ランボルギーニ歴代車種一覧~名車しか作らないランボルギーニの歴史
ランボルギーニの歴代車種と聞けば、カウンタックやミウラ、ムルシエラゴやアヴェンタドールなどのスーパーカーを思い浮かべる人が大半でしょう。
もちろんそれらはランボルギーニを代表する名車に間違いありませんが、他にも魅力的な車種が多数存在します。
ランボルギーニ創業初期のクラシックモデルから現行車種まで、歴代フラグシップやベビーランボシリーズなど、これまでに発売されたランボルギーニの車種をまとめてご紹介します。
現行フラグシップモデル レヴエルト(Revuelto)の特徴
ランボルギーニの現行車種は、フラグシップモデル「レヴエルト」、ベビーランボの系譜を継ぐ「テメラリオ」、スーパーSUV「ウルスSE」の3車種です。
2024年から2025年にかけてラインアップの世代交代が進み、現在は3車種すべてがプラグインハイブリッドになりました。ランボルギーニはこれらを「HPEV(ハイパフォーマンス・エレクトリファイド・ビークル)」と位置付けています。
レヴエルト(2023~)
ランボルギーニ初の電動パワートレイン(PHEV)を採用するレヴエルト
ランボルギーニ レヴエルトは、それまでフラッグシップであったアヴェンタドールの後継モデルとして2023年に発表。
世界的なカーボンニュートラル推進により、ランボルギーニ初の電動パワートレイン(PHEV)システムを取り入れたことでも話題に。
リアミッドシップに搭載する、新開発6.5LのV型12気筒エンジン+トリプルモーターの動力は強烈で、ランボルギーニではレヴエルトをHPEV(ハイパフォーマンスEV)と呼んでいます。
一体設計された8速ダブルクラッチ トランスミッションも新開発で、V12単体で最高出力825PS、最大トルク73.9kgm、システム最高出力は1,015PSに達し、0-100km/h加速は約2.5秒という驚異的なスペックを発揮します。
注目したいのは、V12を電動化しながら自然吸気を守った点です。ターボで手数を減らすのではなく、フロント2基のモーターで低速トルクを補い、エンジンは9,250rpmまで回す高回転型として残す。間近で見ると、リアフードのガラス越しにV12がむき出しで並ぶ景色は歴代フラグシップの系譜そのもので、電動化しても見せ方の思想は変わっていません。2025年にはミウラ誕生60周年を記念した限定車「ミウラ 60°オマージュ」(世界99台)も設定されました。
ウラカンのモデルや特別仕様車
2014年に初登場したランボルギーニ・ウラカンは、基本モデルLP610-4、2WDモデルのLP580-2、ハイパフォーマンスモデルのLP640-4 ペルフォルマンテで構成されていました。
LP610-4は2019年にビッグマイナーチェンジを受けて「ウラカンEVO」へ移行。その後もSTO、テクニカ、ステラートと派生を重ね、2024年4月に発表された世界10台限定の「STJ」を最後に約10年の歴史を終えています。各モデルの特徴や話題になった特別仕様車などを解説します。
ウラカンLP610-4/ LP610-4 スパイダー
スペイン語でハリケーンを意味する「ウラカン」LP610-4型
ウラカンLP610-4 スパイダー
ガヤルドの後継として2014年生産開始。2015年8月以降はオープンモデルのスパイダーも誕生。5.2リッターV10自然吸気エンジン搭載。日本の折り紙からインスピレーションを得たルーフラインが特徴。当時の価格2462万円~。ガヤルドと比べると、アルミとカーボンのハイブリッドフレーム採用で車体剛性が大きく向上し、日常域での扱いやすさも一段上がった世代。
250台限定発売 ウラカンLP610-4 Avio
ウラカン最初の特別仕様車「LP610-4 Avio」。イタリアの戦闘機をイメージしたボディカラー「グリジオ・ファルコ」を採用。限定250台の生産で、当時の価格は日本円で2820万円。ボディサイドの3色ストライプやコクピットの機体番号風エンブレムなど、空軍機のディテールを丁寧に落とし込んだ内外装。
「ブルー・ポリツィア」ボディカラーを採用したウラカンLP610-4 ポリツィア・ストラダーレ
ウラカンLP610-4 ポリツィア・ストラダーレ。2014年ローマ警察に納入された最強のパトカー。最高速325km/h、0-100km/h加速は3.2秒。なお、イタリア警察はガヤルド第一世代、第二世代のパトカーも所有している。単なる広報用ではなく、フロントトランクに移植用臓器を運ぶための冷蔵ボックスを備え、緊急搬送の任務にも使われている実働車。
ウラカンLP580-2/ LP580-2スパイダー
ウラカンLP580-2(2016~)
ウラカンLP580-2リアの様子(2016~)
ウラカンLP580-2 スパイダー 車名は馬力と駆動方式を表現
