スズキのハイブリッドシステムの仕組みと搭載車種
スズキのハイブリッドシステムの仕組みと、そのシステムを組み込んだ搭載車を紹介します。
自動車業界では、ガソリンエンジン等の内燃機関に電気モーターなど、2つの動力源を組み合わせる車をハイブリッドカーと呼びます。ハイブリッドカーは、高い環境性能などクリーンなイメージ戦略の影響を受けて、トヨタのプリウスに代表されるように、人気車種が続々とラインナップされています。
「スズキグリーン テクノロジー」を象徴するスズキのハイブリッド技術の種類とその仕組み、種類別の搭載車種を紹介します。
スズキのハイブリッドは2023年からAGS+モーターからCVT+モーターに進化か
スズキのハイブリッドシステムはMTベースのAGS(オートギアシフト)とモーターを組み合わせたものでしたが、2023年発売の新型コンパクトカーからCVT(コラムシフト)とモーターを組み合わせた新開発のストロングハイブリッドを投入する噂があります。
AGS採用のハイブリッドシステムでは変速時のショックが強く、乗り心地に不満があるユーザーも少なからずいたようですが、CVTと組み合わせた新型のストロングハイブリッドはスムーズな変速を実現するようです。
投入するストロングハイブリッドシステムのエンジンは1.2Lから1.5Lとのことで、次期スイフトや次期ソリオが初搭載になると予想します。
スズキのハイブリッドシステムの仕組みと搭載車種
EV走行も可能とするスズキのハイブリッドシステムは、スイフトとソリオに搭載されます。同システムでは、エコスイッチを操作することで、走行状況に応じて「標準モード」あるいは「エコモード」を選択する事が可能です。
内部パーツでは、コンパクトながらレスポンス性の高い駆動用モーターであるMGUに、伝達効率が優れたAGS(オートギアシフト)技術を組み合わせる事で、力強く心地良い走りを実現させます。
充電や電力の供給に用いるパワーパックは、荷室下部に設置することで、室内空間の広さの確保に貢献します。
スイフト
スズキのハイブリッドシステムを搭載するスイフトのグレード「HYBRID SL」「HYBRID SG」は2017年7月12日に販売を開始しました。
スイフトのハイブリッドモデルでは、車を発進・加速させる際に、フロント部に搭載するMGU(駆動用モーター)が作動して、エンジンのパワーにモーターによる動力も加えて、よりパワフルな走りを実現させます。
HYBIRID SLやHYBRID SGは熱効率を追求するために「デュアルインジェクションシステム」等を導入した1.2Lデュアルジェットエンジンを装備します。
その高性能エンジンに、EV走行を可能とする駆動用モーターを組みあわせることで、スイフトのハイブリッド車は32.0km/Lという低燃費をクリアします。
インパネには、MGU(駆動用モーター)の動作状況を視覚的に確認できるモーターパワーメーターや、エコモードなどの情報が表示されるハイブリッド専用メーターを採用します。
駆動 | 2WD |
---|---|
全長 | 3,840mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,500mm |
ホイールベース | 2,450mm |
車両重量 | 940kg |
燃費 | 32.0km/L |
エンジン | 水冷4サイクル直列4気筒 |
総排気量 | 1.242L |
最高出力 | 67kW/6,000rpm |
最大トルク | 118Nm/4,400rpm |
モーター | PB05A 交流同期電動機 |
最高出力 | 10kW/3,185~8,000rpm |
最大トルク | 30Nm/1,000~3,185rpm |
ソリオ/ソリオ バンディッド
ソリオの現行モデルは、グレード「HYBRID MX」と「HYBRID SX」にスズキのハイブリッドシステムを搭載します。また、ツートンルーフを採用するなど、ソリオの内外装のデザイン性を強化した派生車である、ソリオ バンディッドでは、グレード「HYBRID SV」が同システムを採用します。
ソリオのハイブリッド車では、コンパクトながら低回転数から大きな力を作り出す高効率の駆動用モーターを採用して、発進・加速をスムーズとします。
