高剛性のブッシュを採用
- 2.0Lターボエンジンのアクセルレスポンス向上
挙げていけばきりがないほど手を入れられたRCですが、日本での発売日は2018年10月31日でした。
ボディカラーには新規設定色2色を追加してFスポーツのスポーティさをより際立たせるラインナップに
2018年のマイナーチェンジで追加されたボディカラーのネープルスイエローコントラストレイヤリング
レクサスRCには「ネープルスイエローコントラストレイヤリング」と「スパークリングメテオメタリック」の2色が加わり、全11色展開となりました。マイナーチェンジ前は全10色で、「プラチナムシルバーメタリック」が廃止されています。
マイナーチェンジ後のレクサスRCのボディカラー
- ソニッククォーツ(Fスポーツ以外に設定)
- マーキュリーグレーマイカ
- ソニックチタニウム
- ブラック
- グラファイトブラックガラスフレーク
- スパークリングメテオメタリック(新色)
- ラディアントレッドコントラストレイヤリング(オプション162,000円高)
- ホワイトノーヴァガラスフレーク(Fスポーツ専用色)
- ラヴァオレンジクリスタルシャイン(Fスポーツ専用色)
- ネープルスイエローコントラストレイヤリング(新色・Fスポーツ専用色・オプション
162,000円高) - ヒートブルーコントラストレイヤリング(Fスポーツ専用色・オプション162,000円高)
ソニッククォーツ(Fスポーツ以外に設定)
マーキュリーグレーマイカ
ソニックチタニウム
ブラック
グラファイトブラックガラスフレーク
スパークリングメテオメタリック(新色)
ラディアントレッドコントラストレイヤリング(オプション162,000円高)
ホワイトノーヴァガラスフレーク(Fスポーツ専用色)
ラヴァオレンジクリスタルシャイン(Fスポーツ専用色)
ネープルスイエローコントラストレイヤリング(新色・Fスポーツ専用色・オプション162,000円高)
ヒートブルーコントラストレイヤリング(Fスポーツ専用色・オプション162,000円高)
Fスポーツ専用のヒートブルーコントラストレイヤリングや新色ネープルスイエローコントラストレイヤリング、全グレードで選べたオプションカラーのラディアントレッドコントラストレイヤリングは、スポーティなRCの佇まいと相性の良い色でした。
RCには縦型3連LEDヘッドランプとL字のクリアランスランプが装着されアグレッシブな顔立ちに
2018年のマイナーチェンジでRCは縦の3連LEDヘッドライトに変更された
2018年10月31日にマイナーチェンジしたRCは、ヘッドランプユニットを新デザインに改め、より攻撃的な表情を手に入れました。従来はSUVのNXに近い三角配置のLEDヘッドライトと分離したL字クリアランスランプでしたが、新デザインでは外側に縦3連のLEDヘッドランプを置き、目頭にL字ランプを組み込んでいます。
ヘッドライトとクリアランスランプの間の光源はウインカーで、ヘッドライト下にはヘッドライトクリーナーを配置。泥はねなどで汚れても光量を取り戻せる構成です。
RCのインテリアはオーカーの新設定やニーパッドの大型化でラグジュアリーさと快適性を両立
スポーツカーのインテリアらしい伸びやかなコックピット
ニーパッドの大型化により快適性が高まると同時に、膝で車体を押さえつけて踏ん張る場面でも痛みを感じにくくなっています。センターコンソールに収まるアナログクロックはLCのデザインを受け継いだ黒い盤面で、上質な雰囲気を添えていました。
インパクトのある「ブラック&アクセントマスタードイエロー」の配色
インテリアカラーにはオーカーを新設定したほか、シートの肩口から座面のエッジにマスタードイエローを効かせた「ブラック&アクセントマスタードイエロー」を追加。Fスポーツ専用色を含めて全8色の設定でした。
マイナーチェンジ後のRCのインテリアカラー
- ブラック
- ダークローズ
- オーカー
- クローブ
- ホワイト(Fスポーツ専用色)
- ブラック(Fスポーツ専用色)
- フレアレッド(Fスポーツ専用色)
- ブラック&アクセントマスタードイエロー(Fスポーツ専用色)
ブラック
ダークローズ
オーカー
クローブ
ホワイト(Fスポーツ専用色)
ブラック(Fスポーツ専用色)
フレアレッド(Fスポーツ専用色)
ブラック&アクセントマスタードイエロー(Fスポーツ専用色)
Fスポーツ専用の「ブラック&アクセントマスタードイエロー」は、新色ボディカラー「ネープルスイエローコントラストレイヤリング」と響き合う内装色でした。マスタードイエローの効かせ方が控えめで、派手すぎない点が支持を集めています。
RCとRC Fのマイナーチェンジは2018年10月31日に実施された
レクサスRCのマイナーチェンジ時期については、当初「2018年冬以降」と読んでいましたが、実際には2018年10月31日に実施されました。
改良を受けたRC・RC Fは、2018年10月4日から10月15日まで開催されたパリモーターショー2018で世界初披露されています。
ショーで商品力を訴求してから日本発売へ、という流れは狙いどおりで、パリモーターショー2018での披露を経て2018年10月31日に日本発売という段取りになりました。
マイナーチェンジで登場したRCはレクサス「LC」の新世代エクステリアデザインを採用
2018年のマイナーチェンジで登場したRCは、2017年3月にレクサスの2ドアクーペのフラッグシップとして誕生したLCの新世代エクステリアデザインを取り込みました。
具体的にはスピンドルグリルのアンダー部をコンパクトにまとめ、ヘッドライトの造形を変えてアロー型のポジションランプと連動させ、フロントとリヤにエアダクトを設けるという手法です。
リヤビューでは、ターンシグナルランプを下方に移し、リヤコンビランプ外側のアンダーエリアに膨らみを持たせています。
LCの新世代デザインを取り入れたことで、国産では数少ない2ドアクーペにふさわしい伸びやかなスポーティスタイルが完成しました。いま中古車として眺めても古びて見えないのは、この時のデザイン刷新が効いているからです。
インテリアは大きく変わらないと見ていたが、実際はインテリアカラーが追加され質感も向上した
2018年のマイナーチェンジでは、インテリアに大きな変更はないと予想していました。ふたを開けてみるとインテリアカラーの新規設定、アナログクロックの変更、オーナメントパネルの質感向上などが行われ、予想は良い意味で外れています。
一方、ワイドなナビディスプレイの採用は最後まで実現せず、マルチメディアシステムの刷新は2022年12月の一部改良でタッチディスプレイが採用されるまで待つことになりました。ここはRCが長寿モデルゆえに抱え続けた弱点だったといえます。
マイナーチェンジで「Lexus Safety System+」の中身は強化された
2017年11月の一部改良でRCは、歩行者にも対応する「プリクラッシュセーフティ」「レーンディパーチャーアラート」「オートマチックハイビーム」「レーダークルーズコントロール」の4つをパッケージ化したLexus Safety System+を標準装備しました。
2018年10月31日に登場したRCでは、これら4つの機能をアップデートし、ロードサインアシストやパノラミックビューモニターといった装備も加えて安全性能を底上げしています。さらに2022年12月の一部改良ではプリクラッシュセーフティの対応領域拡大やレーントレーシングアシストの支援範囲拡大が実施され、最終型では当時としては十分な水準に達しました。
RC・RC FはWLTCモードを燃費測定方法として採用
2018年以降のRC・RC Fは、燃費測定方法としてWLTCモードを採用しています。従来のJC08モードは一つの値のみを示す日本独自の測定法でした。
WLTCモードは「市街地」「郊外」「高速道路」それぞれの走行を数値化する国際基準の測定法で、日本でも採用車が広がりました。グローバルで事業を展開するレクサスは、以降のモデルでWLTCモードの表記を標準化しています。最終型RC Fの燃費はWLTCモードで8.5km/Lでした。
高性能モデル「RC F GT」の市販化がささやかれたが、実現しないままRC Fは生産終了
2018年から2019年にかけてのRC Fの改良では、リヤウイングのワイド化、シャープなヘッドライト、チタン製マフラーの採用、エンジン出力の向上といった内容が実施されました。

