ランボルギーニ歴代車種一覧~名車しか作らないランボルギーニの歴史
ランボルギーニの歴代車種と聞けば、カウンタックやミウラ、ムルシエラゴやアヴェンタドールなどのスーパーカーを思い浮かべる人が大半でしょう。
もちろんそれらはランボルギーニを代表する名車に間違いありませんが、他にも魅力的な車種が多数存在します。
ランボルギーニ創業初期のクラシックモデルから現行車種まで、歴代フラグシップやベビーランボシリーズなど、現在まで発売されたランボルギーニの車種をまとめてご紹介します。
現行フラグシップモデル レヴエルト(Revuelto)の特徴
ランボルギーニの現行車種は、フラグシップモデル「レヴエルト」、売れ筋の基幹車種「ウラカン」、SUV「ウルス」の3車種です。
現在のランボルギーニのフラグシップモデル「レヴエルト」は、ランボルギーニ初PHEV(プラグインハイブリッド)の新世代モデルです。
レヴエルト(2023~)
ランボルギーニ初の電動パワートレイン(PHEV)を採用するレヴエルト
ランボルギーニ レヴエルトは、それまでフラッグシップであったアヴェンタードールの後継モデルとして2023年に発表。
世界的なカーボンニュートラル推進により、ランボルギーニ初の電動パワートレイン(PHEV)システムを取り入れたことでも話題に。
リアミッドシップに搭載する、新開発6.5LのV型12気筒エンジン+トリプルモーターの動力は強烈で、ランボルギーニではレヴエルトをHPEV(ハイパフォーマンスEV)と呼んでいます。
一体設計された8速ダブルクラッチ トランスミッションも新開発で、最高出力825PS、最大トルク73.9kgm、0-100km/h加速約2.5秒の驚異的なスペックを発揮します。
現行車種ウラカンのモデルや特別仕様車
2014年に初登場したランボルギーニ・ウラカンは、基本モデルLP610-4、2WDモデルのLP580-2、ハイパフォーマンスモデルのLP640-4 ペルフォルマンテで構成されています。
LP610-4は2019年にビックマイナーチェンジを受けて、「ウラカンEVO」へ移行しました。各モデルの特徴や話題になった特別仕様車などを解説します。
ウラカンLP610-4/ LP610-4 スパイダー
スペイン語でハリケーンを意味する「ウラカン」LP610-4型
ウラカンLP610-4 スパイダー
ガヤルドの後継として2014年生産開始。2015年8月以降はオープンモデルのスパイダーも誕生。5.2リッターV10自然吸気エンジン搭載。日本の折り紙からインスピレーションを得たルーフラインが特徴。価格2462万円~。
250台限定発売 ウラカンLP610-4 Avio
ウラカン最初の特別仕様車「LP610-4 Avio」。イタリアの戦闘機をイメージしたボディカラー「グリジオ・ファルコ」を採用。限定250台の生産で、当時の価格は日本円で2820万円。
「ブルー・ポリツィア」ボディカラーを採用したウラカンLP610-4 ポリツィア・ストラダーレ
ウラカンLP610-4 ポリツィア・ストラダーレ。2014年ローマ警察に納入された最強のパトカー。最高速325km/h、0-100km/h加速は3.2秒。なお、イタリア警察はガヤルド第一世代、第二世代のパトカーも所有している。
ウラカンLP580-2/ LP580-2スパイダー
ウラカンLP580-2(2016~)
ウラカンLP580-2リアの様子(2016~)
ウラカンLP580-2 スパイダー 車名は馬力と駆動方式を表現
2016年登場のウラカンLP580-2。ミッドシップ4WDのLP610-4から駆動方式を2WD(RWD)に変更したピュア・ハンドリングエディション。前後重量配分は40:60。最高出力は610馬力から580馬力へ自主規制。スパイダーも存在。
ランボルギーニ社が寄贈したウラカンLP580-2 ローマ教皇フランシスコ
特別仕様車ウラカンLP580-2 ローマ教皇フランシスコ