高電圧リチウムイオンバッテリーとインバーターがセットされるパワーパックは、ラゲッジルーム下に設置して、室内スペースを充実させます。
それらに、KC12C型エンジンやスズキ技術力を組み合わせる事で、ソリオはコンパクトハイトワゴンではクラスNo.1の32.0km/Lもの低燃費を実現します。
圧倒的な環境性能を誇るソリオのハイブリッド車は、スイフト同様にエコカー減税が適用され、自動車取得税及び自動車重量税が免税されます。
スズキのハイブリッド車は、MTとATの双方のメリットを兼ね備えたトランスミッションであるAGS(オートギアシフト)を導入して走行性能も飛躍させます。
駆動 | 2WD |
---|---|
全長 | 3,710mm |
全幅 | 1,625mm |
全高 | 1,745mm |
ホイールベース | 2,480mm |
車両重量 | 990kg |
燃費 | 32.0km/L |
エンジン | 水冷4サイクル直列4気筒 |
総排気量 | 1.242L |
最高出力 | 67kW/6,000rpm |
最大トルク | 118Nm/4,400rpm |
モーター | PB05A 交流同期電動機 |
最高出力 | 10kW/3,185~8,000rpm |
最大トルク | 30Nm/1,000~3,185rpm |
マイルドハイブリッドの仕組みと搭載車種
スズキのマイルドハイブリッドは、ワゴンRやスペーシア、クロスビーなどの車種に搭載します。
マイルドハイブリッドは、回生エネルギーを発電に利用する仕組みを導入、ISGによって作られた電気はエンジンアシストで使われ、スズキ車にさらなる低燃費をもたらします。
マイルドハイブリッドは、コンパクトなシステム設計で搭載しても居住性には影響を与えず、車両重量のアップを抑制します。
ワゴンR
2017年2月にフルモデルチェンジが行われた6代目ワゴンRでは、グレード「HYBRID FZ」「HYBRID FX」がマイルドハイブリッドシステムを搭載します。
ワゴンRのマイルドハイブリッドシステム搭載車では、減速時にISG(モーター機能付発電機)に発電を行い、作られた電気は「アイドリングストップ車専用鉛バッテリー」と「専用リチウムイオンバッテリー」に充電します。
モーターのみを動力とするクリープ走行時では、専用リチウムイオンバッテリーに蓄えられた電力は、モーター出力をアップするために使われます。
加速時は、エンジンのパワーにバッテリーの力が加える事で、よりパワフルな走りを実現します。
マイルドハイブリッドシステムが搭載され、軽量高剛性を実現するスズキの新プラットフォーム「ハーテクト」で開発されるスズキのワゴンRは、33.4km/Lと軽ワゴンではクラスNo.1の低燃費を実現します。
ワゴンRの「HYBRID FZ」「HYBRID FX」に、採用するステータスインフォメーションランプは、燃費効率の良い運転をドライバーが行っていれば、ランプの色をグリーンへと変化させる遊び心を持たせる事でエコドライブをサポートします。
駆動方式 | 2WD(前2輪駆動) | フルタイム4WD | |
---|---|---|---|
全長 | 3,395mm | ||
全幅 | 1,475mm | ||
全高 | 1,650mm | ||
ホイールベース | 2,460mm | ||
車両重量 | 770kg | 820kg | |
燃費 | 33.4km/L | 30.4km/L | |
エンジン | 水冷4サイクル直列3気筒 | ||
総排気量 | 0.658L | ||
最高出力 | 38kW/6,500rpm | ||
最大トルク | 60Nm/4,000rpm | ||
モーター | WA05A 直列同期電動機 | ||
最高出力 | 2.3kW/1,000rpm | ||
最大トルク | 50Nm/100rpm |
ワゴンR スティングレー
「ワゴンRスティングレー」は、ワゴンRをベースとし、男性ユーザーを意識したボディカラーを採用し、内外装をカッコ良く仕上げて、ターボエンジンを搭載するモデルもライナップさせます。
そんなスティングレーでは、グレード「HYBRID T」「HYBRID X」がマイルドハイブリッドシステムを搭載します。