当時は、RC Fをベースに回転数と出力をさらに引き上げた高性能モデル「RC F GT」が市販化されるという噂もささやかれていました。しかしその後レクサスから公式な発表は一度もなく、話が出てから7年以上が経過した現在も市販化されないまま、ベースとなるRC Fごと2025年11月に生産を終えています。
結果として、RC Fの頂点に位置づけられたのは「RC F GT」ではなく、パフォーマンスパッケージを起点に高精度チューニングエンジンを与えられたEnthusiast/Emotional Touring、そして200台限定のFinal Editionでした。RC Fに求められていた“最後の一段”は、ニュルブルクリンク的な過激さではなく、職人的な作り込みによって示された、と当編集部では見ています。
2017年11月30日に一部改良したレクサスRCの内容
2017年11月30日にレクサスRCが一部改良を受け、同日から販売が始まりました。同時にFスポーツをベースとする特別仕様車「Fスポーツ プレミアムブラック」が設定されています。
RCはレクサスのクーペ専用車として開発され、スポーティなデザインと走行性能でレクサスの「エモーショナルな走り」を体現したモデルでした。
ここでは当時の内外装の変更点、目玉となったLexus Safety System+の標準搭載、そして特別仕様車について解説します。
2017年の一部改良の注目点は予防安全システムの標準装備
2017年11月30日の一部改良における最大の変更点は、レクサスの予防安全システム「Lexus Safety System +」が標準装備されたことです。
Lexus Safety System +の主な機能は次の4点です。
プリクラッシュセーフティ
近づく歩行者や車両を検知して自動ブレーキを作動させる予防安全システムです。
レーンディパーチャーアラート
車線逸脱を単眼カメラで監視し、逸脱した際はステアリング制御で元の車線に戻します。
オートマチックハイビーム
夜間の視認性を確保するため、前方車両を検知してハイビームとロービームを自動で切り替えるシステムです。
レーダークルーズコントロール
設定速度を保ちつつ、前方車両を検知した場合はブレーキ制御を行い、車間距離を一定に保ちながら追従走行します。
新たなボディカラーを追加

