バック駐車のやり方

バック駐車の苦手を克服する初心者から上級者まで使える簡単テクニック

バック駐車が苦手な方は、初心者マークが外れている方にも沢山。停車中の車にぶつけて事故を起こしてしまう不安な気持ちをなくすために、ハンドル操作とアクセル操作を同時に行わない、サイドミラーを利用するなどのコツや、一連の流れについても紹介。

バック駐車の苦手を克服する初心者から上級者まで使える簡単テクニック

バック駐車の苦手を克服!初心者から上級者まで役立つ駐車テクニック

バック駐車が苦手で、「駐車している車の間にできるだけバックで停めたくない」「もし両隣の車が高級車だったら、別の駐車スペースを探してしまう」と感じるドライバーは、初心者マークの方に限らず、運転歴の長い方の中にも多くいらっしゃいます。バック駐車は運転技術の中でも特に苦手意識を持たれやすい操作の一つです。

バック駐車は自動車教習所で基礎を習いますが、集中的に練習する機会が少ないため、苦手意識を克服するには、免許取得後に何度も繰り返し練習を重ねて、体が自然に動くように操作を習得する必要があります。バック駐車が得意になると、運転の自信が向上し、車で移動できる場所や駐車場の選択肢が格段に広がります。

バック駐車が苦手な理由を理解して「得意」に変えるための考え方

バック駐車に成功した車

多くのドライバーがバック駐車に対して「恐怖心」や「苦手意識」を抱いています。この苦手を克服し、バック駐車を「得意」に変えるためには、まず自分がなぜ苦手だと感じているのか、その理由を深く理解することが重要です。理由がわかれば、その原因に応じた適切な対策を取ることができます。

「止まっている車にぶつけたらどうしよう」という不安がプレッシャーとなる

両サイドにピカピカに磨かれた高級車が停まっている場合、バック駐車が得意なドライバーであっても、いつもより緊張してしまうものです。バック駐車が苦手なドライバーは、「ぶつけて事故を起こしてしまったらどうしよう」という不安な気持ちが極度に増大してしまうため、結果として、自分の意思で練習する機会を遠ざけてしまいます。そのため、両隣の車が高級車でなくても、駐車スペースを避けてしまう傾向があります。「バック駐車のプレッシャー」に打ち勝つことが上達への第一歩です。

この強いプレッシャーのために練習量が不足すると、同じ時期に運転免許を取得し、不安な気持ちを乗り越えて練習を繰り返すドライバーと比べると、上達するスピードが遅くなってしまいます。この不安を解消するためには、ぶつかる可能性が低い広い場所で、繰り返し練習し、車の感覚を掴むことが最も有効です。

バックで車を動かす時のハンドル操作が感覚的に難しい

バック駐車の際に、ハンドルを「右」または「左」のどちらに切れば、車のお尻を目的の場所に移動させることができるのか、すぐに判断できずに迷ってしまう方も多くいます。慣れないうちは、移動させたい方向とは逆にハンドルを切ってしまい、焦ってしまう経験もあるかもしれません。そういった、失敗の経験も含めた積み重ねが、脳に車の動きとしてインプットされていきます。

ハンドルを左に切ったら、バックする時に車の後部が左方向に傾いていくのは、理屈で考えるよりも、実際に何度も練習を繰り返して、体で感覚として覚えていく必要があります。この車の動きとハンドルの関係を完全にマスターすることが、苦手意識を払拭する最短ルートです。

バック駐車が得意になるコツは駐車線を意識した運転をすること

バック駐車しやすい黄色い線

駐車場の地面には、通常、白色や黄色の駐車線が敷かれています。この駐車線は、車を停める際の目印となりますし、車体を真っすぐにしてスペースの中央に駐車する際にも利用できる非常に重要なガイドラインです。これを積極的に活用しましょう。

特に車体が駐車線の内側におさまっているかどうかの確認に不安があれば、駐車中にドアを少し開けて、車内から目視で直接確認する方法も有効です。無理せず、確実に駐車できる方法を選ぶことが大切です。上達に伴い、徐々にサイドミラーだけの確認に移行しましょう。

後方を確認しながらサイドミラーも上手に活用する

サイドミラーは、車線変更を行う時だけでなく、バック駐車の時にも頻繁に使います。特にバック駐車に慣れないうちは、運転席側に近いサイドミラーを意識的に多用しましょう。ドライバーの目視だけでは確認しづらい、車の後輪付近の駐車線や、車体の側方を通行する人や自転車、小さな障害物などはサイドミラーで確認します。

サイドミラーをまだ上手に使いこなせないうちは、バック駐車の際に、どうしても首を後ろ向きにして直接後方を確認する時間帯が長くなってしまいます。しかし、サイドミラーを上手に使えるようになってくると、首を後ろ向きにする時間が減り、駐車時に前方や左右にも意識が向くようになり、より安全に駐車できるようになります。「サイドミラー」を意識して練習しましょう。

ハンドル操作とアクセルやブレーキ操作を分けて行う

バック駐車に限らず、自分にとって不得意な操作は、複数の動作を同時に行うのではなく、個別に分けて一つ一つの動作を着実に実行できるようにすることが、上達するための重要なコツです。

バック駐車が苦手な方は、手を中心にして行うハンドル操作と、足を中心にして行うアクセルやブレーキを踏む動作を同時に行うのではなく、まずはどちらか一方の動作を完了させてから、もう一方の動作に移るように意識しましょう。具体的には、ハンドルを切り終えてから、ゆっくりとアクセルやブレーキで車を動かす、というように意識的に動作を分離させてください。