マイルドハイブリッドシステムのモーターアシストにR06型ターボエンジンのパワーが加わることで、スティングレーの「HYBRID T」では、4人乗車してもパワフルでストレスのない加速フィーリングを体感できます。
「HYBRID T」は、マイルドハイブリッドシステムや新アイドリングストップシステムも搭載する事で、軽ワゴンターボ車ではクラスNo.1の28.4km/Lもの低燃費を実現します。
ワゴンRスティングレーの「HYBRID T」「HYBRID X」では、インパネセンター部にモーターによるクリープ走行や減速エネルギー回生を確認できるエネルギーフローインジケーターを備える多機能モーターを設置します。
駆動方式 | 2WD(前2輪駆動) | フルタイム4WD | |
---|---|---|---|
全長 | 3,395mm | ||
全幅 | 1,475mm | ||
全高 | 1,650mm | ||
ホイールベース | 2,460mm | ||
車両重量 | 800kg | 850kg | |
燃費 | 28.4km/L | 27.0km/L | |
エンジン | 水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボ | ||
総排気量 | 0.658L | ||
最高出力 | 47kW/6,000rpm | ||
最大トルク | 98Nm/3,000rpm | ||
モーター | WA05A 直列同期電動機 | ||
最高出力 | 2.3kW/1,000rpm | ||
最大トルク | 50Nm/100rpm |
スペーシア
2017年12月14日に、フルモデルチェンジが行われて発売をスタートした新型スペーシアでは、グレード「HYBRID X」「HYBRID G」にマイルドハイブリッドシステムを搭載します。
新型スペーシアは、いつも通りの運転で、電気を蓄える事ができて、モーターによるアシストでガソリン消費を抑える事が可能な、パワフルでスマートな車を目指します。
スペーシアは、アイドリングストップからのリスタートでは、ガソリンを使用しないモーターの力のみでタイヤを動かすクリープ走行を可能とします。
エンジンが再び動き出すタイミングでは、ISGのスターターモーター機能を発動させることで、スムーズで静粛性の高い走りを実現させます。
新型スペーシアでは、加速時にはエンジンの力にモーター出力をプラスするモーターアシストの機能性を持たせます。また、パワーモードを選択すれば、エンジンやCVTの制御だけではなくISGのトルク値も調整できるため、坂道や高速道路など合流する際などに必要となる加速力がクリアされます。
ISGに組み合わせるR06A型エンジンは、街中で利用機会の多い速度域である低中速の動力性能を高める事で、さらなる低燃費を実現します。
駆動方式 | 2WD(前2輪駆動) | フルタイム4WD | |
---|---|---|---|
全長 | 3,395mm | ||
全幅 | 1,475mm | ||
全高 | 1,785mm | ||
ホイールベース | 2,460mm | ||
車両重量 | 850kg | 900kg | |
燃費 | 30.0km/L | 26.4km/L | |
エンジン | 水冷4サイクル直列3気筒 | ||
総排気量 | 0.658L | ||
最高出力 | 38kW/6,500rpm | ||
最大トルク | 60Nm/4,000rpm | ||
モーター | WA05A 直列同期電動機 | ||
最高出力 | 2.3kW/1,000rpm | ||
最大トルク | 50Nm/100rpm |
スペーシア カスタム
スペーシアと同時期にフルモデルチェンジが行われて誕生した新型「スペーシア カスタム」は、フロントグリルではワイドで迫力のデザインを採用、ターボエンジン搭載車をラインナップするなど男性の購買意欲を刺激する車です。
新型スペーシア カスタムでは、グレード「HYBRID XSターボ」「HYBRID XS」「HYBRID GS」に、電気の力で燃費を向上するマイルドハイブリッドシステムを搭載します。
モーターの力のみを利用するクリープ走行により、渋滞中などのエネルギーロスが少なくなり、燃料の消費量を節約します。
急な坂道などの走行シーンに合わせて「パワーモード」を発動したいケースでは、ステアリングホイールに設置されるPWRスイッチを押すだけで、トルク値をアップする運転モードへ切換えが行われます。
