車の映画

車の映画30選~ 洋画・邦画に分けて活躍する劇中車や作品の魅力も語る

車の映画30選。車をテーマとして扱う、多数の車が劇中で活躍する映画を、洋画と邦画で合わせて30作品ピックアップ。『頭文字D』などのアニメや、『グランツーリスモ』などのゲームをルーツとする作品内で活躍する車の魅力や、映画の見どころも紹介。

車の映画30選~ 洋画・邦画に分けて活躍する劇中車や作品の魅力も語る

車の映画30選~ エンタメ作品やアクション大作などで活躍した車の魅力や、映画の見所を邦画と洋画に分けて紹介

車をテーマとして扱っている作品や、劇中で激しいカーアクションを繰り広げるなどクルマが登場する機会の多い映画を、邦画と洋画で合わせて30作品ピックアップしました。

大人も子供も一緒になって楽しめる娯楽性の強い作品や、自身の青春時代を思い出してしまうような感動作、史実を基にしているため車業界について詳しくなれる作品などが揃います。各映画で活躍する劇中車の魅力や、作品の見所についても紹介していきます。

車の映画・邦画部門~大ヒット漫画・ドラマを映画化した作品などの見どころや、劇中で大活躍する車の魅力についても語ります

車の映画・邦画部門では、大ヒットコミックである『頭文字D』や『湾岸ミッドナイト』、人気ドラマ『あぶない刑事』を映画化した作品などが揃います。各映画の見どころや、劇中に登場する主要な車の魅力についても語ります。

『頭文字D/Third Stage』は3DCC化されて迫力が増したスプリンタートレノ(AE86型)が白熱したカーバトルを繰り広げる車の映画

スプリンタートレノのエクステリア『頭文字D』の主人公 藤原拓海の愛車である「スプリンタートレノ(AE86型)」は、作品の影響力もあって、未だに車好き達によって乗り継がれている

しげの秀一原作の『頭文字D』は、1995年から2013年にかけて週刊ヤングマガジンで連載され、単行本の累計発行部数は5600万部を超える大ヒット漫画。公道最速を目指す各地のレーサー達が峠を舞台として白熱したカーバトルを繰り広げる本作は、アニメ化やアーケードゲーム化もされている。

土屋圭一や織戸学などのレーシングドライバーも愛読者であったという本作には、主人公である藤原拓海の愛車であるスプリンタートレノ(AE86型)を始め、シルビアやシビック、ランサーエボリューションなどの数多く車が劇中車として登場。

アマゾンプライムビデオやHuluなどの動画配信サービスでも視聴可能となっている2001年に劇場公開された『頭文字D/ Third Stage』では、3D CG化され迫力を増した拓海の愛車であるスプリンタートレノ(AE86型)と、小柏カイが乗車するSW20 MR2がバトルを繰り広げるシーンは、ファン達の間で語り継がれている。

「スプリンタートレノ(AE86型)」は、生産終了してから数十年が経過した今でも、漫画や映画の作品の影響を受けたファンから支持されて、車好き達の間で乗り継がれている。

原作 しげの秀一
監督 山口史嗣
出演者 藤原拓海:三木眞一郎 / 藤原文太:石塚運昇 / 高橋涼介:子安武人
上映時間 103分

劇場版『あぶない刑事』はアクションシーンが満載で、レパードなどの劇中車が多数登場する映画

レパードのエクステリア「LEOPARD(レパード)」はあぶない刑事のドラマ版や映画版にも度々登場するシリーズを代表するクルマ。2024年5月に公開される映画でもレパードは活躍する

『あぶない刑事』は、舘ひろし演じるタカと、柴田恭兵が演じるユージがスタイリッシュなファッションに身を包み、当時流行っていたトレンディードラマの要素も取り入れて、硬派なイメージが強かった刑事ドラマに新たなテイストを織り交ぜた戦略が視聴者に受けて、若年層や女性層からの支持も得た。

あぶデカの愛称でも親しまれている『あぶない刑事』は、1986年~1987年にかけて第1期のテレビドラマが放送されてから、第2期のテレビやスペシャルドラマ、複数の映画が公開されている人気シリーズ。

『あぶない刑事』シリーズでは、タカ&ユージら横浜港署に所属する警察官が犯人を追跡する場面、カーアクションを繰り広げるシーンで、ゴールドとシルバーのツートンカラーが華やかに画面やスクリーンを彩っていた2代目「レパード(F31型)」を始め、グロリアやマーク2、クラウンなどの複数の車が劇中車として登場している。

2024年5月劇場公開の『帰ってきたあぶない刑事』では、刑事を退職し、ニュージーランドで探偵事務所を開設したタカ&ユージが、探偵として横浜の街に帰ってくるという設定で、タカがハレーにまたがってショットガンを撃つ定番のシーンや、レパードも登場して往年のファンの期待にも応えている。

制作 日本テレビ
配給 東映
出演者 舘ひろし / 柴田恭兵 / 浅野温子 / 仲村トオル

第94回アカデミー賞の海外長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』には物語の主人公である家福が10年以上乗り続ける車として「サーブ900」が登場する車の映画

サーブ900のエクステリアサーブ900はアカデミー賞で海外長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』で主人公の家福の愛車として劇中で使われている

村上春樹の短編小説を原作とする『ドライブ・マイ・カー』は、第94アカデミー賞で海外長編映画賞を受賞、カンヌ国際映画祭では3部門にノミネートするなど、国内外での評価の高いヒューマンドラマ。

1978年に初代モデルがリリースされた「SABB(サーブ)900」は、スウェーデンの大手航空機メーカーのサーブの自動車部門が設計・開発を実施し、GM傘下となって1992年に販売された2代目モデルは、GMのグループ企業が開発したオペル・ベクトラのプラットフォームなどを採用して車体の基本構造を完成させた。

赤いボディカラーが目立つ「サーブ900ターボ」は、『ドライブ・マイ・カー』の劇中で、西島秀俊が演じる物語の主人公である、舞台演出家や脚本家としても活躍する家福が10年以上も乗り続けて愛車として使われる。

