トヨタ アバロンは米国生産終了後も中国専売で継続 2026年に大幅改良型を申請
トヨタ アバロン(Avalon)は、1992年に販売を終えたトヨタ クレシーダの後継としてアメリカで生まれたFFの大型高級セダンです。1994年からケンタッキー州の工場で生産されてきましたが、2021年8月にトヨタ北米が生産終了を予告し、2022年8月をもって米国での生産を終了しました。北米での事実上の後継は、50年ぶりに車名が復活した「クラウン(クロスオーバー)」です。
ただしアバロンは消滅したわけではありません。現在は5代目のまま中国専売車として一汽トヨタが生産・販売を続けており、2026年7月には次期改良型が中国の工信部(工業情報化部)に申請済みという状況です。右ハンドル仕様は3代目以降つくられていないため日本への輸出はありませんが、初代と2代目は日本国内でも販売されていました。そんなトヨタ アバロンの現在地から歴史、エクステリア・インテリア、ボディサイズやスペック、新車価格までを詳しく紹介していきます。
アバロンの改良型が中国・工信部に申請 フロントはクラウン風へ全面刷新
2026年7月、中国の工信部が公開する新車申請リストに、次期アバロンの姿が現れました。申請情報は正式発表ではありませんが、量産が確定した車両しか掲載されない性格の資料なので、発売はほぼ確実と見てよいでしょう。
もっとも目を引くのはフロントまわりです。現行の台形状ワイドグリルをやめ、16代目クラウン(セダン)に近い縦基調のグリルとC字型のライトグラフィックを採用しており、「アバロンらしさ」よりも最新のトヨタ顔へ寄せた造形になっています。リアも刷新され、灯体は左右がつながるデザインへ変わります。ホイールベースは2,870mmのままで、車体骨格そのものには手が入っていません。つまりこれはフルモデルチェンジではなく、大がかりなマイナーチェンジという位置づけです。
いっぽうでパワートレインは据え置きで、ガソリン車のエンジン出力は127kWと現行と同値です。プラグインハイブリッドやEVの追加も申請段階では確認できません。中国市場では新エネルギー車の攻勢が続いており、この内容で反転攻勢をかけられるかは疑問が残る、というのが率直な見立てです。実際、2026年3月に月販1万台を超えていたアバロンは、4月以降は6,000台前後まで落ち込んでいます。「顔だけクラウン」で足りるのかどうか、正式発表を待ちたいところです。
なお、申請図の解釈をめぐっては全長を4,990mmのままとする見方と、バンパー変更で5,055mmまで延びるとする見方が分かれており、テールランプの形状についても貫通式とする説と分割式とする説が併存しています。ここは正式発表での確認が必要です。
2026款アバロンに黒基調の「星耀版」を追加 燃油版17.98万元・双擎版21.78万元
2026年春、一汽トヨタは年次改良にあたる2026款アバロンを発売し、新グレード「星耀版」を追加しました。価格はガソリンの2.0L燃油版が17.98万元、ハイブリッドの2.0L双擎版が21.78万元です。
星耀版は装備追加ではなく外観の個性化に振ったグレードで、専用色の墨渊黒(ブラック)のみを設定し、フロントグリル・ホイール・ドアハンドルなどを黒く塗り分けています。中身はそれぞれ2.0L進取版(17.88万元)、双擎2.0L豪華版(21.68万元)と同等で、差額はわずか1,000元。エアロや黒化パーツを後付けするより安く、保証面のリスクもないと考えれば、割り切った設定として理解できます。
動力は既存のままで、2.0Lガソリンが最高出力127kW(173馬力)、2.0Lハイブリッドはエンジン単体112kW、システム総合145kW(197馬力)、WLTC総合燃費4.31L/100kmです。
2025年のアバロンは中国で過去最高の年間12万6703台 年次改良で装備を整理
2025年は大きな機構変更こそありませんでしたが、年次改良の2025款が投入され、指導価格は17.88万〜25.68万元で据え置かれました。
特筆すべきは販売台数です。中国での年間販売は12万6703台に達し、2019年の中国投入以来の最多を記録しました。2024年の9万1229台から約4割の増加で、値引き競争のなかでの善戦といえます。北米で「売れないセダン」として整理された車が、中国では旗艦セダンとして数字を積んでいるわけで、市場が変われば評価も変わるという典型例でしょう。
