テンロクとは?1.6Lエンジン搭載の名車一覧と流行した理由・衰退した原因を解説
「テンロク」とは、総排気量1,600㏄(1.6L)クラスのエンジンを搭載する車の通称です。1980〜1990年代にかけて、シビックやカローラレビンをはじめとする各メーカーのテンロク車が全日本ツーリングカー選手権や全日本ラリー選手権で活躍し、当時の若者たちを走りで魅了しました。
この記事では、テンロク車がヒットした背景と衰退した原因を解説したうえで、三菱ミラージュ・マツダファミリアなど各メーカーのテンロク代表モデルをスペック付きで一覧紹介します。
テンロク車がヒットした理由|モータースポーツでの活躍と手頃な価格が若者を惹きつけた
競技車両が全日本ツーリングカー選手権で大活躍した「シビック」は、ライバル車と競い合いながらエンジン技術を磨いて、歴代モデルで数多くのテンロク車をラインナップしてきた
1980〜1990年代、1,600㏄クラスのエンジンを搭載したスポーティなコンパクトカーは、各自動車メーカーが競い合うように開発を進め、若者を中心に絶大な支持を集めました。
テンロク車が流行した直接的なきっかけは、1985年に始まった全日本ツーリングカー選手権(JTC)グループAに1,600㏄以下のクラスが設けられたことです。レースでの好成績を狙う各メーカーは排気量上限に近い1,600㏄の高性能エンジンを開発し、そのまま市販車へ投入しました。ホンダ シビックとトヨタ カローラレビンは市販車・競技車両の両面でライバルとして激しく競い合い、そのバトルが話題を集めました。
技術的な背景も後押ししました。エンジンは1気筒あたり約400㏄が燃焼効率の面で理想とされており、4気筒で400㏄の4倍にあたる1,600㏄は、ハイパフォーマンスを実現しやすい排気量でした。加えて、バブル景気で開発費が潤沢だった時代に誕生した各モデルは、若者でも手が届きやすい価格に設定されており、走りの刺激を求める幅広い世代から支持されました。
テンロク車が衰退した理由|技術革新・環境規制・自動車税の三重苦
環境性能の重視とエンジンのダウンサイジングが世界的なトレンドとなった2000年代以降、テンロク車は急速にラインナップから姿を消していきました。衰退の主な原因は次の3点です。
第一に、エンジン技術の進化により1,500㏄クラスでもテンロクと同等の高出力を実現できるようになったことです。あえて1,600㏄を選ぶ技術的優位性が薄れました。第二に、排ガス・燃費規制の強化により、走行性能より環境性能の高さが求められるようになり、ハイブリッドシステムとの組み合わせが主流となっていきました。第三に、日本の自動車税の区分の問題があります。1,600㏄エンジンは「1.5L超〜2.0L以下」の区分に分類され、「1.0L超〜1.5L以下」の車両より年間数千円高くなります。技術的な優位性が失われたなかで税負担の差が続いたことで、コンパクトカーの主流は1.5L以下へとシフトしました。
| 区分 | 総排気量 | 新車登録時期別の税額 | |
|---|---|---|---|
| 2019年9月30日以前 | 2019年10月1日以降 | ||
| 軽自動車(自家用) | 一律 | 10,800円〜 | 10,800円〜 |
| 乗用車(自家用) | 1L以下 | 29,500円〜 | 25,000円〜 |
| 1L超〜1.5L以下 | 34,500円〜 | 30,500円〜 | |
| 1.5L超〜2.0L以下 | 39,500円〜 | 36,000円〜 | |
| 2.0L超〜2.5L以下 | 45,000円〜 | 43,500円〜 | |
| 2.5L超〜3.0L以下 | 51,000円〜 | 50,000円〜 | |
| 3.0L超〜3.5L以下 | 58,000円〜 | 57,000円〜 | |
テンロク車一覧|1600㏄クラスのエンジンを搭載した名車をスペック付きで紹介
1980〜1990年代を中心に各メーカーが展開したテンロク代表モデルを、スペックとともに紹介します。
