スカイアクティブGとは

スカイアクティブGの特長と最新モデルが導入した新技術

スカイアクティブGはマツダのガソリン車に搭載されるエンジンです。同エンジンは「4-2-1排気システム」等の技術を導入し、高圧縮比化と優れた熱効率を実現します。CX-5に搭載される最新モデルの特長である「冷却水バルブ」などの新技術も紹介します。

スカイアクティブGの特長と最新モデルが導入した新技術

「スカイアクティブG」の特長と最新モデルを搭載したCX‐5のスペック情報

マツダのガソリンエンジン車に搭載される「スカイアクティG」の特長を紹介します。また、2018年3月8日に発売をスタートした新型CX‐5に搭載される、スカイアクティブGの最新モデルに導入された新技術に関する情報も取り上げます。

「人馬一体」をグランドデザインとして掲げ、クルマの開発を続けるマツダ自慢のスカイアクティブテクノロジーの一角である「スカイアクティブG」について詳しく解説します。

マツダのガソリンエンジン「スカイアクティブG」の特長

スカイアクティブGのエンジンノッキングを抑え燃費性能が向上した新型スカイアクティブG

マツダのガソリンエンジン「スカイアクティブG」の特長は、以下の通りです。

スカイアクティブGの特長

・量産ガソリンエンジンでは世界で初めて14.0もの高圧縮比をクリア
・高圧縮燃焼を実現し、スカイアクティブ以前のエンジンよりも燃費・トルク値を15%向上
・日本の道路事情に合った低中速トルク出力をアップさせる
・高圧縮比化を実現するため「4‐2‐1排気システム」「キャビティー付きピストン」など採用

ガソリンエンジンの圧縮比は10~12が一般的です。理論上では、圧縮比を10から15に引き上げれば、約9%もの熱効率の改善が期待されます。しかし、高圧縮比化を行えば、ノッキング(異常燃焼)が発生しやすくなり、エンジン出力が大幅に低下してしまうため、エンジンの高圧縮比化はなかなか進展しませんでした。

アクティブGの最大の特長は、高圧縮比化を実現するために「4‐2‐1排気システム」などの技術力を組み合わせて、ノッキング現象を抑えている事です。

圧縮比とは、燃焼室内の最大容積と最小容積の比率を意味します

圧縮比とは、ピストンが最も低い位置にあるときの燃焼室の最大容積A(シリンダー+燃焼室)と、ピストンが最も高い位置にあるときの最小容積B(燃焼室のみ)の比率を表す数値です。圧縮比14.0は、A:B=14:1の比率を数値化したもので、燃焼室に吸入した空気を圧力によって14分の1に圧縮することを意味します。

マツダはノッキングの発生を防ぐために残留ガスの低減を目指した

圧縮中のスカイアクティブGノッキングの原因になる残留ガス

エンジンの熱効率をアップできる、高圧縮比化を行えば、エンジン出力を大幅に低下させる原因であるノッキングが起こりやすくなります。マツダは、高圧縮比化を実現し、ノッキングを起こりにくくするために、残留ガスの低減を目指しました。

ノッキングは、燃料と空気との混合気が高温・高圧状態に置かれる状況下で、燃焼がスムーズに行われる前に、意図しない自己着火が引き起こしてしまう異常燃焼現象です。燃焼室内部の圧縮比を高めると、排気バルブ境界部付近の温度が高くなってしまうので、ノッキングが発生しやすくなります。

マツダは、ノッキング発生を防ぐために、排気バルブ境界部付近での温度上昇と関連性の強い、残留ガス低減を目標に据えて、「スカイアクティブG」で残留ガス低減に効果的な4‐2‐1排気システムを導入しました。

ノッキングに効果的な4‐2‐1排気システムはロングバルブが特徴的

4-2-1排気システムの仕組み

ノッキング発生に大きく関わる残留ガスを減らすために、マツダはロングバルブが特徴的な「4-2-1排気システム」を採用します。

気筒と気筒とを連結する排気経路が短ければ、任意の排気バルブ(例えば3番気筒)が開いた直後に発生する高圧の圧力波が、排気サイクルを終え吸気サイクル移行しようとする気筒(1番)へ影響を与えやすくなります。

一度排出(1番気筒から)された高圧ガスが、高圧の圧力波の影響を受けて戻される事が、排気ガス量が増大する原因です。排気経路が短ければ、任意の気筒から発生した高圧波が他気筒に短時間で到達するので、影響力が強まります。

