ドッカンターボとは?爆発的な急加速が起こる理由やドッカンターボ車とも呼ばれている名車12選
ドッカンターボは日本で浸透した用語で、海外においてはターボラグと呼ばれていて、アクセルペダルを踏み込んで、エンジン回転数が閾値に達し、少し時間が経過してから、瞬間的な急加速が引き起こる現象の事を指しています。
「ドッカーン」とするような爆発的な加速力を実現させていたことから、ドッカンターボとも言われていた現象がどうして引き起こるかについての理由や、ドッカンターボ車とも考えられているクルマを、国産車と外国車も含めて多数紹介していきます。
ドッカンターボとは?アクセルを踏み込んでからタイムラグが生じて引き起こる爆発的な急加速が起こる理由やドッカンターボ車が減っていた時代的な背景も紹介
1970年代~1990年代後半にかけてのターボチャージャーを搭載する車では、アクセルペダルを踏み込んでから時間差が生じて、急加速が起こるドッカンターボと呼ばれる現象が起きておりました。
初期のターボチャージャーには、どうしてドッカンターボ現象が起きていたのかについての理由や、ドッカンターボ車が減っていった時代的な背景についても紹介していきます。
ドッカンターボ現象はなぜ起きてしまうかを知る前にターボチャージャーの仕組みを復習しておこう
ターボチャージャーはエンジン室内へ送る空気量を増やして、NA(ナチュラル・アスピレーション)車よりもパイパワーを実現させている
ドッカンターボ現象が起こる理由を理解するには先ず、ターボ車がどんな仕組みでNA(ナチュラル・アスピレーション)車よりもハイパワーを実現しているのか知る事が大切なので、その仕組みを復習しましょう。
ターボ車が搭載しているターボチャージャーは、航空機産業から産まれた技術で、エンジンの燃料室内で、燃料を効率的に燃焼させるために、酸素濃度が高い大量の空気を送り込んで、エンジン出力やトルクを高めてハイパフォーマンスを実現させる目的で、自動車のパワーユニットに組み込みます。
ターボチャージャーは排気ガスのエネルギーを利用してタービンを回す事で空気を圧縮して含有される酸素濃度を高める事で燃焼力を強める
大量の空気をエンジン内に送り込む役割を果たす事から、過給機とも呼ばれているターボチャージャーは、自動車から排出される排気ガスの圧力を利用して、タービンと呼ばれる風車のような形状をしたパーツを回転させます。
タービンはコンプレッサーと呼ばれるパーツを介して、吸気側と排気側とで連結し合う構造を採用しており、吸気側のタービンが排気ガスのエネルギーによって回転すれば、連結している排気側のタービンも回転し、掃除機のように吸気側の空気をどんどんと狭い室内へと吸い込い込む事で、吸い込んだ空気を圧縮させます。
ターボチャージャーから圧縮されて、酸素濃度の割合が高められた状態の空気がエンジンの燃焼室内に送られる事で、ハイパワー化が実現されます。
1970年代~1990年代前半のターボチャージャーはハイパワーを実現させるためにシリンダー等のパーツを大系化させた為にターボラグ(ドッカンターボ現象)が起こりやすかった
ホンダ「シティターボ2」などの車種はハイパワーを実現させるために、低回転域で排気されるガスでは回転しにくいような大きいサイズのタービンを設置していた
燃費の良さや環境性能の高さがクルマに求められる今の時代とは異なり、1970年代~1990年代前半にかけては、高出力を実現させているハイパフォーマンスな車であることをアピールする事が、セールス面に直結していた。
当時のターボチャージャーを搭載する車両は、より大きなパワーを実現させる為に、本体自体を大系化させる、あるいはタービンを巨大化させているタイプを搭載していた。
自動車に搭載する過給機は、航空機に設置するものとは異なり、頻繁に加減速を繰り返す為にレスポンス性能も求められるが、技術的な課題もあり当時の過給機は反応性の良さよりも、高出力化を追い求めた。
結果、アクセルペダルを踏み込んだとしても、エンジンの回転数が少なく排気されるガス量の少ない低回転域にある場合には、ターボチャージャーからの十分な過給が行われず、エンジンの回転数が高回転域に達し、ブースト圧が閾値に達すると時間差が生じて、圧縮された大量の空気が一気に送られて、ドッカーンとするような爆発的な、変化前と変化後の速度差が激しい急加速が引き起こっていた。