ホンダ「シビック」|全日本ツーリングカー選手権で活躍しテンロクエンジン技術を牽引したホンダの代表モデル
シビックは3代目・4代目・5代目・6代目・欧州仕様の9代目がテンロクモデルを展開していた
1972年に初代モデルが誕生した「CIVIC(シビック)」は、3代目(AG/AH/AJ/AK/AT型)・4代目(EF型)・5代目(EG型)・6代目(EK型)・欧州仕様の9代目(FK5/6型)でZC型・B16A型・B16B型などの1.6Lエンジンを搭載するテンロクグレードを展開しました。
1983年にフルモデルチェンジした3代目では、ZC型1.6L直列4気筒DOHCエンジンを搭載したスポーティグレード「Si」を新たに追加設定。競技車両が全日本ツーリングカー選手権で活躍し、走りのポテンシャルを証明しました。
4代目「シビック」のテンロクモデルはインテグラに搭載されていたエンジンを軽量化させたB16A型エンジンを搭載していた
1987年に誕生した4代目シビックは、インテグラ搭載のテンロクエンジンを軽量化・改良してB16A型とし、自然吸気で160馬力をクリアしたグレード「SiR」を展開。競技車両は全日本ツーリングカー選手権で圧倒的な好成績を収め、1.6Lクラスのスポーティモデルとして絶対的な地位を確立しました。
5代目シビックは新開発のVTEC‐Eを導入して環境性能を引きあげた
1991年に誕生した5代目シビックは、B16A型エンジンをさらに改良してマニュアル車で170PSを実現。四輪ダブルウィッシュボーンサスペンションの採用で乗り心地と運動性能を両立し、新開発VTEC-Eで環境性能も向上させています。ホンダのホットハッチとして国内外で高い知名度を誇るモデルです。
| エンジン | B16A 1.6L水冷直列4気筒横置DOHC VTEC+PGM-FI |
|---|---|
| 総排気量 | 1,595cc |
| 最高出力 | 170PS / 7,800rpm |
| 最大トルク | 16.0kgm / 7,300rpm |
| 最小回転半径 | 5.4m |
ホンダ「シビックタイプR(EK9型)」|テンロク最高出力185PSを誇るサーキット対応のハイパフォーマンスモデル
シビックタイプRは初代(EK9型)が1.6Lエンジンを搭載するテンロクカーであった
1997年に6代目シビックのマイナーチェンジ時に追加設定された「シビックタイプR(EK9型)」は、現在に至る歴代シビックタイプRのなかで唯一のテンロクモデルです。レカロ製バケットシートやチャンピオンシップホワイトの専用ボディカラーを採用しています。
B16A型をベースに専用チューニングを施したB16B型エンジンを搭載し、当時のテンロクスポーツカー最高となる185PSを実現。足回りとボディ剛性を強化してサーキット走行にも対応した「テンロク最強モデル」との呼び声も高い1台です。
| エンジン | B16B 1.6L DOHC VTEC+PGM-FI |
|---|---|
| 総排気量 | 1,595cc |
| 最高出力 | 185PS / 8,200rpm |
| 最大トルク | 16.3kgm / 7,500rpm |
| 最小回転半径 | 5.4m |
ホンダ「インテグラ」|実用性と燃費性能を備えながらスポーティな走りを楽しめたテンロクモデルも展開
1985年に初代モデルが誕生し数々のテンロクカーを発売してきた「INTEGRA(インテグラ)」は、北米市場や中古車市場では販売を続けている
1985年に初代モデル(AV/DA1/2型)が誕生した「INTEGRA(インテグラ)」は、日本市場では2007年に4代目(DC5型)で販売終了するまでの間、3ドアクーペや4ドアセダンなど複数のボディタイプで数多くのテンロクモデルを展開しました。初代から3代目まではテンロクグレードを設定しており、3代目の4ドアタイプはZC型エンジン搭載により5人乗りの実用性と高燃費性能、スポーティな走りを高い次元で両立していました。