2024年7月にアバロンが中国で2度目のマイナーチェンジ 2.0Lハイブリッドを新設し第5世代THSへ
一汽トヨタは2024年7月12日に改良型アバロンを発表し、翌7月13日に発売しました。米国には投入されなかった、5代目にとって2度目のマイナーチェンジです。空白期間のなかでは、これがもっとも中身の濃い変更にあたります。
最大のトピックはパワートレインです。2.0Lハイブリッド(M20G-FXS)を新たに設定し、エンジン最高出力は112kW、システム総合出力は145kW(197馬力)。燃費は100km走行あたり4.31リットルで、満タンでの航続は1,000kmを超えます。2.5Lハイブリッド(A25H-FXS)はエンジン出力が136kWへ5kW引き上げられ、システム総合は169kW(230馬力)に。ハイブリッドはいずれもトヨタの第5世代ハイブリッドシステムへ刷新され、耐久性と省エネ性能が高められました。いっぽうで2.5Lガソリンは廃止され、ガソリンは2.0L(M20E-FKS、127kW/173馬力)に一本化されています。
エクステリアは上位グレードのフロントグリルが横基調からひし形の網目模様へ変わり、グレード間の差別化が明確になりました。ボディカラーには深みのあるグリーンと金属質なシルバーが加わっています。インテリアは中央ディスプレイまわりをタブレット調に改め、12.3インチの中央ディスプレイと12.3インチのデジタルメーター、10インチのHUD、64色のアンビエントライト、nanoeXを装備。インフォテインメントの処理能力は従来比で約4倍に高められました。安全面ではToyota Pilotを全車標準装備とし、EDSS(緊急停止システム)やRSA(道路標識認識)などを搭載しています。
価格帯は17.88万元(約388万円)〜25.68万元(約558万円)で全9グレード。前回の19.98万〜27.98万元から実質的な値下げとなりました。
2023年のアバロンは年次改良と2.0L臻選版を追加 12月には米国で大規模リコール
2023年5月、中国仕様のアバロンは年次改良を受け、排出ガス規制の国6b対応としてGPF(微粒子捕集フィルター)が追加されました。続く7月25日には「2.0L CVT臻選版」を20.98万元で追加。2.0L進取版をベースに本革ステアリング・本革シート・前後席の電動調整などを加えたグレードで、地域色を採り込んだ「岭南版」も設定されています。
いっぽう米国では、2023年12月20日にアバロンを含む約100万台規模のリコールが届け出されました。助手席のOCS(乗員検知)センサーの製造不良により短絡が生じ、乗員の体重を正しく判定できず助手席エアバッグが展開しない可能性があるというもので、対象は2020〜2022年式のアバロン/アバロン ハイブリッドのほか、カムリやRAV4、レクサスES250などにおよびます。生産終了後の車種にとっても無視できない事案で、対策部品の供給が追いつかず長期化したことは記憶しておくべきでしょう。中国での年間販売は9万6254台でした。
2022年8月にアバロンが米国生産を終了 後継は50年ぶり復活のクラウン
アバロンは2022年8月、ケンタッキー州ジョージタウンのTMMKでの生産を終了しました。2022年モデルの最終オーダー期限は同年5月10日に設定されており、事実上そこで幕引きです。1994年9月に1号車が生産されてから、およそ28年の歴史でした。
入れ替わるかたちで2022年7月に発表されたのが、北米で50年ぶりに車名が復活したクラウン(S235型/クラウンクロスオーバー)です。低いセダンではなく車高を上げたクロスオーバー型を選んだあたりに、北米市場の現実がよく表れています。アバロンの米国販売は2019年の2万7767台から2020年に1万8421台へ落ち込み、最終年の2022年は1万2215台。同時期のRAV4が年間40万台超を売っていたことを踏まえれば、フラッグシップとはいえ整理の対象になったのは避けがたかったと言えます。