ドッカンターボ車は燃費が悪いなどのデメリットもあったのでタービンを小さくする「マイルドチャージャー」やターボチャージャーを2基設ける「ツインターターボ」を搭載する車両が増えるにつれて減っていった
ドッカンターボ車が可能とする、アクセルペダルを踏み込んでから、タイムラグが生じて突然やってくる急加速は、刺激的な走りであるなどと判断し、好もしく思うドライバーもいる一方で、コントロールしづらく、燃費が悪いというデメリットもあって、ネガティブに思うドライバーもいたのも事実です。
ツインターボエンジンはコンパクトなターボチャージャーを2基設置してターボラグを改善してレスポンスを引き上げた
路面状況が滑りやすい雨の日などには、事故につながりやすいドッカンターボの制御しにくい急加速を改善しようと、各自動車メーカーは、設置するタービンのサイズを小さくして低回転域であっても過給効果を発揮できる「マイルドチャージャー」や、ターボチャージャーを2基設けることで、排気ガスの圧力を効率的に受け取ってターボラグを解消する「ツインターボ」を開発しました。
また、空気を冷やす事で単位体積あたりの酸素濃度を引き上げるインタークーラー技術の向上や、コンピューター制御技術も進化した事も影響を与えて、ターボチャージャーでは幅広い回転域で制御が行えるようになりました。
1990年代後半以降になると、エンジン製造技術も進化して燃料効率が引きあがり、ターボチャージャーを搭載せずとも、従来型よりもハイパフォーマンスを実現できるようになる、過給機には小型化させたエンジンのダウンしたパワーを補って貰うというダウンサイジングターボがトレンドになった事も影響してドッカンターボ車は減っていきました。
ドッカンターボ車12選 ~ 爆発的な加速力を体感できた代表的な外車や国産車
アクセルペダルを踏み込んでから、タイムラグが生じて突然引き起こる爆発的な加速力をドライバーらに、体感させていた代表的なドッカンターボ車の魅力を、国産と外国車も含めて紹介していきます。
「2002 ターボ」は航空機のエンジン開発メーカーであったBMWが自社の強みを活かして量産車としては初めてターボエンジンを搭載させた元祖ドッカンターボ車
「2002 ターボ」は市販車としては初めて過給機を搭載した元祖ドッカンターボ車
1973年に誕生した「2002 ターボ」は、日本ではマルニの愛称で親しまれていた、1966年から1977年にかけての期間中に製造されていた小さなボディを特徴とする2ドアセダンBMW・02シリーズの派生車。
航空機のエンジン機メーカーであったBMWは、航空機に導入していたターボチャージャーの蓄積していた技術力を流用させて、「2002 ターボ」に量産車としては初めて過給機を搭載させた。
航空機とは異なり、吸排気を頻繁に繰り返す自動車に搭載させるターボチャージャーでは、より高い技術力が必要であったため、当時としてはレスポンスの良さも実現するにはハードルが高く、「2002 ターボ」では、アクセルを踏み込んでから、タイムラグが生じてから、急加速が行われていた。
「2002 ターボ」は2.0L 直列4気筒 SOHCエンジンにターボチャージャーを組み込む事で、最高出力は170馬力をクリアし、最高速は200Km/hを超える走りの魅力を備える車ではあったが、燃料噴射が電子制御方式ではなくて機械式であり、インタークーラーも付けられてはいなかった為に、燃費が悪くセールス面では振るわなかった。
エンジンタイプ | 2.0L M10直列SOHC ターボエンジン |
---|---|
最高出力 | 125kW(170ps)/ 5,800rpm |
最大トルク | 240Nm/4,000rpm |
最高時速 | 211km/h |
0-100Km/h 加速 | 7.0秒 |
ポルシェ「911(930型)ターボ3.0」はターボエンジンの存在を世間に知らしめた歴史的価値の高いスーパーカー
930型「ポルシェ911」はターボエンジンを搭載した事でも注目度を高めて、その後フラッグシップモデルへと成長していった
930型・ポルシェ911の派生モデルとして誕生した「911ターボ3.0」は、ボディカラーと同色にしたドアミラーなどの内外装の特徴とし、高出力化と高トルクを実現させるターボエンジンのポテンシャルを広く認知させたことで、以降911モデルがポルシェブランドの最高フラッグシップになるきっかけを与えた。