| エンジン | ZC型水冷直列4気筒横置 |
|---|---|
| 総排気量 | 1,590㏄ |
| 最高出力 | 120PS / 6,400rpm |
| 最大トルク | 14.7kg・m / 5,000rpm |
| 最小回転半径 | 5.4m |
ホンダ「CR-X」|3ドアファストバッククーペからオープンカーまで多彩なボディタイプでテンロクを展開
CR-Xは3代目(EG1/2/EJ4型)でオープンカーモデルのテンロク車もリリースしていた
シビックの姉妹車・バラードの派生として誕生したショートホイールベースのFFスポーツカー「CR-X」は、1983年から1999年にかけて3世代にわたり販売されました。初代の正式名称は「BALLADE SPORT CR-X」、2代目は「CR-X」、3代目は「CR-X delsol」と世代ごとに変化しながらも、各世代でテンロクグレードを設定していました。
1992年3月にリリースされた3代目「CR-X delsol」は2人乗りのオープンカーに刷新され、スイッチ操作でルーフをトランクに格納できる機構を採用。上級グレードSiRはB16A型エンジン搭載で最高出力170PSをクリアしています。中古車市場では、競技車両がモータースポーツで活躍した2代目の人気が特に高い傾向にあります。
| エンジン | B16A水冷直列4気筒横置 |
|---|---|
| 総排気量 | 1,595㏄ |
| 最高出力 | 170PS / 7,800rpm |
| 最大トルク | 16.0kgm / 7,300rpm |
トヨタ「カローラレビン」|シビックとのライバル関係がテンロク技術を進化させた大衆スポーツの名車
「カローラレビン」は初代・4代目・5代目・6代目・7代目でテンロクモデルを展開していた
「カローラレビン」は、トヨタ・カローラの2代目モデルに追加設定されたスポーティグレードです。姉妹車の「スプリンタートレノ」は大ヒット漫画『頭文字D』の主人公・藤原拓海の愛車として特に知名度が高く、現在も両車は中古市場で高い人気を誇ります。
カローラレビンは、初代(TE27型)・4代目(AE85/AE86型)・5代目(AE91/AE型)・6代目(AE100/AE101型)・7代目(AE110/AE111型)が1.6Lクラスのテンロクグレードを展開。なかでも「ハチロク」の愛称で親しまれる4代目(AE86型)は、新開発の4A-G型エンジンを搭載して16バルブ化を実現し、ラリーなどのモータースポーツでシビックと激しく競い合いながらテンロク技術を進化させました。
新開発の4A-G型エンジンを搭載した4代目「カローラレビン」はハチロクの通称で親しまれていた
カローラレビン
1991年に誕生した6代目(AE101型)は「ヒャクイチ」の愛称でも親しまれ、4A-GZE型エンジンにスーパーチャージャーを組み込んだ上級グレード「GT-Z」を展開。ボディサイズを拡大し各隅に丸みを持たせたデザインで熟成が図られました。
漫画・映画での再注目とクラシックカーとしての希少性も相まって、カローラレビン・スプリンタートレノともに、状態の良い個体は中古市場で数百万円を超える価格で取引されています。
| エンジン | 4A-GZE水冷直列4気筒DOHCスーパーチャージャー |
|---|---|
| 総排気量 | 1,587㏄ |
| 最高出力 | 145PS / 6,400rpm |
| 車両重量 | 1,070kg |
トヨタ「MR2(AW型)」|国産車初のミッドシップレイアウトを採用したテンロクスポーツカー
トヨタの「MR2」は初代(AW10/11型)でテンロクモデルをラインナップしていた
1984年にリリースされたトヨタ「MR2(AW10/11型)」は、国産車初のミッドシップレイアウトを採用したモデルです。コスト抑制のためE80型カローラの足回りやトランスミッションを流用しつつ、初代のみテンロクモデルをラインナップしました。
