フルモデルチェンジによって誕生する新型「X5」
BMWが2018年6月6日に、5年振りにフルモデルチェンジを行う「X5」に関する一部情報を発表しました。X5は初代モデルが2000年に誕生したBMWにとっては初めてのクロスオーバーSUVで、現行モデルである3代目「X5」は2013年の秋に誕生しました。そんなX5は、世界累計販売台数220万台を超えるプレミアムSUVです。
5年振りにフルモデルチェンジが行われて誕生する4代目「X5」の内外装の魅力や、搭載する安全システムの特長について紹介します。
新型X5 Mコンペティションの受注がスタート!
BMW X5 M Competitionのエクステリア
2020年3月12日、BMWは新型X5 Mコンペティションの受注を開始しました。X5 M コンペティションの価格は1,859万円で、2020年4月頃より納車される見込みです。
X5 Mはサーキット走行を意識した高性能モデルで、今回登場したコンペティションはさらに過激な走りを実現した一台。4.4 L V 型 8 気筒 M ツインパワーターボガソリンエンジン搭載で、最高出力は625PS(441kW)/6,000rpm、最大トルクは750Nm/1,800-5,600rpm、0-100km/h 加速は 3.8 秒に到達します。
トランスミッションは8 速Mステップトロニックトランスミッション、インテリジェント4輪駆動システム「M xDrive」、アクティブ M ディファレンシャル搭載です。
走行中のBMW X5 M Competition
MキドニーグリルやMサイドギル、ミラーキャップ、エキゾーストテールパイプはブラック塗装を施し精悍なスタイルを演出。ドアシルプレートは「X5 M Competition」のロゴが入っています。
BMW X5 M Competitionのインテリア
BMW X5 M Competitionの車内にはMマルチファンクションシートを搭載。スポーツ走行にも耐える構造でドライバーをサポートします。運転席と助手席にはニーパッドが用意されており、シートベルトやセレクターレバー、メーターパネルはM専用デザインが採用されています。
先進装備も充実しており、ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能や、アクティブ・クルーズ・コントロールなどの運転支援システムも標準装備。さらに、記憶したルートをバックで戻るリバースアシスト機能を備えるパーキングアシスタントも用意されています。
BMW X5にPHEVモデルと高性能モデルが新設定
PHEVのX5にはハンズオフドライブ可能な運転支援技術を搭載
2019年12月13日、BMW X5にPHEVモデルの「xDrive45e」「xDrive45e Mスポーツ」と高性能モデルの「M50i」が新設定され、販売をスタートしました。xDrive45eは10,280,000円、xDrive45e Mスポーツは11,180,000円、4輪アダプティブ・エア・サスペンションは13,540,000円です。
直列6気筒ガソリン・エンジンを搭載する新型X5 xDrive45eはシステム全体で最高出力394psを発揮し、バッテリー容量は68Ahを確保。EV走行距離はおよそ80kmまで延長されました。4輪アダプティブ・エア・サスペンションを標準装備し、安定した走りを実現します。ドライビングモードは「スポーツ」「ハイブリッド」「エレクトリック」「アダプティブ」の4タイプから選択可能で、自分の好みの走りをセレクトできます。
M50iのパワートレインは、最高出力530PS(390kW)/ 5,500rpm、最大トルク750Nm/1,800-4,600rpm を発生するV型8気筒ツイン・ターボ・ガソリン・エンジンです。0-100km/h加速は4.3秒に到達します。
また、今回発売される新型BMW X5には、ハンズ・オフ機能付きの渋滞運転支援機能を導入し、一定の状況下での手放し運転が可能に。その他にもレーン・チェンジ・アシストやアクティブ・クルーズ・コントロール、パーキング・アシスタントなどの最新の運転支援システムを全車に標準装備としています。
高性能SUVモデルのBMW新型X5 Mがデビュー!