2016年登場のウラカンLP580-2。ミッドシップ4WDのLP610-4から駆動方式を2WD(RWD)に変更したピュア・ハンドリングエディション。前後重量配分は40:60。最高出力は610馬力から580馬力へ抑えられている。スパイダーも存在。前輪の駆動系を持たないぶん約33kg軽く、リアを積極的に流せる素直な挙動から、乗り味を重視する層に選ばれた1台。
ランボルギーニ社が寄贈したウラカンLP580-2 ローマ教皇フランシスコ
特別仕様車ウラカンLP580-2 ローマ教皇フランシスコ
ウラカンLP580-2 ローマ教皇フランシスコ。バチカン国旗をモチーフにした、ウラカンの2WDモデル「LP580-2」の特別仕様車。ローマ教皇に寄贈後、教皇がボンネットにサインした後、チャリティーオークションへ出品。1億近い値で落札。売上はイラクのキリスト教徒支援などの慈善活動に充てられている。
ウラカンLP 640-4 ペルフォルマンテ(スパイダー)
ウラカン高性能モデル LP640-4 ペルフォルマンテ
LP640-4 ペルフォルマンテ
ジュネーブモーターショー2018で発表されたウラカンLP640-4 ペルフォルマンテ・スパイダー
2017年登場ハイパフォーマンスモデル。リアウィングなどにカーボンを多用して軽量化。LP610-4より最高出力が30PS高い640PSに。専用開発の「ALA(エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ)」により空力性能が大幅向上。ALAは可動フラップで空気の流れを切り替え、直線ではダウンフォースを逃がし、コーナーでは内輪側だけに荷重をかけるという可変制御を行う。2016年にはニュルブルクリンク北コースで当時の量産車最速タイムを記録した。
ウラカンEVO
ウラカン・EVO(2019~)
ウラカン・EVO・スパイダー(2019~)
ウラカンLP610-4のマイナーチェンジモデル「ウラカンEVO」。2019年発売。ハイパフォーマンスモデル「LP640-4 ペルフォルマンテ」と同じ640PSを発生させ、空力性能が大幅向上。0-100km/h加速は2.9秒となり、0.3秒の短縮に成功。当時の価格3223万円~。車両の状態を先読みして四輪操舵やトルク配分を制御する「LDVI」を搭載し、ドライバーの操作を予測して姿勢を作る方向へ踏み込んだ世代。
ウラカンSTO/テクニカ/ステラート/STJ
EVO以降のウラカンは、性格の異なる派生モデルで最終期を彩った。2021年のSTOはスーパートロフェオのレーシングカーから技術を落とし込んだ後輪駆動の公道モデルで、フロントフードとフェンダーを一体化した「コファンゴ」が象徴。2022年のテクニカはSTOの走りとEVOの日常性を橋渡しする位置付け。同年のステラートは車高を44mm上げ、オールテレーンタイヤを履かせた未舗装路対応モデルという異色作。そして2024年、STOをベースに空力を強化した世界10台限定の「STJ」が最終モデルとなり、V10自然吸気の系譜に幕を下ろした。
ウラカンの後継 テメラリオ(Temerario)の特徴
ウラカンの後を継いだのが、2024年8月に発表されたテメラリオです。ミッドシップにV8を積むランボルギーニは、1981年から生産されたジャルパ以来となります。
テメラリオ(2024~)
新開発4.0リッターV型8気筒ツインターボに3基のモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドで、システム最高出力は920CV。特筆すべきは最高許容回転数10,000rpmという設定で、ターボエンジンでありながら自然吸気のような伸びを狙った設計。バッテリーや8速DCTを含む基本構成はレヴエルトと共通性が高く、アルミスペースフレームによりウラカン比でねじり剛性を24%高めている。室内空間も先代より広げられ、日常での使い勝手が一段引き上げられた。2026年にはワンオフの「アド・ペルソナム」仕様も公開されている。
現行車種ウルスの特徴 ランボルギーニが初めて開発したスーパーSUV
2018年に登場したウルスは、ランボルギーニが「スーパースポーツユーティリティビークル(SSUV)」と位置付ける車です。ランボルギーニは、クロスカントリー4WDの「LM002」を生産したことがありますが、SUVモデルの発売は歴代初となります。
2024年にはプラグインハイブリッド化された「ウルスSE」へ進化し、2026年7月には高性能版のウルスSEペルフォルマンテが加わりました。
ウルス(2018~)
ランボルギーニ初 5人乗り可能なスーパーSUVウルス
ランボルギーニが開発したスーパーSUV。歴代車種で初めてターボエンジン(4リッターV8)を採用。最高出力は650PS、最大トルクは850Nmで、SUVとして世界で初めて最高速度305km/hを達成。当時の価格約2780万円~。ランボルギーニの年間販売台数を一気に押し上げた立役者で、後席と荷室を備えながらスーパーカーの速さを持つ点が、これまでの顧客層とは違う購入者を呼び込んだ。
