マッスルカーとは

マッスルカーとは?スポーツカーとの違いの比較と代表的なアメ車一覧

マッスルカーとは車体が大きくて、V8型エンジンを搭載するアメ車で、スポーツカーとの外観的な特徴の違い、一大ブームが起きた理由、ダッチ・チャージャーや、シボレー・コルベットなどの代表的な車種の特徴も紹介します。

マッスルカーとは?スポーツカーとの違いの比較と代表的なアメ車一覧

マッスルカーとは大きな車体にV8型エンジンを搭載するレトロなアメ車で、一大ブームを巻き起こした理由や代表的な車種の魅力も紹介

「Muscle car (マッスルカー)」は、1960年から1970年初頭にかけて北米市場で一大ブームを巻き起こした、筋肉質な大きな車体にハイパフォーマンスなV8型エンジンを搭載するアメ車などに対して親しみを込められた付けられたネーミングが、定着していったクルマの総称。

欧州の自動車メーカーが開発したスーパーカーをも凌ぐ、直線上での瞬間的な加速力を実現している「マッスルカー」の代表的な車種や、ブームが起きた理由、スポーツカーとの違い、ブーム終焉後にも新たな付加価値を追加してリリースされた、カマロZL1などのニューマッスルカーとも称されている車両の魅力についても紹介していきます。

「マッスルカー」はV8型エンジンを搭載して直線上での圧倒的な加速力を実現しているアメ車を代表する車で、ドラッグレースなどのモータースポーツや文化面に多大なる影響を与えた

ハイパワーなV型8気筒エンジンを搭載 / 高重量の大きな車体 / 後輪駆動(FR)/ ハイグリップタイヤを装着 / 内外装は優雅でゴージャスといった特徴を備えたマッスルカーは、アメリカ経済全体を自動車業界がリードしていた、1960年代から1970年代初頭にかけて、ドラッグレースの人気も加味して一大ブームを巻き起こしました。

マッスルカーのルーツは1950年代後半にラインナップされていた、キャデラックなどの上級車に搭載されていた300PSを超える大排気量を誇る高性能エンジンを、相対的にリーズナブルな価格帯に設定していた中級車へと、流用させて見た目にも華やかドレスアップを施し、セレブではなくても購入できる価格で販売していた車両。

1960年代になると適度なボディサイズと、リーズナブルな車両価格を実現していたファミリーカーと車体を共通化させている、V8型エンジンを搭載する2ドアクーペを中心としたハイパフォーマンスモデルは、マッスルカーとも呼び親しまれ当時の若者達に人気を集めていた。

マッスルカーに乗車して若者達が繰り広げていたストリートレースは、「ドラッグレース」として進化を遂げて、アメリカを代表するモータースポーツとしての地位を確立し、レースに参加して好成績を収めた車両はセールス面の恩恵を受けた。

車市場で存在感を発揮するマッスルカーの価格は高騰してしまったため、比較的コンパクトな車体を採用し、徹底したコストダウンを行って、若者達が最初に乗れるクルマとしての価格を意識して開発されたフォード「マスタング」や、ダッジ「チャレンジャー」などのポニーカーとも呼ばれるマッスルカーが1960年代後半には登場。

アメリカの車社会だけではなくて、モータースポーツなどのジャンルにも多大なる影響を与えたマッスルカーは、1973年にオイルショックが起きて石油価格が高騰した / 排ガス規制が導入された / 相対的に事故率が高い事から自動車保険が高く設定された等の影響を受けて、車に求められるトレンドが変化して、急激にセールスが落ち込みブームが終焉してしまった。

マッスルカーは「Drag race(ドラッグレース)」が競技としても興行面でも成功を納めた事も影響して北米市場で一大ブームを巻き起こした

ドラッグレースをするマッスルカー「Drag race (ドラッグレース)」はアメリカで盛んな自動車レースで全米各地に専用コースが設けられている

全米で最もポピユラーな自動車競技の「Drag race(ドラッグレース)」のルーツは、若者達がV8型エンジンを搭載するアメ車(マッスルカー)で、電柱4本分の直線距離を、停止状態からいかに速く走れるかを競い合っていたストリートレース。