サーキットの狼の劇中車として登場した事も影響して日本でもファンの多い「911(930型)ターボ」は、国内では排ガス規制を満たすために、馬力は245PSへと抑えられたものの、ブースト圧が閾値を超えて十分な過給が行われた際には、急激にトルクが上昇し、ワープするかのようなドッカンターボ車特有の加速力を体感できた。
エンジンタイプ | 3L空冷水平対向6気筒ターボチャージャー |
---|---|
最高出力 | 260ps / 5,500rpm |
最大トルク | 343Nm / 4,000rpm |
最高時速 | 250Km/h |
0-100Km/h 加速 | 5.5秒 |
「デルタ HFインテグラーレ」はランチアが世界ラリー選手権で好成績を収めるきっかともなったエンジン技術等を流用して開発された瞬間的な急加速を体感できたドッカンターボ車
「デルタ HF インテグラーレ」の市販モデルには、ランチアが競技車両で構築してきたレーシング技術が導入されている
1988年にリリースされた「デルタ HF インテグラーレ」の市販モデルには、イタリアの老舗自動車メーカーであるランチアが、1987年~1992年にかけての世界ラリー選手権で6連覇の偉業を成し遂げるのに貢献した、レーシング技術を積極的に導入して開発を行ったハイスペックモデル。
当時、ランチアの主力車であったデルタの派生車として誕生した「デルタ HF インテグラーレ」は、直線基調のボディにフェンダーに特徴を持たせるフォルムを採用し、水冷直列4気筒DOHCエンジンにターボチャージャーを組み込んで、最高出力は185馬力を発揮させていた。
ランチアが世界ラリー選手権で、好成績を収める事に貢献したエンジン技術等を流用する「デルタ HF インテグラーレ」の1988年モデルでは、アクセルを全開した後に、時間差が生じてから、一気にエネルギーが放出されたかのような、急加速を体感できた。
搭載するターボエンジンのバルブ数を8から16に変更するなどの改良を加えた、1989年にリリースされた「デルタ HF インテグラーレ16V」では、1988年モデルと比較するとアクセルレスポンスが安定化した。
エンジンタイプ | 水冷直列4気筒DOHC8バルブ+ターボ |
---|---|
最高出力 | 185ps / 5,300rpm |
総排気量 | 1995㏄ |
最高時速 | 215Km/h |
車両重量 | 1,200Kg |
フェラーリ F40はそのままレースにも出場できるをコンセプトに掲げて開発された車両でトルクが最大化されるエンジン回転数に達するとワープするような加速力を体感できたドッカンターボ車
フェラーリ創業40周年を記念して開発された「F40」は、発売当時は世界最速の市販車であった
1987年にリリースされた「F40」は フェラーリ創業40周年を記念して製作された、そのままレースにも出場できるコンセプトの基で設計された車両で、エンツォ・フェラーリが最後に開発に関わったクルマでもあるため、スーパーカーを数多く誕生させてきたフェラーリブランドの車の中でも、特別感が秀でている為、国際的なオークション市場などでは販売価格は億単位の値が付いている。
フェラーリ「F40」は、リアミッドシップ部に3.0リッター V型8気筒 DOHCツインターボエンジンを搭載させて、タイヤはピレリが同車のために専用開発したP ZEROを標準装備させた。
市販車では初めて最高速度320Km/h越えを実現した「F40」 は、エンジン回転数が4000回転辺りのパワーバンド状態に達すると、ブースト圧が強まって、ワープするかのような圧倒的な加速力を実現していた。
エンジンタイプ | 3.0 リッター V型8気筒DOHCツインターボ |
---|---|
最高出力 | 478ps / 7,000rpm |
最大トルク | 58.8Kg-m / 4,000rpm |
総排気量 | 2,946cc |
0-200Km/h 加速 | 12秒 |
最高時速 | 324km/h |
車両重量 | 1,100kg |
「セドリックターボブロアム(430型)」は国産車で初めてターボエンジンを搭載させた日産のヘリテージカー
セドリックは日本の車で初めてターボエンジンを搭載させた国産ターボ車のパイオニア
