レクサスLBXはラインナップのヒエラルキーを超えるプレミアムコンパクトSUVとして誕生
レクサスLBXが2023年6月に欧州市場でワールドプレミア、LBXの名前の由来はLexus Breakthrough X-overのそれぞれの頭文字をとりました。
従来までのスピンドルグリルから、新デザイン言語ユニファイドスピンドルに進化した、レクサスの新たな始まりを感じさせるモデルに。
LBXは、レクサスモデルのヒエラルキーを超えるプレミアムコンパクトクロスオーバーをコンセプトにする通り、12.3インチフル液晶メーターや、9.8インチのスクエアセンターモニター、最新のレクサスセーフティシステム+を設定するなど上位モデルに匹敵する装備が満載です。
さらにカラー・素材・刺繍を選ぶことで約33万通りのインテリアをオーダーメイドできるBespoke Build(ビスポークビルド)システムを展開、カスタムする楽しみも提供します。
日本市場では2023年11月9日に発表、2023年12月に発売したレクサスLBXについて解説。
LBXの発表日は2023年11月9日で12月発売 2024年7月にはパワートレインを強化したMORIZO RR発表
レクサスLBXが2023年11月から予約開始、2023年12月に発売。
先行発売するグレードはCOOL・RELAX・ビスポークビルドで、URBANとACTIVEが遅れて発売しELEGANTが2024年10月31日に発売。また、2024年の東京オートサロンにおいてパフォーマンスモデルのLBX MORIZO RR CONCEPTを発表。
パフォーマンスモデルLBX MORIZO RR CONCEPTはパワートレインに、従来の1.5L直列3気筒エンジン+モーターのハイブリッドシステムではなく、GRヤリスに設定する1.6L直列3気筒ターボエンジンで最高出力304PS、最大トルク400Nmを発揮。トランスミッションは新開発の8速ATを搭載。
2024年7月に市販化されたパフォーマンスグレードMORIZO RR(モリゾー RR)は、パワートレインやエクステリアなどLBX MORIZO RR CONCEPTを踏襲するモデルで、トランスミッションは6速iMT(マニュアルミッション)を設定します。
LBXのフロントデザインは新たなデザイン言語ユニファイドスピンドルに
LBXはユニファイドスピンドルで従来のレクサスのイメージを一新
LBXのエクスステリアは、2022年RXのモデルチェンジから採用するスピンドルボディに、フロントデザイン言語はLBXから初採用の「ユニファイドスピンドル」に。
従来のスピンドルグリルから、2023年モデルチェンジのトヨタプリウスに採用したトヨタのハンマーヘッドを進化させたようなデザインになり、デイタイムランニングライトはL字型から逆L字型に変化しています。
- レクサスLBXはボディとグリルが融合したような一体感のあるエクステリア
- LBXのリヤテールランプは左右が繋がる一文字デザインを採用
リヤコンビネーションも直線的な一文字ではなく両サイドをU字にカーブさせることで立体感のあるデザインになっています。
LBXはヤリスクロスがベースですが、プラットフォームは専用に新設計された改良型のGA-Bプラットフォームを採用、ヤリスクロスよりややボリュームのある全長4,190mm、全幅1,825mm、全高1,545mm、ホイールベース2,580mmに。欧州発表のLBXプロトタイプは全高1,550mm以上あったため、一般的な立体駐車場の高さ制限を超えることが懸念されていましたが、日本仕様では日常的な使い勝手も考慮されたサイジングになりました。
全長 | 4,190mm |
---|---|
全幅 | 1,825mm |
全高 | 1,545mm |
ホイールベース | 2,580mm |
最小回転半径 | 5.2m |
最低地上高 | 170mm |
室内長 | 1,820mm |
室内幅 | 1,445mm |
室内高 | 1,195mm |
車両重量 | 1,310kg~ |
エンジン型式 | M15A-FXE |
総排気量 | 1.490L |
エンジン最高出力 | 67kW(91PS)/5,500rpm |
エンジン最大トルク | 120Nm(12.2kgm)/3,800~4,800rpm |
モーター型式 | フロント:1VM |
リヤ:1MM | |
モーター最高出力 | フロント:69kW(94PS) |
リヤ:5kW(6PS) | |
モーター最大トルク | フロント:Nm185(18.9kgm) |
リヤ:52Nm(5.3kgm) | |
乗車定員 | 5名 |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
燃料タンク容量 | 36L |
WLTCモード燃費 | 27.7km/L |
販売価格 | 4,600,000円~ |
ホイール・タイヤサイズは225/60R17、225/55R18の2種類、ホイールデザインは7種類で単一モデルに採用する数では最多クラス。
