1990年代のトヨタの車種一覧
バブル期の名残のあった1990年代前半には高級車も隆盛でしたが、少しずつ下火に。代わりにミニバンブームが訪れます。また、RAV4のヒットをきっかけに、クロスオーバーSUVというジャンルが確立されていきます。
ランドクルーザー プラド(1990~)
通称プラド。高い悪路走破性を持ち、オンロードでも安定した走りができるSUV車。現行型は2009年の4代目150系だが、ランドクルーザーの派生車種(ライト系)として初登場した初代70系の人気も高い。欧州では3代目120系、4代目150系ともに「ランドクルーザー」として販売。
エスティマ(1990~2019)
トヨタを代表する大型ミニバンで、ファミリーカーとして人気を博す。丸みを帯びたボディラインは「天才タマゴ」というキャッチとともに話題に。2019年10月生産終了し、約30年の歴史に幕。
セラ(1990~1994)
上半分がガラス張りで「車内が丸見え」という感想を抱いてしまうクーペ。夏は日差しがツライ。東京モーターショーに出展した車をほぼそのまま市販化した、トヨタ屈指の珍車・謎車として有名。高い技術と、豊富な資金があったからこそできたのは間違いない。
サイノス(1991~1999)
コンパクトな2ドアクーペで、ターセルやコルサなどのセダンを基本ベースに作られている。北米ではパセオの名前で販売され、若い女性がターゲット。確かに女の人がカジュアルに乗っていたらかっこいい。
ウィンダム(1991~2006)
レクサスESとして海外では販売されていた高級セダン。2006年MCV30型の販売終了にともない、日本では取り扱いがなかったが、2018年10月からレクサス新型ES(かつてのウィンダム)が日本市場に投入され予想以上の受注数となっている。
クラウン マジェスタ(1991~2018)
「マジェスタ」と呼ばれることも多い。クラウンとセルシオ(レクサスLS)の中間に位置する高級セダン。2018年に6代目をもって販売が終了し、一方でクラウンは15回目のフルモデルチェンジ。グレードが更に細かくなり、マジェスタの受け皿となった。
アリスト(1991~2005)
別名レクサス GS。アリストは「国内最速セダン」と呼ばれたほどのスポーツセダンで、走りを楽しむオーナーが多い。初代140系はスープラに先駆けて直6 3.0Lツインターボ2JZ-GTEエンジンを搭載していた。
セプター(1992~1996)
アメリカで製造していたカムリを日本向けにして逆輸入したトヨタ車。セダン・クーペ・ステーションワゴンがある。セダン・クーペの売上は最低だったが、ステーションワゴンのみ堅実に売り上げていた。格納式のシートにより7人が乗れるのは良い。
スプリンターマリノ(1992~1998)
スプリンターシリーズとして最後に登場したハードトップで、カローラセレスの姉妹車。カリーナEDによるピラーレスハードトップ人気を受けて発売されたが、既にブームは下火。カリーナEDでも指摘されていた居住性の悪さばかりが取り上げられる結果となった。
カローラセレス(1992~1998)
4ドアハードトップとして人気を博したカリーナEDを追う形で販売。スプリンターマリノのとはよく似た姉妹車である。バブル崩壊、その後のミニバン&SUVブームの到来により存在感を示せず、1代で販売終了となった。
カルディナ(1992~2007)
スバルのレガシィを意識して開発したステーションワゴンとライトバン。レガシィの人気を奪うほどではなかったが、堅実に売れた車。バンはカスタムカーとしても人気があった。イギリスではT190系まではカリーナE、T210系以降アベンシスの名前で販売されている。
カレン(1994~1998)
6代目セリカの姉妹車だが、T200型のみ1台で姿を消したノッチバッククーペ。販売期間はわずか4年。エンジンをはじめプラットフォームはほぼセリカといっていいもので、セリカより大人しめでエレガントなデザインが特徴。
RAV4(1994年~)
日本初のモノコック構造のSUV、RAV4の成功によりクロスオーバーSUVというジャンルが本格的に開拓されたともいえる。モデルチェンジの度に大型になり、4代目は日本では販売されていなかったが、2019年4月、5代目が復活販売された。
グランビア(1995~2002)
8人乗りのミニバンで全長・全幅はエスティマとほぼ同じだが、全高が15cmほど高く、開放感がある。当時はトヨタ1番のワンボックスとして熱心な宣伝活動を行ったが、1997年に日産・エルグランドの登場以来、販売は苦戦した。
クラウンコンフォート(1995~2018)
クラウンセダンの兄弟車だが、コンフォートはほぼタクシー専用の商用車。5ナンバーの古き良き日本のセダンといった印象。ただし、ベースになったのはクラウンではなく、マークⅡ。クラウンセダンは一般での購入も可能だが、コンフォートは難しい。
クラシック(1996年)
トヨタ初の乗用車AA型をモデルに開発した限定100台の記念車。販売価格は800万円だが、長崎のハウステンボスなどのテーマパークなどが購入した例もある。手作業の工程も多く、のちに廉価版のTCピックアップも受注生産された。
イプサム(1996~2009)