1979年に誕生した「セドリック ターボ ブロアム」は、4ドアセダンに加え、ワゴンやバンといった3種類のボディ展開をしていた5代目セドリック(430型)をベース車として、国産車では初めてターボチャージャーを搭載させた、国産ターボ車のパイオニア。
日本の車では、初めてECCS(エンジン集中電子制御システム)を導入して、アイドリング等をコンピューターで管理する事で、高出力化を実現させた「セドリック ターボ ブロアム(430型)」は、発売されたタイミングが、第2次オイルショックと重なり車に燃費の良さが求められる時代背景がある中で、ターボ搭載車が実現する加速性能を認知させるきっかけを作った日産のヘリテージカー。
エンジン型式 | L20E |
---|---|
エンジンタイプ | T型 直列6気筒OHCターボ |
総排気量 | 1998㏄ |
最高出力 | 107kW(145PS)/ 5,600rpm |
最大トルク | 206N・m(21.0Kgm)/ 3,200rpm |
車両重量 | 1,485Kg |
ニューマンモデルの派生車として誕生した「スカイライン2000RSターボ(DR30型)」は当時の人気ドラマの劇中車として登場したことも影響を与えてターボ車のイメージアップに貢献した
「スカイライン 2000RSターボ(DR30型)」は、当時の歴代モデルよりも高い最高出力をクリアしていたために、日産ワークスチームがレースに復帰するきっかけを与えた
1983年にリリースされた「スカイライン2000RSターボ」は、日本車としては初めて4バルブDOHCターボエンジンを搭載させる事で、圧倒的な高出力化を実現させた車両で、当時の世界的な人気俳優であったポール・ニューマンをイメージキャラクターに起用した事からニューマンモデルとも呼ばれている1981年に誕生した6代目・スカイライン(R30型)をベース車とする。
1984年にマイナーチェンジを実施して、ターボチャージャーに空冷式インタークーラーを装着させるなどの改良を加えて、最高出力205psは達成した「スライライン2000RS ターボ」は、西部警察の劇中車としても活躍して、日本でのターボ車のイメージアップに貢献した。
エンジン型式 | FJ20型 |
---|---|
エンジンタイプ | 直列4気筒4バルブ DOHCターボエンジン |
総排気量 | 1,990㏄ |
最高出力 | 140kW(190PS)/ 6,400rpm |
最大トルク | 225N・m(23.0Kgm)/ 4,800rpm |
車両重量 | 1,175Kg |
「シーマ タイプ2 リミテッド」は高級サルーンでありながらも車体を浮き上がらせるかのような瞬時の加速性能を発揮されるポテンシャルを備えていたバブル期に売れたドッカンターボ車
日産の高級サルーンであるシーマは販売チャンネルの違いによって冠名を差別化させていてプリンス店系列では「グロリアシーマ」を、モーター店系列では「セドリックシーマ」を展開していた
バブル期の好景気が影響して1980年代後半に、高級車でありながらも異例の大ヒットを記録した「シーマ(FPY31型)」は、上級モデルにあたるタイプ2リミテッドでは、3.0LV6型4バルブDOHCターボエンジンを搭載。
フェアレディZに搭載されていたエンジンを再設定する事で、高級サルーンの装いながらも、最高出力は255馬力とスポーツカーと比較しても遜色ない走行性能を実現していた「シーマ タイプ2 リミテッド」は、フルブースト時からタイムラグが生じて発生する加速力は、3ナンバーの大型ボディの車体を浮き上がられるかのような圧倒的なポテンシャルを発揮していた。
エンジン型式 | VG30DET型 |
---|---|
エンジンタイプ | V6型4バルブ DOHCターボ エンジン |
総排気量 | 2,960cc |
最高出力 | 187kW(255ps) / 6,000rpm |
最大トルク | 343N・m(35.0Kgm)/ 3,200rpm |
車両重量 | 1,650Kg |
「シティターボ2」はスクランブル・ブーストシステムを発動させれば勢いのある加速性能を体感できたホンダのドッカンターボ車
「シティターボ2」は1.2Lクラスの車両としては初めてインタークーラーターボを搭載した車
1983年に発売された「シティターボ2」は、車高を高く設定したことからトールボーイとの異名でも呼ばれていた、ホンダの小型ハッチバックである初代シティ(AA/VF型)の派生車として誕生。