ウラカンLP580-2 ローマ教皇フランシスコ。バチカン国旗をモチーフにした、ウラカンの2WDモデル「LP580-2」の特別仕様車。ローマ法王に寄贈後、法王がボンネットにサインした後、チャリティーオークションへ出品。1億近い値で落札。
ウラカンLP 640-4 ペルフォルマンテ(スパイダー)
ウラカン高性能モデル LP640-4 ペルフォルマンテ
LP640-4 ペルフォルマンテ
ジュネーブモーターショー2018で発表されたウラカンLP640-4 ペルフォルマンテ・スパイダー
2017年登場ハイパフォーマンスモデル。リアウィングなどにカーボンを多用して軽量化。LP610-4より最高出力が30PS高い640PSに。専用開発の「ALA(エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ)」により空力性能が大幅向上。
ウラカンEVO
ウラカン・EVO(2019~)
ウラカン・EVO・スパイダー(2019~)
ウラカンLP610-4のマイナーチェンジモデル「ウラカンEVO」。2019年発売。ハイパフォーマンスモデル「LP640-4 ペルフォルマンテ」と同じ640PSを発生させ、空力性能が大幅向上。0-100km/h加速は2.9秒となり、0.3秒の短縮に成功。価格3223万円~。
現行車種ウルスの特徴 ランボルギーニが初めて開発したスーパーSUV
2018年に登場したウルスは、ランボルギーニが「スーパースポーツユーティリティビークル(SSUV)」と位置付ける車です。ランボルギーニは、クロスカントリー4WDの「LM002」を生産したことがありますが、SUVモデルの発売は歴代初となります。
ウルス(2018~)
ランボルギーニ初 5人乗り可能なスーパーSUVウルス
ランボルギーニが開発したスーパーSUV。歴代車種で初めてターボエンジン(4リッターV8)を採用。最高出力は650PS、最大トルクは850Nmで、SUV車として世界で初めて最高速度305km/hを達成。価格約2780万円~。
ウルス ST-X(2020~)
ウルス ST-X ランボルギーニ特有の「ヴェルデマンティス(VERDE MANTIS)」の黄緑色カラー
スーパーSUVウルスのレース仕様車。ミサノ・アドリアティコ開催「2020年ワールドファイナル」に参戦。カーボンファイバーボンネットやカーボンウイングなど軽量化が図られており、V8ツインターボの美しいエキゾーストノーズが特徴。
ランボルギーニの歴代車種 V12エンジンを搭載したフラグシップモデルまとめ
ランボルギーニのフラグシップモデルは、MRかミッドシップ四駆のどちらかで、V型12気筒エンジンを搭載するのが伝統です。ミウラやカウンタックなど、一世を風靡したランボルギーニのスーパーカーを紹介します。
ミウラ(1966~1973)
ミウラP400 車名は排気量4Lの意味 350馬力・車両重量1075kg
ミウラP400S 馬力は370PSまで向上 総生産台数約140台
ミウラP400SV 馬力は385PSまで向上 総生産台数約150台
流麗な2シータークーペに、巨大なV型12気筒エンジンをミッドシップ横置き。世界的に前例がないスタイリングで、ランボルギーニの名前を世界に轟かせた伝説的名車。総生産台数約750台。改良が続き、P400、P400S、P400SVに大別される。
イオタ(イオタSVJ/ミウラSVJ)
イオタSVJ識別番号4892 推定300万ドル(3億2000万円)
「Jota(イオタ)」は1969年に開発されたミウラベースの実験車両であり、世界に1台のスーパーカー。オリジナル車両は廃車になったが、顧客の要望によりレプリカ車「イオタSVJ(正式車名ミウラSVJ)が制作。画像はシャシ番号4892、推定価格3億超。
カウンタック(1974~1990)
最初の量産モデル カウンタックLP400
カウンタックLP400 S(1978~)
カウンタックLP400 Sのリア(1978~)
カウンタックLP500S(1982~)
