BMW X4は2025年に生産終了 後継は電動SUV「iX4」へ移行

クーペのようなルーフラインを持つミドルサイズSUVとして人気を集めたBMW「X4」ですが、2代目(G02型)をもって一代の歴史に区切りがつきました。BMWは電動化に合わせてSUVラインアップを整理しており、X4(G02)は2025年内に生産を終え、ガソリンエンジンを積む直接の後継は設定されません。実質的なバトンは、完全電動のクーペSUV「iX4」へと引き継がれる見通しです。
ここでは、X4の生産終了と後継iX4の動き、2代目G02の改良の歩み、そして2018年フルモデルチェンジ当時のエクステリア・インテリア・エンジン・装備・価格までを、現在の視点でまとめて整理します。
後継は電動クーペSUV「iX4」 2026年後半のデビューが見込まれる
X4は内燃機関の直接的な後継を持たないまま幕を下ろしますが、物語はここで終わりません。BMWのSUVクーペ路線を受け継ぐ存在として、完全電動の「iX4」の登場が控えているとみられます。開発コードは「NA7」とされ、次世代の電気自動車専用設計である「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」プラットフォームを採用する新世代EV群の一角を担う位置づけです。
現時点でBMWはiX4を正式公開していませんが、2026年秋(9〜10月頃)にワールドプレミアを迎え、同年11月からハンガリーのデブレツェン工場で生産を開始するという見方が有力です。同工場ではすでに電動SUV「iX3」が生産されており、iX4はこれと基本骨格を共有する“クーペ版”として設計されているといわれています。ラインアップは「iX4 40 xDrive」「iX4 50 xDrive」の2本立てで立ち上がり、高性能版の「iX4 M60 xDrive」は2027年春に続くとささやかれています。
技術面では、800Vアーキテクチャによる急速充電への対応や、WLTPモードで約800kmに達する航続距離が期待されています。プロトタイプはニュルブルクリンクなどでのテスト走行が目撃されており、iX3ゆずりの精悍なフロントに、より寝かせたルーフラインを組み合わせた造形が見て取れます。※これらのスペックやデビュー時期は正式発表前の観測であり、確定情報ではありません。
BMW X4(G02)が2025年に生産終了 内燃機関の直接的な後継はなし
BMWは2024年夏に、X4を現行のG02型限りで廃止する方針を明らかにしました。理由はラインアップの統廃合です。2代目へと拡大した「X2」がボディサイズ・価格ともにX4へ接近して顧客層が重なりやすくなったこと、そして収益面では上位の「X6」へ需要を誘導したいことが背景とされています。X4はニッチなクーペSUVで、実用性で支持を集める兄弟車X3ほどの販売規模には届かず、電動化への投資を優先する判断が働きました。
生産終了は段階的に進みました。ドイツ本国ではガソリン仕様が2025年9月30日、ディーゼル仕様(20d/30d/M40d)が2025年11月末でラインオフとなり、年内で区切りを迎えています。歴代X4を製造してきた米サウスカロライナ州のスパルタンバーグ工場でも2025年に製造を終えました。3代目にあたる内燃機関のX4(開発コードG46とされていたもの)は計画が中止となり、ガソリンを積むSUVクーペとしてのX4はここで一度その歴史を閉じました。
日本仕様は2024年にディーゼルとM40iが相次いで生産終了
日本市場では、生産終了に先立ってグレードの整理が進みました。ディーゼルの「X4 xDrive20d Mスポーツ」は2024年4月に、直列6気筒ガソリンの「X4 M40i」は2024年6月に、それぞれ生産を終えています。以降は在庫のみの販売となり、日本国内での新規受注も終了しました。ヤナセなどの認定中古車情報では、日本仕様のG02は2020年8月〜2025年3月頃の登録が中心と整理されています。中古車市場では、直6の希少性から「M40i」に一定の注目が集まっています。
2021年のマイナーチェンジ(LCI)で内外装と装備を刷新
2代目X4は、登場から約3年を経た2021年にマイナーチェンジ(BMWでいうLCI=ライフサイクル・インパルス)を受け、当時のBMW最新トレンドへと表情を改めました。日本でも同年に導入されています。
主な変更点は、フロントの左右一体構造としたキドニーグリルと前後バンパーの形状見直し、ヘッドライトおよびテールランプのLEDグラフィック刷新です。インテリアでは、センター/メーターのディスプレイが10.25インチから12.3インチへ拡大可能となり(オプション設定)、空調パネルは当時の4シリーズ流のデザインへ、シフト周りやiDriveコントローラーのパネルは3シリーズ(G20)系の意匠へと変わりました。高性能モデルは「X4 Mコンペティション」に集約され、最高出力510ps・最大トルク620Nmを発揮する3.0L直列6気筒ツインターボを積み、8速Mステップトロニックと組み合わせています。
2020年にディーゼル「xDrive20d」を追加
2代目X4は、2020年に日本でディーゼルモデルを追加しました。BMWジャパンは2020年6月4日、2.0L直列4気筒ディーゼルターボを搭載する「X4 xDrive20d」を設定して販売を開始しています。最高出力は190PS、最大トルクは400N・m、WLTCモード燃費は14.0km/Lで、48Vのマイルドハイブリッド技術を組み合わせ、スムーズなエンジンの自動停止・再始動と燃費向上に寄与しています。日本のX4はガソリンのみのラインアップが続いていましたが、このディーゼル追加により経済性を重視するユーザーの選択肢が広がりました。かつて「ディーゼルが追加されるのでは」といわれていた見立ては、この時点で現実のものとなりました。
2019年に高性能モデル「X4 M」を追加
BMW X4Mのエクステリア
X4をベースとする高性能モデル「X4 M」は、フランクフルトモーターショー2019で発表され、2019年に加わりました。開発・生産を手掛けるのはBMWのMディビジョンです。パワートレインには新設計の3.0L直列6気筒“M ツインパワー”ターボを採用し、標準モデルで最大出力480hp/6250rpm、最大トルク61.2kgm/2600〜5600rpmを発生。トランスミッションは8速「Mステップトロニック」です。さらに性能を高めた「X4 Mコンペティション」も用意され、こちらは510hpに達します。
エクステリアは、フロント・リアバンパーともにパフォーマンス向上を狙ったM専用デザインを採用。X4 Mコンペティションではキドニーグリルをブラックとし、サイドスカートと前後バンパーをボディ同色仕上げとするなど、より精悍な佇まいとしています。
BMW X4Mのインテリア
X4 Mには、身体をしっかりと支えるMマルチファンクションシートを標準装備。そのほかにもMモデルならではのオプションが充実しており、走りと質感の両面で専用の作り込みがなされていました。
2018年フルモデルチェンジで登場した2代目X4 クーペスタイルのSAC
ここからは、2代目X4がデビューした当時の内容を振り返ります。BMWのクロスオーバーSUV「X4」は、ジュネーブモーターショー2018で新型が公開され、日本では2018年9月6日にフルモデルチェンジして発売されました。初代の登場は2014年で、2代目はキープコンセプトながら随所を進化させています。
ワイド&ローのクーペスタイルへ進化したエクステリア

