マッドガードの必要性

マッドガードの取り付け効果やデメリットから必要性を考える

マッドガードの必要性を泥や小石が跳ね上がり車体が汚れる・傷つく事を防ぐ効果、燃費が悪くなるといったデメリットから考察。ホンダ「ヴェゼル」「フィット」や日産「スカイライン」などの純正アクセサリーの特徴も取り上げす。

マッドガードの取り付け効果やデメリットから必要性を考える

マッドガードとは?取り付け効果やデメリットから必要性を考えよう

マッドガード(またはマッドフラップ)は、特にSUVやオフロード走行を想定した車、あるいはトラックなどでよく装着されているアクセサリーです。純正品だけでなく、加工できる汎用タイプの社外品を取り付ける方もいますし、中には自作のマッドガードを装着する方もいます。

車両重量が軽く馬力がそれほどではないコンパクトカーや軽自動車などでも、マッドガードを装着すべきか議論が分かれます。ホンダのように、コンパクトカーでも純正商品としてマッドフラップをラインナップしている自動車メーカーもあれば、用意していないメーカーもあります。本記事では、このマッドガードの取り付け効果やデメリットを詳しく理解し、ご自身の車にとっての必要性を考えていきましょう。

マッドガードとは泥除けパーツのこと!最近の商品は装飾効果も高い

マッドガードを装備したSUV

自動車のフロントタイヤやリヤタイヤの後ろに取り付ける泥除けパーツのことをマッドガードと言います。このマッドガードには、走行中のタイヤから跳ね上がる水しぶき、泥、砂、小石、雪などが、自車や後続車へ飛び散ってしまうことを防ぐ主要な効果があります。この泥除けの効果から、トラックや悪路を走る車にとって必要性の高い装備とされます。

最近のマッドガードは、機能性だけでなくデザイン性にも優れており、装飾効果の高いアイテムも数多く登場しています。そのため、車のドレスアップ目的で装着するドライバーも増加しています。マッドガードが標準装備されることは少なく、ほとんどの場合、オプション設定で追加します。特にオフロード走行を行うSUVや、重量の重いトラックは、タイヤによって小石などが跳ね上がる勢いが強いため、周りの車への配慮として取り付けが推奨されます。

マッドガードを取り付ける効果は車体の保護や汚れを防ぐこと

泥道を走るランドクルーザー

マッドガードが小石などを防ぎ車体に傷がつきにくくなる

海水浴やキャンプなどのアウトドアシーンでは、目的の場所に到着するまでに舗装されていない未舗装の道路を走行しなければならないことがあります。未舗装の道路を走行するときは、タイヤとの接触によって小石が飛び散る可能性が高いです。マッドガードを取り付けていれば、車体に向かって飛んでくる障害物を防げるため、車体が傷つきにくくなります。特に、ボディの下部やサイド部分の塗装剥がれを防ぐ上で、この取り付け効果は重要です。

このマッドガードによる車体保護の効果は、車の外観を美しく保つことに繋がり、将来的な車の査定額にも影響を与える可能性があります。そのため、悪路を走行する機会が多い方にとって、マッドガードの必要性は非常に高いと言えます。

泥や水をマッドガードが受け止めるため車が汚れにくくなる

オフロード走行に限らず、雨の日や雪の日は、タイヤ周辺からの水しぶきや泥はねが起こりやすいコンディションです。マッドガードは水しぶきや泥はねを受け止める効果があるため、装着することで車が汚れにくくなります。この泥除けの効果は、日常的な運転でもマッドガードの必要性を感じる大きなメリットです。

マッドガードを装着すれば、車は汚れにくくなるので洗車の回数を減らすことも可能です。また、タイヤ周辺のパーツに泥や汚れが付着しにくくなるため、それらのパーツが錆びにくくなるというメリットもあります。車体の清潔を保つ上で、マッドガードの取り付け効果は無視できません。

マッドガードのデメリットは燃費が悪化し地上高が下がること

マッドガードやマッドフラップを装着すると、走行時の空気抵抗が増すため、燃費の悪化や地上高の低下といったデメリットが生じ、結果的に走破性に悪影響を及ぼす可能性もあります。ここでは、マッドガードを取り付けるデメリットを紹介します。