カウンタック25thアニバーサリー(1988)
カウンタックは1970年代スーパーカーの代表格で、日本のスーパーカーブームの火付け役。400馬力超のV型12気筒NAエンジン搭載。車名は美女を見たときに男性が発するイタリア・ピエモンテ語の感嘆詞に由来。公称値は「最高速300km/h」だが、実は最高295km/h程度が有力説。
2021年8月9日にはランボルギーニ公式がカウンタック(LPI 800-4)の復活を宣言。世界限定112台で既に完売しています。
ディアブロ(1990~2001)
ディアブロ(1990~1998)リトラクタブル・ヘッドライト搭載モデル
ディアブロSE30(1993~1995)ランボルギーニ30周年記念モデル
ディアブロ・ロードスター(1995~1999)
ディアブロ最終モデル6.0SE
カウンタック後継V12エンジン搭載モデル。発売当初はリトラクタブル・ヘッドライトを採用したが、後に日産フェアレディZ(Z32)と同じ固定式ライトに変更。眉毛のようなライトカバーの下には実はNISSANのロゴがある。
ムルシエラゴ(2001~2010)
ムルシエラゴ6.2(2001~2006)ベースグレード
アルテミス・グリーンのムルシエラゴ40th アニバーサリー・エディション 日本割り当ては5台
ムルシエラゴLP640(2006~2010)最高出力640PS
ムルシエラゴLP640 ロードスター(2006~2010)
ディアブロの後継。6.2リッターV12搭載フラグシップモデルで、四輪駆動のみのラインアップ。車名は闘牛の名前であり、スペイン語で「コウモリ」の意味も。発売時にはアウディ傘下だが、ランボルギーニがほぼ単独で開発。
レヴェントン(2007~2009)
2007年のフランクフルトモーターショーで世界初公開されたレヴェントン
価格100万ユーロのスーパーカー ランボルギーニ・レヴェントン
ムルシエラゴをベースにした20台限定スーパーカー。デザインのモチーフはステルス戦闘機F-22。最高出力は650PS/8,000rpmで、ムルシエラゴLP640より10PS向上。価格約1億6000万円で、ランボルギーニミュージアムにも展示。
アヴェンタドール(2011~2018)
LP700-4 アヴェンタドール
アヴェンタドールJ(イオタ)世界に1台のワンオフモデル ジュネーブモーターショー2012閉幕後に納車された
ムルシエラゴの後継車種で、現行車種アヴェンタドールSの先代モデル。新設計の6.5リッターV12エンジンを搭載し、最高出力700PS以上を発生。4WDだが、駆動配分は0:100から40:60まで変幻自在。当時の価格は約4200万円~。
ヴェネーノ(2013~2014)
ジュネーブショー2013で公開されたランボルギーニ・ヴェネーノ
ランボルギーニ・ヴェネーノのリアの様子
アヴェンタドールをベースに制作したランボルギーニ創業50周年記念スーパーカー。クーペが3台、ロードスターが9台発売。クーペの価格は約3.8億円、ロードスターは約4.4億円。クーペは3年後には12億円まで価格が高騰。
チェンテナリオ(2016)
フェルッチオ・ランボルギーニ生誕100周年記念のスーパーカー「チェンテナリオ」
ランボルギーニ創業者フェルッチオ・ランボルギーニの生誕100年記念モデル。アヴェンタドールをベースに、最高出力は770馬力まで向上。最高速度は350km/h超。総生産台数はクーペ20台、ロードスター20台の計40台。価格約2.2億円。
アヴェンタドールS(2017~2023)
LP740-4 アヴェンタドールS
LP740-4 アヴェンタドールS ロードスター
2016年発表のアヴェンタドール次世代モデル。最高出力は740PS/8,400rpmと40PSほど向上。4輪操舵システムLRSを初採用し、ドライビングモードに「エゴ」を追加し計4種類に。0-100km/h加速が2.9秒、最高速度は350km/h、車両本体価格4490万円~。
アヴェンタドールSVJ(2018~)
