BMW M135に限定車「Apex Edition」 国内50台・808万円から 2026年10月22日発売
BMWのエントリーを担うプレミアムコンパクト「1シリーズ」は、2024年に4代目F70型へフルモデルチェンジし、日本でも同年11月に発売されました。そのトップに立つMパフォーマンス・モデル「M135 xDrive」に、2026年10月22日、走りと佇まいを一段と磨き込んだ限定車「Apex Edition(アペックス・エディション)」が加わっています。年次改良やマイナーチェンジではなく、台数を絞って企画された特別仕様車の追加設定という位置づけです。
ここではまず新設定のApex Editionを掘り下げ、続いて現行F70への刷新と近年の動き、そして初代から4代目へと続くモデルチェンジの歩みを整理してご紹介します。
M135 xDriveに限定車「Apex Edition」を設定 2026年10月22日発売
BMW M135 xDrive Apex Edition(上:アルピン・ホワイト/下:フローズン・ピュア・グレー)
ビー・エム・ダブリューは2026年10月22日、「M135 xDrive」をベースとした限定車「Apex Edition」を発売しました。車名の由来となったApex(頂点)が示すとおり、コーナー進入から立ち上がりまでの一体感を高めることに主眼を置いた一台で、納車は同年10月下旬以降に始まる予定です。あわせて「M235 xDrive グラン クーペ」にも同名の限定車が設定されましたが、こちらは別ページで取り上げます。
ここで押さえておきたいのは、今回の発表が1シリーズそのものの改良ではないという点です。ボディやパワートレインに手は入っておらず、標準のM135 xDriveに特別装備を組み合わせて台数限定で売り出す、いわゆる特別仕様車(限定車)の追加設定にあたります。
日本専用企画で国内50台限定 ボディカラーによって価格が異なる
販売台数は日本国内で50台。内訳はアルピン・ホワイトが30台、フローズン・ピュア・グレー(メタリック)が20台で、ボディカラーによって価格が30万円異なります。BMWによれば他国での販売は含まない日本市場専用の限定企画で、正規ディーラーを通じて取り扱われます。
| ボディ・カラー | 限定台数 | メーカー希望小売価格(消費税込) |
|---|---|---|
| アルピン・ホワイト | 30台 | 8,080,000円 |
| フローズン・ピュア・グレー(メタリック) | 20台 | 8,380,000円 |
| 合計 | 50台 | ― |
標準のM135 xDriveが728万円(2026年時点)ですから、上乗せ分はおよそ80万〜110万円。後述するとおり特別装備の多くは通常モデルでも有償オプションとして選べるため、これらを個別に発注した場合との差額を考えると、価格設定そのものは比較的現実的な部類といえそうです。
19インチM鍛造ホイールとMコンパウンド・ブレーキで足まわりを強化
Mエンブレムやカーボン製ドアミラー・キャップ、19インチM鍛造ホイールなど、Apex Edition専用の装備群
走りに直結する部分では、19インチのM鍛造ホイール(Yスポーク・スタイリング1085M)と、グレー・ハイグロス・キャリパーを組み合わせたMコンパウンド・ブレーキが与えられました。鍛造製法によるホイールはバネ下重量の軽減に効き、制動系の強化とあわせて、旋回時の剛性感と操作の正確さを引き上げているとされます。
足の良し悪しが体感に直結するコンパクトスポーツにおいて、出力ではなく回頭性と減速性能に投資するという方向性は、サーキット由来の技術を標榜するMパフォーマンス・モデルらしい割り切りだと感じます。
M Performance Partsで内外装をレーシーに仕立てる
外観はBMW M Performance Partsで統一的にドレスアップされます。Mロゴはブラック・ハイグロス、ドア・ミラー・キャップはカーボン製となり、専用のステッカー・セットも貼付。M135 xDrive Apex Editionにはブラック・ハイグロスのリヤ・スポイラーも組み合わされ、ハッチバックの後ろ姿に明確な抑揚を与えています。室内にはM Performanceのフロア・マット・セットに加え、この限定車だけの「Apex Edition」専用インテリア・バッヂが備わります。
| 区分 | 装備内容 |
|---|---|
| 専用装備 | 「Apex Edition」専用インテリア・バッヂ |
| 特別装備 | 19インチ M鍛造ホイール Yスポーク・スタイリング1085M/BMW M Performance Mロゴ ブラック・ハイグロス/同 リヤ・スポイラー ブラック・ハイグロス/同 ドア・ミラー・キャップ・カーボン/同 ステッカー・セット/同 フロア・マット・セット |
| 主要装備 | Mコンパウンド・ブレーキ(グレー・ハイグロス・キャリパー)/Mスポーツ・シート(フロント)/Mドア・ミラー |
なお、リヤ・スポイラーはM135 xDrive Apex Edition専用の装備となります。また特別装備は通常モデルでも有償オプションとして購入可能とアナウンスされており、限定車ならではの価値は「専用バッヂ」と「選び抜かれた組み合わせを最初から手に入れられること」に集約されるかたちです。
パワートレインは変更なし 300ps・400Nmの2.0L直4ターボを継続