ちなみに本記事はかつて「2022年にマイナーチェンジを予定」と書いていましたが、この予想は北米では外れ、中国では当たったという結果になりました。北米では改良ではなく生産終了が答えでしたが、中国では次に触れるとおり2022年3月にマイナーチェンジが実施されています。北米のセダン需要縮小を織り込めていなかったことが、外れた最大の理由です。
2022年3月に中国でアバロンが初のマイナーチェンジ 19.98万元から
一汽トヨタは2022年3月30日、中国仕様アバロンのマイナーチェンジモデルを発売しました。9グレード構成で、価格は19.98万元(約384万円)〜27.98万元(約537万円)です。
パワートレインは2.0Lと2.5Lのガソリン、2.5Lハイブリッドの3種類。アバロンの象徴である大型ロアグリルと一体化したフロントグリルは、グレードごとに内部デザインを変えて差別化を図りました。電子制御サスペンションのAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション)を設定し、コネクティッドサービス「Toyota Connect」にも対応しています。グレード名はProgressive/Deluxe/XLE/Touring/Limitedの5系統が踏襲されました。北米モデルが幕を閉じる直前に、中国側は逆に手を入れていたわけです。
2021年8月にアバロンの米国生産終了が決定 2022年モデルでTRDとAWDが廃止に
2021年8月4日、トヨタ北米は2022年モデルを最後にアバロンの米国生産を終了すると発表しました。理由はSUVシフトと電動化への資源集中です。1994年デビューの歴史ある車名だけに、当時はそれなりの驚きをもって受け止められました。
そのうえで、2021年12月23日には最終型となる2022年モデルの内容が公表されています。目玉はXSEハイブリッドに初設定された「ナイトシェードエディション」で、黒基調の加飾で仕上げた実質的な最終記念グレードでした。半面、TRD、XSEナイトシェード、XLE AWD、リミテッドAWDはいずれも廃止。予防安全パッケージはToyota Safety Sense 2.5+(TSS 2.5+)へ更新され、ハイブリッドの複合燃費は約18.7km/L(EPA認定見込み値)と歴代アバロンで最良を記録しました。ボディカラーにはスーパーソニックレッド、オピュレントアンバー、ミッドナイトブラックメタリック、ウィンドチルパール、ルビーフレアパール、ハーバーグレーメタリック、アイスエッジ、セレスティアルシルバーメタリックが用意されています。
いっぽう中国では2021年6月7日から四川一汽トヨタ(SFTM)でもアバロンの生産が始まり、天津の工場と合わせた2拠点体制となりました。北米が畳みにかかる裏で中国側は供給を増やしていたわけで、この時点ですでに「中国専売化」の下地はできていたと見るのが自然でしょう。米国の年間販売は2021年が1万9460台(うちハイブリッド9,734台)、中国は11万7188台でした。
2021年モデルのトヨタ・アバロンに「ダイナミックトルクコントロールAWD」搭載モデルを設定
米国で販売されていたトヨタ・アバロンには、RAV4にも搭載されている「ダイナミックトルクコントロールAWDシステム」が、2021年モデルで初めて設定されました(米国トヨタの公式発表は2020年7月15日)。アバロン史上初の四輪駆動で、開発・生産はいずれも米国、ケンタッキー工場の専売という北米限定モデルでした。ダイナミックトルクコントロールAWDシステムを採用することで、雪道なども力強く駆け抜ける、セダンとは思えない悪路走破性を発揮します。なお、このAWDシステムによって室内スペースに影響を及ぼすといったことはなく、車両重量の増加も最小限としています。
組み合わされるのはV6ではなく2.5リッター直4(205ps)と8速ATで、設定はXLEとリミテッドの2グレード。同じ2021年モデルでは、ハイブリッドの電池がニッケル水素からリチウムイオンへ置き換わり、車両接近通報装置も追加されました。あわせてXSEをベースにした「XSEナイトシェードエディション」が登場し、Android Autoが全車標準となっています。ただしこのAWDは、前述のとおり翌2022年モデルで早くも廃止されており、結果的に2年限りの装備で終わりました。
2020年モデルのアバロンTRDの実車が堂々のサーキットデビュー!