機種名 | HYBRID XS ターボ | HYBRID XS | |||
---|---|---|---|---|---|
駆動方式 | 2WD | フルタイム4WD | 2WD | フルタイム4WD | |
全長 | 3,395mm | ||||
全幅 | 1,475mm | ||||
全高 | 1,785mm | ||||
ホイールベース | 2,155mm | ||||
車両重量 | 900kg | 950kg | 890kg | 940kg | |
燃費 | 25.6km/L | 24.0km/L | 28.2km/L | 26.4km/L | |
エンジン | 水冷4サイクル直列3気筒ターボ | 水冷4サイクル直列3気筒 | |||
総排気量 | 0.658L | ||||
最高出力 | 47kW/6,000rpm | 38kW/6,500rpm | |||
最大トルク | 98Nm/3,000rpm | 60Nm/4,000rpm | |||
モーター | WA05A 直流同期電動機 | ||||
最高出力 | 2.3kW/1,000rpm | ||||
最大トルク | 50Nm/100rpm |
クロスビー
2017年12月25日に発売されるまでは、ハスラーワイドとも呼ばれる事もあったクロスビーは、SUVの走りにワゴンの積載能力をミックスさせた、スズキのクロスオーバーSUVです。
クロスビーはグレード「HYBRID MZ」「HYBRID MX」が共に、マイルドハイブリッドシステムを搭載します。
車のスピードを落とす際に発生するエネルギーは、発電効率の優れたISGによって電力へと変換され、作り出された電気は専用リチウムイオンバッテリー等に蓄えられ、モーターの力でエンジンをアシストする際などに用いられます。
クロスビーでは、車速が約9km/h以下となればアイドリングストップが働いて、エンジンをストップさせる事でも燃料消費のムダを省きます。
クロスビーは、優れた燃費性能とは高出力をもたらすK10C型ブースタージェットエンジンを搭載します。ブースタージェットエンジンでは、1.0L直噴ターボで、1.5L自然吸気エンジンに引けを取らない高出力・高トルクを実現します。
クロスビーには、車体を構成するパーツや配置バランスを見直し、車の基本性能を高めて、軽量高剛性をクリアするスズキの新プラットフォーム「ハーテクト」が採用されます。
高剛性ボディで、高性能エンジンを搭載するクロスビーは、スポーツドライブにも適した車です。
駆動方式 | 2WD(前2輪駆動) | フルタイム4WD |
---|---|---|
全長 | 3,760mm | |
全幅 | 1,670mm | |
全長 | 1,705mm | |
ホイールベース | 2,435mm | |
車両重量 | 960kg | 1,000kg |
燃費 | 22.0km/L | 20.6km/L |
エンジン | 水冷4サイクル直列3気筒直噴ターボ | |
総排気量 | 0.996L | |
最高出力 | 73kW/5,500rpm | |
最大トルク | 150Nm/1,700-4,400rpm | |
モーター | WA05A 直流同期電動機 | |
最高出力 | 2.3kW/1,000rpm | |
最大トルク | 50Nm/100rpm |
スイフト
2017年1月4日販売を開始した4代目スイフトは、グレード「HYBRID RS」「HYBRID ML」にスズキのマイルドハイブリッドシステムを搭載します。
発電効率の高いISG(モーター機能付発電機)は、減速時に発生するエネルギーを利用して発電を行います。ISGにはモーター機能も備えられ、エンジンを再始動する際や加速シーンにおいてモーターアシストを可能とします。ISGは、スズキのマイルドハイブリッドの要と言えるパーツです。
リチウムイオンバッテリーは、ISGが頻繁にモーターアシストを行えるようにサポートするために、必要な容量を確保します。
スイフトの「HYBRID RS」「HYBRID ML」は、マイルドハイブリッドを搭載するなどし、低燃費を実現した事が評価され、自動車税が50%減税されるグリーン税制の適用を受けます。
