W型エンジンの車

W型エンジンとは?アウディやベントレーなど搭載車種まとめ

W型エンジンを搭載している車種とスペックを紹介!W8エンジンやW12エンジン、市販車最高クラスのW16エンジンなど、フォルクスワーゲングループはW型エンジンにこだわっている。今後はハイブリッドシステムを搭載するなど燃費向上も予想される技術。

W型エンジンとは?アウディやベントレーなど搭載車種まとめ

W型エンジンとは?外車に搭載されている大排気量エンジン

W型エンジンとはV型エンジンを2つ組み合わせて作った4バング型、シリンダーを3つ装備してWの形に配置した3バング型があり、現在の主流は4バング型のWエンジンです。

採用しているメーカーはフォルクスワーゲンのみで、2018年では特許を持っているのでフォルクスワーゲングループの車両にしか使われていません。そこで、W型エンジンの種類や搭載している車種をチェックしていきましょう。

W型エンジンを搭載した車両は市販車とは思えない排気量を持つエンジンを搭載したモデルがあるなど、面白い発見があります。

4バングW型エンジンとは、フォルクスワーゲンが開発したエンジン

W型エンジンの参考画像ドイツのフォルクスワーゲンがW型エンジンを開発

4バング型のW型エンジンは、フォルクスワーゲンが開発したエンジンで、W8エンジン、W12エンジン、W16エンジンの3種類あります。

搭載している車種はフォルクスワーゲン、アウディ、ベントレー、ブガッティの4種類で、2018年の時点で新車購入できる車種と、中古車しかない車種があります。

W型エンジンのメリットは全長が短く16気筒などの多気筒も可能な点

W型エンジンのメリットは、1本のクラウンシャフトに4バンクのシリンダーを配置できるため、V型エンジンに比べてエンジン全体の全長を短縮できます。

例えば、ブガッティ・シロンには最高出力1000馬力を超す8.0LのW型16気筒エンジンが搭載されていますが、こうしたV型では通常困難な多気筒を実現できるのもW型エンジンの特長です。

W型エンジンのデメリットは構造が複雑で搭載する車を選ぶこと

W型エンジンのデメリットとしては、部品数が多く構造が複雑な点が1番に挙げられるでしょう。V型エンジンに比べて多気筒でも全長は短縮できますが、代わりに横幅が必要なため、コンパクトカーなどへの採用は難しく、整備性もよくありません。

基本的にはW型エンジンは、スーパーカーや高級サルーンなどの高性能車に採用されます。W型エンジンを搭載していることそのものが一種のステータスです。

W型エンジン搭載の車種は?スーパーカーやラグジュアリーカーへの採用例が多数!

フォルクスワーゲングループの車両で、W型エンジンを搭載しているモデルの型式やエンジンスペックなどをチェックしてみましょう。

W型8気筒のW8エンジンを搭載するパサート(B5.5・終売)/フォルクスワーゲン

パサートのエクステリアパサートは5代目後期型でW型エンジンを搭載 排気量は4.0Lのパワフルなエンジン

フォルクスワーゲンのパサートには、2001年にマイナーチェンジして誕生したB5.5と呼ばれるモデルに、W8エンジンが搭載されていました。モデル名は「W8 4モーション」で、排気量は4.0L、最高出力は202kW、最大トルクは370Nmです。

パサートにW8エンジンが搭載されたのは5代目後期型のみで、以降はV6エンジンや直4ターボエンジンが搭載されています。

パサート(B5.5)搭載のW8エンジンスペック
型式 BDN
種類 W型8気筒
排気量 3,998cc
最高出力 202kW/6,000rpm
最大トルク 370Nm/2,750rpm
燃費 6.8km/L

W型12気筒のW12エンジンを搭載するトゥアレグ(終売)/フォルクスワーゲン

トゥアレグのエクステリア初代トゥアレグに設定されていたW型エンジン 現在はV型エンジンを採用

2002年から2010年まで発売されていたフォルクスワーゲンのSUVである初代トゥアレグには、世界500台限定でW12エンジンを搭載した「W12 SPORT」が発売されていました。現在の2代目トゥアレグには設定されていません。

搭載しているエンジンは「BJN」型のW型12気筒エンジンで、排気量は5,998cc、最高出力は330kW、最大トルクは600Nmです。燃費は10・15モードで5.9km/Lを記録しています。

トゥアレグW12スポーツ搭載のW12エンジンスペック
型式 BJN
種類 W型12気筒
排気量 5,998cc
最高出力 330kW/6,000rpm
最大トルク 600Nm/3,300rpm
燃費 5.9km/L(10・15モード)

日本未発売のフォルクスワーゲン「フェートン」もW型12気筒のW12エンジンを搭載

フェートンのエクステリア欧州専売モデルのフェートン 大排気量のラグジュアリーサルーン

フォルクスワーゲンのラグジュアリーサルーンであるフェートンは、2002年から2016年まで販売されていた車種で、日本では発売されておらず欧州のみのモデルになっています。2010年にはマイナーチェンジを行い後期型へモデルチェンジし、前期から後期を通してW12エンジンは搭載されています。