グレード毎に変更するのか、ユーザーが自由に選択できるのかはわかりませんが、組み合わせ次第で唯一無二のLBXを楽しめるコンセプト通りの仕様に。
- レクサスLBXの18インチホイール
- レクサスLBXの18インチホイール
- レクサスLBXの18インチホイール
- レクサスLBXの18インチホイール
- レクサスLBXの17インチホイール
- レクサスLBXの17インチホイール
- レクサスLBXの17インチホイール
またLBXのホイール締結方法について、トヨタではクラウンクロスオーバーに、レクサスでも順次採用するハブボルト締結を採用。メルセデスやBMWなど海外のプレミアブランドも採用する締結方法で、高速安定性が増すため走りの楽しさも感じられるでしょう。
グレード | 駆動方式 | 販売価格 |
---|---|---|
URBAN | 2WD(FF) | -円~ |
4WD(E-Four) | -円~ | |
ACTIVE | 2WD(FF) | -円~ |
4WD(E-Four) | -円~ | |
ELEGANT | 2WD(FF) | 4,200,000円~ |
4WD(E-Four) | 4,460,000円~ | |
RELAX | 2WD(FF) | 4,600,000円~ |
4WD(E-Four) | 4,860,000円~ | |
COOL | 2WD(FF) | 4,600,000円~ |
4WD(E-Four) | 4,860,000円~ | |
Bespoke Build | 2WD(FF) | 5,500,000円~ |
4WD(E-Four) | 5,760,000円~ |
レクサスLBXのグレードは5種類設定していますが、発売当初はRELAX、COOLのみ販売(ELEGANTは2024年10月から販売開始)。さらに33万通りの組み合わせを選択できるBespoke Build(ビスポークビルド)も100限定で選択可能。
販売価格はRELAX、COOLとも2WDが4,600,000円、4WDのE-Fourが4,860,000円、Bespoke Buildの2WDが5,500,000円、4WDのE-Fourが5,760,000円です。
LBXのボディカラーは全17色設定 アストログレーメタリック・パッショネイトイエローなどレクサス初のカラーも豊富に設定
LBXはレクサスの新時代を切り開くモデルでもあるため、レクサス初の新色を3種類も設定しています。シルバーとブラックの中間色に見えるアストログレーメタリック、鮮やかなイエローカラーのパッショネイトイエロー、マッシブなLBXとも相性の良いディープアズールメタリックと、贅沢なラインナップ。
レクサスLBXのモノトーンカラー
- ソニックカッパー(165,000円高)
- ソニッククォーツ
- ソニッククロム
- アストログレーメタリック
- シルバーメタリック
- ブラックマイカ
- レッドスピネル
- パッショネイトイエロー
- ディープアズールマイカメタリック
- LBX ソニックカッパー(165,000円高)
- LBX ソニッククォーツ
- LBX ソニッククロム
- LBX アストログレーメタリック
- LBX シルバーメタリック
- LBX ブラックマイカ
- LBX レッドスピネル
- LBX パッショネイトイエロー
- LBX ディープアズールマイカメタリック
レクサスLBXのバイトーンカラー(2トーンカラー)
- ソニックカッパー×ブラック(165,000円高)
- ソニッククォーツ×ブラック
- ソニッククロム×ブラック
- アストログレーメタリック×ブラック
- シルバーメタリック×ブラック
- レッドスピネル×ブラック
- パッショネイトイエロー×ブラック
- ディープアズールマイカメタリック×ブラック
- LBX ソニックカッパー×ブラック(165,000円高)
- LBX ソニッククォーツ×ブラック
- LBX ソニッククロム×ブラック
- LBX アストログレーメタリック×ブラック
- LBX シルバーメタリック×ブラック
- LBX レッドスピネル×ブラック
- LBX パッショネイトイエロー×ブラック
- LBX ディープアズールマイカメタリック×ブラック
ソニッククォーツやシルバーメタリック、ソニッククロムなどもラインナップされ、モノトーンカラーだけで9色設定。
バイトーンカラー(2トーンカラー)もレクサスモデル最多数で、新色と人気色合わせて8色の合計17色の中からLBXのカラーを選ぶことができます。
ただしホワイト系と並ぶ人気カラーのグラファイトブラックガラスフレークとブラックはなく、モノトーンカラーにブラックマイカのみ設定しています。
スクエアセンターディスプレイ・64色イルミ・HUDなどLBXはクラスを超えた内装
最新装備を網羅したプレミアムコンパクトに相応しいLBXのインテリア
LBXのコンセプトにもある「ヒエラルキーを超えたプレミアム」を感じられるのがインテリアの装備や機能。クラスはBセグメントに該当するLBXですが、上級セグメントに該当するNXやRXなどにも搭載する装備を網羅しています。