各地のストリートで行われていた違法なレースでは、事故が多発するなど危険が指摘されていたため、アメリカの各州は1/4マイルを競い合う専用のコースを作り、1951年には北米のドラックレースを統括する団体であるNHRA(National Hot Rod Association)を設立するなど組織化が進み、競技としても興行面でも成功を納め、アメリカを代表するメジャーなモータースポーツとしての地位を得た。

ネットやゲームが登場する以前には、直線上のコースを舞台として単純に車同士の速さを競い合うドラッグレースは、娯楽としての人気が高く、週末にはアメリカ各地の専用コースでレースが開催され、多くのマッスルカーが参戦し、そこで活躍した車両が翌週売れるというマーケット戦略が、1960年代から1970年代初頭にかけて確立していた。

マッスルカーはV8型エンジンを搭載しボディの軽量化はさほど意識していなかったのに対し、スポーツカーは主にV4型やV6型エンジンを搭載しハンドリング性能も意識して空力特性を採り入れて、車体の軽量化を行っている

マッスルカーは北米市場で盛んな直線上のコースで催されるドラッグレースで活躍し、自車のハイパフォーマンスさを誇示するために、アクセルレスポンスの俊敏さと最高速のハイパフォーマンス化に直結するV8型の箱型の大きなエンジンを選択。

マッスルカーは、V8型エンジンを搭載させる為に、ボンネット部はロング化させて、車体の軽量化はさほど意識せず、北米市場で好まれる筋肉質で迫力があり、大きな車体構造を特徴としていた。

対して、欧州市場で人気のスポーツカーは、トラック競技やロードレースで活躍していた競技車両のレーシング技術を還元し、旋回路でのコーナリング性能を安定させるために、車体の軽量化を行って、ハンドリング特性を向上させられる空力特性をボディ構造に積極的にボディに取り入れた。

スポーツカーに搭載されるエンジンは、車両重量の軽量化を実現させるために、マッスルカーと比較すると総排気量は抑えられたV4型とV6型のコンパクトなタイプを選択し、大衆車と差別化させるために、ターボチャージャーを組み合わせるなどして、動力性能を高めているのが特徴である。

燃費が悪く総排気量が多いマッスルカーに日本で乗る際にかかる維持費をシミュレーション

アメリカの名作映画に頻繁に登場し、ワイルドで迫力があってパワフルな走りが魅力的なマッスルカーは、最近の自動車のトレンドであるハイブリッドカーを中心とした燃費の良い車と比較すれば、燃費が悪く、総排気量が多いのが特徴です。

マッスルカーの燃費は3~5km/Lと指摘されていて、燃費が良いと言われている25km/Lを超えるような日本のエコな車と比較した場合には、同一距離を走行したケースであれば、単純計算で数倍もの燃料代が必要となります。

車に搭載されるエンジンの排気量に応じて毎年支払い義務が生じる自動車税や、車検時に支払う車の重量に応じて課される自動車重量税は、総排気量が多いエンジンを搭載し、車両重量も大きなマッスルカーの場合には、高額になってしまう傾向にあります。

日本の自動車税 新車時登時期別の税額
総排気量 2019年9月30日以前 2019年10月1日以降
4.0L超~4.5L以下 76,500円 75,500円
4.5L超~6.0L以下 88,000円 87,000円
6.0L超 111,000円 110,000円
日本の自動車重量税 2年自家用(継続検査、中古車新規登録時、エコカー外)
車両重量 右以外 13年経過 18年経過
~1.5t 24,600円 34,200円 37,800円
~2.0t 32,800円 45,600円 50,400円
~2.5t 41,000円 57,000円 63,000円
~3.0t 49,200円 68,400円 75,600円

マッスルカー(ビンテージ)16選~ 1960年代~1970年代初頭にかけて大ヒットしたアメ車を中心にピックアップして各車の魅力も語る

シボレー「カマロ」や、ポンティアック「GTO」など1960年代から1970年代初頭にかけて大ヒットを記録した代表的なマッスルカーをピックアップして、各車の車歴や魅力についても紹介していきます。