LP770-4アヴェンタドールSVJ SVはスーパーヴェローチェ Jはイオタを意味する
LP770-4アヴェンタドールSVJのリア
2018年発表、生産台数900台。「J=イオタ」の称号を授けられた究極のスーパーカー。6.5リッターV12エンジン搭載770馬力。0-100km/h加速は2.8秒、ニュルでは量産市販車の最速タイムを更新。価格5155万円~。
次世代のアヴェンタドールはハイブリッドになることが既に公式発表されています。純粋なV型12気筒ガソリンエンジン搭載モデルとしては「アヴェンタドールSVJ」がランボルギーニとしては最後になると思われていました。
しかし、2019年10月、更に進化した「ランボルギーニSVR」が発売される可能性が明らかに。「ランボルギーニSVR」は、SVJを60馬力パワーアップさせて最高出力830PSと驚異的なスペックとなることが予想されています。おそらくはサーキット専用モデルとしての登場になるでしょう。
ランボルギーニの歴代車種 V8・V10エンジン搭載モデルまとめ
ランボルギーニには、V型8気筒エンジンやV型10気筒エンジンを搭載した通称「ベビー・ランボルギーニ(ベイビー・ランボルギーニ)」と呼ばれるシリーズが存在します。現行車種ウラカンに繋がる歴代モデルを紹介します。
ウラッコ(1973~1979)
ウラッコ P300(1975~)250PS/7,500rpm 最高時速265km/h
ウラッコ P300 ミウラやカウンタックの開発を担当したパオロ・スタンツァーニが設計
V8エンジン搭載「2+2」のMRスポーツクーペ。ボディは量産しやすいようにセミモノコック。1970年のトリノ・オートショーで発表されて好評を得るも、コストが上昇してしまい、目標販売台数2000台に対し、総生産台数791台で製造中止。
シルエット(1976~1979)
2シータータルガトップ シルエット
シルエットはウラッコの後部座席を取り外して完全2シーターとした
ウラッコ(1973~1979)をベースにした2シータータルガトップ。3.0L水冷V型8気筒エンジンのMRレイアウトはウラッコと共通しているが、260ps/7,800rpmまで最高出力が向上。総生産台数53台。後継はジャルパ。
ジャルパ(1981~1989)
ジャルパ シリーズ1(1981~1984)
ジャルパ シリーズ1のリア プラットフォームは先代シルエットを踏襲
ジャルパ シリーズ 2(1984~1988)
2ドアタルガトップ「ジャルパ」シリーズ2のリア
ミッドシップ2シータースポーツカー。基本メカニズムは先代シルエットを踏襲しているが、V8エンジンの排気量は3.5Lに拡大。スタイリングはミウラやカウンタックを手掛けた名門カロッツェリア「ベルトーネ」が担当。総生産台数410台。
ガヤルド(2003~2013)
ガヤルド第一世代モデル
2ドアオープン ガヤルド・スパイダー
フェイスリフトしたLP560-4ガヤルド(2008)
ガヤルド後期型リアの様子
ウラカンの先代モデル。V10エンジン搭載。ジャルパ以降、約14年ぶりに復活した「ベビー・ランボルギーニ」。シザードアではなく、一般的なヒンジドアを採用。バリエーション豊富で、多くの著名人が愛車とし、歴代最多の販売台数を誇る。
ランボルギーニの歴代車種 グランツーリスモやSUVまとめ
1963年に創業したランボルギーニは、ミウラやカウンタック以降はスーパーカーブランドとして名を馳せますが、創業初期は実用性に優れた高級グランツーリスモを主力商品にしていました。
また、1980年代には本格オフローダー「LM002」を市販化しています。
350GT(1964~1966)
ランボルギーニ乗用車第1号350GT
ランボルギーニ350GT(1965年モデル)リア
元トラクターメーカーであったランボルギーニが初めて市販化した乗用車第1号。後部座席は補助的な扱いで「2+1」のレイアウト。駆動方式はFRで、3.5LのV型12気筒エンジン搭載。総生産台数130台以上。