そこでマツダは、配管のロングサイズ化・ループ型構造を導入した「4-2-1排気システム」を採用して、高圧波が他気筒に与える影響力を弱めて、ノッキング現象の発生を抑えます

キャビティー付きピストンによって排気ガスの温度低下は防がれる

キャビティー付きピストン燃料噴射を最適化するキャビティー付きピストン

4-2-1排気システムの課題は、ガス中に含まれる有害物質のクリーン化に貢献する触媒までの距離が長いことです。距離が長いほど、排気ガスの温度が低下して、触媒の活性化作用が弱まってしまいます。

マツダは「4-2-1排気システム」の課題をクリアするために、スカイアクティブGにピストン上部を凹ませたキャビティー付きピストンを設けます。キャビティー付きピストンの設置効果で、燃料噴射は最適化され、排気ガスの熱エネルギーは奪われにくくなります。

スカイアクティブGはノッキングを回避するために燃焼時間を短縮する

スカイアクティブGでは、ノッキングを回避するために混合気の燃焼時間を短縮する仕組みも導入します。混合気の燃焼がスムーズに行わるほど、異常燃焼は起こりにくくなります

そのために、マツダは噴射圧力を強化できる「マルチホールインジェクター」等の新技術をスカイアクティブGに積極的に導入します。

CX‐5はスカイアクティブGの最新モデルを搭載する

2018年3月8日にマイナーチェンジした新型CX-5気筒休止機能が装備され燃費が向上した新型CX-5

2018年3月8日にマイナーチェンジが行われ発売を開始した新型「CX‐5」は、スカイアクティブGの最新モデルを搭載します。

スカイアクティブGの最新モデルでは、13.0もの高圧縮によって実現されるハイパフォーマンスの走行、ミドルクラスSUVではトップレベルの燃費性能をもたらす熱効率を達成します。

CX‐5の各グレードに搭載される2.5L・2.0Lエンジンはともに、高い熱効率を実現するのに必要となるパーツであるキャビティー付きピストンを採用し、噴射圧力を高め燃焼室内での混合気の燃えやすさに貢献するマルチホールインジェクターを導入します。

その他、最新モデルで共通して組み込まれる新技術は、排気の流れをスムーズとする形状によって排気温度の上昇を抑制できる「排気ポート」や、冷却時にエンジンやラジエーター等に送る冷却水をコントロールして、実用燃費を向上する「冷却水制御バルブ」です。

それら、新技術を搭載することで、CX-5のアクセル操作に対する応答性はアップし、あらゆる走行シーンでの無駄のないスムーズな運転を可能とし、ドライバーを満足させる心地よい走りを実現させます。

CX‐5の「25S」グレードに搭載されるエンジン・スカイアクティブG 2.5では、エンジンパーツの軽量化を行い、低振動・静粛性アップに貢献できるバランスシャフトを採用します、

同エンジンでは、定常走行時などにおいて4気筒のうち2つの気筒を休止させる新システム「気筒休止」を導入することで、更なる低燃費を実現させます。

CX‐5「25S」のスペック
全長 4,545mm
全幅 1,840mm
全高 1,690mm
ホイールベース 2,700mm
定員 5名
車両重量 1,610kg
最小回転半径 5.5m
エンジン SKYACTIV‐G 2.5 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量 2.488L
最高出力 138kW/6,000rpm
最大トルク 250Nm/4,000rpm
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン
燃費 14.2km/L

スカイアクティブGは究極の「人馬一体」を目指すため進化を続ける

マツダは、クルマ造りのグランドデザインとして、車をイメージのままに気持ち良く操作できて、クルマとの一体感を感じながら安心・安全に運転を楽しめる「人馬一体」の思想を掲げます。

その目標を実現するために、マツダはクルマの設計をゼロベースから見直しました。結果、車の動力源としてたどり着いたのが「スカイアクティブテクノロジー」です。マツダのディーゼル車では、スカイアクティブDの技術力を磨いて究極のディーゼルエンジンを目指し、ガソリン車では、スカイアクティブGの技術力を向上させて究極のガソリンエンジンを目指します。

2018年3月8日にマイナーチェンジによって誕生した新型「CX‐5」に搭載される、スカイアクティブGの最新モデルは、気筒休止システムや冷却水制御バルブなどを新たに導入して、さらなる進化を遂げました。

マツダは、誰もが運転を思う存分に楽しめる究極のガソリン車を完成するために、スカイアクティブGの開発を続けていきます。