同作では、家福が「サーブ900ターボ」を運転中に接触事故を起こして、運転免許停止の処分が下され、病院で検査した際には緑内障の兆候が見つかり、事務所の判断により三浦透子が演じる、寡黙な渡利みさきが専属のドライバーとなり、各地を巡り交流を深めていくというストーリーが軸となっている。

原作 村上春樹
監督 濱口竜介
出演者 西島秀俊 / 三浦透子 / 岡田将生
上映時間 179分

『湾岸ミッドナイトTHE MOVIE』 はコミックでの人気の高い悪魔のZ編をベースとして復活・再生を果たしたS30型・フェアレディZが白熱したカーバトルを繰り広げる車の映画

フェアレディZ S30型のエクステリア湾岸ミッドナイトで主人公が首都高などでバトルを繰り広げる「フェアレディZ(S30型)」は、排ガス規制が導入される以前に開発された、高出力エンジンを搭載している

楠みちはる原作の『湾岸ミッドナイト』は、週刊ヤングマガジンやビックコミックスピリッツなどで連載され、アニメ化やゲーム化もされた人気作。

本作では、物語の主人公である朝倉アキオが乗車する、作品内では悪魔のZとも称されている日産「フェアレディZ」を始め、首都高などを舞台としてバトルを繰り広げる際に登場する、スカイラインGT-Rやフェラーリ テスタロッサ、サバンナRX-7など多数の劇中車が活躍している。

2009年に全国の映画館で公開された『湾岸ミッドナイト THE MOVIE』では、中村優一が演じる物語の主人公である朝倉アキオが解体所で放置され、廃車寸前となっている悪魔のZと恐れられている曰く付きのS30型フェアレディZを再生・復活させて、加藤和樹が演じる走り屋でもある外科医の島達也の愛車である、ポルシェ911をチューンアップさせたブラックバードとのバトルを繰り広げる。

物語に登場する初代「フェアレディZ(S30型系)」の中でも、排ガス規制が導入される以前に開発された軽量なボディに、高出力エンジンを搭載し海外メーカーのスーパーカーに匹敵する走りのパフォーマンスを発揮していたモデルは、希少性も加味して、中古車市場では高値で取引されている。

原作 楠みちはる
監督 室賀厚
出演者 中村優一 / 小林涼子 / 加藤和樹
上映時間 100分

『青い車』に劇中車として登場する5代目カローラに特別塗装を施したと言われているクルマは虚無感や焦燥感に苛まれ悩む主人公の二人が癒しを求めて海辺へとドライブするシーンなどに登場する

5代目カローラのエクステリア『青い車』の劇中でリチオとこのみが海辺にドライブするシーンなどに登場する青い車は、5代目カローラと推測されている

2004年に公開された邦画『青い車』は、原作漫画の作者である、よしもとよしとも氏がスピッツの同名曲にインスパイアされて、題名を付けたという作品。

ARATA演じる、幼少期の事故で付いた目の傷をサングラスで隠し、虚無感を抱きながら暮らすリチオと、彼の恋人であるアケミの妹であり、大学受験を前に焦燥感に駆り立てられている宮崎あおい演じる、このみが海辺へとドライブに出かける際に劇中に登場する、リチオの愛車の青い車は、5代目カローラをベースとして、特別に塗装を施したものだと言われている。

1983年にリリースされた5代目「カローラ(E8#型)」は、歴代カローラでは、初めてデジタルメーター・オートドライブをオプションで追加設定可能とし、トリップメーターを全車に標準装備させるなど、コックピットが従来モデルよりも強化されていた。

劇中で特別塗装が施され、青い車として映像や物語に脚色を加える同車は、リチオが夜間時に運転する場面や、高速道を疾走する場面でも活躍する。

原作 よしもとよしとも
監督 奥原浩志
出演者 ARATA / 宮崎あおい / 麻生久美子
上映時間 90分

車の映画・洋画25選~大人も子ども一緒になって楽しめるエンタメ作品や、見応えのあるカーチェイスに興奮し、重厚なストーリーに心を打たれる名作をピックアップ

数ある洋画の車の映画の中からは、『Cars(カーズ)』や『トランスフォーマー』などの大人も子供も一緒になって楽しめるエンタメ作品や、見応えのあるカーチェイスに思わず興奮してしまう『ワイスピシリード』や『キャノンボール』、感動的なストーリーに心を打たれる『アメリカン・グラフィティ』などをピックアップしました。各作品に登場する劇中車などを紹介していきます。

『スクランブル』はワイスピシリーズとTAXiシリーズの制作チームがタッグを組んで完成させた映画で、フェラーリ250GTOなどのオークション会場を賑わす超高級が登場する

フェラーリ250GTOのエクステリア1962年製 フェラーリ「250 GTO」は2023年の自動車オークションで約78億円もの金額で落札された名車

2017年に劇場公開された『スクランブル』は、ワイスピシリーズの制作チームと、TAXiシリーズに関わった映像会社がタッグを組んで、共同制作を行って完成させたカーアクション映画。

高級クラッシックカーを専門に窃盗を繰り返す、スコット・イーストウッド演じるアンドリューと、フレデリック・ソープ演じるギャレット兄弟は、世界で2台しかないという1937年製のブガッティ・アトランティック タイプ57SCを盗み出すのに成功するものの、車の所有者は冷酷無比な大物ギャング(モリエール)であったため、命を狙われる羽目となる。

ギャレット兄弟は、自分たちの命を救うための取引として、彼らと敵対するマフィアが所有する1962年製のフェラーリ250GTOを1週間以内に盗み出すという条件を交わす。

フェラーリ「250GTO」は、1962年に 1964年にかけて行われたスポーツカー選手権に参戦するために開発された車両であり、国際GT選手権を3連覇するなど圧倒的なパフォーマンスを誇示した名車。