ウルスSE(2024~)
ウルスのビッグマイナーチェンジ版で、ランボルギーニのSUVとして初のプラグインハイブリッド。4.0リッターV8ツインターボに電気モーターを組み合わせ、システム最高出力は800PS。バッテリーのみでの走行にも対応し、市街地では静かに、ワインディングでは従来どおりの猛牛として振る舞う二面性を持つ。内外装の刷新とカスタマイズ範囲の拡大も図られており、2026年7月には走行性能をさらに高めたウルスSEペルフォルマンテが追加された。
ウルス ST-X(2020~)
ウルス ST-X ランボルギーニ特有の「ヴェルデマンティス(VERDE MANTIS)」の黄緑色カラー
スーパーSUVウルスのレース仕様車。ミサノ・アドリアティコ開催「2020年ワールドファイナル」に参戦。カーボンファイバーボンネットやカーボンウイングなど軽量化が図られており、V8ツインターボの迫力あるエキゾーストノートが特徴。市販車から約25%の軽量化を果たし、SUVによるワンメイクレースという前例のない企画として注目を集めた。
ランボルギーニの歴代車種 V12エンジンを搭載したフラグシップモデルまとめ
ランボルギーニのフラグシップモデルは、MRかミッドシップ四駆のどちらかで、V型12気筒エンジンを搭載するのが伝統です。ミウラやカウンタックなど、一世を風靡したランボルギーニのスーパーカーを紹介します。
ミウラ(1966~1973)
ミウラP400 車名は排気量4Lの意味 350馬力・車両重量1075kg
ミウラP400S 馬力は370PSまで向上 総生産台数約140台
ミウラP400SV 馬力は385PSまで向上 総生産台数約150台
流麗な2シータークーペに、巨大なV型12気筒エンジンをミッドシップ横置き。世界的に前例がないスタイリングで、ランボルギーニの名前を世界に轟かせた伝説的名車。総生産台数約750台。改良が続き、P400、P400S、P400SVに大別される。エンジンとギアボックスを一体構造とした横置きミッドシップは、当時の量産車としては極めて挑戦的な配置。間近で見ると全高わずか1,050mm前後という低さと、ヘッドライト周囲の「まつ毛」と呼ばれる意匠が印象に残る。2025年には誕生60周年を記念したレヴエルトの限定車も設定された。
イオタ(イオタSVJ/ミウラSVJ)
イオタSVJ識別番号4892 推定300万ドル(3億2000万円)
「Jota(イオタ)」は1970年にテストドライバーのボブ・ウォレスが手掛けたミウラベースの実験車両であり、世界に1台のスーパーカー。車名はFIA規則の「J項」に由来する。オリジナル車両は事故により失われたが、顧客の要望によりレプリカ車「イオタSVJ」(正式車名ミウラSVJ)が制作された。画像はシャシ番号4892、推定価格3億超。この「J」の称号は後年のアヴェンタドールSVJやウラカンSTJへと受け継がれている。
カウンタック(1974~1990)
最初の量産モデル カウンタックLP400
カウンタックLP400 S(1978~)
カウンタックLP400 Sのリア(1978~)
カウンタックLP500S(1982~)
カウンタック25thアニバーサリー(1988)
カウンタックは1970年代スーパーカーの代表格で、日本のスーパーカーブームの火付け役。V型12気筒NAエンジンは初期のLP400で375PS、最終期のLP5000クアトロバルボーレでは455PSまで向上。車名は美女を見たときに男性が発するイタリア・ピエモンテ語の感嘆詞に由来。公称最高速は300km/hとされたが、実測では295km/h前後にとどまる報告が多い。上方に跳ね上がるシザードアはこのモデルで確立され、以後のV12フラグシップの象徴となった。
2021年8月9日にはランボルギーニ公式がカウンタック(LPI 800-4)の復活を宣言。世界限定112台で既に完売しています。
ディアブロ(1990~2001)
ディアブロ(1990~1998)リトラクタブル・ヘッドライト搭載モデル
ディアブロSE30(1993~1995)ランボルギーニ30周年記念モデル
ディアブロ・ロードスター(1995~1999)
ディアブロ最終モデル6.0SE
カウンタック後継V12エンジン搭載モデル。発売当初はリトラクタブル・ヘッドライトを採用したが、後に日産フェアレディZ(Z32)と同じ固定式ライトへ変更され、ヘッドライトユニットには日産の部品がそのまま流用されている。デザインはカウンタックに続きマルチェロ・ガンディーニが担当。1993年に4WDのVTが加わり、以降のV12フラグシップは四輪駆動が主流に。最終期の6.0はアウディ傘下で開発され、品質面が大きく引き上げられた世代。
ムルシエラゴ(2001~2010)
ムルシエラゴ6.2(2001~2006)ベースグレード