ブリスターフェンダーを装着させ、従来モデルよりもタイヤ間隔を引き延ばした外観を特徴とした事から、ブルドッグというサブネームが付けられた「シティターボ2」は、1.2Lクラスの車では初めてインタークーラーターボチャージャを搭載させて、当時としては最高レベルの0.85Kg/㎠の過給圧をクリアした。
電子燃料噴射装置(PGM-FI)を搭載させて、過給圧をコントロールするユニットを組み込む事で、高出力・高トルク化を実現させている同車では、エンジン回転数が4,000rpm以下の状態で、エンジン内部への空気供給量を調整するスロットルを全開にすれば、スクランブル・ブーストシステムが発動されて、過給圧が10秒間だけ10%引きあがる、瞬間的に勢いのある加速性能を体感できた。
エンジン型式 | ER(ターボ付) |
---|---|
エンジンタイプ | CCVC・水令直列4気筒横置OHC(無鉛ガソリン使用) |
燃焼室形状 | 副燃焼室付ウエッジ形 |
弁機構 | 1頭上カム軸3バルブベルト駆動 |
総排気量 | 1,231 L |
最高出力 | 110PS/5500rpm |
最大トルク | 16.3kg-m/3,000rpm |
走りに刺激を求める男性ドライバーを意識して開発された「アルトワークス」は軽自動車に64馬力の自主規制を設けるきっかけを与えたスズキのドッカンターボ車
男性ドライバーの購買欲を刺激しようと内外装もスポーティーに仕上げた「アルトワークス」の最上級グレードは新開発エンジンを搭載していた
1987年に初代モデルが誕生した「アルトワークス」は、アルトの中心購買層が女性であった事から、走りに刺激を求める男性ユーザーを意識して、エアロパーツやフォグランプを大系化させ、ボンネットフードにエアスクープを設け、シートやドアトリムには差し色でレッドカラーを多用して内外装を仕上げたスポーティモデル。
初代「アルトワークス」の最上級グレードにあたるRS/Rでは、新開発の直列3気筒EPI DOHC 12バルブインタークーラーターボエンジンを軽自動車としては初めて搭載させて、ボンネットには過給機へ空気を送るサポートを行うエアインテークを設置させる事で、重量の軽い車体の特徴を活かして、エンジンが高回転域に達した際には、爆発的な加速力を実現させた。
ドッカンターボ車の特徴である突発的に生じる加速性能を備える「アルトワークス」の誕生がきっかけともなり、軽自動車には64馬力の出力自主規制が設けられた。
重量 | 650Kg |
---|---|
エンジン型式 | F5A型 |
エンジン種類 | 水冷4サイクル直列3気筒DOHC12バルブ インタークーラーターボ |
総排気量 | 543㏄ |
最高出力 | 64ps / 7,500rpm |
最大トルク | 7.3Kgm / 4,000rpm |
三菱重工製のターボチャージャーを搭載する「ランサーEXターボ」は世界市場でも評価されたオフロードも疾走可能なパワフルな加速力を体感できる車
「ランサーEXターボ」は1982年にエントリーした世界ラリー選手権などで好成績を収めた
ランタボの愛称で車好き達の間では親しまれている「ランサーEXターボ」は、三菱のランサーシリーズでは唯一EXというサブネームが与えられていた車両で、2代目ランサー(A170系)をベース車として開発を行い、トランスミッションやブレーキ系統、足回りを強化させて、三菱重工製のターボチャージャーを搭載させた派生車種。
世界市場にも展開されていた「ランサーEX ターボ」はマイナーチェンジによる改良で進化を続け、1981年モデルの海外に輸出された車両では、日本仕様よりも総排気量が多い2.0Lターボエンジンを搭載させていた。
1983年に実施したマイナーチェンジでは、グレード「1800GSRターボ」と「1800GTターボ」に搭載させるエンジンを、空冷式インタークーラー付きターボに変更するなどの改良を加えたランタボは、ラリー選手権で好成績を収める事にも寄与した、オフロードを難なく疾走するパワフルな加速力を体感できる車でもあった。
エンジン型式 | G62B型 |
---|---|
エンジン | 直列4気筒SOHCターボ |
総排気量 | 1,795cc |
最高出力 | 135PS / 5,800rpm |
最大トルク | 20.0kgm / 3,500rpm |
車両重量 | 1,050Kg |