2017年の一部改良ではエクステリアの意匠変更はありませんでした。
レクサスを象徴するスピンドルグリルは、流麗な2ドアクーペのボディにふさわしい存在感を放っています。


意匠変更はないものの新色のネープルスイエローコントラストレイヤリングが追加されました。RCはボディカラー7色、Fスポーツは専用色3色と新色を含めた8色という展開です。
2017年の一部改良で追加された新色ネープルスイエローコントラストレイヤリング
2017年一部改良のインテリアの変更点は10.3インチに大型化したナビディスプレイ

ナビディスプレイが10.3インチへ大型化し、視認性と使い勝手が大きく向上しました。
一方でシートやインパネ、ドアトリムは従来のままです。もともと完成度の高い内装だったため、大幅な変更は必要とされませんでした。
内装色はクローブ、ムーンストーン、トパーズブラウン、ブラック、Fスポーツ専用ダークローズの5色展開です。
クローブの内装色
ムーンストーンの内装色
トパーズブラウンの内装色
ブラックの内装色
Fスポーツ専用ダークローズの内装色
3.5L V型6気筒のパワートレインを追加
パワートレインでは、RC350に3.5L 2GR-FKS型の新エンジンが搭載されました。V型6気筒自然吸気の新エンジンは力強さと爽快感を保ったまま燃費を改善しています。
また、ターボモデルの名称はRC200tからRC300へ改められました。
特別仕様車 Fスポーツ プレミアムブラックを設定