アバロンTRDのエクステリア
市販前のトヨタ・アバロンの特別モデル「TRDエディション」は、サーキット場で先行してその姿を披露しました。
TRD専用エアロパーツを備えるスポーティーなスタイリングと走行性能を備えるTRDエディションは、「スーパーソニックレッド」「ウィンドチルパール」「セレスティアルシルバーメタリック」「ミッドナイトブラックメタリック」の4カラーがラインナップしていました。
アバロンTRDのインテリア
アバロンTRDに設定されたインテリアは、シートやステアリングホイールにレッドステッチがあしらわれていました。エクステリアにマッチしたレーシーなデザインで、乗り込むたびに走りを予感させる仕立てです。なお2021年モデルでは、ウィンドチルパールまたは新色アイスエッジにブラックルーフを組み合わせる2トーン塗装が追加され、スーパーソニックレッドは他グレードへ移されています。
トヨタ・アバロンにフルエアロ装着モデル「TRD」が2020年モデルとして登場
トヨタ アバロンTRD(プロトタイプ)のエクステリア
北米で販売されていたフラッグシップセダンのトヨタ・アバロンに、フルエアロを装着したスポーツグレード「TRD」が設定されました。カムリTRDとともに2018年11月に北米で初公開され、2020年モデルとして2019年秋にディーラーへ並んだものです。XSEをベースにTRDらしい味付けを施した仕様で、当時の為替換算では価格はおよそ457万円から。3.5L V型6気筒エンジン(2GR-FKS)を搭載し、最高出力は301hp(約305ps)を発生します。組み合わされるのはパドルシフト付きのDirect Shift 8速ATです。
サスペンションはサーキットを意識した専用チューンで、フロントブレーキの大径化、車高ダウン、空力パーツの追加まで踏み込んだ内容でした。フロント・リアともにスポーティーなエクステリアデザインで、インテリアは黒ベースに赤のステッチをアクセントに取り入れています。ただし前述のとおりTRDは2022年モデルで廃止され、AWDと同様に短命に終わりました。セダンにスポーツグレードを足しても市場の流れは変えられなかった、という結末です。
トヨタ アバロンの歴史・スペック・エクステリア・新車価格
トヨタの海外専売車種アバロンの歴史 日本ではプロナードの名前で販売
北米を主戦場にしたアバロンは、日本でも1995年から1999年の約4年間「アバロン」として、2000年から2004年の約4年間「トヨタ プロナード」として販売された
トヨタが北米をメインの市場とし、アバロンの製造を開始したのは1994年のことです。アバロンの車名はケルト神話に登場する島「アヴァロン」が由来となっています。
初代アバロンは北米トヨタの最上級車として登場し、1994年から2000年まで製造・販売されました。日本ではアメリカからの逆輸入という形をとり、1995年5月に発売、1999年6月に輸入を終了しています(在庫販売は2000年3月まで)。3.0Lの1MZ-FE型エンジンを最初に搭載した車種でもあり、初代レクサスLS(セルシオ)に匹敵する2,050mmの室内長が最大の売りでした。
2000年から2005年まで製造・販売されたのが2代目アバロンです。日本国内では「トヨタ プロナード」という名称で2000年4月に発売されました。
ところが、不動の人気を誇るクラウンや当時販売されていたクレスタ、アリストなどのその他の人気車種と併売されていたために売り上げがなかなか伸びず、アバロンの日本での輸入販売は2代目で終了となりました。プロナードは2004年に販売を終えています。
なお、同時期にオーストラリア製のモデルも販売されていました。こちらは北米が2代目へ移行したあとも初代を継続生産したもので、2000年6月発売、2005年7月に生産終了。2006年11月からは「オーリオン(Aurion)」が後継車として販売を開始しました。こちらのオーリオンも、トヨタの豪州生産撤退にともない2017年に生産終了を迎えています。
3代目トヨタ アバロンは2005年から2012年まで、カナダやアメリカで販売されました。3代目モデルは全長5メートルを越えるビッグサイズとなり、グレードもさらに増えています。この代から右ハンドル仕様の生産が取りやめられ、日本を含む左側通行の国では販売されなくなりました。