駆動方式 | 2WD(前2輪駆動) | フルタイム4WD | |
---|---|---|---|
全長 | 3,840mm | ||
全幅 | 1,695mm | ||
全長 | 1,500mm | 1,525mm | |
ホイールベース | 2,450mm | ||
車両重量 | 910kg | 970kg | |
燃費 | 27.4km/L | 25.4km/L | |
エンジン | 水冷4サイクル直列4気筒 | ||
総排気量 | 1.242L | ||
最高出力 | 67kW/6,000rpm | ||
最大トルク | 118Nm/4400rpm | ||
モーター | WA05A 直流同期電動機 | ||
最高出力 | 2.3kW/1,000rpm | ||
最大トルク | 50Nm/100rpm |
ソリオ/ソリオ バンディッド
スズキを代表するコンパクトトールワゴンであるソリオは、現行モデルでは「HYBRID SX」「HYBRID MX」が、ボディカラーにツートンルーフを採用するなど改良を加える派生車であるソリオ バンディッドでは「HYBRID MV」にマイルドハイブリッドが搭載されます。
ソリオのマイルドハイブリッド車のインパネセンター部には、システムの作動状況を確認できる「マイルドハイブリッド専用メーター」設置されます。同メーターは、常時発光できる仕組みを取り入れる事で、昼間のドライブにおいても視認性をアップさせます。
専用メーターには、ステータスインフォメーションランプ等のエコドライブをゲーム感覚で楽しめるサポート機能が満載です。
HYBRID MZ・HYBRID MXが装備する「副変速機構付CVT」は、変速比幅を拡大する副変速機構を導入することで、低速域での加速性能と高速域での燃費性能をアップさせます。
駆動方式 | 2WD(前2輪駆動) | フルタイム4WD | |
---|---|---|---|
全長 | 3,710mm | ||
全幅 | 1,625mm | ||
全長 | 1,745mm | ||
ホイールベース | 2,480mm | ||
車両重量 | 950kg | 990kg | |
燃費 | 27.8km/L | 23.8km/L | |
エンジン | 水冷4サイクル直列4気筒 | ||
総排気量 | 1.242L | ||
最高出力 | 67kW/6,000rpm | ||
最大トルク | 118Nm/4,400rpm | ||
モーター | WA05A 直流同期電動機 | ||
最高出力 | 2.3kW/1,000rpm | ||
最大トルク | 50Nm/100rpm |
イグニス
2016年2月18日より発売をスタートした、スズキのクロスオーバータイプのコンパクトSUV・イグニスは、グレード「HYBRID MZ」「HYBRID MX」「HYBRID MG」で、マイルドハイブリッドシステムを搭載します。
スズキのマイルドハイブリッドシステムでは、減速時に発生するエネルギーはISGによって電気の力へと変換され、「専用リチウムイオンバッテリー」などに蓄えられます。
「アイドリングストップ車専用鉛バッテリー」に蓄えられた電力は、エアコンなどの電装品に供給され、「専用リチウムイオンバッテリー」に蓄えられた電力は、電装品の動かすために使用するモーターを起動させて、エンジンをアシストするために用いられます。
イグニスが採用するK12C型デュアルジェットエンジンは、高い燃費性能とコンパクト設計が特徴です。
同エンジンは、高圧縮比化とバルブ等のパーツの低フリクション化、吸気ポートや燃焼室の設計を見直すことで熱効率を追求することで、低燃費とサイズダウンを同時にクリアします。
エンジンのコンパクト化は、イグニスの室内空間のワイド化に結びつきます。
駆動方式 | 2WD(前2輪駆動) | フルタイム4WD | |
---|---|---|---|
全長 | 3,700mm | ||
全幅 | 1,660mm | ||
全長 | 1,595mm | ||
ホイールベース | 2,435mm | ||
車両重量 | 880kg | 920kg | |
燃費 | 28.0km/L | 25.4km/L | |
エンジン | 水冷4サイクル直列4気筒 | ||
総排気量 | 1.242L | ||