レースシーンでの輝かしい功績、総生産台数は39台という希少性の高さも加味して、コレクター心理を刺激するフェラーリ「250GTO」は、2023年11月にニューヨークで開催されたオークションでは、1962年製が約78億円で落札されるなど、高値で取引されている。

監督 アントニオ・ネグレ
出演 スコット・イーストウッド / フレデリック・ソープ /ガイア・ワイス
上映時間 93分

『Drive (ドライブ) 』は 主演俳優の意見が反映されてシボレー・シェベル・マリブSSが劇中車として選ばれるなど作品内で数多くの名車が活躍する映画

シボレー シェベル マリブSSのエクステリア1973年製のシボレー「シェベル・マリブSS」は、昼間は映画のカースタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う主人公が乗車する車として劇中で活躍する

2011年に劇場公開された『Drive(ドライブ)』は、昼間は自動車整備工場の整備士やカースタントマンとして働く傍ら、夜は運転技術を犯罪組織に認められ強盗犯の逃走を手助けする、ライアン・ゴズリング演じる物語の主人公であるドライバーと、同じアパートに暮らすキャリー・マリガン演じるアイリーンが、彼女の息子をドライバーが助けた事をきっかけとして、次第に惹かれ合っていき物語が進んでいくという作品。

各国の主要な映画祭にノミネートされた本作には、ドライバーが逃走用の車として使用するフォード・マスタングGTや、彼らを追跡するクライスラー・300Cなどの劇場車が多数登場する。

中でも、アメ車を代表するマッスルカーとしても認知されている1973年製のシボレー「シェベル マリブSS」は、役を演じたライアン・ゴズリングの意見が反映されて、ドライバーの愛車として選ばれた。

原作 ジェイムズ・サリス
監督 ニコラス・ウィンディング・レフン
出演 ライアン・ゴズリング / キャリー・マリガン / アルバート・ブルックス
上映時間 100分

フォードが製造してした車がタイトルに付けられている『グラン・トリノ』は名優クリント・イーストウッドが監督兼主演を勤めている映画

フォード トリノのエクステリアフォード・トリノの中でも1972年~1976年にかけて製造されていた車種はグラン・トリノの別名が与えられている

2008年に劇場公開された『Gran Torino(グラン・トリノ)』は、名優クリント・イーストウッドが監督兼主演俳優として出演している作品。
クリント・イーストウッド演じるコワロフスキーは、フォードの自動車組立工場を長年勤め上げた後、亡くなった妻との思い出に浸りながら、愛車のグラン・トリノで住み慣れた街でドライブを楽しむ余暇を過ごしていた。

頑固な性格のため、息子達との折り合いが合わず、気の知れた人達としか交流をしないコワロフスキーの隣の家にモン族の一家が引っ越してくる。

ある日ギャング達が一家の息子であるタオをグループに引き入れようとするのを、見かねたコワロフスキーが助け、彼に仕事を教えるなどの交流を深めてストーリーを進んでいく。

物語のタイトルともなっている「グラン・トリノ」は、フォードが1968年~1976年にかけて製造していた中型車Torino(トリノ)の中でも、オーバーファンダーや楕円形の大型フロントグリルを特徴とし、クロームメッキ加飾で煌びやかに装飾していた第3世代(1972年~1976年)の車種を指している。

監督 クリント・イーストウッド
出演 クリント・イーストウッド / ビー・ヴァン / アーニー・ハー
上映時間 117分

『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』は日本の俳優が出演し、日産シルビアなどの国産車も大活躍している車の映画

日産 シルビアのエクステリア日本の走り屋達の間でドリフトカーとしても親しまれていた「シルビア」はワイルド・スピードX3に劇中車として登場した

ワイスピシリーズのスピンオフ的な色彩も強い2006年に劇中公開された『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』は、アリゾナ州に暮らすドライブを趣味とする高校生のショーンが、警察に補導されるなどのトラブルを繰り返し、母親に見放され、日本の米軍基地に勤務する父親を頼って、日本の高校へ転校する事でストーリーは進んでいく。

東京が主な舞台となっている本作には、千葉真一や北川景子、妻夫木聡ら日本人俳優だけではなくて、日産・フェアレディZ / マツダ・RX‐8 / 三菱・ランサーエボリューションなどの国産車も多数登場する。

中でも、ショーンが転校先で仲良くなったトゥインキーに誘われて、改造車が集う立体駐車場で繰り広げられていたドリフトバドルに参加した際に、ショーンが乗車した、日産シルビアはストーリー上で重要な意味合いを持つ。

同作に劇中車として登場した「SILVIA(シルビア)」は、1965年から2002年の期間中にリリースされ、競技車両が国内外のモータースポーツで優勝を果たすなど好成績を収め、知名度を上げ、日本の車好き達の間では、ドリフトカーやチューニングカーとしても高い人気を誇っていた。

監督 ジャスティン・リン
出演 ルーカス・ブラック / ナタリー・ケリー /千葉真一
上映時間 104分

『キャノンボール』は後に世界的な大スターとなるジャッキー・チェンがスバル・レオーネに乗車してカーアクションを繰り広げる車の映画

スバル レオーネのエクステリアスバル「LEONE(レオーネ)」はキャノンボールのシリーズ1作目で日本人コンビの一人として出演していたジャッキー・チェンが劇中で乗車していたクルマ

1981年にシリーズ第1作目が公開された『キャノンボール』は、北アメリカ大陸を舞台として、東海岸のコネチカット州・ダリーンから西海岸のカリフォルニア州・レンドビーチまでを、市販車がいかに速く横断できるかを競い合う非公認のレースを物語の軸として、ストーリーが進められるカーアクション映画。

バート・レイノルズやロジャー・ムーアら豪華スターの競演、コメディ要素も取り入れるエンタメ作品としても魅力的なキャノンボールは、日本でもヒットを記録し、1984年には『キャノンボール2』が、1989年には『キャノンボール3』が制作された。

パート3まで制作されたキャノンボール・シリーズには、シボレー・マリブ / ボンティアック・ファイヤーバード / ランボルギーニー・カウンタック / メルセデス・ベンツ・300SLなどの名車が劇中車として活躍する。