1986年のビッグマイナーチェンジではボディをスポーティに刷新し、4A-GZE型1.6Lスーパーチャージャー付エンジンを搭載する上級グレードを追加設定。ミッドシップならではの軽快なハンドリングを楽しめる希少な国産車として、現在も中古市場でテンロクモデルの希少性が高まっています。
| エンジン | 4A-GELU 直列4気筒DOHC |
|---|---|
| 総排気量 | 1,587㏄ |
| 最高出力 | 130PS / 6,600rpm |
| 車両重量 | 980kg |
日産「サニーRZ-1ツインカム NISMO」|専用サスペンション・エアロパーツを装備したNISMO仕様のテンロク特別仕様車
「サニーRZ-1ツインカム NISMO」は専用サスペンション・専用エアロパーツなどを装備する特別仕様車
「サニーRZ-1ツインカム NISMO」は、6代目サニー(B12型)の派生クーペモデルをベースに、NISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)が専用サスペンション・専用エアロパーツ・スポーツシートなどを装備した特別仕様車です。CA16DE型4バルブDOHCエンジンを高性能化し、走りのポテンシャルを引き上げたテンロク車として評価されています。
| エンジン | CA16DE型(直列4気筒・4バルブDOHC) |
|---|---|
| 総排気量 | 1,598㏄ |
| 最高出力 | 120PS / 6,400rpm |
| 最大トルク | 14.0kgm / 5,200rpm |
| 車両重量 | 1,050kg |
日産「パルサーセリエ VZ-R N1 Version2」|レーシング技術を投入しテンロクで200PSを達成した限定生産車
日産のレーシング技術を積極的に導入した「パルサーセリエ VZ-R Version2」は限定生産されたモデル
5代目パルサー(N15系)のハイパフォーマンスモデルとして登場したVZ-Rを進化させた「パルサーセリエ VZ-R N1 Version2」は、1998年10月に限定生産されました。フジツボ技研製専用マフラー・モノフォルムバケットシート・MONO製本革巻きスポーツステアリングを装備しています。
「パルサーセリエ VZ-R N1 Version2」には200PSをクリアするSR16VE(NEO VVL)エンジンが搭載されていた
当時の先端レーシング技術を投入して開発されたSR16VE(NEO VVL)エンジンは、2種類のカムを効率的に制御する可変バルブ機構により200PSを発揮。テンロクで200PSを達成した希少なモデルとして現在も注目されています。
| エンジン | SR16VE DOHC 水冷直列4気筒 |
|---|---|
| 総排気量 | 1,596㏄ |
| 最高出力 | 200PS / 7,800rpm |
| 最大トルク | 18.5kgm / 7,800rpm |
| 最小回転半径 | 5.2m |
日産「ノート NISMO S」|専用チューニングのテンロクと5速MTで操る喜びを追求したコンパクトカー
ノートは初代モデルと2代目モデルでテンロクを搭載する車両をラインナップしていた
日産ノートは2020年11月のフルモデルチェンジで全車がe-POWER(発電用1.2Lエンジン+モーター駆動)を採用する3代目(E13型)へ移行しました。テンロクモデルは初代(E11型)と2代目(E12型)に設定されており、2代目に追加された「ノートNISMO S」は専用チューニングのHR16DE型エンジンに5速MTを組み合わせ、ドライバー自身のテクニックでマシンを操る喜びを追求しました。
エンジン強化に加え、専用エアロパーツで走行安定性を向上させ、リアブレーキをドラム式からディスク式へ変更するなど走行性能全体を引き上げた完成度の高いテンロク車です。
| エンジン | HR16DE DOHC水冷直列4気筒 |
|---|---|