400GT(1966~1968)
2+2の高級グランツーリスモ400GT
市販車第1号350GT を改良した「2+2」のグランツーリスモ。ホイールベースを延長、全高も40mm拡大し、快適性を向上。3,929ccのV12エンジンは約320PSを発生。総生産台数224台。350GTに続き、超高級GTとしてセールス面でも大きな成功を収めた。
イスレロ(1968~1970)
イスレロ リトラクタブル・ヘッドライトを採用したシンプルなエクステリア
イスレロ 座席は2+2シーター
4.0リッターV12エンジン搭載グランツーリスモ。駆動方式はFR。最高出力320馬力、高性能モデルのイスレロSは350馬力まで向上。良い意味で「ランボルギーニらしくない」クラシックモデルで、3000万円を超える値がつくことも。生産台数225台。
エスパーダ(1968~1978)
エスパーダシリーズIII デザインはカウンタックを手掛けたマルチェロ・ガンディーニが担当
エスパーダはスーパーカーらしいフォルムだが大人4人乗りを実現
エスパーダ初期型のインテリア
ミウラやカウンタックと同時代に存在した完全4シーターのグランツーリスモ。ミウラと同じ4.0LのV12エンジン搭載。全4輪ディスクブレーキを採用。販売が10年続くも、ランボルギーニ倒産により生産中止となる。総生産台数1,217台。
ハラマ(1970~1976)
ハラマGT(1970~1972)最高出力350PS
ハラマGTS(1972~1976)エンジンが強化され365馬力へ エアコン装備やATも選択可能
ハラマのコックピット
V12エンジン搭載のFR。2380mmのホイールベースによる機敏な操縦性、2+2の快適性、故障の少なさなど、隠れた名車スポーツカーと言われる。デザインはミウラやカウンタックも手掛けたマルチェロ・ガンディーニ。
LM002(1986~1993)
排気量を5.7L 最高出力を450PSから492psへ引き上げたLM002 アメリカーナ(限定60台)
LM002エステート 定員7名(通常版LM002は4+2)
LM002 リアの様子
本格オフロード4WD。もとは軍用車両として開発依頼を受けたものの、採用されず、コスト吸収のため市販化。5.2L・5.7LのV12エンジン搭載し、重量2.7tながら最高速度は206km/h。燃費はリッター750mとも評され、大型トラック並みの燃料タンクを持つ。
ランボルギーニの歴史とは?創業のきっかけは「フェラーリ」なしに語れない!
ランボルギーニの正式名称は「ヌオーヴァ・アウトモービリ・フェルッチオ・ランボルギーニ SpA」。1999年以降はフォルクスワーゲングループに属し、現在はアウディの傘下にあります。
トラクター事業で巨万の富を得ていたフェルッチオ・ランボルギーニが創業
ランボルギーニは、1963年5月に創業したイタリアの自動車メーカーです。
創業者フェルッチオ・ランボルギーニ(1916~1993)は、工科大学に進学するほどの機械好きで、戦後はトラクターやエアコンの製造販売で財を成した人物です。
フェルッチオは元フェラーリのオーナー!「高級車が自社トラックと同じ部品を使用している」と気づく
ランボルギーニ社のトラクター 元はトラクターメーカーだった
ランボルギーニ創業のきっかけとして、フェルッチオ・ランボルギーニが元フェラーリのオーナーだったのは有名な話です。
トラクター事業で財を成したフェルッチオは、自分の愛車フェラーリのクラッチが故障し、部品を取り寄せたところ、自社のトラックと同じ部品を使用していることに気がつきます。
ただし、フェラーリの販売価格は10倍以上でした。
若いころは自動車のチューニングショップを開いていたこともあるフェルッチオは、クラッチの修理と同時に、フェラーリのエンジンのチューニングを開始。公道でテスト走行したところ、その速度はフェラーリにも負けないほどでした。
「満足できるクルマがないなら自分で作ってしまえ!」がランボルギーニの原点