アルテミス・グリーンのムルシエラゴ40th アニバーサリー・エディション 日本割り当ては5台
ムルシエラゴLP640(2006~2010)最高出力640PS
ムルシエラゴLP640 ロードスター(2006~2010)
ディアブロの後継。6.2リッターV12搭載フラグシップモデルで、四輪駆動のみのラインアップ。車名は闘牛の名前であり、スペイン語で「コウモリ」の意味も。発売時にはアウディ傘下だが、ランボルギーニがほぼ単独で開発。後期のLP640では排気量を6.5リッターへ拡大し640PSへ。冷却のためにサイドの可動エアインテークが速度に応じて起き上がる機構を備え、走行中の姿が変わる点も特徴。
レヴェントン(2007~2009)
2007年のフランクフルトモーターショーで世界初公開されたレヴェントン
価格100万ユーロのスーパーカー ランボルギーニ・レヴェントン
ムルシエラゴをベースにした20台限定スーパーカー。デザインのモチーフはステルス戦闘機F-22。最高出力は650PS/8,000rpmで、ムルシエラゴLP640より10PS向上。価格約1億6000万円で、ランボルギーニミュージアムにも展示。フラグシップをベースに極少量だけ生産する「フューオフ」というビジネスの原点となったモデルで、この手法はヴェネーノ、チェンテナリオ、シアン、フェノメノへと引き継がれていく。
アヴェンタドール(2011~2018)
LP700-4 アヴェンタドール
アヴェンタドールJ(イオタ)世界に1台のワンオフモデル ジュネーブモーターショー2012閉幕後に納車された
ムルシエラゴの後継車種で、アヴェンタドールSの先代モデル。新設計の6.5リッターV12エンジンを搭載し、最高出力700PS以上を発生。4WDだが、駆動配分は0:100から40:60まで変幻自在。当時の価格は約4200万円~。カーボンファイバー製モノコックを採用してムルシエラゴより約90kgの軽量化を実現し、F1由来のプッシュロッド式サスペンションを組み合わせた構成は、この世代で一気に現代化が進んだことを示している。
ヴェネーノ(2013~2014)
ジュネーブショー2013で公開されたランボルギーニ・ヴェネーノ
ランボルギーニ・ヴェネーノのリアの様子
アヴェンタドールをベースに制作したランボルギーニ創業50周年記念スーパーカー。クーペが3台、ロードスターが9台発売。クーペの価格は約3.8億円、ロードスターは約4.4億円。クーペは3年後には12億円まで価格が高騰。レーシングプロトタイプのような造形は空力を優先した結果で、ボディ表面のほぼすべてが空気の通り道として設計されている。
チェンテナリオ(2016)
フェルッチオ・ランボルギーニ生誕100周年記念のスーパーカー「チェンテナリオ」
ランボルギーニ創業者フェルッチオ・ランボルギーニの生誕100年記念モデル。アヴェンタドールをベースに、最高出力は770馬力まで向上。最高速度は350km/h超。総生産台数はクーペ20台、ロードスター20台の計40台。ランボルギーニで初めて後輪操舵を採用したモデルでもあり、この技術は翌年のアヴェンタドールSへ受け継がれた。
アヴェンタドールS(2017~2022)
LP740-4 アヴェンタドールS
LP740-4 アヴェンタドールS ロードスター
2016年発表のアヴェンタドール次世代モデル。最高出力は740PS/8,400rpmと40PSほど向上。4輪操舵システムLRSを初採用し、ドライビングモードに「エゴ」を追加し計4種類に。0-100km/h加速が2.9秒、最高速度は350km/h、当時の車両本体価格4490万円~。「エゴ」はステアリング・サスペンション・パワートレインの設定を個別に選べるモードで、ドライバーの好みに合わせた組み合わせが可能になった。
アヴェンタドールSVJ(2018~)
LP770-4アヴェンタドールSVJ SVはスーパーヴェローチェ Jはイオタを意味する
LP770-4アヴェンタドールSVJのリア
2018年発表、生産台数900台。「J=イオタ」の称号を授けられた究極のスーパーカー。6.5リッターV12エンジン搭載770馬力。0-100km/h加速は2.8秒、ニュルブルクリンク北コースでは当時の量産市販車最速タイムを更新。当時の価格5155万円~。ウラカン ペルフォルマンテのALAを進化させた「ALA 2.0」を搭載し、左右輪へ個別にダウンフォースを配分する制御を実現している。
シアン FKP 37(2019)
アヴェンタドールSVJをベースとした63台限定のフューオフで、ランボルギーニ初のハイブリッド市販車。車名の「シアン」はボローニャ地方の方言で稲妻の閃光を意味し、「FKP 37」はフォルクスワーゲングループを率いたフェルディナント・カール・ピエヒへのオマージュ。特徴は蓄電にリチウムイオン電池ではなくスーパーキャパシタを用いた点で、同重量のバッテリーの3倍の電力を扱える。V12に34PSのモーターを組み合わせ、システム最高出力は819PS。のちのレヴエルトへ続く電動化の出発点となった1台。