シボレー「シェベル」はハイパフォーマンスモデルのSSで最高出力450PSをクリアするマッスルカーを展開していた

シボレー シェベルのエクステリア「Chevelle(シェベル)」はファミリーカーとして展開されていたが、ハイパフォーマンスモデルのSSも展開していた

1964年から1977年にかけて販売されていた「Chevelle(シェベル)」は、GMの改良型Aプラットフォームの基で開発を進めた車両で、フルサイズとコンパクトの中間的なポジショニングを担う、インターミディのAボディを採用するシボレーの中型車。

「シェベル」は、4ドアセダンやステーションワゴンといった5人乗りのファミリーカー向けのモデルを中心に展開し、パワステやエアコンなどの快適装備を充実させる一方で、総排気量は7400㏄で最高出力は450PSをクリアする、V8型エンジンを搭載するハイパフォーマンスモデルのシェベルSSといったマッスルカーもリリースしていた。

「シェベルSS」は、ワイルド・スピードシリーズの主人公の一人であるドミニクの愛車として『ワイルド・スピードMAX』に劇中車として登場した影響もあり日本での人気も高い。

シボレー「カマロ」はコンパクトな車体に高出力エンジンを搭載してクルマ好きの若者達を走りで魅了したマッスルカー

シボレー カマロのエクステリア「Camaro(カマロ)」はイカツイ雰囲気も魅力とするシボレーのロングセラー

1967年に初代モデルが発売された「Camaro(カマロ)」は、フォード・マスタングが開拓したポニーカー市場(若者向けの低価格帯2ドア)でのシェア獲得を期待して開発された車両で、誕生初期はスタイリッシュなスペシヤリティカーとしてのイメージが強かったが、当時流行っていたマッスルカーの要素も取り入れた1970年式カマロZ/28は、コンパクトなボディに5700㏄V8型エンジンを搭載させ、最高出力は360PSをクリアし、当時の若者達を刺激的な走りでも楽しませた。

フォードのロングセラー「カマロ」は、フロントマスクがダースベイダーのようでイカツイ車としても認知されている。

シボレー「コルベット」はヨーロッパ市場では主流のライトウェイトスポーツカーにマッスルカーのトレンドを採り入れていた車種も展開していたアメ車を代表する2ドアクーペ

シボレー コルベットのエクステリア「Corvette(コルベット)」はヨーロピアンテイストのライトウェイトスポーツカーに、マッスルカーのトレンドを車両開発に取り入れていた時代もある

1954年に初代(C1型)がリリースされた「Corvette(コルベット)」は、当時GMのデザイン部門の副社長を務めていた人物が、アメリカの軍人達が戦後に持ち帰ってきた欧州のスポーカーに影響を受けて開発された、2ドアクーペのライトウェイトスポーツカー。

「コルベット」は70年近くにも達する車歴の中で、アメリカ市場でマッスルカーがトレンドであった時代には、V8型エンジンを搭載するだけではなくて、外観的特徴でも欧州のスポーツカーのような優雅さや流麗さを求めるのではなくて、ワイルドさや威圧感を車体デザインに取り入れていた車両をリリースしていた時期もある。

「ノヴァ」は最上級グレードで総排気量は5000㏄を超えるV8型エンジンを選択可能としてマッスルカーを希望するユーザーのニーズにも対応していたシボレーのコンパクトカー

シボレー ノヴァのエクステリアシボレー「Nova(ノヴァ)」の初期モデルはV8エンジンを搭載し、ハイパフォーマンスモデルのSSをグレード展開していた

1961年に初代モデルをリリースしたシボレー「Nova(ノヴァ)」は、ライバル車としていたフォードのコンパクトカーであるファルコンを意識して開発した車両。

「ノヴァ」の初期モデルは、4ドアセダン / 5ドアステーションワゴン / 2 ドアクーペなどのボディタイプを展開し、最上級グレードの400ノヴァでは、総排気量は5000㏄を超えるSmall Block V8型エンジンを選択可能として、マッスルカーを希望するユーザーのニーズにも応えていた。