BMW X5の高性能モデルMのエクステリア
2019年10月2日、BMWは新型X5に「X5 M」「X5 Mコンペティション」を追加設定したことを発表しました。発売時期は2020年4月を予定しており、実車は2019年11月のロサンゼルスモーターショーでお披露目される予定。2020年内には日本国内への導入も期待されます。
パワートレインは最高出力600馬力(Mコンペティションは625馬力)を発揮する4.4L V8ツインターボエンジンにトランスミッション8速ステップトロニックATを組み合わせます。0-100km/h加速は3.9秒(Mコンペティションは3.8秒)です。
足元には21インチ(フロント)と22インチ(リヤ)のアルミホイールを装着し、走行性能を高めました。
BMW X5 Mのインテリア
X5 MとX5 Mコンペティションのインテリアはメリノレザーなどを採用した高級感のあるデザイン。ヘッドアップディスプレイやMマルチファンクションシート(ヘッドレスト一体型)などを装備し、ドライバー主体の運転環境を整えました。
また、X5 Mには走行中の路面状況に合わせてトラクションを配分する「アクティブMディファレンシャル」を採用します。X5 Mの走行安定性を確保するとともに、加速性能を引き上げます。
新型BMW「X5」がベース!i「ハイドロジェンNEXT」がフランクフルトモーターショー2019で初公開
ハイドロジェンNEXTのエクステリア
BMWが最新の燃料電池を搭載したコンセプトカー「iハイドロジェンNEXT」をフランクフルトモーターショー2019で初公開しました。iハイドロジェンNEXTはBMW「X5」をベース車両としています。
水素燃料電池駆動の場合、燃料補給の短縮と航続距離の両立が図れます。BMWは2013年からトヨタと水素燃料電池駆動システム分野の共同開発を進めていました。
ハイドロジェンNEXTのリヤデザイン
車体にはBMW「i Blue」パターンが施され、立体感のあるシルエットとなっています。ゼロエミッション車のためエキゾーストテールパイプはありません。
ヨーロッパでBMW・X5の防弾装甲仕様車「プロテクションVR6」が発売!
BMW・X5防弾装甲仕様車「プロテクションVR6」のエクステリアイメージ
2019年8月27日、BMW・X5の防弾装甲仕様車として「プロテクションVR6」がラインナップしました。BMWは40年にわたり防弾装甲仕様車の開発を手掛けており、今回のプロテクションVR6でもそこで培った技術と知識が活かされています。
目立つことで敵のターゲットとならないよう、あくまで標準仕様のBMW・X5とほぼ変わらないエクステリアデザインを採用しています。
BMW X5 Protection VR6は防弾装甲仕様車らしい重厚感のあるインテリアデザイン
プロテクションVR6に使用されるガラスの暑さは30mmで、強い衝撃にも耐えることができます。ボディの接合部分の密封性も高く設計。アーマーメッキのフロアは手りゅう弾によるダメージに強く、キャビンは15kgのTNT爆弾にも耐えうる剛性を有しています。セルフシール燃料タンクは攻撃を受けると自動でクローズし、燃料が流れ出すのを防ぎます。
外部に連絡できるインターホンや、攻撃アラームシステムなども装備されています。
BMW・X5プロテクションVR6のパワートレインは直噴4.4L V型8気筒ガソリンツインターボエンジン、トランスミッションは8速ステップトロニックです。最大出力は530hp/5500~6000rpm、最大トルクは76.5kgm/1800~4600rpmに到達します。
PHVモデルの新型BMW X5「xDrive 45e」は2019年8月より生産開始!
2019年7月24日、BMWが新型BMW X5「xDrive 45e」を同年8月から生産をスタートさせることを正式発表しました。
生産場所は米国のサウスカロライナ州スパータンバーグ工場。現時点で高電圧バッテリーの生産性を2倍に拡大し、新型モデルの生産準備を整えているとのことです。
新型BMW X5のPHVモデル販売は今回が初。3.0リットル直列6気筒ガソリンターボとエンジンモーターの組み合わせにより最大出力394hp、最大トルク61.2kgmを発揮します。モーター単独での走行時での最高速は140km/hとなります。
BMW新型X5に高性能になったPHV登場!ジュネーブモーターショー2019でワールドプレミア
ジュネーブモーターショー2019にBMW新型X5 PHVが初お披露目
BMW新型X5 PHV「xDrive 45e」が初登場
BMW新型「X5」にPHVを搭載した「xDrive 45e」がジュネーブモーターショー2019で初公開すると発表されました。
これまでPHVでは「xDrive 40e」がありましたが、より高性能なPHV車となっており、EVモードでの航続距離はxDrive 40eの約3倍となっていることを見ても、より性能がアップしていることがおわかりでしょう。
エンジン | 直噴3.0リットル直列6気筒ガソリンターボ |
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最大出力 | 394hp(エンジンモーター組み合わせ時) |
トルク | 61.2kgm |