カウンタック LPI 800-4(2021)
シアンのメカニズムをベースに、1971年のカウンタックLP500をモチーフとしたボディをまとった112台限定モデル。台数はカウンタックのプロジェクト番号「LP112」に由来する。V12にスーパーキャパシタ式のハイブリッドを組み合わせ、システム最高出力は814PS。角ばった原典と比べると面の構成は現代的で、直線のイメージが強いカウンタックを曲面で再解釈した造形。すでに完売しており、中古市場では新車価格を大きく上回る取引が続いている。
アヴェンタドール LP780-4 ウルティメ(2021~2022)
アヴェンタドールの最終モデルで、クーペ350台、ロードスター250台の計600台限定。SVJと同じ780PSのV12を積み、乾燥重量は1,550kg。2022年9月、この最終個体の生産をもってアヴェンタドールは11年の歴史を終え、あわせて自然吸気V12のみで走るランボルギーニの市販車もここで区切りを迎えた。以降のV12はすべて電動化ユニットとの組み合わせになっている。
フェノメノ(2025)
デザイン部門チェントロスティーレの20周年を記念した29台限定のフューオフ。レヴエルトをベースに、6.5リッターV12は835PS/9,250rpmまで高められ、3基のモーターを合わせたシステム最高出力は1,080PSと歴代最強。0-100km/h加速2.4秒、0-200km/h加速6.7秒、最高速350km/h超。全長5,014mmのロングテールボディは、レヴェントンから続くフューオフの系譜に連なる造形。2025年8月に米国で世界初公開され、同年10月には日本でもアジア初公開された。
ランボルギーニの歴代車種 V8・V10エンジン搭載モデルまとめ
ランボルギーニには、V型8気筒エンジンやV型10気筒エンジンを搭載した通称「ベビー・ランボルギーニ(ベイビー・ランボルギーニ)」と呼ばれるシリーズが存在します。ウラカンやテメラリオに繋がる歴代モデルを紹介します。
ウラッコ(1973~1979)
ウラッコ P300(1975~)250PS/7,500rpm 最高時速265km/h
ウラッコ P300 ミウラやカウンタックの開発を担当したパオロ・スタンツァーニが設計
V8エンジン搭載「2+2」のMRスポーツクーペ。ボディは量産しやすいようにセミモノコック。1970年のトリノ・オートショーで発表されて好評を得るも、コストが上昇してしまい、目標販売台数2000台に対し、総生産台数791台で製造中止。ポルシェ911やフェラーリ・ディーノを狙った戦略車という位置付けで、フラグシップより現実的な価格帯を作ろうとした最初の試み。オイルショックと重なった時期の不運もあり、量産化の狙いは果たせなかった。
シルエット(1976~1979)
2シータータルガトップ シルエット
シルエットはウラッコの後部座席を取り外して完全2シーターとした
ウラッコ(1973~1979)をベースにした2シータータルガトップ。3.0L水冷V型8気筒エンジンのMRレイアウトはウラッコと共通しているが、260ps/7,800rpmまで最高出力が向上。総生産台数53台。ランボルギーニ初のオープンモデルであり、脱着式ルーフパネルは室内に収納できる構造。生産台数の少なさから現存数はごくわずかで、歴代のなかでも遭遇機会の少ない1台。後継はジャルパ。
ジャルパ(1981~1989)
ジャルパ シリーズ1(1981~1984)
ジャルパ シリーズ1のリア プラットフォームは先代シルエットを踏襲
ジャルパ シリーズ 2(1984~1988)
2ドアタルガトップ「ジャルパ」シリーズ2のリア
ミッドシップ2シータースポーツカー。基本メカニズムは先代シルエットを踏襲しているが、V8エンジンの排気量は3.5Lに拡大。スタイリングはミウラやカウンタックを手掛けた名門カロッツェリア「ベルトーネ」が担当。総生産台数410台。カウンタックと比べると全長が短く前方視界も確保されており、実際に運転席に座ると、スーパーカーとしては素直に扱えるサイズ感が伝わってくる。2024年に登場したテメラリオはV8ミッドシップの復活であり、ジャルパ以来約36年ぶりの系譜再開となった。
ガヤルド(2003~2013)
ガヤルド第一世代モデル
2ドアオープン ガヤルド・スパイダー
フェイスリフトしたLP560-4ガヤルド(2008)
ガヤルド後期型リアの様子