2012年から2018年まで販売された4代目アバロンは、先代よりもコンパクトなサイズになり、軽量化されました。この代からレクサスESやカムリと同等のユニットを搭載したハイブリッドモデルが2012年12月に追加されています。
5代目アバロンは2018年1月の北米国際オートショーで発表され、同年5月に米国で発売されました。レクサスESと共通のTNGA-Kプラットフォームを採用し、4代目よりもボディサイズは大きめですが、エンジンは先代と同系のタイプが用意されています。2019年3月には中国にも投入され、2022年8月に米国での生産を終了して以降は中国専売車として継続。中国では2022年3月と2024年7月の2度のマイナーチェンジを受け、2024年以降は2.0Lガソリンと2.0L/2.5Lハイブリッドの3本立てで、2026年7月時点では次期改良型が中国当局に申請済みという状態です。初代の登場から30年以上を経てなお、アバロンは世代交代せずに5代目のまま走り続けています。
トヨタ アバロンのスペック 大型ボディに安全装備トヨタセーフティセンスPを採用
5代目トヨタ アバロン(2019年モデル・米国仕様)のボディサイズは全長4,980mmと、5メートル近い大型サイズです。全幅は1,850mmで高さは1,440mm、全グレード乗車可能な人数は最大5名となっています。現行の中国仕様は前後バンパーの違いなどから全長4,990mm×全幅1,850mm×全高1,450mm、ホイールベース2,870mmと公表されており、数値がわずかに異なる点は押さえておきたいところです。
米国仕様のエンジンは3.5リッターV6エンジンとハイブリッドモデルの2.5リッター直4+モーターが用意されていました。燃費は市街地の場合は約9.4km/Lで高速道路は約13.6km/L、ハイブリッドの場合は市街地で約18.3km/L、高速道路は約18.7km/Lとなります(いずれもEPA基準)。現行の中国仕様に3.5L V6の設定はなく、2.0Lガソリン(173馬力)、2.0Lハイブリッド(システム総合197馬力)、2.5Lハイブリッド(同230馬力)の3種類です。
安全装備は世代内で更新されています。デビュー当初のアバロンにはトヨタ・セーフティー・センスPが搭載され、2022年モデルではToyota Safety Sense 2.5+(TSS 2.5+)へ、現行の中国仕様では緊急停止支援のEDSSなどを含む「Toyota Pilot」へと置き換わり、ドライバーの安全快適な運転をサポートします。
その他、米国仕様ではAIアシスタントのアマゾンアレクサ対応デバイスやスマートウォッチとの連携、オプションパッケージではQiワイヤレス充電の使用も可能など、先進的なコネクティッド機能が非常に充実していました。市販車として初めてAlexaによるドアの施解錠やエンジン始動に対応した点は、当時としてはかなり尖った装備です。現行の中国仕様では12.3インチの中央ディスプレイと12.3インチのデジタルメーター、10インチHUDを備え、コネクティッドは「Toyota Connect」に対応しています。
トヨタ アバロンのエクステリアはデザインアイコン「キーンルック」でインテリアは上品なブラックインパネ
トヨタのデザインアイコン「キーンルック」を採用 大きなメッシュグリルも特徴的
2019年モデルのトヨタ アバロンは先代モデルよりもサイズアップしています。吊り目のヘッドライトに、先代と同様、広く張り出した大口のフロントグリルが大胆なデザインとなっており、思わず目を奪われます。空力にも徹底的に配慮され、Cd値は先代から改善して0.27を達成しました。
なお、グリルデザインはグレードによって異なり、ツーリングとXSEがダークグレーのメッシュタイプグリル、リミテッドとXLEが横ラインのダークグレーとなっていました。この作り分けは中国仕様にも引き継がれ、2024年の改良では上位グレードがひし形の網目模様へ変更されています。
機能性の高いインパネ ブラック基調で落ち着いた雰囲気が感じられる
トヨタ アバロンのインテリアはシンプルかつ品のあるデザインで、実用性の高い作りとなっています。ヤマハ製の木目トリムやアルミの加飾など、素材そのものの質感で見せる作法は5代目の美点でした。
フラッグシップセダンに相応しい質感高いリアシート
シートにもフラグシップカーの名に相応しい高級感が感じられます。後席の広さは初代から一貫したアバロンの持ち味で、ゆとりと落ち着きのある空間で快適なドライブが楽しめます。