心臓部は標準車と同じ2.0L直列4気筒DOHC BMWツインパワー・ターボで、最高出力221kW(300ps)/5,750rpm、最大トルク400Nm/2,000-4,500rpmを発生します。組み合わされるのは7速DCTと4輪駆動のxDriveで、仕様はいずれも右ハンドル。WLTCモード燃費は12.5km/Lです。出力に手が入っていない以上、今回の限定車はカタログ上の速さではなく、曲がる・止まるの質を買うモデルだと受け止めるのが妥当でしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 4,370×1,800×1,450mm |
| ホイールベース | 2,670mm |
| エンジン | 直列4気筒DOHC BMWツインパワー・ターボ(1,998cc) |
| 最高出力 | 221kW〔300ps〕/5,750rpm(ECE) |
| 最大トルク | 400Nm/2,000-4,500rpm(ECE) |
| トランスミッション | 7速DCT(ダブル・クラッチ・トランスミッション) |
| 駆動方式 | xDrive(4輪駆動) |
| ホイール | 19インチ M鍛造ホイール Yスポーク・スタイリング1085M |
| 燃料消費率 | 12.5km/L(WLTCモード) |
| ラゲージ・ルーム容量 | 380L(後席折りたたみ時 1,200L) |
| ハンドル位置 | 右 |
モデルチェンジではなく限定車の設定 今後の見通し
繰り返しになりますが、今回のトピックはフルモデルチェンジでもマイナーチェンジでもなく、既存のM135 xDriveをベースにした限定車の設定です。F70型は2024年に登場したばかりで、通常であれば数年先にライフサイクル・インパルス(大規模な改良)を迎える段取りになります。そのため当面は、今回のような限定車や「オリジナル」のような装備バリエーションで、商品力を保ちながら話題を作っていく展開が予想されます。
50台という台数は決して多くありません。19インチM鍛造ホイールとMコンパウンド・ブレーキという、後から入れ替えるとそれなりの出費になる部分が最初から組み込まれている点を踏まえると、M135 xDriveを検討していた層にとっては見逃しにくい選択肢になりそうです。
現行は4代目F70 2024年11月に日本発売 120/120d/M135 xDriveを展開
BMWは2024年6月5日に4代目1シリーズ(F70型)を本国で公開し、日本仕様は同年10月30日に発表、11月1日から販売が始まりました。導入当初のラインアップは「BMW 120」(478万円)、「BMW 120 M Sport」(498万円)、そしてハイパフォーマンス版の「BMW M135 xDrive」(698万円)の3モデルです。
120は1.5L直列3気筒ターボに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせたパワートレインで、エンジン単体の最高出力は115kW(156ps)/最大トルク240Nm、モーターを加えたシステム最高出力は125kW(170ps)/システム最大トルク280Nmとなります。先代118iの140psから大きく伸びた点が見どころです。M135 xDriveは2.0L直列4気筒ターボで300ps/400Nmを発生し、7速DCTとxDriveを組み合わせます。
今回の刷新で象徴的なのが、ガソリン車の車名末尾から「i」が消えたことです。118i系は「120」、M135iは「M135」へと改称され、「i」は今後EV専用の呼称になると案内されました(ディーゼルの「d」は継続)。
ボディサイズは欧州仕様で全長4,361mm(先代比+42mm)、全高1,459mm(+25mm)とされ、全幅1,800mm・ホイールベース2,670mmは先代と同値です。日本仕様のカタログ値では全長4,370mm・全幅1,800mmで、全高は120/120dが1,465mm、M135 xDriveが1,450mmとなります。ラゲージ容量は、荷室下に48V用バッテリーを積む120が先代の380Lから300Lへ縮小。一方でマイルドハイブリッドを持たないM135 xDriveは380L(後席折りたたみ時1,200L)を確保しており、同じ1シリーズでもグレードによって積載性が異なる点は押さえておきたいところです。
外観はキドニーグリルの位置を下げ、縦型LEDのデイタイムランニングライトを採り入れて、最新の3シリーズに通じるシャープな表情になっています。なお、新世代コード「F70」を名乗りつつも先代F40と共通点が多く、プラットフォームも先代の改良版にあたることから、実態としては大幅改良に近いという見方もあります。
発売後もラインアップを拡充 ディーゼルとエントリー仕様を追加設定
F70型は導入後も段階的に選択肢を増やしてきました。2025年2月26日には2.0L直列4気筒クリーンディーゼル+48Vマイルドハイブリッドを積む「120d」(508万円)と「120d M Sport」(528万円)を追加設定。エンジン単体で150ps/360Nm、システムトータルでは120kW(163ps)/400Nmを発生し、WLTCモード燃費21.2km/Lという経済性が持ち味です。
さらに2026年5月には、装備を厳選して価格を抑えたエントリー仕様「120 オリジナル」(480万円)が加わりました。ガソリン、ディーゼル、そしてMパフォーマンスと、コンパクトながら間口の広い構成になっています。