ポンティアック「GTO」はコストパフォーマンスの高さやスタイリッシュさも採り入れた外観も評価されているマッスルカーを代表する一台

ポンティアック GTOのエクステリアポンティアック「GTO」は縦目の4灯が特徴的で、フルサイズの車体に大排気量エンジンを搭載していたアメ車を代表するマッスルカー

ポンティアック「GTO」は、ヴィン・ディーゼル主演のアクション映画『トリプルX』に劇中車としても登場した影響もあって、日本での知名度も高いアメ車。

ポンティアック・ブランドで1964年から1974年にかけて販売されていた「GTO」は、縦目の4灯をフルサイズの車体に配置してデザイン性を高め、7.5L V8型などの大排気量を誇るハイパフォーマンスエンジンを搭載する、コスパの高さもセールス面に影響を与え、ヒットを記録したマッスルカーを代表する車として認知されている。

ポンティアック「ファイヤーバード」は車体先端部を口ばしのように尖らせてマッスルカーらしい迫力ある雰囲気を与えている硬派なイメージの強い車

ポンティアック ファイヤーバードのエクステリア「ファイヤーバード」はシボレー・カマロの姉妹車であり、バンパーレスルックを特徴としている

初代モデルが1967年にリリースされた「Firebird (ファイヤーバード)」は、GM(ゼネラルモーターズ)が開発・製造を行い、ボンティアックブランドで販売するスタイルを採用。

同じくGMグループに属するシボレー・カマロの姉妹車にあたる同車は、カマロとの差別化を行うためにポンティアックが独自開発した3.8L V8型等のエンジンを、フード下に収める構造を採用していた。

「ファイヤーバード」は、カマロと外観においても差別化させる為に、フロントグリル等の車体先端部を、鳥の口ばしのように尖らせる視覚効果によって、フルサイズの車体ではないもののマッスルカーらしい、迫力を与えていた。

アメ車を代表する車であるフォード「マスタング」は画期的な販売戦略であるフルチョイスシステムが支持されてカスタマイズも楽しめるマッスルカーとしても親しまれていた

フォード マスタングのエクステリア1964年の誕生より車歴を積み重ねている「MUSTANG(マスタング)」は、フォードのみならずアメリカを代表する車として認知されている

「MUSTANG(マスタング)」は、1964年にニューヨークで開催された万博の初日に初代モデルが発表され、その後も車歴を積み重ね、各時代のニーズに適した技術やデザインを導入して進化を続ける、フォード社のみならず、アメ車を代表するレジェンドカー。

野生の馬を意味するマスタングが車名に採用されている同車は、特定のグレードは設けず、リーズナブルな価格に設定されているベース車に、ユーザーの好みに合わせて、エンジンや変速機などのパワーユニット、内装などを膨大な選択肢の中から組み合わせる画期的な販売戦略であるフルチョイスシステムが支持されて、セールス面で大成功を納めた。

V8型高出力エンジンの選択も可能としている「マスタング」は、カスタマイズを行うマッスルカーとしても親しまれていた。

多種多様なボディスタイルを展開していたフォード「フェアレーン」はマッスルカーブームの時に7.0LクラスなどのV8型エンジンを搭載するグレードも展開していた

フォード フェアレーンのエクステリア「Fairlane(フェアレーン)」は4代目~7代目がマッスルカー市場を意識して開発を行ったグレードを展開していた

「Fairlane(フェアレーン)」は、北米フォード車が1955年から1970年までにかけて販売していたフルサイズの車で、同一車種で4ドアステーションワゴン / 4ドアセダン / 2ドアクーペ / 2ドアコンバーチブルなど、多種多様なボディスタイルを展開し、幅広いニーズにも応えていた。

「フェアレーン」は歴代7モデルの中では、マッスルカーがアメリカ市場でブームとなっていた時代と重なる4代目~7代目が、ハイパフォーマンスな走りを可能とする7.0LクラスのV8型エンジンを搭載し、内外装でワイルドさを発揮しているグレードも展開していた。