アメリカの制作会社20世紀フォックスと、香港の制作会社ゴールデン・ハーベストとの合作映画であった経緯から、同シリーズに日本人コンビとして出演していたジャッキー・チェンは、スバルの北米仕様の「LEONE(レオーネ)」に乗車してレースに参加。

1971年から2001年までの車歴を誇る「レオーネ」は、スバルの世界戦略車として各国で好調なリリースを続け、当時の北米市場では乗用車の四輪駆動は珍しい存在であり、水平対向エンジンを動力源として組み合わせてパワフルな走りを披露していた。

監督 ハル・ニーダム
出演 バート・レイノルズ / ジャッキー・チェン / ロジャー・ムーア
上映時間 95分

『ミニミニ大作戦』はキャストの一部だとも監督に称されているミニ・クーパーが小さいボディやフットワークの軽さも活かして大活躍する車の映画

ミニ クーパーのエクステリア『ミニミニ大作戦』では、かつての仲間に奪われた金塊を取り戻す作戦を実行する際に、初代ミニ・クーパーが大活躍する

2003年に劇場公開された『ミニミニ大作戦』は、1969年に制作された同名アクション映画のリメイク版。ドナルド・サザーランドが演じるジョン率いるイタリアのギャング団は、金塊強盗は成功したもの、逃走の途中でスティーヴら仲間の一部に裏切られ金塊を強奪されてしまう。

キャストの一部だと監督に称されている「ミニ・クーパー」は、小さいボディと抜群の走行性能を活かして、マーク・ウォールバーグ演じるチャーリーが、シャーリーズ・セロン演じるジョンの娘であるステラらを誘ってチームを再結成して、奪われた金塊を取り戻す作戦を実行する過程で、地下鉄の階段を下る、排水溝から脱出するなどの場面で大活躍している。

監督 F・ゲイリー・グレイ
出演 マーク・ウォールバーグ / シャーリーズ・セロン / ドナルド・サザーランド
上映時間 111分

『60セカンズ』は凄腕の車の窃盗グループが日本へは正規輸入が行われていないジャガー・XJ220などの高級車を72時間以内に50台盗むという車の映画

ジャガー XJ220のエクステリア『60セカンズ』ではジャガーXJ220などの高級車が50台登場して車好き達を魅了した

2000年に公開された『60セカンズ』では、車の窃盗グループで伝説的な存在として名を馳せていた、ニコラス・ケイジ演じるメンフィスが、裏社会の組織に監禁されている弟の命を救うために、72時間以内に50台もの高級車を盗んで、組織に引き渡すという取引を実現させる為に、かつての仲間などを呼び寄せて再びチームを結成して、ストーリーは進んでいく。

メンフィス率いる窃盗団が、ターゲットとする高級車に女性の名前をコードネームとして付けるというストーリーが展開されていく本作では、エレノアとして名付けられ物語の重要なシーンで登場するシェルビー・マスタングGT5000を始め、フェラーリ・テスタロッサ(映画内のコードネーム:ローズ)、リンカーン・ナビゲーター(映画内でもコードネーム:キンベリー)など、50台もの名車が登場する。

中でも1991年から1993年の期間中にリリースされ、レーシングカーに匹敵するエアロパーツを装備し、当時としては世界最速を誇っていたジャガー・XJ220は、日本への正規輸入は行われていないという理由も加味して、車好き達の間では話題を集めた。

監督 ドミニク・セナ
脚本 スコット・ローゼンバーグ
出演 ニコラス・ケイジ / アンジェリーナ・ジョリー
上映時間 117分

『Cars(カーズ)』はシボレー・モンテカルロなどの車を擬人化させたキャラクター達が大活躍する大人も子供と一緒になって楽しめる車の映画

シボレー モンテカルロのエクステリア乗り物を擬人化させたキャラクターが登場する『カーズ』シリーズでは、シボレー・モンテカルロなどをベース車としているキャラ達が活躍する

ピクサー・アニメーション・スタジオが制作し、2006年に劇場公開された『Cars(カーズ)』は、乗り物を擬人化させたコミカルなキャラクター達が、人間のように社会生活を営み、ユーモアがあって共感も出来る世界観が大人にも受けて、2011年には続編も製作されたクルマを題材として扱ったアニメ映画。

『カーズ』シリーズでは、水平対向エンジンを搭載し、走る楽しみを追求するポルシェ・911カレラをモデル車とする物語のヒロイン・サリーや、ジープのルーツ車でありウイリスMBをモデル車とする軍用品店を経営するサージ、V8型エンジンを搭載するシボレー・モンテカルロをベース車とする、ピストン・カップの元王者であるダレルなど、多数の名車を擬人化させたキャラクター達が活躍する。

制作 ピクサー・アニメーション・スタジオ /
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
監督 ジョン・ラセター / ジョー・ランフト
出演 オーウェン・ウィルソン / ポール・ニューマン
上映時間 116分

『フォード VS フェラーリ』は買収交渉の破断がきっかけとなりル・マン24時間耐久レースで熾烈な争いを繰り広げる両社の間に起きた史実をベースに脚色を加えて制作された車の映画

フォード GTマーク4のエクステリア「フォードGTマーク4」は1967年のル・マン24時間耐久レースの連覇を至上命題として開発された

2019年に劇場公開された『フォード VS フェラーリ』は、1960年代に熾烈な覇権争いが繰り広げられていたスポーツカー耐久レースの世界を舞台として、実話ベースにオリジナルな脚色も加えた、人間ドラマも楽しめる車の映画。

劇中では、世界的な自動車メーカーとしての地位を確立していたフォード社が、ル・マン24時間耐久レースでは6連覇を誇示していたが、経営危機に陥っていたフェラーリ社の買収を提案するものの、交渉は破断するばかりか、裏工作が行われていた事実や罵倒された事を知って激怒したヘンリー・フォード2世が、フォード社の優秀な技術者を集め、会社の威信をかけてル・マン24時間レースに参戦し、絶対王者であるフェラーリを打ち負かすという目標を掲げて、ストーリーは進んでいく。