トランスミッション | 8速「ステップトロニック」 |
駆動 | 4WD |
0~100km/h加速 | 5.6秒 |
最高速 | 140km/h(EVモード) |
航続距離 | 約80km |
燃費 | 47.6km/L |
新型X5は現行型に比べて36mmのび、幅が66mm、高さも19mmプラスされ、ホイールベースは42mmアップされていることから、xDrive 40eよりもサイズアップされ、大型化していることがわかります。
全長 | 4,922mm |
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全幅 | 2,004mm |
全高 | 1,745mm |
ホイールベース | 2,975 |
荷室容量 | 645L(通常)~1,860L(後部座席を倒す) |
エクステリアはBMWの新世代のデザインランゲージによって完成
X5はBMW新世代のエクステリアを採用
新型X5のエクステリアは、BMWの新世代のデザインランゲージを積極的に採用して、多くのユーザーがX5に求める、アクティブさとラグジュアリーさを追求します。
X5の大型ボディに相応しいキドニーグリル
新型X5は、BMWのデザインアイコンであるキドニーグリルを縦方向に広げて大型化します。大型化したキドニーグリルには、左右対称の均整美が魅せる華やかさと共に、ワイドサイズとなったボディに見合うだけの迫力も備わります。
グリル内側では速度に応じてフラップを閉じ、走行時にかかる抵抗を低減できるアクティブエアフラップを採用します。
ヘッドライトは視認性の高いフルLED
新型X5では、フロント部に取り付けるツインヘッドライトなど、設置する全てのライトをLED化して標準装備します。
LEDヘッドライトはレーザーライトをオプション選択できる
オプションで追加可能な、アダプティブLEDヘッドライト機能付き「BMWレーザーライト」を従来のLED式ハイビームと比較すれば、照射距離は数百メートルも延長されます。
4代目「X5」が採用する大径ホイールは、ワイド化して迫力を増した車体にマッチするような、2スポークタイプのワイルドなデザインを採用します。
左右にエキゾーストパイプを設置
左右に配置されるエキゾーストパイプと、リアアンダーガーニッシュの連なりは、リヤビューに芸術的な美しさを与えます。
上下分割で電動化も可能
テールゲートは上下分割方式を採用し、オプションで電動化することが可能です。下側のテールゲートには、腰かける事が出来ます。
新型「X5」は、4:2:4の3分割式のリヤシートを導入します。同シートのアレンジ機能を利用すれば、通常では645Lのラゲッジルームを1,860Lへと拡大出来ます。
新型X5では現行モデルよりもボディサイズがアップして居住スペースも広がる
新型X5ボディサイズと、現行モデルのボディサイズを比較すれば、新型の方が全長・全幅・ホイールベースにおいて、ワイド化されています。
新型X5は、ボディサイズのワイド化に伴い、居住スペースが拡げられているため、オプションで追加できる3列目シートを設置しても、足元などに更なるゆとりが生まれて、乗車時の快適性が向上します。
新型X5 | 現行モデル(xDrive35d) | |
---|---|---|
全長 | 4,921mm | 4,910mm |
全幅 | 1,970mm | 1,940mm |
全高 | 1,737mm | 1,760mm |
ホイールベース | 2,975mm | 2,935mm |
室内では大型ディスプレイで最新のデジタル技術を堪能
コクピットにはフルデジタルの大型ディスプレイを配置
運転時の臨場感アップに直結するメーターパネルでは、フルデジタル式の12.3インチディスプレイを採用します。
新型X5はメディア機能も充実
コックピットには、メーターパネルと同サイズのディスプレイを採用する、BMWの新型インフォテインメントシステムも搭載されます。
アップグレードしたインフォテインメントシステムは、ルート検索機能以外でも、ドライブミュージックを堪能できるなど、メディア機能も充実しています。
エレガントなシフトレバー
運転席周りに配置されるシフトレバーや、ドライブモードをチェンジできるスイッチには、高級感・清潔感・スタイリッシュ性が十分すぎるほどに備わります。
新型X5には、スマートフォンを使ったデジタルキーシステムなどのテクノロジーが導入される他、オプションでヘッドアップディスプレイやリヤエンターテインメントシステム、ジェスチャーコントロールなども追加設定できます。
新型X5はCLARプラットフォームで開発
4代目「X5」は、新型7シリーズと同じ「CLARプラットフォーム」で開発されます。
「CLARプラットフォーム」は、アルミニウムやマグネシウム、カーボンファイバー等の軽量かつ剛性素材を多用する、BMWの次世代型プラットフォームです。
CLARプラットフォームによって開発される新型X5は、耐久性を維持したままボディの軽量化が行われるため、ステアリング性能がアップし、低燃費も実現しました。
新型X5はパワートレインや走行性能が進化
ガソリン車とディーゼルエンジン車をラインナップ
新型X5の欧州モデルでは、ガソリン車とディーゼルエンジン車をラインナップします。