空気抗力があるため車の燃費が下がる

マッドフラップを装着するデメリットとして、燃費が悪くなることが挙げられます。マッドガードは構造的に走行中の空気の流れを妨げてしまうため、取り付けることで車に余分な空気抗力が発生します。この空気抵抗が増えることで、同じ速度で走行するためにより大きなエネルギーが必要になるため、燃費が低下します。

空気抗力は速度の2乗に比例して大きくなる性質があります。そのため、街中走行ではさほど抗力の影響を受けませんが、高速道路ではその影響が大きくなります。車がスムーズに進もうとするのを邪魔する力である空気抵抗が大きくなると、車の燃費は下がってしまいます。この燃費悪化は、マッドガードのデメリットとして認識しておくべき点です。

設置部分の地上高が下がるためマッドガードの取り付け後は要注意

マッドガードを車に取り付けると、設置部分の地上高が下がります。地上高が下がるということは、その分だけ車が縁石や段差の大きな場所、特に駐車場の車止めなどと接触しやすくなるというデメリットも意味します。特に車高の低い車では、このデメリットを強く感じます。

マッドフラップの装着後は、地上高が下がっていることを常に意識しないと、以前よりも縁石などと接触しやすくなります。マッドガードの素材には、車が障害物に乗り上げてしまった際に対応できるように弾力性と耐屈曲性を備えた樹脂製のものが使用されていますが、無理な走行を続けると破損の恐れがあるため注意が必要です。マッドガードを装着する際は、運転時に常にそのデメリットを意識しましょう。

雪国ドライバーはマッドフラップの取り扱いに注意!

豪雪地域に住んでいるドライバーは、マッドガードやマッドフラップの取り扱いには十分な注意が必要です。マッドガードは雪道での泥はねを防止する効果が期待できますが、積雪を押し分けて進むラッセル状態での走行や、マッドガードに雪が付着して凍結した状態で走行してしまうと破損することがあります。

最悪の場合、マッドフラップだけでなく、車体本体の足回りやバンパーが傷ついたり破損するケースも少なくありません。特に雪を多く含むマッドフラップは、重さや硬さが増し、破損リスクが高まります。マッドガードを装着して雪深い道を運転する際には、こまめにマッドガードやタイヤハウスの雪を落とすよう心がけましょう。雪の多い地域では、マッドガードの必要性とデメリットを慎重に比較検討する必要があります。

マッドガードは純正の商品を取り付けるのが安心

Jeep純正のマッドガード

マッドガードの装着を考えるなら、純正の商品を取り付けてもらうのが最も安心です。純正のマッドガードは、車種専用設計であるため、フィット感や耐久性に優れており、車検対応の心配もありません。純正の取り付け費用込みの価格は、一般的に20,000円程度、純正パーツ以外の社外品は5,000円ほどが相場となります。

純正パーツ以外のマッドフラップでは、ネジやクリップといった取り付け器具を別途で購入するケースも少なくありません。「自作するのは面倒」「長期間安定した状態でマッドガードを利用したい」という方には、多少値が張っても純正のマッドガードを取り付けてもらうことをおすすめします。純正品の安心感は、価格以上のメリットと言えるでしょう。

車検対応となるマッドガード(マッドフラップ)のはみ出しは何センチまでOK?

中には純正パーツではなく、社外品や自作したマッドフラップを装着したいという方もいるでしょう。マッドフラップには好みの長さに加工できる汎用タイプの商品も販売されていますが、気になるのはどれだけのはみ出しであれば車検対応となるのかという点です。車検の規定を無視したマッドガードの取り付けはできません。

自作品のマッドガードを取り付ける場合、はみ出しはフェンダーやバンパーなどのボディの最も外側から片側1センチメートルまでに収めるのが望ましいです。これ以上はみ出してしまうと車検に通らなくなる恐れがあります。車検をクリアするために、この規定は必ず守る必要があります。