2代目X4のデザインは、基本コンポーネントを受け継ぐキープコンセプトですが、キドニーグリルが大型化し、初代では丸型フォグランプ中心だった灯火類が横長のLEDへ改められるなど、細部が着実に磨かれています。

サイドビューでは、5本スポークをダブル化したホイールが目を引き、よりスタイリッシュな印象になりました。リヤに向かって流れるように下がっていくクーペスタイルは、X4のアイデンティティとしてしっかり継承されています。

リヤビューでは、大きく傾斜したリヤウィンドウと、立体的な新デザインのテールランプが特徴です。赤とスモークで上下に分かれた配色で、スモーク部にウインカーとバックランプ、赤い部分にテールランプとストップランプが配置されています。
ボディサイズは全長4,760mm、全幅1,917mm、全高1,621mm、ホイールベース2,865mmで、初代より一回り拡大しています。
| 2代目 | 初代 | |
|---|---|---|
| 全長 | 4,760mm | 4,680mm |
| 全幅 | 1,917mm | 1,880mm |
| 全高 | 1,621mm | 1,625mm |
| ホイールベース | 2,865mm | 2,810mm |
カラーステッチとブラックが映えるインテリア

2代目X4のインテリアは、グレーブラックと赤ステッチを基調としたシックなまとまりで、センターコンソールには上からインフォメーションディスプレイ、エアコン送風口、オーディオパネル、エアコンコントローラーが整然と並びます。
後席まわりも印象が変わり、全体的に低く構えたスポーティなデザインとなりました。シートベルトロック付近にはチャイルドシート用のテザーアンカーが備わり、子どもを乗せる場面でも安心感があります。
搭載エンジンは3L直列6気筒と2L直列4気筒の2種類

2代目X4に搭載されたエンジンは「B48B20B」「B58B30A」の2種類で、いずれもBMWの4輪駆動システム「xDrive」を組み合わせています。
| グレード | xDrive30i・Mスポーツ | M40i |
|---|---|---|
| エンジン型式 | B48B20B | B58B30A |
| 種類 | 直列4気筒ガソリン | 直列6気筒ガソリン |
| 排気量 | 1,998cc | 2,997cc |
| 最高出力 | 185kW(252ps)/5,200rpm | 265kW(360ps)/5,500rpm |
| 最大トルク | 350Nm(35.7kgm)/1,450-4,800rpm | 500Nm(51.0kgm)/1,520-4,800rpm |
発売当初の日本仕様はガソリンエンジンのみでしたが、その後2020年6月に2.0L直列4気筒ディーゼルの「xDrive20d」が追加され、軽油で走る経済的な選択肢も加わりました。
BMWの最新予防安全システムを標準装備