本作は1960年代に自動車業界で起きた史実だけではなくて、フォードGT40が開発された経緯なども作品を通じて知る事ができるとして、車好き以外からも評価されている映画。

監督 ジェームズ・マンゴールド
出演 マット・ディモン / クリスチャン・ベール
上映時間 153分

『デス・レース』は自由を求める囚人たちがダッジ・RAMなどの車両をベース車として武装化させる改造を施して死闘を繰り広げる車の映画

ダッジ RAMのエクステリア『デス・レース』にはダッジ・RAMなどをベース車として武装化させた改造車が多数登場する

2008年に劇場公開された『Death Race(デス・レース)』は、B級映画界で絶対的な地位を確立しているロジャー・コーマンがプロデューサーを勤めたバイオレンス・カーアクション映画。

経済危機が発端となり予算が削減され、民営化を余儀なくされた刑務所内では、囚人たちが勝利すれば自由を手に出来るという条件の下、ロケットランチャーや追撃砲などで武装化させた改造車で行わせるレースをネットで中継して収益を得ていた。

映画では、物語の主人公である妻殺し冤罪で収監されていた元レーサーであるジェンセンが、M134ミニガンなどで武装化させるフォード・マスタングGTや、囚人の一人であるジョセフが乗車する無骨さ全開のボディに、ロケットランチャーなどで武装化させるダッジ・RAMなどの車両が劇中車として登場する。

監督 ポール・W・S・アンダーソン
出演 ジェイソン・ステイサム / タイリース・ギブソン / ジョアン・アレンン
上映時間 110分

『グランツーリスモ』はソニーの人気ゲームのトッププレイヤーから本物のレーサーとなったヤン・マーデンボローの実話をベースとしている車の映画

GTR NISMOのエクステリア日産のフラッグシップスポーツカー「GTR‐NISMO」は劇中の白熱したレースシーンに登場する

2023年に劇場公開された『Gran Turismo(グランツーリスモ)』は、ソニーの同名人気ゲームのトッププレイヤーであり、後にプロのレーシングドライバーとなったヤン・マーデンボローの実話をベースとして、脚色を加えた映像作品。

イギリス人の青年ヤンは、人気テレビゲーム・グランツーリスモに熱中する日々を過ごしていたが、学校には通わず、元サッカー選手である父親から叱責される毎日を過ごしていた。

そんな日々を過ごしていた、ヤンの元にある日、グランツーリスモのゲームのトッププレイヤーを、SCEと日産がタッグを組んで、本物のカーレーサーへと育成するプログラム「GTアカデミー」への誘いの知らせが突然やってくる。

GTアカデミーの訓練に耐え、最後の一人となったものには、日産のレーシングチームと契約する権利が与えられる。子どもの頃から密かにレーサーに憧れていたヤンはGTアカデミーへの参加を決意する。

実話をベースとした本作には、日産のフラッグシップスポーツカーのハイパフォーマンスモデル「GT-R NISMO」が、ヤンらアカデミーの訓練生の練習用の車として登場し、レースシーンでは同車のエンジンが奏でる音や、ドアを閉める音、サーキットを走行する際のロードノイズなど、実車から録音された音を採用してリアリティを追求した。

監督 ニール・ブロムカンプ
出演者 デヴィット・ハーバー / オーランド・ブルーム / ジャイモン・フンスー
上演時間 134分

『ニード・フォー・スピード』はチューンアップした各国のスーパーカーが公道を舞台として白熱したレースを繰り広げる車の映画

ランボルギーニ セスト エレメントのエクステリア劇中にはランボルギーニ・セスト・エレメントなどのスーパーカーが数多く登場する

2014年に劇場公開された『Need for Speed (ニード・フォー・スピード)』は、エレクトロニック・スポーツが開発した同名のレースゲームを題材とし、チューンアップした各国のスーパーカーが公道を舞台とした白熱したレースを繰り広げるカーアクション映画。

アーロン・ポール演じる主人公のトビーは、父親から譲り受けた自動車修理工場を営む傍ら、夜になると仲間達とストリートレースに興じて、天才的なドライビングテクニックを披露していた。そんな彼の元に全米最大のストリート・グランプリ「デレオン」への参加依頼がきて、一時は固辞していたものの、知り合いに裏切られ無実の罪で投獄された恨みを晴らす為に参加を決意する。

本作には、全米最大のストリート・グランプリ「デレオン」に参戦するスポーツカーとして、トビーが乗車するマスタングの高性能モデル・シェルビーGT5000や、限定20台生産で5.2リッターV10エンジンを搭載する車両重量は999Kgもの軽量化を実現したランボルギーニー・セスエレメントなど、各国のスーパーカーが登場する。

原作 エレクトロニック・スポーツ
監督 スコット・ワウ
出演 アーロン・ポール / ドミニク・クーパー / マイケル・キートン
上映時間 131分

後の大スター達が出演している『アメリカン・グラフィティ』はシボレー・ベルエアなど数多くのクラッシックカーが登場する車好きも楽しめる映画

シボレー ベルエアのエクステリア『アメリカン・グラフィティ』はフォード・デューク・クーペなど、数多くのクラッシックカーが登場するので車好きも楽しめる映画

ジョージ・ルーカス監督・脚本の『American Graffiti(アメリカン・グラフィティ)』は、1962年のアメリカ・カリフォルニア州の田舎町を舞台として、大学に進学するなどして次の日には地元を離れてしまう高校を卒業した青年たちが共に過ごす最後の一夜を、感動的に描く作品。

本作には、ハリソン・フォードやロン・ハワードなど、後にアメリカを代表する俳優や監督となる人物たちも多数出演している。

ジョージ・ルーカスが自身の高校生時代のエピソードも織り交ぜて完成させた本作は、当時の流行っていた音楽やファッション、車などアメリカ文化のトレンドも知れる作品で、シボレー・ベルエアやフォード・デュース・クーペなどの数多くのクラッシックカーが登場する、車好きも楽しめる青春映画である。