フェートンに搭載されているエンジンは、トゥアレグ W12と同様で排気量は6,050cc、最高出力は331kW、最大トルクは560Nmを発生させます。

フェートン搭載W12エンジンスペック
型式 BJN
種類 W型12気筒
排気量 6,050cc
最高出力 331kW/6,000rpm
最大トルク 560Nm/2,750~5,200rpm
燃費

アウディのモンスターマシンA8もW型12気筒のW12エンジンを搭載

A8のエクステリアアウディA8のW型エンジンは最高出力368kWのモンスターエンジン

2010年11月から発売されているアウディのフラッグシップモデルである「A8」には、「L W12クワトロ」と呼ばれるグレードが2011年6月から追加され、W12エンジンを搭載しています。W型12気筒エンジンを搭載しているモデルはロング仕様で全長は5,275mmになっています。

W12クワトロに搭載されているエンジンは、排気量6,298cc、最高出力368kW、最大トルク625Nm、燃費は8.9km/Lを記録しています。

アウディA8搭載のW12エンジンスペック
型式 CTN
種類 W型12気筒
排気量 6,298cc
最高出力 368kW/6,200rpm
最大トルク 625Nm/4,750rpm
燃費 8.9km/L

イギリスのW型12気筒のW12エンジンを搭載するモデルはベントレーのコンチネンタルGT

コンチネンタルGTのエクステリア初代モデルから続くW型12気筒エンジンを搭載

イギリスの高級車メーカーであるベントレーが販売する「コンチネンタルGT」は、2011年に2代目が発表され初代から引き続きW12エンジンが搭載されています。

コンチネンタルGTに搭載されているエンジンは、「ツインターボチャージド W12 TSI」と呼ばれるもので、排気量は5,950cc、過給機には2パラレルツインスクロールターボが備わり、最高出力は467kW、最大トルクは900Nmを記録しています。

コンチネンタルGT搭載W12エンジンスペック
型式 W12 TSI
種類 W型12気筒
過給機 ツインスクロールターボ
排気量 5,950cc
最高出力 467kW/6,000rpm
最大トルク 900Nm/1,350~4,500rpm
燃費

市販車最速のブガッティ「ヴェイロン 16.4(終売)」は脅威のW型16気筒W16エンジンを搭載

ヴェイロン 16.4のエクステリア市販車最高額のヴェイロン 走行性能も世界最高水準

ブガッティが販売していたスーパーカー「ヴェイロン」は、2005年から2015年まで製造していたモデルで、価格は1億6,300万円で、購入するにはただ単に購入できるお金があるだけではなく、継続的に維持できる収入があるのか、社会的な地位なども見られると言われています。

搭載しているエンジンはW型16気筒で、排気量は8.0L、過給機はクアッドターボ(4基)、最高出力は736kW、最大トルクは1,250Nmと、市販車とは思えないスペックがあります。

ヴェイロン 16.4搭載のW16エンジンスペック
型式
種類 W型16気筒
過給機 クアッドターボ
排気量 8.0L
最高出力 736kW/6,000rpm
最大トルク 1,250Nm/2,200~5,500rpm
燃費 0.8km/L(トップスピード時)

W型16気筒W16エンジンを継承するヴェイロンの後継モデル「シロン」

シロンのエクステリアヴェイロンの後継モデル シロンにもスペックアップしたW型エンジンを採用

ブガッティが販売する「シロン」は、ヴェイロン16.4の後継モデルで、搭載しているエンジンは同様のものですが、最高出力やトルクが大幅にアップしています。販売価格は260万USドルとなっていて、1億6,300万円もするヴェイロンの倍になっています。

搭載エンジンであるW16クアッドターボの排気量は8.0Lと変わりませんが、最高出力は1,103kW、最大トルクは1,600Nmを記録しています。

シロン搭載のW16エンジンスペック
型式
種類 W型16気筒
過給機 クアッドターボ
排気量 8.0L
最高出力 1,103kW/6,700rpm
最大トルク 1,600Nm/2,000~6,000rpm
燃費

W型エンジンはスーパーカーに採用が多いエンジン

W型エンジンの車

W型エンジンは、V8エンジンを2つ繋げるなど開発コストがかかっていることが多く、価格が1,000万円を超えるモデルなどフラッグシップの最上級モデルやスーパーカーに搭載されることが多いです。

W型エンジンはフォルクスワーゲンが開発し特許を持っているエンジンなので、同じ形式のものはフォルクスワーゲングループの車に搭載されています。初代トゥアレグや日本では発売されていないフェートンなど、終売モデルは多いですが、アウディ A8など2018年の時点で新車購入できる車種もあります。
アウディA8やコンチネンタルGTなどに搭載されているパワフルで余裕のあるW型エンジンの魅力に触れてみてください。