ウラカンの先代モデル。V10エンジン搭載。ジャルパ以降、約14年ぶりに復活した「ベビー・ランボルギーニ」。シザードアではなく、一般的なヒンジドアを採用。バリエーション豊富で、多くの著名人が愛車とし、総生産台数は1万4,000台を超えて歴代最多を記録した。アウディ傘下で開発された最初の量販モデルであり、日常的に乗れる品質と信頼性を確立したことが、その後のランボルギーニの経営を支えた転換点。中古市場では歴代モデルのなかでも比較的手が届きやすい価格帯にあるが、クラッチやEギア関連の整備費が高額になりやすく、購入前に整備履歴を確認したい部分。
ランボルギーニの歴代車種 グランツーリスモやSUVまとめ
1963年に創業したランボルギーニは、ミウラやカウンタック以降はスーパーカーブランドとして名を馳せますが、創業初期は実用性に優れた高級グランツーリスモを主力商品にしていました。
また、1980年代には本格オフローダー「LM002」を市販化しています。
350GT(1964~1966)
ランボルギーニ乗用車第1号350GT
ランボルギーニ350GT(1965年モデル)リア
元トラクターメーカーであったランボルギーニが初めて市販化した乗用車第1号。後部座席は補助的な扱いで「2+1」のレイアウト。駆動方式はFRで、3.5LのV型12気筒エンジン搭載。総生産台数130台以上。エンジンはフェラーリ在籍経験を持つジョット・ビッザリーニの設計によるDOHC V12で、当時のライバルがSOHCだったことを考えると技術的に一歩先を行く構成。快適性でも高く評価され、創業直後のブランドとしては上々の滑り出しとなった。
400GT(1966~1968)
2+2の高級グランツーリスモ400GT
市販車第1号350GT を改良した「2+2」のグランツーリスモ。ホイールベースを延長、全高も40mm拡大し、快適性を向上。3,929ccのV12エンジンは約320PSを発生。総生産台数224台。トランスミッションを自社製に切り替えた最初のモデルでもあり、外部調達に頼らない体制づくりが進んだ時期の1台。350GTに続き、超高級GTとしてセールス面でも大きな成功を収めた。
イスレロ(1968~1970)
イスレロ リトラクタブル・ヘッドライトを採用したシンプルなエクステリア
イスレロ 座席は2+2シーター
4.0リッターV12エンジン搭載グランツーリスモ。駆動方式はFR。最高出力320馬力、高性能モデルのイスレロSは350馬力まで向上。良い意味で「ランボルギーニらしくない」クラシックモデルで、3000万円を超える値がつくことも。生産台数225台。車名は創業者フェルッチオの愛車でもあった同名の闘牛に由来し、控えめな直線基調のボディは、当時のフェルッチオ自身の好みが色濃く反映された1台。
エスパーダ(1968~1978)
エスパーダシリーズIII デザインはカウンタックを手掛けたマルチェロ・ガンディーニが担当
エスパーダはスーパーカーらしいフォルムだが大人4人乗りを実現
エスパーダ初期型のインテリア
ミウラやカウンタックと同時代に存在した完全4シーターのグランツーリスモ。ミウラと同じ4.0LのV12エンジン搭載。全4輪ディスクブレーキを採用。販売が10年続くも、ランボルギーニ倒産により生産中止となる。総生産台数1,217台で、当時のランボルギーニとしては異例のロングセラー。実際に室内へ収まってみると、全高1,185mmの低さに対して大人4人分の頭上空間が確保されており、リアゲートを持つ独特のパッケージが見えてくる。
ハラマ(1970~1976)
ハラマGT(1970~1972)最高出力350PS
ハラマGTS(1972~1976)エンジンが強化され365馬力へ エアコン装備やATも選択可能
ハラマのコックピット
V12エンジン搭載のFR。2380mmのホイールベースによる機敏な操縦性、2+2の快適性、故障の少なさから、歴代のなかでも隠れた実力派として評価される1台。デザインはミウラやカウンタックも手掛けたマルチェロ・ガンディーニ。フェルッチオ自身が最も気に入っていたモデルとしても知られる。運転席に座ると、円形メーターが整然と並ぶダッシュボードとレザーの厚みが目に入り、スーパーカーというよりグランツーリスモとして仕立てられた性格が伝わってくる。
LM002(1986~1993)
排気量を5.7L 最高出力を450PSから492psへ引き上げたLM002 アメリカーナ(限定60台)
LM002エステート 定員7名(通常版LM002は4+2)
LM002 リアの様子
本格オフロード4WD。もとは軍用車両として開発依頼を受けたものの、採用されず、コスト吸収のため市販化。5.2L・5.7LのV12エンジンを搭載し、重量2.7tながら最高速度は206km/h。市街地走行では燃料消費が激しく1L当たり1kmを下回る場面もあり、290Lという大型トラック並みの燃料タンクを備える。タイヤはピレリが専用開発した「スコーピオン」で、砂漠での高速走行に耐える設計。総生産台数328台という希少車ながら、後年のウルスへ続くSUV路線の原点として再評価が進んでいる。
ランボルギーニの歴史とは?創業のきっかけは「フェラーリ」なしに語れない!