監督 ジョージ・ルーカス
出演 リチャード・ドレイファス / ロン・ハワード /ハリソン・フォード
上映時間 110分

『ゲッタウェイ スーパースネーク』はアメ車を代表するスポーツカーであるマスタング・シェルビーGT5000 スーパースネークが大活躍する車の映画

マスタング シェルビーGT5000 スーパースネークのエクステリアアメ車を代表するスーパーカー「マスタング・シェルビーGT5000 スーパースネーク」は劇中で激しいカーチェイスを繰り広げるなどして大活躍する

2013年に劇場公開された『ゲッタウェイ スーパースネーク』は、妻を誘拐された元プロレーサーであるブレンドの元に、犯行グループからの脅迫電話がかかってきて、指示に従って地下駐車場にあるマスタング・シェルビーGT5000 スーパースネークを盗み、その後も犯行グループの指示を受け、車の所有者であると主張する少女も連れて、警察に追われながらも発電所を目指していく、カーアクション映画。

本作の舞台なっているブルガリアの首都ソフィアで、激しいカーチェイスを繰り広げるなど走りのパフォーマンスを発揮する、マスタング・シェルビーGT5000 スーパースネークは、マスタングをベース車としてキャロル・シェルビーがチューニングを行って走行性能を引き上げる、ハイパフォーマンスモデル。

監督 コートニー・ソロモン
出演 イーサン・ホーク / セレーナ・ゴメス / ジョン・ヴォイト
上映時間 90分

『チェイサー』は誘拐された息子を救い出すために孤軍奮闘する母親が激しいカーチェイスなどを繰り広げる映画

クライスラー タウン&カウントリーのエクステリア劇中でハル・ベリーが誘拐された息子を救うために激しいカーアクションを繰り広げる車は、クライスラーのタウン&カウントリーであると推測される

ハル・ベリー主演で2017年に劇場公開された『チェイサー』は、6歳の息子の親権を元夫と法廷で争っていたカーラが、自身の眼の前で息子を連れさられ、携帯電話を失くし、地元警察も協力的ではない中で、たった一人で最愛の息子を救い出そうとするストーリーが軸となっている映画。

カーラが犯行グループらを追跡し、激しいカーチェイスを繰り広げる際に運転している車ではないかと推測されるクライスラーのミニバン「タウン&カントリー」は、1990年から2016年まで車歴を刻み続け、北米市場以外にもオーストラリアや南アフリカなど各国にも輸出され、環境を意識してプラグインハイブリッドモデルも展開していた。

監督 ルイス・プリエト
出演 ハル・ベリー / セイジ・コレア / リュー・テンプル
上映時間 94分

『ラッシュ / プライドと友情』は1970年代にF1で活躍しライバル関係にあった2人のドライバーにスポットライトを当てた伝記的な側面も楽しめる車の映画

ランチア ベルリーナのエクステリア映画ではF1カー以外にもランチア ベルリーナなどの劇中車が多数登場する

ロン・ハワード監督の『ラッシュ/プライドと友情』は、1970年代にF1世界選手権で活躍していた、天性の野性的な勘を活かしてレースに臨み、私生活では豪遊する日々を過ごしていたイギリス人のドライバーであるジェームズ・ハントと、自動車工学の知識を活かして自身でもマシンを整備して、論理的かつ緻密な戦略でレースに挑み、私生活では勤勉に過ごしていたオーストラリア人のドライバーであるニキ・ラウダを主人公とする伝記的な側面も楽しめる車の映画。

本作では、ライバル関係にあった二人が競い合うレースシーンで活躍するF1カー以外にも、ドイツGPに臨むまでの期間中で、お互いがプライベートな時間を過ごすシーンでは、プジョー504やランチア2000ベルリーナなどの名車も登場する。

監督 ロン・ハワード
出演 クリス・ヘムズワース / ダニエル・ブリューム
上映時間 122分

『アウトバーン』は速度無制限のドイツの高速道路をマフィアから逃れるために、ポルシェ・カイエンなどの高級車を次々と乗り継いでいくスリリングなドライブシーンを見せ場としている車の映画

ジャガーF-TYPEのエクステリアドイツの速度無制限の高速道路を舞台としている本作には、ジャガーF‐TYPEなどの車両が劇中車として登場する

2016年に劇場公開された『アウトバーン』は、アメリカ・ドイツ・イギリス・中国の映像会社が共同で制作した映像作品。

物語の主人公である天才的なドライビングテクニックを持つ自動車泥棒であるケイリーは、アメリカで指名手配され、ドイツへと逃亡し、マフィアであるゲランの部下となる。

ケイリーは、ドイツのクラブで出会ったジュリエットに恋に落ちて、裏稼業からの引退を決意するものの、恋人であるジュリエットが難病を患っていることを知り、彼女の手術費用を捻出するために、マフィアのボスから提案された危険な仕事を引き受ける。

本作は、組織から逃れるために、ドイツの速度無制限の高速道路を、アストンマーティン・ラビードS / メルセデスAMG GT / ポルシェ カイエン / ジャガーF-TYPEなどの高級車を次々と乗り継いでいく、スリリングな展開を最大の見せ場としている車の映画。

監督 エラン・クリーヴィー
出演 ニコラス・ホルト / フェリシティ・ジョーンズ / アンソニー・ホプキンス
上映時間 99分

『RONIN(ローニン)』はシトロエンXMなどの車両がCGや特撮を一切使わずにフランス国内で見応えのあるカーチェイスを繰り広げている映画

Audi S8のエクステリア劇中ではAudi S8などの高級車がCGや特撮を使用せずに激しいカーチェイスを繰り広げる

1998年に劇場公開された『RONIN(ローニン)』は、映画のタイトルが日本の浪人という単語を引用して付けられたもので、冷戦時代には特殊工作員としてスパイ活動の任務を行っていた者たちが、冷戦後には活躍の場を失って焦燥感に苛まれていた元活動員たちが、謎の女・ディアドラに呼ばれパリの街に集められ、ある男から銀色のケースを奪う仕事を依頼される。