ダッジ「チャージャー」は開閉式ヘッドライトにロングローズを組み合わせてトラック競技も可能とするモデルを展開していた初代(B-Body)がマッスルカーらしさを追求していた

ダッジ チャージャーのエクステリア初代「charger (チャージャー)」はワイルド・スピードの主人公の一人であるドミニクの愛車として劇中に登場して日本での知名度を上げた

「Chager(チャージャー)」は、1960年代初頭に起きたマッスルカーブームの中で、高いシェア率を獲得し、先行するGM・ポンティアックやFord・マーキュリーがリリースしていた車を意識して、クライスラーのサブブランドであるダッチが威信をかけて開発した車両。

マッスルカーブーム終焉後も車歴を積み重ねていった「チャージャー」の歴代モデルの中でも、開閉式ヘッドライトにロングローズを組み合わせた外装、総排気量は7200㏄を超えるマグナムV8エンジンを搭載し、トラック競技も可能とするチャージャーR/Tもラインナップしていた、1966~1978年にかけてリリースされていた初代(B-Body)が根強い人気を誇っている。

ストリートで走行性能を発揮していた「チャージャー」は、アメリカ西海岸で始まった、車高を地面スレスレに落とし、特徴的なボディカラーで塗装を施す、油圧ポンプを足回りに設置して車体を跳ね上げらせる、車のカスタムスタイルであるローライダー化させるベース車としても選ばれていた。

初代「チャレンジャー」はコストダウンを行って車両販売価格を抑えポニーカーとしても人気を集めていた幅広い世代からも支持されているマッスルカー

ダッジ チャレンジャーのエクステリア初代「Challenger(チャレンジャー)」はスタイリッシュなデザインを魅力とするエアインテークを設置するモデルもラインナップし、ポニーカーとして当時の若者達から支持されていた

1970年に初代モデルがリリースされた「Challenger(チャレンジャー)」は、ダッチ・チャージャーのボディサイズを縮小化させ、E-Bodyプラットフォームの基でコストダウンを図り、5.3L V型8気筒エンジンなどのハイパフォーマンスエンジンを搭載しているものの低価格帯を実現させて、当時の若者達が初めて乗るクルマであるポニーカーとしてのニーズにも応えていたマッスルカー。

「チャレンジャー」は、歴代モデルの中でもV型8気筒エンジンを搭載するチャレンジャー8などのグレードを展開し、『バニシング・ポイント』などの映画にも登場し日本など各国でも有名になった、初代モデル(1970年~1974年)が、幅広い世代から支持されている。

プリムス「バラクーダ」は映画やゲームの世界にも登場して再脚光を浴びている大きな車体を魅力としているマッスルカー

プリムス バラクーダのエクステリア「Barracuda(バラクーダ)」はクライスラーのサブブランドであるプリムスから1964年から~1974年にかけて販売されていた大きなボディを特徴としていたアメ車

クライラーのサブブランドであるプリムスから展開されていた「Barracuda(バラクーダ)」は、1964~1974年にかけて製造されていた、全長5000mmは全幅2000mm を超えていた大きな車体を魅力としていた2ドアクーペのマッスルカー。

「バラクーダ」は1964~1974年にかけての車歴の中で2度のモデルチェンジを実施。1970年にリリースされた3代目は、ダッジ・チャレンジャーの兄弟車でもあり、総排気量は7,000㏄を超えるV8型エンジンを搭載させるハイパフォーマンスモデルも展開していた。

3代目がデビューした時期は、排ガス規制が導入され、オイルショックが起きた時期と重なり、1974年に生産終了となってしまったが、バラクーダは『ハイウェイマン』などの劇中車や、エレクトロニック・アーツが開発したゲーム『ニード・フォー・スピード』シリーズにも登場して再脚光を浴びている。

プリムス「ロードランナー」は若者達にも購入しやすい価格帯を実現させるため走りのパフォーマンスには直結しない快適装備などは標準装備しない販売戦略を採用していたアメ車のマッスルカー