| 総排気量 | 1,597㏄ |
| 最高出力 | 140PS / 6,400rpm |
| 最大トルク | 16.6kgf・m / 4,800rpm |
| 最小回転半径 | 5.2m |
マツダ「ファミリア」|WRCラリー制覇を果たし国産初のフルタイム4WDテンロクターボも展開したマツダの主力車
マツダの主力車として市場を賑わせていた「ファミリア」は、6代目・7代目・8代目でテンロク車をラインナップしていた
マツダの主力車として40年近い車歴を刻み2004年に販売終了した「FAMILIA(ファミリア)」は、6代目〜8代目でB6型・B6-DE型などの1.6Lクラスエンジンを搭載するテンロクモデルを展開しました。競技車両がWRCラリー・モンテカルロで優勝を果たした6代目(BF型)では、1.6L直列4気筒DOHC 16バルブターボエンジンに国産車として初めてフルタイム4WDを組み合わせるグレードも設定し、走りの面でもオーナーの満足度を高めました。
| エンジン | B6-DE 直列4気筒DOHC 16バルブ |
|---|---|
| 総排気量 | 1,597㏄ |
| 最高出力 | 115PS / 6,000rpm |
| 最大トルク | 14.5kg・m / 3,500rpm |
| 最小回転半径 | 5.4m |
マツダ「ロードスター(NA・NB型)」|パワーより操作性の高さを追求したテンロクで世界市場でヒットしたライトウェイトオープンカー
ロードスターは初代モデル(NA系)と2代目(NB系)がテンロク車を展開していた
マツダのライトウェイト2シーターオープンカー「ROADSTER(ロードスター)」は、リトラクタブルヘッドライトが印象的な初代(NA系)と、各国の排出ガス・騒音規制に対応した2代目(NB系)でテンロクモデルを展開しました。
マツダが搭載した1.6L B6-ZE水冷直列4気筒エンジンは、最高出力より操作性の高さと運転時の心地よさを優先して開発されました。この戦略が世界市場で功を奏し、ロードスターはライトウェイトスポーツカーとして世界的な異例のセールスを記録。テンロクモデルもその成功を支えた重要なグレードです。
| エンジン | B6-ZE 水冷直列4気筒DOHC 16バルブ |
|---|---|
| 総排気量 | 1,597㏄ |
| 最高出力 | 125PS / 6,500rpm |
| 最大トルク | 14.5kg・m / 5,000rpm |
| 最小回転半径 | 4.6m |
三菱「ミラージュ」|ワンメイクレースで磨いた技術をMIVECやターボエンジンに結実させた三菱の世界戦略車
ミラージュは1.6Lターボエンジンを搭載する3ドアの高性能モデルもリリースしていた
1978年に初代モデルが誕生した三菱の世界戦略車「ミラージュ」は、2023年3月に日本向けの生産を終了しました。車歴を通じて、3代目ではDOHC 16バルブ機構を搭載する4G61型1.6Lエンジンを復活させ、4代目では世界最小クラスの1.6L V6エンジン(6A10型)を搭載するなど、数多くのテンロクモデルをリリースしてきました。
1985年から1998年にかけて開催した「ミラージュカップ」で技術力を磨いた三菱は、独自開発の可変バルブタイミングリフト機構MIVECや1.6Lターボエンジンを搭載したモデル、スポーティグレード「CYBORG(サイボーグ)」など、多彩なテンロクラインナップを展開していました。
| エンジン | 4G92 直列4気筒DOHC |
|---|---|
| 総排気量 | 1,597cc |
| 最高出力 | 145PS |
| 最大トルク | 15.2kg・m / 5,500rpm |
| 最小回転半径 | 5.0m |
三菱「ランサー」|MIVEC搭載テンロクも設定した三菱のコンパクトセダン
2010年まで日本市場で販売されていた「ランサー」は歴代モデルの中で数多くのテンロクカーをリリースしてきた