ミニバンブームのなか販売した初代イプサムは予想以上の売り上げを誇ったが、ブームゆえに他社も競合車種を続々投入。人気車種にはあと一歩届かなかった模様。2代目で高級化を図るも、エコカー減税の対象にならないため生産終了。
ラウム(1997~2011)
1500ccのコンパクトカーで、後ろがスライドドアという当時として画期的な車。子育て世帯はもちろん、乗り降りしやすく、介護の現場でも活躍した。2011年に販売終了したが、後継となるスライドドアのポルテとスペイドが誕生し、ほっとした人も多いはず。
ハイエース レジアス(1997~2002)
ハイエースをベースに、グランビアより一回り小さいサイズのファミリーカーとして誕生。取り回しやすいサイズ、ツインムーンルーフのグレードもあり解放感のあるドライブを楽しめた。商用モデルのハイエースレジアスバンも存在する。
ハリアー(1997年~)
RAV4の成功で自信を得たトヨタが製造・販売した高級クロスオーバーSUV。後に世界的に真似される車となっているのでこの路線は大当たり。レクサスRXとして海外で販売されたことも。現行型のプラットフォームはRAV4と共通。
アベンシス(2003~2018)
1997年からイギリスで製造されているステーションワゴン・ハッチバック・セダンであるが、日本販売は2003年の2代目T250型から。2008年に販売終了するが、3代目T270型ワゴンが2011年に販売。街ではなかなか見かけない。
プリウス(1997~)
世界初の量産ハイブリッド自動車。燃費・環境性能・静寂性と自動車業界に与えた影響は大きすぎる。海外では「環境に優しいクルマ」としてのブランドを築き、セレブ達がプリウスを所有するのがステータスとなり、流行した。
ナディア(1998~2003)
ミニバンのイプサムを基本にした、ミニバン風トールワゴンという位置づけ。販売当時は新しいセダンの形とも言われたのだが、とにかく見た通りの見た目である。認知度の低い、俗にいう不人気車だが、室内はとにかく広い。
ガイア(1998~2004)
ミニバンブーム時にイプサムの姉妹車として販売されたガイア。初代イプサムより全長を伸ばし、室内スペースを拡大。イプサムの弱点だった内装・外装のデザインを洗練化するなど、多くの改良が加えられた。
プログレ(1998~2007)
コンパクトな高級セダン。全長4,500mm×全幅1,700mmながら、ホイールベース2,780mmとクラウンと同程度で乗り心地には定評があった。ただクラウンとの差別化や「小さい高級車」という存在があまり受け入れられず。やや時代の先を行き過ぎた感あり。
アルテッツァ(1998~2005)
海外ではレクサス ISの名前で販売。北米を中心にレクサスブランドを確立した車。スポーツセダンがアルテッツァ、ワゴンボディがアルテッツァジータ。ジータは「小旅行」という意味のイタリア語。1998年日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。
ヴィッツ(1999~2020)
トヨタを代表するコンパクトカー。スターレットの後継。安さ・手軽さだけでなく、デザイン性・安全性をアピールし、日本と海外で爆発的に売れている。2020年2月のフルモデルチェンジで車名をグローバルモデルと同じ「ヤリス」に統一。
プラッツ(1999~2005)
初代ヴィッツにトランクルームを追加したセダン。全長が520mmほど長いだけだが、トランクの容量は広くて実用的な車。ヴィッツ同様、低価格設定で、社用車としての需要も高かった。プラッツの名前は1代限りでのちに「ベルタ」に名称変更。
ファンカーゴ(1999~2005)
初代ヴィッツをベースにした2列シートの小型トールワゴン。当時のコンパクトカーで最大の室内容積で、大型クロスバイクなども収納できるほど広くてファミリー層にも大人気。1999年ヴィッツ、プラッツとともに日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。
ツーリングハイエース(1999~2002)
ワンボックス型のミニバンで、実質「ハイエース レジアス」のスポーツグレードを独立分離販売した車。グレードは1種類のみだが、特別仕様車、モデリスタや地域によるオリジナルのパッケージモデルが存在する。
グランドハイエース(1999~2002)
トヨペット店の販売車種だったため、トヨペット代表車種「ハイエース」の名前を含めただけ。実質は95年に販売し、トヨタが最上級ミニバンに位置付けたグランビアの姉妹車。「ミニバン版クラウン」を目指してとにかく高級感を意識した作りとなっている。
MR-S(1999~2007)
日本初ミッドシップのスポーツカーだったMR2の後継にあたるオープンタイプのスポーツカー。車両の軽量化を重視し、総重量は1,000kg前後。エンジンのパワーよりもハンドリング性能を優先させる方針をとり、軽快な走りを持ち味とした。
クラウンエステート(1999~2007)
S170系クラウンをベースにした5人乗りのステーションワゴンで、積載性が抜群に高い。セダン同様アスリートとロイヤルモデルの2種類。全幅は狭いが、クラウンの名前がつくだけあり、静かで余裕のある走りが特長。当時の販売価格は350~400万以下だった。