プリムス ロードランナーのエクステリア「Road Runner(ロードランナー)」は走りのパフォーマンス向上には直結しない快適装備は標準装備していなかった

1968年に初代モデルがリリースされた「Road Runner(ロードランナー)」は、クライスラーがプリムスブランドで展開していた車で、ダッジ・チャージャーとプラットフォームと共通化させる、車両価格の上昇に繋がる快適装備はオプション設定とするなど、徹底的なコストダウンを行い、ブームとなり高価格化していったマッスルカーを、当時の若者達にも購入しやすいような設定としていた価格戦略が支持されて、大ヒットを記録した車。

マッスルカーの十分条件であるハイパフォーマンス化を実現させるために、6.3L V8OHVや7.0L V8 OHVエンジンを搭載し、400PSを超える高出力化を、低価格帯で実現していたプリムス「ロードランナー」は、排ガス規制が導入され、オイルショックが起きて、マッスルカー自体のブームが終焉した影響を受けて、1980年に製造終了となってしまった。

「フォード・トリノ」は多種多様なモデルを展開する中で5.8L V8型エンジンを搭載するマッスルカーも販売していたアメ車で、クリント・イーストウッドが監督を勤めた映画にも登場して世界的な認知度を高めた

フォード トリノのエクステリア「トリノ」はフォードのインターミディエート・セグメントの主力車として活躍していた

「Torino(トリノ)」は1968年から1976年にかけて車歴を積み重ねていった車両で、フルサイズとコンパクトクラスの中間的なセグメントとして、フォードが設定したインターミディエート・セグメントで主力モデルとして一時代を築いていた。

フォード・トリノで最も好調なセールスを維持していたモデルは、4ドアセダンではあったが、同車は2ドアファストバッククーペや、2ドアコンバーチブルなどのボディタイプも展開し、4.9L V8型エンジンや5.8L V8型エンジンを搭載するマッスルカーもラインナップしていた。

同車の上級グレードのグラン・トリノは、クリント・イーストウッドが監督と主演を勤め、2008年に公開された同名映画『グラン・トリノ』で世界的な知名度を上げた。

「Celica(セリカ)」はフォード・マスタングを意識して開発された車両で初代モデルはダルマとも呼ばれ丸みを帯びていて大きな車体を特徴とするマッスルカーにインスパイアされていたトヨタの車

初代セリカのエクステリア初代「セリカ(A20/30型)」は、歴代モデルの直線が多くスリムな車体と比較すると、丸みを帯びていた為にダルマセリカとも呼ばれている

1970年に初代モデルが誕生した「Celica(セリカ)」は、北米市場で圧倒的な人気を得ていたフォード・マスタングを意識して開発された車両で、当時リリースされていた楔型が多い市販車と比較すると丸みを帯びていて、メッキパンパーのシルエットがダルマの髭のように見えると指摘されていた為に、ダルマセリカとの通称が付けられていた。

初代「セリカ」は、マスタングが導入していた、ユーザーがエンジンや変速機、内装を自身の好みに合わせて選べるフルチョイシステムを採用していた。

初代セリカ(A20/30)・1600・ツインキャブ・STのスペック
型式 TA22-MZ
エンジン 2T-B 水冷直列4気筒OHV
総排気量 1588㏄
最高出力 105PS/6,000rpm

ケンメリの愛称で親しまれていた4代目「スカイライン」は歴代モデルの中では最もマッスルカー影響を受けて車両開発を行った大ヒットを記録した日産を代表する車

4代目スカイラインのエクステリア累計66万台の大ヒットを記録したケンメリの愛称でも親しまれている4代目「スカイライン」は歴代モデルの中で最もマッスルカーの影響を受けて車両開発を行った車両

CM等のキャンペーンの影響を受けて、ケンメリの愛称で親しまれている4代目「スカイライン(C110型)」は、累計66万台のヒットを記録し、ロゴ入りのTシャツが販売されるなど、社会現象も巻き起こした日産を代表する車。

1972年に販売を開始した4代目「スカイライン」は、従来モデルよりもボディサイズを拡大させて、車体の迫力を増している、ジェント機の噴射口をモチーフにした4灯テールランプを初めて搭載するなど、歴代モデルの中では最も、当時アメリカ市場で流行っていたマッスルカーをイメージしたエクステリアを採用しているクルマでもある。