「一発で入れなくてもいい」と考えて幅寄せしながら着実に行う

バック駐車は、慣れないうちは「一発でキレイに停めよう」と思っても、なかなか上手くいきません。むしろ、バック駐車が得意な人の中にも、最初の一回では完璧に決められずに、微調整のための幅寄せを繰り返しながら駐車する人が多くいます。

バック駐車は一発で入れなくても全く問題ありません。幅寄せをしながら着実にやり直すことで、自然とハンドルさばきやシフト操作も上達します。「やり直し」を恐れる必要はありません。たとえ自分の車を駐車待ちしている後続車がいたとしても、焦らず、プレッシャーを感じずに、安全を最優先して幅寄せしながらバック駐車を行いましょう。安全かつ正確に停めることが最優先です。

車に搭載されているサポートシステムを積極的に利用する

現在、各自動車メーカーは、ドライバーの駐車操作を強力にサポートしてくれる先進技術を搭載した車を多数ラインナップしています。例えば、トヨタの最新モデルには「アドバンストパーク」のような駐車支援システムが導入されています。

バック駐車が苦手な方は、モニターを使って車両周辺の状況をしっかりと確認し、ハンドル操作を自動的に行ってくれるサポートシステムが車に搭載されていれば、積極的に利用しましょう。これらのシステムは、操作の補助だけでなく、駐車時のぶつけそうになる危険を事前に察知し、警告や自動ブレーキで回避してくれるため、不安の解消にも役立ちます。

今後は、車の自動運転技術がさらに進化していくため、近い将来、ドライバーがバック駐車で悩むことは少なくなるかもしれません。しかし、システムに頼るだけでなく、ご自身の運転スキルを磨くことも安全運転には不可欠です。

バック駐車の流れをステップごとに確認して「得意」にする

車を後方から駐車スペースに入れるバック駐車は、出庫する際に前進でスムーズに発進できるというメリットがあります。また、車高を低くしている車でも、車止めにバンパーをぶつける心配が少なくなります。ここでは、バック駐車を成功させるための一連の流れを具体的なステップで紹介します。

1.両隣に車がいない、十分に空きがある駐車スペースを探す

駐車スペースを探す

バック駐車に慣れないうちは、両隣に車が停車していない、あるいは駐車スペースの幅が広い場所を探すようにしましょう。この際、「ここなら落ち着いて駐車できそうだ!」という自分にとって難易度の低い場所探しを心がけることが、スムーズな練習を始めるための重要なポイントです。無理せず、確実に成功体験を積み重ねましょう。

2.目標の駐車スペースの少し手前まで車を移動させる

目標の駐車スペースを見つけたら、その駐車スペースを少し通り過ぎた場所まで車を前進させて移動します。駐車スペースが等間隔で配置されている場合、駐車したいスペースの隣のスペース全体を車体が超えない辺りが、ハンドルを切り始める位置の目安となります。この際、駐車スペースに対して斜めに車を向けるように意識すると、後の操作が楽になります。

3.左右どちらかの駐車線を目印として決める

駐車しようとしている車

バック駐車を成功させるためには、最初に目印を決めた方が操作が格段に楽になります。右側または左側の見やすい位置にある駐車線の端などを意識し、その目印に車のリア部分を近づけることを考えながらハンドル操作を始めます。この目印は、運転席側からよく見えるものを選ぶと良いでしょう。

4.目視とサイドミラーで状況を確認しハンドルを切って車をバックさせる

サイドミラーで状況を確認

バックする前に、目視やサイドミラーで前方や後方に、通行人や自転車はいないか、動き出そうとしている車がいないのかをしっかりと確認してから、ハンドルを切って車を前進させたり、バックで動かしたりして位置を調整します。車のリア部分が、事前に決めた目印の駐車線に沿って近づくように、ハンドルを操作しましょう。

5.ハンドルを戻してタイヤが真っすぐになったら、駐車スペースに車を入れる

バック駐車が完了した車

車のリア部分が目印としている駐車線に近づき、車体全体が駐車スペースに対して適切な角度になったら、左右どちらかに切っていたハンドルを定位置に徐々に戻し、幅寄せも行いながら、タイヤを真っすぐにします。そして、車体が目印としている駐車線などと並行になったら、ゆっくりと車をバックで動かして駐車を完了させます。この際、駐車場の奥にある車止めにぶつけないように注意しましょう。

バック駐車が得意になるとドライブの選択肢が格段に広がる

バック駐車

バック駐車が得意になると、例えば大型ショッピングセンターなどの駐車場で建物の近くや便利な場所に車を駐車できるため、買い物が格段に便利になります。また、駐車場の数が限られているイベント会場へ出向くときや、大型連休の時に旅行へ出かけるときにも、バック駐車をマスターしていると大きな利便性を享受できます。

慣れないうちは、ぶつけるかもしれないという怖い思いをすることがあるかもしれませんが、一度、車の動く感覚を体で覚えてしまえば、「どっちにハンドルを切ればいいのか」と迷うことなく、スムーズにバック駐車ができるようになります。バック駐車が得意になると、運転自体がさらに楽しくなり、自信を持ってドライブする場所の選択肢がどんどん拡がっていきます。「バック駐車が上手くなる」ための練習を続けて、安全で快適なカーライフを送りましょう。