本作は、日本での知名度の高いロバート・デニーロや、ジャン・レノら豪華俳優陣の競演だけではなくて、BMW5シリーズやプジョー406、アウディS8等の高級車がパリ市内などを、CGや特撮を一切使用せずに、リアルで迫力のあるカーチェイスを繰り広げるシーンも話題を集めた名作映画。

監督 ジョン・フランケンハイマー
出演 ロバート・デニーロ / ジャン・レノ / ジョナサン・プライス
上映時間 121分

『007カジノ・ロワイヤル』はボンド役がダニエル・クレイグへと変わった初作品で、アストンマーティン DBS V12がボンドカーとして活躍する映画

アストンマーティン DBS V12のエクステリア『007 カジノ・ロワイヤル』では、アストンマーティン DBS V12がボンドカーとして活躍する

2006年に劇場公開された『007カジノ・ロワイヤル』は、シリーズ第21作目にあたり、ジェームズ・ボンド役がダニエル・クレイグへと変わった初作品。

マイアミ国際空港での旅客機爆破計画を防ぎ、セルビアのモンテネグロにあるカジノ・ロワイヤルで開催されるポーカーゲームで、テロリストに活動資金を稼がせないための任務を遂行する本作では、マグネシウム合金やカーボン繊維複合物で徹底した軽量化を実現し、6リッターV型12気筒エンジンを搭載するアストンマーティン DBS V12がボンドカーとして活躍する。

007シリーズは、1962年に第1作目『007/ドクター・ノオ』を公開して以降、20作品を超える映画を誕生させ、劇中ではアストンマーティンを始め、ロータスやアルファロメオなど数多くの車を登場させて車好き達を魅了してきた作品でもある。

原作 イアン・フレミング
監督 マーティン・キャンベル
出演 ダニエル・クレイグ / エヴァ・グリーン /  ジュディ・デンチ
上映時間 144分

『バニシング・ポイント』はダッチ・チャレンジャーの新車を15時間以内に送り届けるというストーリーが軸となっている今でも語り継がれている車の映画の名作

ダッジ チャレンジャーのエクステリア劇中では主人公のコワロフスキーが15時間以内に1970年型の白のダッジ・チャレンジャーを陸送でサンフランシスコまで陸送させるという仕事を請け負う

アメリカン・ニューシネマを代表する作品として称されている『バニシング・ポイント』は、1970年代のアメリカ文化や、当時のトレンドも劇中で巧みに描き、主人公の台詞は極力少なくしながらも、フラッシュバックで過去を回想する編集技術も評価され、後にTVドラマとしてリメイクされる、クエンティン・タランティーノがオマージュ作を制作するなど、多方面に影響を与えた。

1970年型の白のダッジ・チャレンジャーの新車を、翌日の午後3時まで15時間以内で、コロラド州のデンバーからサンフランシスコまで陸路で届けるという仕事を請け負った、物語の主人公であるコワロスキーは、自身のレースドライバーの経験を活かして、スピード違反で検挙しようとするパトカーを猛スピードで蹴散らしていく、ダッジ・チャレンジャーが走りのポテンシャルを披露する。

同作は、アメ車の名車であるダッジ・チャレンジャーの存在感も相まって、今でも語り継がれている車の映画の名作。

原案 マルコム・ハート
監督 リチャード・C・サラフィアン
出演 バリー・ニューマン / クリーヴォン・リトル
上映時間 106分

『TAXi』は車マニアのタクシー運転手と仕事ではミスが多い警察官が難事件をコミカルに解決していく車の映画

メルセデスベンツ 500Eのエクステリア劇中ではドイツの武装強盗団は、レッドカラーが映えるメルセデス・ベンツ・500Eに乗車している

リュック・ベッソンがプロデューサーを勤めた『TAXi(タクシー)』は、卓越した運転テクニックを持ち、車の改造には詳しいタクシー運転手のダニエルと、冴えない私生活を送り仕事ではミスが多いマルセイユ警察所属の警察官・エミリアンがコンビを組んで、難事件をコミカルかつ痛快に解決する、シリーズ化もされた大ヒット映画。

シリーズ1作目では、3台の赤いメルセデス・ベンツ500Eによる連続強盗事件を、ボタン1つでレーシングカーへと変形するなどの改造を施したプジョー406や、知人の車関係やピザ屋で働いていた時の元同僚たちの助けも借りて解決する。

フランス版の続編オリジナル映画や、アメリカのリメイク版も劇場公開されている『TAXi』シリーズには、スバル・インプレッサWRC / 三菱・ランサーエボリューション / ランボルギーニー・アヴェンタドールなどの劇中車が数多く登場している。

製作・脚本 リュック・ベッソン
監督 ジュラール・ピレス
出演 サミー・ナセリ / フレデリック・ディーファンタル
上映時間 86分

『トランスポーター2』はお洒落なスーツをクールに着こなすプロの運び屋のアンディがアウディA8に乗って激しいカーチェイスなどを繰り広げる映画

アウディ A8 D3系のエクステリア『トランスポーター2』とその続編の3では、プロの運び屋フランクの愛車としてアウディA8(D3系)が活躍する

2005年にトランスポーターの続編として公開された『トランスポーター2』は、依頼者の名前は聞かないなど3つの信条を掲げ、プロの運び屋業を行うジェイソン・ステイサム演じるフランクを主人公とする人気カーアクション映画の第2弾。

運び屋業から引退する決意を固めていたアンディではあったが、彼の仕事の功績ぶりを聞きよせた連邦麻薬対策委員長ジェファーソンから、6歳の息子ジャックを送迎する仕事を依頼される。

麻薬カルテルによって組織化された国際テロリスト集団と対峙する、ジャックがテロ集団に誘拐されてしまった事を知らない連邦警察に追われる、殺人ウィルスによる大統領の暗殺計画を阻止しようとする本作では、フランクの愛車として、W型12気筒DOHCエンジンを搭載するアウディA8(D3系)の最上級グレードL6.0クワトロが登場し、激しいカーチェイスを繰り広げる。