| グレード | パワートレイン | 価格(消費税込・2026年時点) |
|---|---|---|
| 120 オリジナル | 1.5L直3ターボ+48V MHEV | 4,800,000円 |
| 120 | 1.5L直3ターボ+48V MHEV | 4,990,000円 |
| 120 M Sport | 1.5L直3ターボ+48V MHEV | 5,200,000円 |
| 120d | 2.0L直4ディーゼルターボ+48V MHEV | 5,200,000円 |
| 120d M Sport | 2.0L直4ディーゼルターボ+48V MHEV | 設定あり |
| M135 xDrive | 2.0L直4ターボ | 7,280,000円 |
| M135 xDrive Apex Edition(限定50台) | 2.0L直4ターボ | 8,080,000円/8,380,000円 |
BMW・1シリーズのモデルチェンジ遍歴

BMW 1シリーズは、ドイツBMWのCセグメントモデルで、かつての3シリーズ コンパクトの後継にあたるエントリーモデルです。初代から3代目途中までは後輪駆動を貫いた点が大きな特徴で、2019年の3代目で前輪駆動へ移行し、2024年の4代目で電動化と車名整理が進みました。
BMW・1シリーズ 初代 E81/E82/E87/E88型(2004年~2011年)
2004年10月、日本でハッチバック「120i」の販売を開始。「118i」「116i」も予約を受け付け、2005年3月納車とされました。縦置きエンジン+後輪駆動というCセグメントでは異例のレイアウトを採り、前後重量配分の良さを武器にしています。
2005年4月には3.0L直列6気筒を積むフラッグシップ「130i」を追加。2007年にはフェイスリフトとともに3ドア(E81)を設定し、クーペ(E82)、カブリオレ(E88)へとボディ形状を広げました。2008年には3.0L直6ターボの「135i」を投入。さらに2011年には、専用ワイドボディと高出力ユニットを備えた「1シリーズ Mクーペ」が送り出され、初代の締めくくりを飾っています。
BMW・1シリーズ 2代目 F20型(2011年~2019年)
2011年、ホイールベースを延長した2代目F20が登場し、日本では同年9月から販売が始まりました。3ドアはF21のコードが与えられ、後輪駆動と直列6気筒の設定は引き続き維持されています。
2012年には3.0L直6ターボを積む「M135i」を設定。2015年5月に日本向けのフェイスリフトを実施してフロントまわりを刷新し、2016年5月にはディーゼルの「118d」を追加しました。2017年8月のマイナーチェンジではインテリアを一新しています。なお、クーペとカブリオレは2014年に「2シリーズ」として独立し、以降の1シリーズはハッチバック専業となりました。
BMW・1シリーズ 3代目 F40型(2019年~2024年)
2019年、シリーズ初の前輪駆動を採用して3代目F40へ。新開発の「FAAR」プラットフォームにより室内空間と荷室を拡大し、実用性を大きく引き上げました。日本では2019年11月に発売され、グレードは「118i」「118i Play」「118i M Sport」「M135i xDrive」の4本立て、価格は334万円〜630万円です。
トップの「M135i xDrive」は2.0L直4ターボで306ps/450Nmを発生し、8速ATと4輪駆動を組み合わせていました。欧州では前輪駆動のホットハッチ「128ti」(265ps)も設定されましたが、こちらは日本には導入されていません。ボディサイズは全長4,355×全幅1,800×全高1,465mm、ホイールベース2,670mmでした。
数値だけを追うと、4代目のM135(300ps/400Nm)はF40のM135i xDrive(306ps/450Nm)から出力・トルクともにわずかに後退しています。ただし変速機が8速ATから7速DCTへ置き換わり、レスポンス面では別物といえる仕上がりで、単純なスペック比較では測れない進化といえるでしょう。
BMW・1シリーズ 4代目 F70型(2024年~)
2024年、4代目F70へフルモデルチェンジ。48Vマイルドハイブリッドを採用し、車名から「i」が外れて「120」「M135」となりました。日本では120、120 M Sport、M135 xDriveで幕を開け、その後120d系と120 オリジナルが加わっています。2026年10月には限定車「M135 xDrive Apex Edition」が設定されました。
| BMW・1シリーズのモデル | 販売年表 | 主なトピック |
|---|---|---|
| 初代 E81/E82/E87/E88型 | 2004年~2011年 | 後輪駆動で登場。130i/135iや1シリーズ Mクーペを設定 |
| 2代目 F20型 | 2011年~2019年 | 後輪駆動を継続。M135iを追加、クーペ系は2シリーズへ独立 |
| 3代目 F40型 | 2019年~2024年 | 前輪駆動へ転換。M135i xDriveは306ps/8速AT |
| 4代目 F70型 | 2024年~ | 48V MHEV採用、車名から「i」廃止。限定車Apex Editionも設定 |






