4代目スカイラインハードトップ 2000GTのスペック
型式 KGC110型
エンジン L20型(直・OHC)
総排気量 1998㏄
最高出力 125ps / 6,000rpm
最大トルク 167N・m / 4,400rpm

「ギャランGTO」はアメリカ市場で大ブームとなっていたマッスルカーを意識して開発された車両で日本の車では初めてダックテールを採用していた三菱の車

ギャランGTOのエクステリア「コルトギャランGTO」はマッスルカーの車体デザインの特徴である後端を跳ね上げるダックテールを日本車で始めて採用した車である

1970年に発売された「ギャランGTO」は、コルトギャランをベース車として、アメリカ市場でブームを巻き起こしていた、マッスルカーを意識して開発をおこなった三菱のファストバッククーペ。

「ギャランGTO」は、アメ車のマッスルカーのトレンドであった、トランク蓋の後端部を跳ね上げらせるダックテールを日本の車では始めて採用し、ロングローズ&ショートデッキスタイルを選択する事で、高速走行時に発生する空気抵抗を低減化させていた。

ニューマッスルカーとも称されているブーム終焉後にリリースされた、大排気量と高出力を求める車好き達のニーズに応え続けているハイパフォーマンスなアメ車をピックアップ

ブーム終焉後にリリースされた、最近のトレンドである自動運転技術を採り入れたキャデラック「CT5-Vブラックウイング」などのような、当時のマッスルカーの面影を感じさせる、ハイパフォーマンスモデルは、旧車のマッスルカー(ビンテージ)と対比して、ニューマッスルカーとも呼ばれています。

このセクションでは、迫力ある車体に総排気量は5000㏄を超えるような高出力エンジンを搭載し、ハイパフォーマンスな車を求めるユーザー達のニーズに応えている、ニューマッスルカーとも称されている各車の魅力を紹介していきます。

フォード「マスタング・ダークホース」は上級モデルに相応しい専用装備を充実させているサーキット走行も可能としているニューマッスルカーのスタンダード

フォード マスタングダークホースのエクステリア5.0L V型8気筒エンジンを搭載する「マスタング・ダークホース」は7代目に追加設定されたハイパフォーマンスモデル

アメ車を代表する車として進化を続けるフォード「マスタング」は、2022年にフルモデルチェンジを実施して、ドライバーのマインドを刺激するデザイン性と機能性と備える電子ブレーキシステムなどを装備する7代目に移行。

7代目・マスタングに追加設定された上級モデルの「マスタング・ダークホース」は、5.0L V型8気筒エンジンを搭載させて最高出力は500PS越えを実現。

同車はフロントグリルを大系化させて、パンパーを専用化させている、サーキット走行も可能とさせるために設置しているリヤスポイラーは、バックビューにも迫力を与えている。

ハイパフォーマンスモデルの6代目「カマロZL1」は軽量化させたボディに6.2L V8型 OHVエンジンを搭載させて直進走行性能以外も高水準化させているニューマッスルカー

シボレー カマロZL1のエクステリア6代目「カマロ」は車体各部にアルミニウムを使用して従来モデルよりも100Kg近い軽量化を実現させ、ボディのサイズダウンも行った

マッスルカーのブーム終焉後も車歴を積み重ねていったシボレー・カマロは、2015年にフルモデルチェンジを実施して、従来モデルよりも車両重量は100Kg軽量化させる、ボディサイズの縮小化、新開発の2.0L直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載させるなどの改良を加えて、6代目に移行。

2017年に6代目・カマロに追加設定されたハイパフォーマンスモデルの「ZL1」は、6.2L V8型OHVエンジンに、スーパーチャージャーシステムを組み合わせる効果で、燃焼効率を引き上げて、競技用モデルは、新設計のニュルブルクリンクの北コースで7分16秒04を記録した。

車体を軽量化させる事で、直進走行性能だけではなくて、ハンドリング性能も向上させた6代目「カマロ」は、トランスフォーマーの劇中車として登場した影響を受けて若い世代が購買層の中心となっている。