アウディA8は、続編となる『トランスポーター3 アンリミテッド』でも、アンディの愛車として活躍。トランスポーターシリーズには、その他にもランボルギーニー・ムルシエラゴ・ロードスターや、BMW735iなどの劇中車が登場する。

製作・脚本 リュック・ベッソン
監督 ルイ・レテリア
出演 ジェイソン・ステイサム / アレッサンドロ・ガスマン / ケイタ・ノタ
上映時間 88分

『マッドマックス』は暴走族による凶悪事件が多発する未来都市で妻子を襲撃されたマックスが特殊追跡車に乗って復讐を果たす映画

フォード ファルコンXBセダンのエクステリアフォード「ファルコンXBセダン」はMFPのパトロールカーのベース車として選ばれ、作品の影響を受けたファンは改造を施して忠実に再現している

メル・ギブソンの代表作『MAD MAX (マッドマックス)』は、1979年に公開された第1作目が世界的なヒットを記録し、続編が制作される、漫画やアニメといった多ジャンルにも多大なる影響を与えた、カーアクションシーンも見応えのあるSF映画。

本作は、暴走族による凶悪事件が多発するオーストラリアの未来都市を舞台設定とし、メル・ギブソン演じる暴走族を専用に取り締まる特殊警察であるM.F.P(Main Force Patrol)に所属するマックスが、妻子を暴走族に襲撃され、復讐を果たすのがストーリーの軸となっている。

マックスが暴走族に復讐を果たすシーンで活躍する、スーパーチャージャー付のV8型エンジンを搭載する特殊追跡車両V8インターセプター(ブラック・パシュート・スペシャル)は、圧倒的な走りのポテンシャルをスクリーンで披露した。

マッドマックスシリーズには、フォード・ファルコンXB GTをベース車とする追跡車両ブラック・パシュート・スペシャルや、市販の四輪自動車やバイクをベースとして改造を施している劇中車が多数登場する。

製作 バイロン・ケネディ
監督 ジョージ・ミラー
出演 メル・ギブソン / ジョアン・サミュエル / ティム・バーンズ
上映時間 93分

『ベイビー・ドライバー』はシボレー・ブレイザーやフォード・トーラスなどのアメリカの街中でよく見かける車が多数登場する車の映画

シボレー ブレイザー K5型のエクステリア『ベイビー・ドライブ』の終盤では、ベイビーが乗車するシボレー・ブレイザー(K5型)とアトラント市警のダッジ・チャージャーが激しいカーチェイスを繰り広げる

2017年公開の『ベイビー・ドライバー』は、上映時間113分の大半でカーチェイスが繰り広げられ、主人公であるベイビーに起こる、幼少期の事故の後遺症で発生する激しい耳鳴りをかき消すために流す、劇中歌による演出手法も評価されて、第90回アカデミー賞においては3部門にノミネートされたアクション映画。

裏社会の大物ドクの車を盗んでしまった事から、犯罪者を現場から逃がす仕事やらざるを得なかったベイビーは、ウェイトレスとして働くデボラと恋に落ちて、逃がし屋の仕事を辞めたいと思うものの、天才的な運転テクニックが犯罪組織に認められている為に、完全には足を洗えない状況が続く。

本作では、物語の冒頭6分間に登場して、アトランタの街を舞台として警察とスリリングなカーチェイスを繰り広げるスバル・イングレッサWRX(2006年型)や、アメリカ市場では独自に進化した三菱・ギヤラン、大衆車として人気のフォード・トーラスや、シボレー・ブレイザーなど、アメリカの街中でよく見かける車が多数、劇場車として登場している。

監督・脚本 エドガー・ライト
出演 アンセル・エルゴート / ケヴィン・スペイシー/ リリー・ジェームズ
上映時間 113分

『トランスフォーマー』はシボレー・カマロがロボットに変身して地球を守るために戦ってくれるシーンだけではなくて、激しいカーチェイスなど見応えのあるシーンも多いエンタメ色の強い映画

シボレー カマロのエクステリア「シボレー・カマロ」は劇中では、コンボイの命令を受けて、地球での任務を果たすためにバンブルビーが擬態化する車として選ばれる

『トランスフォーマー』は、タカラトミーが日本で販売していた変形用ロボット玩具や、テレビアニメシリーズをルーツとする、日本との関わり合いも深い、若年層から支持されている人気シリーズ。

2007年にシリーズ第1作目が公開された『トランスフォーマー』は、超ロボット生命体・トランスフォーマーの総司令官であるコンボイ(別名:オプティマスプライム)の指示により、宇宙征服を企てる悪のロボット生命体・メガトロンを監視するために地球に派遣されたバンブルビーは、高校生サムが中古で購入したシボレー・カマロに擬態化する。

トランスフォーマーシリーズは、地球を守るためにやってきたロボット生命体が擬態化している車からロボットへと変身し、戦闘するシーンだけではなくて、レクサスRXとマクラーレン570Sが激しいカーチェイスを繰り広げるシーンなど、大人も楽しめるシーンも満載のエンタメ作品です。

原作 タカラトミー / ハズプロ
監督 マイケル・ベイ(1-5)/ トラヴィス・ナイト(バンブルビー)

車の映画はクルマをもっと好きになる車業界に詳しくさせてくれる作品も多いので積極的に鑑賞しよう

車をテーマとして扱う映画は、ワイルド・スピードシリーズや頭文字Dなどのように、カーアクションシーンで魅了して、車をもっと好きにさせてくれる作品や、『フォードVSフェラーリ』や『グランツーリスモ』などのように、史実をベースとしているために鑑賞すれば車業界に詳しくなれる作品も多数制作されています。

今回紹介した30作品以外にも、車の映画は沢山あり、今後も増えていくには確実なので、興味を持った作品は、劇場や動画配信サービスなどで積極的に鑑賞していきましょう!