メーターは12.3インチの大型フル液晶でレクサスのラインナップでも最大級の大きさに、センターディスプレイは世界のブレミアムブランドも採用する9.8インチのタッチ式スクエアモニター、64色の室内イルミネーションなどを採用。
ステアリングホイールの上部、視線の先のガラスに車両情報を投影するヘッドアップディスプレイ(HUD)や、オートブレーキホールド+電動パーキングブレーキも搭載します。
内ドアの開錠は2021年モデルチェンジのNXからレクサスが採用する電子制御式のe-ラッチシステムを採用。
無駄のないシンプルな構造で、レクサスらしい操作フィーリングを感じられます。
LBXは従来の人間中心の考えを進化させたTazuna Concept(タズナコンセプト)で設計していることから運転席やセンターコンソール形状、スイッチ形状・スイッチレイアウトまで最適な配置になるように拘っています。
LBXのインテリアをオーダーメイド 約33万通りの組み合わせBespoke Build(ビスポークビルド)システム
LBXのビスポークビルドで選択できるL-ANILINE本革の専用内装色オーカー(550,000円高)
LBXの最大の特徴とも言えるのがインテリアのオーダーメイドシステムBespoke Build(ビスポークビルド)。
シートカラー・シート素材・刺繍・ステッチカラー・シートベルトカラー・トリム加飾・配色・専用パーツなどを組み合わせることで、約33万通りにも上る唯一無二の内装を組み合わせることが可能に。
シート素材はレクサスのフラッグシップセダンLSにも採用するL-ANILINE本革(オーカー)も選択できるため、LBXのコンセプトに沿ったクラスレスのラグジュアリーを楽しめるでしょう。
Bespoke Build(ビスポークビルド)はレクサス初のシステムで、最も量販が期待できるBセグメントに該当するLBXに最適な試みで、ほかのユーザーと同じにならないことはLBXを所有する満足感にも繋がります。
ビスポークビルドが他のレクサスモデルにも設定されるかもしれませんが、サイズのヒエラルキーを超えるLBX独自のシステムになる可能性が高いと考えます。
LBXのグレード構成はFスポーツ・バージョンL廃止 COOL・RELAX・ELEGANT・ACTIVE・URBANの5つの世界観(新グレード体系)からセレクト
- LBX COOL(クール)
- LBX RELAX(リラックス)
- LBX ELEGANT(エレガント)
- LBX ACTIVE(アクティブ)
- LBX URBAN(アーバン)
LBXはレクサス初のオーダーメイドシステムに加え、レクサスで伝統的に設定していたFスポーツ(F SPORT)やバージョンL(version L)などのグレード名を廃止。
ユーザー一人一人のライフスタイルに沿った世界観を提供するため、COOL・RELAX・ELEGANT・ACTIVE・URBANの5つのグレード体系を新たに設定しています。
LBX COOLグレードの特徴
- プレミアムカジュアル(Premiun Casual)がコンセプト。
本革とウルトラスエードのシート表皮に、遊び心のあるステッチと刺繍で、シンプル+モダンな空間が特徴。
18インチ切削光輝アルミホイールでスポーティなスタイル。
LBX RELAXグレードの特徴
- ハイラグジュアリー(HIGH LUXURY)がコンセプト。 最高級皮革のセミアニリン本革と、インテリアカラーはシックなサドルタンやブラックで、車格を超えるプレミアムな空間が特徴。
LBX ELEGANTグレードの特徴
- クリーンな次世代モダンインテリアがコンセプト。
インテリアカラーは清涼感のあるホワイト系シート(ソリスホワイト)とグレートーンのモーヴ、強調しすぎないサテン縫いの刺繍で、優雅な印象を与える空間に。
鮮やかなアンビエントライトも特徴。
LBX ACTIVEグレードの特徴
- ブラックの合皮と色鮮やかなレッドステッチが特徴。 スポーティな空間ながら上品な遊び心をコンセプトに、アクティブな空間を作り上げたグレード。
LBX URBANグレードの特徴
- カジュアルで都会的空間がコンセプト。
ブラック基調を基本に、ダークグレーのファブリックでコーディネートしたスタイリッシュな印象が特徴。
足元には17インチアルミホイールを装備するエントリーグレード。
それぞれのグレードにエクステリアの変更はなく、インテリアのシート素材やカラーなどが5つの世界観で変更されています。
従来のグレード展開に慣れているユーザーにとっては戸惑う部分もあるかもしれませんが、新たなレクサスユーザーを呼び込むLBXに相応しいグレード展開になりました。
LBXのパワートレインはHEV(ハイブリッド)のみ バッテリーは最新のバイポーラ型ニッケル水素電池
LBXのパワートレインはバイポーラ型ニッケル水素電池のハイブリッドシステム(HEV)のみで純ガソリンエンジンは設定しない