トヨタ アバロンのボディカラーは全8色でベーシックなラインナップが特徴
トヨタ アバロンの2019年モデル(米国仕様)のボディカラーは、以下の8カラーがラインナップしていました。
WIND CHILL PEARL(ウィンドチルパール)
HARBOR GRAY METALLIC(ハーバーグレーメタリック)
OPULENT AMBER(オピュレントアンバー)
CELESTIAL SILVER METALLIC(セレスティアルシルバーメタリック)
MIDNIGHT BLACK METALLIC(ミッドナイトブラックメタリック)
RUBY FLARE PEARL(ルビーフレアパール)
BROWNSTONE(ブラウンストーン)
PARISIAN NIGHT PEARL(パリシアンナイトパール)
2018年モデルと比べると、2019年モデルが8カラーなのに対し2018年モデルは9カラーが展開されていました。さらに、2018年に販売された9カラーのうち、ミッドナイトブラックメタリックとパリシアンナイトパール以外のカラーはすべて変更されています。
その後も入れ替えは続き、2021年モデルではパリシアンナイトパールに代わってブループリントが、TRD向けにはスーパーソニックレッドに代わってアイスエッジが追加されました。現行の中国仕様では2024年の改良で深いグリーン系とシルバー系の新色が加わり、2026款の星耀版には専用色の墨渊黒(ブラック)が設定されています。
トヨタ アバロンの新車価格をグレードごとに調査 日本円で約371万円から475万円
まず、米国で販売されていた当時のグレード別新車価格(2019年モデル・公式サイト掲載時点)をまとめました。現在は販売されていないため、これは歴史的な参考値です。
| グレード | 価格 |
|---|---|
| XLE | $33,500(約371万円) |
| ハイブリッド XLE | $36,500(約405万円) |
| XSE | $38,000(約421万円) |
| ハイブリッド XSE | $39,000(約432万円) |
| ツーリング | $42,200(約468万円) |
| リミテッド | $41,800(約463万円) |
| ハイブリッド リミテッド | $42,800(約475万円) |
トヨタ アバロンの2019年モデルの新車価格帯は、1ドル111円とした場合の計算でおよそ371~475万円となっており、グレードによっては100万円の幅がありました。ベース価格はそれぞれガソリン車が約371万円、ハイブリッド車が約405万円です。なお2021年モデルでは3万6,000ドル弱から40万ドル台半ばまで値上がりしており、TRDはおよそ4万5,000ドルという水準でした。
いっぽう現行の中国仕様(2026款)は、指導価格が17.88万元〜25.68万元で全9グレード。入口の2.0L進取版が17.88万元、黒化外装の2.0L星耀版が17.98万元、ハイブリッドの2.0L双擎臻選版が20.68万元、最上級の2.5L双擎旗艦版が25.68万元です。ただし中国では値引き競争が激しく、実勢価格は指導価格を大きく下回っているのが実情です。
高級セダンのトヨタ アバロンはたくさんの魅力を持つクルマ

トヨタ アバロンは、トヨタのフラッグシップカーらしい高級感にあふれたエクステリアと広々とした空間が広がるインテリア、さらに最新式のコネクティッド機能によるIT環境など魅力満載の自動車です。
もっとも、その舞台はすっかり移りました。北米では2022年8月に生産を終え、クラウンにバトンを渡した一方、中国では旗艦セダンとして2025年に過去最高の年間12万6703台を記録し、2026年7月には次期改良型が当局に申請されています。アバロンは「終わった車」ではなく、「北米を去って中国に根を張った車」と表現するのが正確でしょう。
日本への導入は2代目のプロナードを最後に途絶えており、再販の予定もありません。右ハンドル仕様が3代目以降つくられていない以上、現実的な可能性は高くないと見るべきですが、クラウンやカムリの立ち位置が変わり続けている今、これだけ広い後席を持つFFセダンの価値を日本で再確認する機会があってもよいのではないでしょうか。





