ランボルギーニの正式名称は「アウトモビリ・ランボルギーニ SpA」。1998年にアウディが買収して以降はフォルクスワーゲングループに属しています。
トラクター事業で巨万の富を得ていたフェルッチオ・ランボルギーニが創業
ランボルギーニは、1963年5月に創業したイタリアの自動車メーカーです。
創業者フェルッチオ・ランボルギーニ(1916~1993)は、工科大学に進学するほどの機械好きで、戦後はトラクターやエアコンの製造販売で財を成した人物です。
トラクター事業では、排気熱で軽油を気化させる独自機構を開発し、高価なガソリンをエンジン始動時にしか使わずに済む構造で大きなシェアを獲得しました。1960年にはボイラーとエアコンの製造販売にも進出し、こちらも成功を収めています。
フェルッチオは元フェラーリのオーナー!「高級車が自社トラックと同じ部品を使用している」と気づく
ランボルギーニ社のトラクター 元はトラクターメーカーだった
ランボルギーニ創業のきっかけとして、フェルッチオ・ランボルギーニが元フェラーリのオーナーだったのは有名な話です。
トラクター事業で財を成したフェルッチオは、自分の愛車フェラーリのクラッチが故障し、部品を取り寄せたところ、自社のトラックと同じ部品を使用していることに気がつきます。
ただし、フェラーリの販売価格は10倍以上でした。
若いころは自動車のチューニングショップを開いていたこともあるフェルッチオは、クラッチの修理と同時に、フェラーリのエンジンのチューニングを開始。公道でテスト走行したところ、その速度はフェラーリにも負けないほどでした。
「満足できるクルマがないなら自分で作ってしまえ!」がランボルギーニの原点
巨万の富を得ていたフェルッチオは、多数のスーパーカーを所有していましたが、速さや快適性がどれも不十分と感じていたため、フェラーリの改造によって自信を深めます。
また、フェラーリ社から送られてきた部品の価格から、その採算性の高さを知り、ビジネスマンとしての血も騒いだようです。
満足できるクルマがないなら、自分が作ればいい。
こうしてフェルッチオは自動車部門を設立し、乗用車の製造・販売へと進出したのです。工場はエミリア・ロマーニャ州のサンタアガタ・ボロネーゼに置かれ、現在も同じ場所で生産が続いています。
イタリアの高級自動車メーカー同士「フェラーリ」とは宿命のライバル
フェルッチオがランボルギーニを創業するきっかけとして、
- 自動車好きのフェルッチオがフェラーリ創業者のエンツォ・フェラーリに面会を求めたところ、門前払いされた
- 量産トラックと同じ部品を10倍で売るフェラーリにクレームを言ったところ、鼻であしらわれた
などといった話もありますが、あくまで俗説であり、後年ランボルギーニ夫人は否定しています。
あくまでフェラーリを含めた高級車の完成度に不満を持ち、もともと優れたメカニックであり、カーマニアであったフェルッチオが「もっと良いクルマを作れるはずだ」と考えたというのが創業の経緯です。
ただし、ランボルギーニとフェラーリが長年ライバル関係にあるのは事実。世界の2大スーパーカーブランドとも呼べる両社が同じイタリア国内にあるので、周囲はいろいろとドラマチックな想像をしたくなるのでしょう。
エンブレムの猛牛にちなみ、車名は闘牛に関連する言葉が由来となることが多い
ランボルギーニは、創業時から「猛牛」のエンブレムを採用。フェルッチオが牡牛座だったから、あるいはエンブレムが「跳ね馬」のフェラーリを意識したためなど、由来には複数の説があります。
車名はエンブレムにあやかり、闘牛に関するものが多いです。必ずしも牛そのものの名前ではなく、例えば「ミウラ」は有名な闘牛牧場の名前ですし、「ガヤルド」は闘牛飼育家フランシスコ・ガヤルドからきています。
一方で例外もあります。「カウンタック」は美女を見たときの感嘆詞、「レヴエルト」はスペイン語で「かき混ぜられた」を意味する名を持つ闘牛から、「テメラリオ」は「大胆不敵」を意味する闘牛の名から採られました。近年の「フェノメノ」はイタリア語で驚異を指す言葉で、闘牛の名前でもあります。車名の由来をたどると、そのモデルに込めた性格づけが見えてくるのがランボルギーニ流です。
モータースポーツ部門が手掛けたエッセンツァSCV12と第4のモデル構想
サーキット専用ハイパーカーのティザー画像