LBXはトヨタが販売するヤリスクロスをベースにするモデルなので、パワートレインも同じ1.5L直列3気筒エンジンを搭載しますが、ヤリスクロスとは違いモーターをプラスしたハイブリッドエンジン1種類のみ設定します。
モーターの電池はヤリスクロスがリチウムイオン電池に対して、LBXは2021年にモデルチェンジしたアクアにも搭載する次世代電池のバイポーラ型ニッケル水素電池を採用します。
バイポーラ型ニッケル水素電池の特徴は、電極板の両面に電極活物質を搭載することでシステムを簡素化、高エネルギー密度化・高寿命化が可能になること。
特に高エネルギー化できることで、LBXはヤリスクロスの最高出力120ps、最大トルク14.8kgm以上の走行性能を発揮。
LBXのパワートレインはヤリスクロスと同一でも、プラットフォームはLBX用に専用設計したGA-Bを採用、ボディ骨格接合には短ピッチ打点技術や構造用接着剤を拡大、ルーフパネルの軽量化やボンネットにアルミニウム素材を採用したこと、フロアの収音にも拘るため、剛性感やドライブフィールなどは全く違うものになるでしょう。
駆動方式は2WD(FF)と4WD(E-Four)の両方を設定、雪道の多い地域にお住まいのユーザーも安心して乗ることができます。
また乗り心地に直結するサスペンションは、フロントに新開発のマクファーソンストラット式サスペンションを採用。FFモデルのリヤには軽量高剛性のトーションビーム式サスペンションを、4WD(E-Four)モデルのリヤには2リンクダブルウィッシュボーンサスペンションを採用します。
LBXの予防安全装備はレクサスセーフティシステムプラスで運転状況に応じた最適制御も可能に
- LBX プロアクティブドライビングアシスト(PDA)
- LBX プリクラッシュセーフティ(PCS)
- LBX 全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール
- LBX レーンディパーチャーアラート(LDA)
LBXの先進安全技術には最新のレクサスセーフティシステムプラスを採用。レクサスのフラッグシップLSやLXなどにも採用するプロアクティブドライビングアシストや、ドライバーの運転状況に対応する最適制御もこなします。
LBXレクサスセーフティシステムプラスの機能
- プロアクティブドライビングアシスト(PDA)
- プリクラッシュセーフティ(PCS)
- 全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール
- レーンディパーチャーアラート(LDA)
- ドライバー異常時対応システム など
プロアクティブドライビングアシストは運転状況をシステムが判断し、最適なステアリング・ブレーキ操作を行う機能です。
カーブの減速支援やウインカー操作時の減速支援などドライバーの安全運転をサポート。
わき見運転防止のレーンディパーチャーアラート、全ての車速で一定速度を保つレーダークルーズコントロールを搭載。
ドライバーの異常を検知するとハザードランプを点灯して減速・停車、ヘルプネットに自動接続して救命要請を実施するなど、運転支援以外にも事故を防止する機能もあります。
新たな歴史の第一歩がはじまる レクサスLBXのモデルチェンジ遍歴
レクサスからサイズのヒエラルキーを越えた次世代レクサスモデル、LBX。「Premium Casual」をデザインコンセプトにしたコンパクトクロスオーバーSUVで、上質さと存在感がありつつ日常的に使いたくなる車を目指しています。コンパクトカー向けのTNGAプラットフォームを刷新し、レクサスの新しいフロントフェイスの「ユニファイドスピンドル」を採用しています。
レクサスLBX YH10系/2023年~
2023年11月、レクサスからLBXが発表され、同12月に発売されました。グレードは「Bespoke Build」「Cool」「Relax」が用意され、オーダーメイドシステムの「Bespoke Build」はインテリアパターンが約33万通りから選べ、唯一無二のLBXに仕上がります。ベースはヤリスクロスですが専用に新設計されたプラットフォーム、GA-Bを採用しています。
レクサスLBXのモデル | 販売年表 |
---|---|
YH10系 | 2023年~ |
LBXはレクサスラインナップでトップセールスになる可能性も
レクサスは今までメルセデスベンツやBMWなどがラインナップする、プレミアムなコンパクトモデルを持っていませんでしたが、LBXはこれらのライバルと競うだけのポテンシャルを持つモデルになります。
日本市場でも2022年にCTが廃版になって以降、コンパクトモデルが不在でした。
LBXは新デザインフロントデザインのユニファイドスピンドル、インテリアオーダーメイドのビスポークビルド、グレードの再構築など、新たな試みが見られる挑戦的なモデルです。
LBXの価格は4,600,000円から5,760,000円なりさらに廉価モデルの発売も期待できるようで、価格帯次第では新たなユーザーを呼び込む革新的なモデルになる可能性もあり、レクサスのトップセールスになるかもしれません。