キャデラック「CT5-Vブラックウイング」はパワフルな走りだけではなくて部分的な自動運転も可能とする新たな付加価値も魅力としているマッスルカー

キャデラック CT5-Vブラックウイングのエクステリア「CT5-V ブラックウイング」はCTSの後継車として誕生したCT5のハイパフォーマンスモデル

GMは2019年に、世界初の半自動運転システムである・スーパークルーズを導入するミドルクラスのスポーツセダン「GT5-V」をリリース。

2021年1月には日本市場でも発売を開始した同車に追加設定された「CT5-V Black WING(CT5-V ブラックウイング)」は、キャデラックがモータレースで磨いた技術力を流用させるVシリーズから展開されるハイパフォーマンスモデル。

「CT5-Vブラックウイング」は、6.2L V8気筒スーパーチャージャーエンジンを搭載し、最高速は322Kmを実現。専用エンブレムやグリル等の装備を充実させて、車体の迫力を引き上げている同車は部分的な自動運転を可能とする、先進装備を充実させてマッスルカーに新たな付加価値を加えた。

3代目チャレンジャーの上級グレード「SRTヘルキャット」はマッスルカーとしても人気を集めていた初代モデルに新たな魅了を加えている特別な一台

3代目ダッジ チャレンジャーSRTヘルキャットのエクステリア2008年に3代目として復活を果たしたダッジ「チャレンジャー」の中でも、6.2L V型8気筒スーパーチャージャー付エンジン搭載のSRSヘルキャットは存在感が際立っている

北米国際自動車ショーでコンセプトカーが披露された後に、3代目モデルとして2008年に復活を果たしたダッジ「Challenger(チャレンジャー)」は、クライスラーのLXプラットフォームの基で開発を実施し、マッスルカーとしても一世を風靡した初代モデルを想起させるエクステリアは、当時を知る人の記憶も刺激して話題を集めた。

3代目チャレンジャーの中でも「STR Hellcat(STRヘルキャット)」は、車両重量は2000Kgを超える大きな車体に、6.2L V型8気筒スーパーチャージャー付エンジンを搭載する、走りと存在感が際立っている、新たなマッスルカーのイメージ像を感じさせてくれる一台。

V10型OHVエンジンを搭載し世界最速の市販車とも称されていたダッジ「バイパー」はニューマッスルカーを代表する一台として人気を集めていた

ダッジ バイパーのエクステリア2017年まで生産されていたダッジ「Viper(バイパー)」は、V型10気筒OHVエンジンを搭載し、ニュルブルクリンクで好記録をたたき出した世界最速の市販車とも言われているニューマッスルカー

初代モデルが1991年にリリースされたダッジ「Viper(バイパー)」は、GMのシボレー・コルベットを意識して開発された車両で、当時クライスラーが傘下におさめていたランボルギーニの技術者らが車体の足回りを強化し、市販車では最高クラスの総排気量8400㏄をクリアするV10型OHVエンジンを搭載するアメ車を代表するスポーツカー。

ニュルブルクリンクで行われたテスト走行では7分1秒30をレコードし、世界最速の市販車とも称されていたダッジ「バイパー」は、当初の販売計画では3年間限定の少量生産のスタイルを採る予定であったが、予想を超える好調なセールスを記録したため、3代目が2017年に生産終了となるまで約26年間も多くの車好き達を魅了した、ニューマッスルカーを代表する車としての呼び声も高い一台。

車好き達に憧れを抱かせるマッスルカーはアメ車を代表する車でアメリカ文化を好きになるきっかけも与えてくれる車

マッスルカーは、維持費を考慮して所有するまでには至らなくても、直進走行性能では、欧州のスーパーカーを凌駕する圧倒的な加速性、ワイルドな存在感やクラシカルな雰囲気で、多くの車好き達に憧れを抱かせ続けているアメ車です。

劇中車として頻繫にアメリカ映画に登場し、ドラッグレース誕生に多大な影響を与え、ローライダー化させるベース車としても選ばれる機会の多かったマッスルカーは、アメリカ文化を好きになるきっかけを与えてくれる車でもあります。