「スターレットGT」はリーズナブルな価格で瞬間的に爆発するような加速する走りを可能としたトヨタのハッチバック
「スターレットGT」は状態の良い車両であれば中古車市場ではプレミア価格で取引されている
4代目スターレット(EP8#/ NP80型)のターボエンジン搭載モデルとして1989年に誕生した「スターレットGT」は、発売当時の価格は120万円に抑えられながらも、ライトウェイトスポーツタイプの車両に4E-FTE型 1.3L直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボエンジンの搭載させる事で、
瞬間的に爆発するように加速する走りを体感させていた。
過給が閾値に達すると圧倒的な高出力を発揮させていた事から、韋駄天ターボなどとも呼ばれていたスターレットGTの初期モデルでは、アクセルを強く踏み込めば、トルクステアやホイールスピンが起きる事が指摘されていたが、マイナーチェンジが実施された事で、それら現象は改善された。
エンジン型式 | 4E-FTE |
---|---|
エンジン | 直列4気筒DOHC インタークーラー付きターボエンジン |
総排気量 | 1331㏄ |
最高出力 | 135ps(99kW)/6,400rpm |
最大トルク | 16.0Kg・m(156.9N・m)/4,800rpm |
車両重量 | 830Kg |
限定販売車であった初代「インプレッサWRX-STi」は今となっては貴重なドッカンターボの加速性能を体感できるスバリスト達にとっては特別な車
初代「インプレッサ WRX-STi」はセダンタイプの他にもワゴンタイプも展開していた
1992年に誕生した初代「インプレッサ WRX-STi」は、世界ラリー選手権(WRC)への参戦を前提とし、勝利を目標に掲げて開発された車両で、WRXブランドでは初となるドレスアップやチューニング設定等を施した状態で販売するコンプリートモデル。
初代「インプレッサ WRX STi」は、セダンとワゴンのボディタイプを展開し、専用装備を充実させた
限定販売車であったという理由も加味して、コレクター心理を刺激して中古車市場で根強い人気を保ち続けている。
初代「インプレッサWRX-STi」は専用の大型ターボチャージャーをユニットに組み込んだEJ20型エンジンを搭載していた
レガシィRSに代わるスバルのハイパフォーマンスモデルとして誕生した初代「インプレッサ WRX-STi」は、期待されるパワフルな走りを実現させる為に、大型の専用ターボチャージャーをユニットに組み込んだ、EJ20型・水平対向4気筒 DOHC空冷インタークーラーターボエンジンを搭載させていた。
WRCへの参戦を前提条件として開発された車両である「インプレッサ WRX-STi」は、大型化したターボチャーの影響もあって、アクセルを踏み込んでから、タイムラグが生じてから、引きおこる爆発的な加速力は多くのスバリスト達を魅了した。
エンジン型式 | EJ20 |
---|---|
エンジン種類 | 水平対向4気筒 DOHC空冷インタークーラーターボ |
最高出力 | 250ps / 6,500rpm |
最大トルク | 31.5Kg・m / 3,500rpm |
総排気量 | 1,994㏄ |
ドッカンターボ車で未知なる急加速を体感してみたい方は中古車市場などで探してみましょう!
ドッカンターボ車は、世界ラリー選手権などで活躍していた競技車両の技術力を流用するなどして走りの魅力を引き上げて、車好き達の購買欲を大いに刺激して一時代を築き上げました。
時代的な背景もあり、車にハイパワーを求めるよりも、高い環境性能を求めるようになった事が影響して、現在の過給機ではダウンサイジングターボがトレンドです。
ドッカンターボに乗っていた経験のある熟練ドライバーの中には、最近のターボ車はフラット化されていて物足りないと考えられている方もいます。
燃費の良さや、優れた安全性を重視している傾向が強い最近の車と比較すれば、ドッカンターボ車には、ブースト計が閾値に達した時のワクワク感や、過給機が奏でる作動音、ほかの車では味わえない急加速を体感できるなどの魅力があります。
ドッカンターボ車が可能とする強力な加速Gを自身でも体感してみたい思った方は、先に紹介したスターレットGTや、シーマなどの車種を中古車市場などで探してみましょう。