三菱のコンパクトセダン「ランサー」は2010年まで日本市場で販売された世界戦略車です。歴代モデルを通じて4G32型・G32B型・6A10型・4G92型などのテンロクエンジンを搭載する多くのグレードを展開してきました。1995年のフルモデルチェンジで誕生した5代目(CK0/CM0系)は「Total Evolution」をコンセプトに室内空間を拡大し、スポーティグレード「MR」に1.6L MIVECエンジン搭載のテンロク車も設定していました。
| エンジン | 4G92 直列4気筒DOHC 16バルブ |
|---|---|
| 総排気量 | 1,597㏄ |
| 最高出力 | 175PS / 7,500rpm |
| 最大トルク | 17.0kg・m / 7,000rpm |
| 最小回転半径 | 5.1m |
スズキ「スイフトスポーツ(ZC32型)」|排出ガス規制をクリアしながら高出力を維持したテンロク搭載のコンパクトハッチバック
「スイフトスポーツ」は2代目(ZC31型)と3代目(ZC32型)でテンロクモデルをラインナップしていた
スズキ「スイフトスポーツ」は2017年のフルモデルチェンジでK14C型1.4L直噴ターボへダウンサイジングした4代目(ZC33S型)に移行しています。テンロクを搭載するのは2代目(ZC31型)と3代目(ZC32型)で、なかでも「The Sporty flagship」をコンセプトに掲げた3代目(ZC32型)は、M16Aエンジンに可変吸気システムと改良冷却機構を導入して、厳格化された排出ガス規制をクリアしながら高出力を維持したテンロク車として高く評価されました。
| エンジン | M16A水冷直列4気筒DOHC 16バルブ |
|---|---|
| 総排気量 | 1,586㏄ |
| 最高出力 | 136PS / 6,900rpm |
| 最大トルク | 16.3kg・m / 4,400rpm |
| 最小回転半径 | 5.2m |
いすゞ「ジェミニイルムシャーR」|シビックタイプR登場前のテンロク最高出力180PSを誇りダートレースでも活躍した名車
いすゞは「ジェミニ1600LTクーペ」や「ジェミニ1600LDセダン」などのテンロクカーを展開していた
いすゞ FFジェミニ
いすゞ FFジェミニ
いすゞ FFジェミニ
いすゞはGMグループとのワールドカー構想のもと、基本設計を共通化しつつ日本市場向けに独自技術を投入したジェミニシリーズを展開。「ジェミニ1600LTクーペ」などのテンロク車もラインナップしていました。
なかでも、ドイツのイルムシャーがチューニングを手がけた「ジェミニイルムシャーR」は、4XE1型1.6L 4気筒DOHCターボエンジンを搭載し、ホンダ シビックタイプR(EK9型)が登場するまではテンロクスポーツカー最高となる180PSを誇っていました。競技車両はダートトライアル選手権で、ミラージュサイボーグターボなどのライバル車と熾烈な争いを繰り広げながら好成績を収めました。
| エンジン | 4XE1 水冷直列4気筒DOHC 16バルブICターボ |
|---|---|
| 総排気量 | 1,588㏄ |
| 最高出力 | 180PS / 6,600rpm |
| 最大トルク | 21.2kg・m / 4,800rpm |
| 最小回転半径 | 4.8m |
テンロク車は中古市場で根強い人気を保ち続けている
バブル景気の恩恵を受けた潤沢な開発費のもと、燃費より走行性能を優先して進化し続けたテンロク車は、全日本ツーリングカー選手権などで磨いた技術を市販車に還元し、若者でも手が届く価格で一時代を築きました。環境性能重視の時代の到来とともに新車市場からは姿を消しましたが、漫画・映画などの作品が再注目のきっかけを生み出し、当時を知る世代や車好きの間では中古市場を中心に根強い人気が続いています。購入を検討する際は、現存台数が減っていることから状態の確認と信頼できる販売店選びが特に重要です。




