2代目X4は、兄弟車X3と共通の先進装備を数多く採用しています。ヘッドアップ・ディスプレイや、指の動きで操作するBMWジェスチャー・コントロールにより、画面に触れずに音量調整などが行え、モニターの汚れも気になりません。
安全・運転支援も充実しており、真上からの視点で駐車を支援する「トップ・ビュー+サイド・ビュー・カメラ」、自車速度や標識を映す「BMWヘッドアップ・ディスプレイ」、車線逸脱を知らせる「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」など、多彩な機能を備えています。
2代目BMW X4に搭載される主な安全装備
- トップ・ビュー+サイド・ビュー・カメラ
- BMWヘッドアップ・ディスプレイ
- レーン・ディパーチャー・ウォーニング
- レーン・チェンジ・ウォーニング
- アダプティブLEDヘッドライト
- アクティブ・クルーズ・コントロール
- 前車接近警告機能
- 衝突回避・被害軽減ブレーキ
- パーク・ディスタンス・コントロール
- リヤ・ビュー・カメラ
2018年の発売日と価格は764万円から

2代目X4の日本での発売日は2018年9月6日で、ジュネーブモーターショー2018で世界初公開されました。北米価格は50,450ドル(当時のレート約565万円)で、日本では「xDrive30i」の7,640,000円からという設定でスタートしています。
| xDrive 30i | 7,640,000円 |
|---|---|
| xDrive 30i M Sport | 8,140,000円 |
| X4 M40i | 9,770,000円 |
SUVの新ジャンル SAVから生まれたBMW X4のモデルチェンジ遍歴
X4は、ドイツBMWが展開するSUVです。BMWはSUVを「SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)」、クーペ風のSUVを「SAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)」と呼び、X4は後者の新たな担い手として登場しました。ここでは初代から2代目、そして後継までの流れを整理します。
BMW・X4 初代 F26/2014年〜2018年
2014年4月、初代X4がニューヨーク国際オートショーで発表されました。欧州仕様には「xDrive20i」「xDrive28i」「xDrive35i」「xDrive20d」「xDrive30d」「xDrive35d」が用意され、8月には日本導入が発表。右ハンドルのみで、2.0L直列4気筒の「xDrive28i」と3.0L直列6気筒の「xDrive35i」が導入されました。2016年1月には、左ハンドルで新開発の3.0L直列6気筒を積む「M40i」が日本でも販売を開始しています。
BMW・X4 2代目 G02/2018年〜2025年
2018年4月に2代目のフルモデルチェンジが発表され、日本では同年9月に登場。2.0L直列4気筒ターボの「xDrive30i」「xDrive30i Mスポーツ」、3.0L直列6気筒ターボの「M40i」の3モデルでスタートしました。2019年には3.0L直列6気筒ツインターボの高性能版「X4 M」「X4 Mコンペティション」を追加。2020年6月にはディーゼルの「xDrive20d」を設定しました。2021年にはマイナーチェンジ(LCI)で内外装と装備を刷新。その後、日本では2024年にディーゼルとM40iが相次いで生産を終え、2025年にはグローバルでの生産も終了となりました。内燃機関の直接的な後継は設定されません。
後継 iX4(EV)/2026年後半〜(予定)
X4の役割は、ノイエ・クラッセを採用する完全電動のクーペSUV「iX4(開発コードNA7)」へと受け継がれる見通しです。2026年後半のデビュー、同年11月のデブレツェン工場での生産開始が見込まれています(正式発表前の観測を含みます)。
| BMW・X4のモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 F26 | 2014年〜2018年 |
| 2代目 G02 | 2018年〜2025年 |
| 後継 iX4(EV・NA7) | 2026年後半〜(予定) |
2代目で幕を閉じたX4 クーペSUVの系譜は電動のiX4へ受け継がれる

2018年9月6日にフルモデルチェンジして登場した2代目X4は、新型X3ゆずりの造形にLEDの灯火類を組み合わせ、ワイド&ローのクーペスタイルへと磨きをかけたモデルでした。日本ではガソリンの直4・直6で始まり、2019年に高性能のX4 M、2020年にディーゼルのxDrive20dを追加。2021年のマイナーチェンジで表情と装備を最新化するなど、着実に熟成を重ねてきました。
しかし電動化とラインアップ効率化の流れの中で、X4(G02)は2025年に生産を終了。ガソリンを積む直接の後継は設定されず、SUVクーペの系譜は完全電動の「iX4」へと引き継がれる段階に入りました。ヘッドアップ・ディスプレイやレーン・ディパーチャー・ウォーニングといった快適・安全装備で満足度の高いクロスオーバーSUVだったX4は、こうして一つの時代を締めくくり、次章はEVへと舞台を移します。今後は、iX4がどのような航続性能と価格でTesla Model YやAudi Q6 Sportback e-tronといったライバルに挑むのかが注目点となりそうです。






