ガソリン車が搭載する、3.0L直列6気筒ツインターボエンジンでは、0~100km/hの加速は5.5秒・最高速は 243km/hを達成しています。xDrive30dに搭載される3.0Lディーゼルターボエンジンは、340bhp(馬力)のポテンシャルを誇ります。
新型X5では、路面状況に応じて「サンド」「ロック」「グランベル」「スノー」へとドライブモードをチェンジできる、インテリジェント4輪駆動システムであるxDriveのバージョンアップを行います。
パージョンアップされたxDriveとBMWの最新のトルクコンバーター技術が融合して、ドライバーはあらゆる路面下でストレスのない安定感のある走りを体感できます。
新型X5は部分自動運転によって運転中の緊急事態に対応
新型X5には部分的自動運転も可能とする、先進の運転支援システム(ADAS)が搭載されます。
同車に採用される「BMWパーソナルCoPilot」には、最新のアクティブクルーズコントロール(ACC)がパッケージングされ、渋滞走行中においても先行車との間の距離を一定に保ちながらの自動追従を可能とします。
その他にパッケージングされる「レーンチェンジアシスト」は、ウインカーレバーを車線変更したい方向に操作するだけで、自動的に車線変更がスタートされる機能です。
新型X5には、BMWで初となる「緊急停止アシスト」を導入します。同機能は、ドライバーが運転中に何らかの原因で体調不良となり、運転が困難となった状況で、電動パーキングブレーキスイッチを操作する事で作動されます。
緊急停止アシストが作動すればハザードランプの点滅がスタートし、車両を自動的に路肩などの安全な場所に停車させて、システムを介してコールセンターへ自動通報が行われます。
BMWでは初のSUVモデル BMW・X5のモデルチェンジ遍歴
X5はドイツのBMWが販売しているSUVで、BMWでは初のSUVとなったモデルです。アメリカではガソリンエンジンのみですが、日本や欧州ではディーゼルエンジン搭載モデルもラインナップされています。
BMW・X5 初代 E53/2000年~2007年
2000年1月、日本で「4.4i」の販売を開始しました。2001年1月には直列6気筒エンジンを搭載した「3.0i」と、スポーティモデルの「4.6is」が追加されました。
2003年10月に「4.4i」のエンジン出力をアップ。翌年5月には「4.6is」を廃止して、トップグレードの「4.8is」を追加しました。
BMW・X5 2代目 E70/2007年~2013年
2007年6月、モデルチェンジで第二世代になり、日本では「3.0si」「4.8i」のグレードが展開されます。
2008年11月、「xDrive 30i」「xDrive 48i」にグレード名を改称。翌2009年7月には、ツインターボエンジンを搭載した「X5 M」を導入。
2010年5月、マイナーチェンジを実施し、パワートレインが一新。3.0 L 直列6気筒ターボと4.4 L V型8気筒ツインターボの搭載と、「xDrive35i」「xDrive50i」にグレード名が変更されました。
2012年1月、ディーゼル車の「xDrive35d ブルーパフォーマンス」を導入。6月には「X5 M」がマイナーチェンジで外装デザインに変更を実施しました。
BMW・X5 3代目 F15/2013年~2019年
2013年11月、日本市場でX5の三代目がフルモデルチェンジして販売を開始しました。「xDrive35d」「xDrive35i」「xDrive50i」のラインナップに各「xLine」と「Mスポーツ」が用意されました。
2014年11月、高性能モデルの「X5 M」の販売を開始。
2015年9月、2.0L直列4気筒ターボエンジン+電気モーターのプラグインハイブリッドモデル、「xDrive40e」を発表。
BMW・X5 4代目 G05/2019年~
2019年、X5は4代目に。ガソリンモデルのグレードは「xDrive40i」「xDrive50i」「M50i」「xDrive45e」「M」「M Competition」、ディーゼルエンジンモデルが「xDrive30d」「M50d」となっています。
BMW・X5のモデル | 販売年表 |
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初代 E53 | 2000年~2007年 |
2代目 E70 | 2007年~2013年 |
3代目 F15 | 2013年~2019年 |
4代目 G05 | 2019年~ |
モデルチェンジした新型X5が登場することで今後のライバル車の動向も注目
新型「X5」は、2018年10月に開催されるパリモーターショーに出展され、翌11月に先行発売を開始して、2019年2月27日に日本にも導入しました。
5年ぶりに行われたフルモデルチェンジによって、居住スペースは拡げられ・エクステリアの魅力はアップして・運転支援システムは充実・室内では最新のデジタル技術を楽しめるようになりました。
すべてにおいて進化した4代目「X5」の登場によって、ポルシェのカイエンやメルセデス・ベンツのGLEクラスなどのライバル車が今後、どう対抗していくのかについても注目が集まります。