巨万の富を得ていたフェルッチオは、多数のスーパーカーを所有していましたが、速さや快適性がどれも不十分と感じていたため、フェラーリの改造によって自信を深めます。
また、フェラーリ社から送られてきた部品の価格から、その採算性の高さを知り、ビジネスマンとしての血も騒いだようです。
満足できるクルマがないなら、自分が作ればいい。
こうしてフェルッチオは、現在まで続く「ヌオーヴァ・アウトモービリ・フェルッチオ・ランボルギーニ SpA」を設立。乗用車の製造・販売へと進出したのです。
イタリアの高級自動車メーカー同士「フェラーリ」とは宿命のライバル
フェルッチオがランボルギーニを創業するきっかけとして、
- 自動車好きのフェルッチオがフェラーリ創業者のエンツォ・フェラーリに面会を求めたところ、門前払いされた
- 量産トラックと同じ部品を10倍で売るフェラーリにクレームを言ったところ、鼻であしらわれた
などといった話もありますが、あくまで俗説であり、後年ランボルギーニ夫人は否定しています。
あくまでフェラーリを含めた高級車の完成度に不満を持ち、もともと優れたメカニックであり、カーマニアであったフェルッチオが「もっと良いクルマを作れるはずだ」と考えたというのが創業の経緯です。
ただし、ランボルギーニとフェラーリが長年ライバル関係にあるのは事実。世界の2大スーパーカーブランドとも呼べる両社が同じイタリア国内にあるので、周囲はいろいろとドラマッチックな想像をしたくなるのでしょう。
エンブレムの猛牛にちなみ、車名は闘牛に関連する言葉が由来となることが多い
ランボルギーニは、創業時から「猛牛」のエンブレムを採用。フェルッチオが牡牛座だったからとも、エンブレムが「跳ね馬」のフェラーリをライバル視したためとも言われており、諸説あります。
車名はエンブレムにあやかり、闘牛に関するものが多いです。必ずしも牛そのものの名前ではなく、例えば「ミウラ」は有名な闘牛牧場の名前ですし、「ガヤルド」は闘牛飼育家フランシスコ・ガヤルドからきています。
ランボルギーニにモータースポーツ部門が手掛けるハイパーカーが登場!
ハイパーカーのティザー画像
ランボルギーニのモータースポーツ部門「スクアドラ コルセ」が、スペイン・ヘレスで行われるワールドファイナルにて、最高出力830hpを発揮する自然吸気6.5L V型12気筒ガソリンエンジンを搭載するハイパーカーを発表することがわかりました。トランスミッションは6速シーケンシャル「Xtrac」です。
ハイパーカーはレーシングフロントフードやエアスクープ、大型のリアウィングを搭載し、エアロダイナミクス性能を向上。ボディ構造はアルミやカーボンファイバーなどの素材を使用し、軽量性と安全性を両立しています。
機械式セルフロックタイプの機械式のセルフロックタイプは運転手が自分好みに調整可能。サスペンションのアームは直接ギアボックスにつながれます。
スクアドラ コルセのハイパーカーがシェイクダウンテスト中の様子
なお、2020年3月25日にはシェイクダウンテストの動画がランボルギーニ公式アカウントより公開されています。本モデルは2020年夏に世界初公開され、サーキット専用限定車として発売される見込みです。
ランボルギーニの歴代車種には独創的な名車が揃う!
ランボルギーニの歴代車種を見ていくと、スーパーカーにしても、高級GTにしても、SUVにしても、他に似ている車がまったく思いつかないぐらいデザインが独創的で、性能が群を抜いています。
ランボルギーニの創業は1963年、欧州の自動車メーカーとしては歴史が長い方ではありません。
しかし、創業初期から世間を驚かせる車を開発・販売してきたことで、今や世界中のだれもが知る自動車ブランドとして成長を遂げました。
1970年代に日本でスーパーカーブームが起こった際にも、ランボルギーニの人気は絶大でした。購入できるのは世界に一握りの人たちだけ。だけど見ているだけで、そこにあるだけで、多くの人をワクワクさせてくれるのがランボルギーニの車たちなのです。