最高出力 | 67kW/6,000rpm | ||
最大トルク | 118Nm/4,400rpm | ||
モーター | WA05A 直流同期電動機 | ||
最高出力 | 2.3kW/1,000rpm | ||
最大トルク | 50Nm/100rpm |
S-エネチャージの仕組みと搭載車
S-エネチャージは、ハスラーに搭載されるスズキのテクノロジーです。
ISGで作られた電気は、S-エネチャージ車専用リチウムイオンバッテリーに蓄えられて、車を加速する際のモーターアシスト等の動力として有効利用されます。
アイドリングストップからのリスタートでは、ISGのスターターモーター機能が、エンジンの再始動に関わる事で静粛性が向上し、ストレスのない走りを可能とします。
S-エネチャージは、ラパンやアルトに搭載されている「エネチャージ」の進化した形です。
S-エネチャージでは、エネチャージでは発電に特化していたパーツに、モーターアシスト機能を持たせました。また、バッテリーでは充電・給電性能をアップさせたS-エネチャージ車専用リチウムイオンバッテリーを搭載させます。
ハスラー
ハスラーは2014年に発売されてから好調な売上を維持し続けます。その現行モデルでは、「S-エネチャージ」を搭載することで更なる低燃費を実現しています。
S-エネチャージでは、減速時に発生するエネルギーをムダにしないために、ISGで発電を行います。ISGで作られた電気は「アイドリングストップ車専用鉛バッテリー」や、「S-エネチャージ車専用リチウムイオンバッテリー」に蓄えられます。
車のリスタート・加速シーンでは、「S-エネチャージ車専用リチウムイオンバッテリー」に蓄えられた電気は、エンジンをアシストするためのモーター動力として用いられます。
ハスラーは、グレードAを除くCVT車に「エネルギーフローインジケーター」を設置します。エネルギーフローインジケーターでは、発電状況やバッテリー残量を、アイドリングストップ作動時あるいはモーターアシスト走行時かなどを視覚的に確認する事ができます。
機種名 | Xターボ | X | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
駆動方式 | 2WD | フルタイム4WD | 2WD | フルタイム4WD | |||
全長 | 3,395mm | ||||||
全幅 | 1,475mm | ||||||
全高 | 1,665mm | ||||||
ホイールベース | 2,425mm | ||||||
車両重量 | 820kg | 870kg | 800kg | 850kg | |||
燃費 | 27.8km/L | 26.2km/L | 32.0km/L | 30.4km/L | |||
エンジン | 水冷4サイクル直列3気筒ターボ | 水冷4サイクル直列3気筒 | |||||
総排気量 | 0.658L | ||||||
最高出力 | 47kW/6,000rpm | 38kW/6,500rpm | |||||
最大トルク | 95Nm/3,000rpm | 63Nm/4,000rpm | |||||
モーター | WA04A 直流同期電動機 | ||||||
最高出力 | 1.6kW/1,000rpm | ||||||
最大トルク | 40Nm/100rpm |
スズキのハイブリッドはコンパクト設計で低燃費を実現
スズキのハイブリッドは、他社と比較すればEV走行は短時間で、モーター出力が見劣りしてしまうのは事実です。
その理由には、スズキが軽自動車を中心とした、小さいサイズの車を主力に事業展開している事が関わっています。ハイブリッドシステムを搭載することによって、車両重量が増す、ボディサイズに影響を与えてしまえば、ラインナップする車の魅力が損なわれてしまう事も想定されます。
そのため、スズキのハイブリッドはコンパクト設定で、搭載しても車両重量にはさほど影響を与えません。それでも、スズキのハイブリッドは、アイドリングストップや新プラットフォーム等の技術との相乗効果で、ワゴンRなど搭載する車種ではクラスNo.1の低燃費を実現します。
これからも、進化するスズキのハイブリッド技術によって、スズキ車のさらなる低燃費が実現され、ドライバーはエコドライブをもっと楽しむ事ができます。