ランボルギーニのモータースポーツ部門「スクアドラ コルセ」が手掛けたサーキット専用ハイパーカーが、2020年に発表された「エッセンツァSCV12」です。自然吸気6.5L V型12気筒エンジンは最高出力830PSを発揮し、トランスミッションは6速シーケンシャルの「Xtrac」を採用しています。
ボディはFIAの耐久試験を金属以外で初めてクリアしたカーボン製モノコックで、FIAの安全規定に沿って開発された最初のランボルギーニ車でもあります。V12搭載車としては珍しく駆動方式は後輪駆動で、大型リアウイングとフロントスプリッターにより249km/hで1,200kgのダウンフォースを発生。この数値はGT3レーシングカーと同等の水準です。
エッセンツァSCV12がシェイクダウンテスト中の様子
生産台数は40台限定で、オーナーにはサンタアガタ・ボロネーゼ本社のガレージで車両を保管するサービスや、専用のトレーニングプログラムが用意されました。公道を走れない代わりに、V12自然吸気の官能性をレース水準の車体で味わうという、ほかにない立ち位置のモデルです。
また、第4のモデルとして2023年に公開された2+2のコンセプトカー「ランザドール」は、当初フル電動での市販化が予定されていました。その後、市場環境を踏まえて純電気自動車としての販売計画は撤回され、エンジンを搭載してデビューする方針へ変更されています。電動化を急ぐのではなく、V12もV8も残しながら段階的に進むというのが、現在のランボルギーニの立ち位置です。
ランボルギーニを手に入れるには? 中古市場と維持で見落とされがちな点
歴代モデルを眺めていると、いつか所有したいと考える人も少なくないはずです。相場と維持の実際を整理しておきます。
- 比較的手が届く世代:ガヤルドは総生産台数が多く、歴代のなかでは最も流通量があります。ウルスやウラカンの前期モデルも、フラグシップと比べれば選択肢が多い部類です
- 価格が上がり続けている世代:ミウラやカウンタック、イオタSVJのようなクラシックモデルは億単位の取引が常態化しています。ヴェネーノやシアンなどのフューオフは新車価格を大きく超える水準で推移し、投機対象としても扱われています
- 整備コスト:クラッチ、Eギア(シングルクラッチ自動MT)のアクチュエーター、カーボンセラミックブレーキなどは交換費用が高額になりやすい部位です。年式が古いモデルほど、車両価格より整備予算の確保が重要になります
- 正規ディーラーの体制:認定中古車プログラムや、クラシックモデルを扱う専門部門「ポロストリコ」が整備されており、部品の再供給やレストアの受け皿が用意されている点は、同年代の希少車と比べて大きな安心材料です
- 日常性の差:ウルスは後席と荷室を備え、実際に日常の足として使えます。一方でカウンタックやディアブロは車高と視界の制約が大きく、駐車場の選定から考える必要があります
スーパーカーは「買えるかどうか」より「維持できるかどうか」で判断が分かれます。年式の新しいモデルほど電子制御が支えてくれるぶん扱いやすく、クラシックモデルは操る手応えと引き換えに手間と費用がかかる。どちらを求めるかで、選ぶべき年代が変わってきます。
ランボルギーニの歴代車種には独創的な名車が揃う!

ランボルギーニの歴代車種を見ていくと、スーパーカーにしても、高級GTにしても、SUVにしても、他に似ている車がまったく思いつかないぐらいデザインが独創的で、性能が群を抜いています。
ランボルギーニの創業は1963年、欧州の自動車メーカーとしては歴史が長い方ではありません。
しかし、創業初期から世間を驚かせる車を開発・販売してきたことで、今や世界中のだれもが知る自動車ブランドとして成長を遂げました。
1970年代に日本でスーパーカーブームが起こった際にも、ランボルギーニの人気は絶大でした。購入できるのは世界に一握りの人たちだけ。だけど見ているだけで、そこにあるだけで、多くの人をワクワクさせてくれるのがランボルギーニの車たちなのです。
ラインアップがすべてハイブリッドへ移行した現在も、V12とV8の自然吸気らしい高回転は残されています。電動化を性能の上積みとして使い、猛牛の性格は手放さない。その姿勢が続く限り、次の世代の歴代車種一覧にも、やはり独創的な名前が並んでいくはずです。

