また、車検対応のマッドフラップとするためには、全ての角部が半径2.5R以上であること(角が丸いこと)も取り付けの条件のひとつです。ただし、EVAやゴムのような、本体硬度60ショア以下の柔らかい素材を使用している場合は、角が直角でも問題ないとされています。既製品はこうした規定をクリアした車検対応品が基本ですので問題ありませんが、購入の際はサイズをよく確認するようにしてください。JAOSのように車種別に取付キットを用意しているメーカーもありますので、その場合は愛車にぴったりのサイズを選ぶと安心です。

純正パーツとして用意されるマッドフラップの特徴

マッドガードは、多くの自動車メーカーが純正パーツとして販売しています。ここでは、大人気のSUVであるヴェゼルやレガシィ、フィットやスカイラインなどの純正マッドガードを紹介し、それぞれの特徴を見ていきましょう。

ホンダ ヴェゼルは純正アクセサリーでマッドガードを用意

ヴェゼルのガンメタリック塗装マッドガード

※ガンメタリック塗装

ヴェゼルのクルスタルブラック・パール塗装のマッドガード

※クリスタルブラック・パール塗装

世界的に人気の高いコンパクトクラスのSUVであるホンダヴェゼルは、純正アクセサリーとしてマッドガードを用意しています。装飾効果の高い「クリスタルブラック・パール塗装」や「ガンメタリック塗装」に加え、リーズナブルな価格が魅力的な「ブラック」を設定しています。別途料金はかかりますが、メーカー側へ取り付けを依頼することも可能です。ヴェゼルのマッドガードはデザイン性も考慮されています。

ホンダ フィットも純正のマッドガードがあるので安心感がある

ホンダ フィットのマッドガード

コンパクトカーとして知名度の高いホンダのフィットでも、純正アクセサリーでマッドガードを取り扱っています。フィットのマッドガードは、車のデザインを邪魔しないスタイリッシュなデザインが魅力的です。純正品の取り付けは、車検や品質の面で安心感があります。

マッドガードを取り付ける場合、他のアクセサリーである「ロアガーニッシュ(サイド)」「ホイールアーチ」「クロススタイルパッケージ」などを同時に利用できない場合があるため、オプションの組み合わせには注意が必要です。フィットのような街乗りが中心の車でも、マッドガードは泥はね防止の効果を発揮します。

日産 スカイラインは2種類のマッドガードで好きなスタイルを選べる

日産スカイラインのマッドガード

日産の代表的なスポーツセダンのスカイラインは、スポーツタイプとベーシックタイプの2種類のマッドガードをラインナップしています。

スカイラインは加速力に優れ、小石や泥が跳ねあがる力も比例して大きくなるため、マッドガードの装着効果は非常に高いです。また、取り付け効果としてエクステリアが全体的に引き締まって美しさがアップします。オーナーは、好みに合わせてマッドガードのタイプを選べるのがメリットです。

スバル レガシィ アウトバックはオリジナルのマッドガードを装備できる

スバル レガシィ アウトバックのマッドガード

レガシィから派生したクロスオーバーSUV「レガシィ アウトバック」でも、オリジナルのマッドガードを取り扱っています。アウトドア向けの車であるため、マッドガードの必要性は高いと言えます。

スバルでは、他の車種にもラインナップしているマッドガードのことを「スプラッシュボード」と呼んでいます。呼び名こそ違いますが、泥はねなどからボディを守ってくれる効果に変わりありません。レガシィ アウトバックの純正マッドガードは、車検も問題なく、安心して取り付けることができます。

マッドガードの必要性は「車の使い方」や「地域特性」も含めて判断

マッドガード

ご自身の車にマッドガードが必要かどうかは、海水浴やキャンプなどでアウトドアに出かける機会が多いといった車の使い方や、未舗装の道路が多い、冬には雪が多いなどの地域特性も含めて、総合的に必要性を判断しましょう。特に、泥や小石の飛び散りが気になる場合は、マッドガードの取り付け効果が大きいです。

燃費悪化や地上高低下といったデメリット、そして車検に関する規定を理解した上で、諸事情を考慮して「自分の車には必要だ!」と思ったユーザーほど、マッドガードは満足度の高い装備になるでしょう。純正品か社外品か、取り付ける際もデメリットを理解し、マッドガードを装着することで快適なカーライフを送りましょう。