一部改良に合わせてRCのFスポーツへ特別仕様車のプレミアムブラックが設定されました。
ボディカラーはグラファイトブラックガラスフレークを採用し、内装はブラック&オレンジの専用カラー。
スピンドルグリルのフレームや19インチアルミホイール、ウインドウモールにもブラックを配した仕立てです。
特別仕様車Fスポーツ プレミアムブラックの特別装備
- 専用内装色ブラック&オレンジステッチ
- 専用スピンドルグリル
- 専用ウインドウモール
- 専用マットクリア塗装アルミホイール&ブラックナット
- 専用墨本杢+ディンプル本革ステアリング
- 専用墨本杢調オーナメントパネル
- 三眼フルLEDヘッドランプ&LEDフロントターンシグナルランプ
当時のRC 350 Fスポーツが6,902,000円~、RC 350 Fスポーツ プレミアムブラックが7,080,000円~で、価格差は178,000円でした。
Fスポーツ プレミアムブラックは専用装備が充実し、通常のFスポーツとうまく差別化された満足度の高い特別仕様車です。
2017年一部改良後のレクサスRCの価格とグレード構成

当時のレクサスRCは、2.0L 直列4気筒ターボの「RC300」、2.5L 直列4気筒+THS IIの「RC300h」、3.5L V型6気筒の「RC350」という3本柱に、それぞれ「バージョンL」と「Fスポーツ」を設定した9グレードが基本でした。
ここにRC Fのベースグレードとカーボンエクステリアパッケージ、特別仕様車Fスポーツ プレミアムブラックが加わり、合計14グレードという構成です。なお、ここに挙げた価格はいずれも2017年当時のもので、最終型(2023年1月発売)ではRCが5,814,000円から、RC Fが10,580,000円からと、大きく水準が上がっています。

アヴァンギャルド・クーペをテーマにしたレクサスRCのモデルチェンジ遍歴
RCは、トヨタの高級車ブランドであるレクサスが手がけた高級2ドアクーペです。レクサスのクーペとしてはSC以来の登場で、張り出したフェンダーによるワイド&ローのフロントビューが持ち味でした。
レクサスRC ASC10/AVC10/GSC10型(2014年~2025年)
2014年10月に発売されたレクサスRCには、ガソリンモデルの「RC350」、ハイブリッドの「RC300h」が用意され、同時に「RC F」も登場しました。
2015年9月、「RC」「RC F」の一部改良とあわせて、ターボエンジンを積む「RC200t」が追加設定されます。2016年8月にも一部改良が実施されました。
2017年11月30日、一部改良でターボモデルの「RC200t」を「RC300」に改称。同時に特別仕様車「F SPORT Prime Black」を発売しています。
2018年2月1日、“F”誕生10周年を記念したRC Fの特別仕様車「F 10th Anniversary」が先着順で予約受付を開始(35台限定・1700万円、発売は5月)。同年10月31日には「RC」がマイナーチェンジを受け、フロントマスクの刷新やボディカラーの追加が行われました。
2019年5月13日、「RC F」がマイナーチェンジ。約20kgの軽量化と最高出力481psへの引き上げが図られています。同年10月31日には一部改良でApple CarPlayなどに対応しました。
2020年9月17日、一部改良でLexus Safety System +を強化。同年10月28日にはRCの特別仕様車「Emotional Ash」を発売しました。
2021年9月2日、RC F“Performance package”の一部改良を発表(発売は同年10月)。
2022年12月22日、「RC」「RC F」の一部改良を発表し、2023年1月9日に発売。ハブボルト締結の採用とタッチディスプレイ化が行われ、これが最後の商品改良となりました。
2023年10月5日、「RC F」の特別仕様車「Enthusiast」「Emotional Touring」を発表。各25台の限定・抽選販売で、価格はいずれも1500万円です。
2025年1月16日、生産終了の予告とともに最終特別仕様車「Final Edition」を設定(RCが6,660,000円~7,670,000円、RC Fが13,600,000円・200台限定)。
そして2025年11月、RCとRC Fは生産を終了しました。フルモデルチェンジを受けることなく、初代のまま約11年でその歴史を閉じています。
| レクサスRCのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| ASC10/AVC10/GSC10型(初代・唯一の世代) | 2014年10月~2025年11月(生産終了) |





























