日産ナバラとは?海外専売車種のピックアップトラック
日産が販売する「ナバラ」とは、1986年にオーストラリアから販売されたモデルで、以前から日本でも販売されていたダットサントラックが9代目へフルモデルチェンジした際につけられた名前です。現在販売されているモデルはD23型と呼ばれるもので、メルセデス・ベンツ Xクラスと兄弟車でもあります。
また、フレームSUVの日産テラのベースになるとも予想されていて、海外での知名度はもちろんですが、日本でも注目が集まっている車種です。
そこで、欧州やオーストラリアで販売されているNP300 ナバラの歴史やD23型のエクステリアやインテリア、販売価格などを紹介します。
ナバラがマイナーチェンジ 頑丈さをテーマにした力強いフロントマスクが特徴
「頑丈」をテーマにマイナーチェンジしたナバラ
ナバラのマイナーチェンジを2020年11月5日に発表。安全装備システムのニッサンインテリジェントモビリティの技術を使い安全性を向上しています。
エクステリアには日産のデザインアイコンのVモーショングリルは使わず、「頑丈」をテーマにしたパワフルなスタイルが特徴です。
また、特別なスタイルパッケージのPRO-4Xを設定していて、フロントバンパー、グリル、ドアハンドル、ルーフラック、ランニングボードなど特別なアイテムを装備しています。17インチのブラックホイールとアクティブな印象の強いオールテレーンタイヤも標準装備します。
ナバラは2020年12月にタイ市場から発売して、その後世界各国で発売することを公式発表しています。日本市場で発売することは明言していませんが、日本でも通用する先進安全装備、トヨタが発売するハイラックスの成功例、日本の日産がニュースリリースを出したことから、日本でも販売する可能性もあるのではないでしょうか。
ナバラのパワフルなスタイルは日本でも人気が出そうなので期待しましょう。
発表日 | 2020年11月5日 |
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マイナーチェンジのテーマ | 「頑丈」をテーマにしたパワフルなスタイル |
フロントマスクの特徴 | Vモーショングリルを使わず、力強さを強調したデザイン |
安全装備 | ニッサンインテリジェントモビリティを採用し安全性を向上 |
特別仕様グレード | PRO-4X(専用バンパー・グリル・ドアハンドルなどを装備) |
ホイールとタイヤ | 17インチのブラックホイールとオールテレーンタイヤを標準装備 |
初期販売地域 | 2020年12月にタイ市場で発売 |
グローバル展開 | その後、世界各国へ順次販売を予定 |
日本市場での可能性 | 販売は未定だが、安全装備や他車の成功例から期待されている |
日産ナバラに特別仕様車「ナバラN-TREKスペシャル・エディション」が登場!
ナバラN-TREKスペシャルエディションが発売!
2019年8月7日、日産オーストラリアは、ナバラ2020年モデルに「ナバラN-TREK Special Edition」を設定すると発表しました。ナバラは日本未発売ですが、思わず「欲しい!」と言いたくなるかっこいい特別仕様車です。
足元には、18インチのアルミホイールに、大口径タイヤ、なによりブラックのオーバーフェンダーがタフな存在感を醸し出しています。オレンジ色のアクセントラインが入ったフロントアバンパーやサイドステップ、ミラーキャップも目を惹きます。
ナバラN-TREK Special Editionのエクステリアに関する装備一覧
- 18インチのアルミホイール(黒)
- オーバーフェンダー(黒)
- ドアハンドル(黒)
- ルーフレール(黒)
- フロントフォグランプサウンド(黒)
- オレンジ色のアクセントライン付きフロントバンパー
- オレンジ色のアクセントラインが付きサイドステップ
- オレンジ色のアクセントラインが付きミラーキャップ
- フロントグリル
- リヤバンパー
- LEDヘッドランプベゼル
- N-TREKテールゲートバッジ
レザーを使ったナバラN-TREKスペシャルエディションのインテリア
タフな外見の一方で、内装はレザーをあしらいラグジュアリー。安全装備もリバースカメラや360度モニター、電子式ディファレンシャルロックなど充実のラインアップです。
ナバラN-TREK Special Editionのインテリアに関する装備一覧
- 8.0インチカラータッチスクリーン(Apple CarPlay/Android Auto対応)
- レザーアクセント付きシート
- レザー採用のセンターコンソール&フロントドアアームレスト
- オレンジ色のアクセントステッチ付きステアリングホイール
「ナバラN-TREK Special Edition」は2.3Lのインタークーラー付きツインターボディーゼルエンジンを搭載し、最高出力188PS、最大トルク450Nmを発生。トランミッションはマニュアルとオートマの両方が用意されており、6速MTで460万円、7速ATで424万円です。
コスミックブラック、スレートグレー、ホワイトダイヤモンドの3色がラインアップしています。
タナバラN-TREK Special Editionの安全装備など一覧
- リバースカメラ
- リバースセンサー
- 360度アラウンドビューモニター
- エアバック7つ
- ISOFIX
- ABLS
- ブレーキアシスト(BA)
- ヒルスタートアシスト(HSA)
- ヒルディセントコントロール(HDC)
- 電子式リアディファレンシャルロック
- プライバシーガラス
- LEDヘッドライト
発表日 | 2019年8月7日(オーストラリアで発表) |
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モデル名 | ナバラ N-TREK Special Edition |
外観の主な特徴 | ブラックのオーバーフェンダーとオレンジのアクセントラインでタフな印象 |
ホイール | 18インチ黒色アルミホイール |
フロントまわり | オレンジライン入りバンパー、グリル、LEDベゼル、フォグランプサウンド |
その他外装装備 | 黒のドアハンドル、ルーフレール、サイドステップ、ミラーキャップ、リヤバンパー |
バッジ | N-TREKテールゲートバッジ |
内装の特徴 | レザー仕上げ+オレンジアクセントでラグジュアリーな印象 |
インテリア装備 | 8インチタッチスクリーン、レザーアクセントシート、レザーコンソール、オレンジステッチ |
エンジン | 2.3Lインタークーラー付きツインターボディーゼル |
性能 | 最高出力188PS/最大トルク450Nm |
トランスミッション | 6速MT(460万円)/7速AT(424万円) |
ボディカラー | コスミックブラック、スレートグレー、ホワイトダイヤモンド |
安全装備(例) | リバースカメラ、360度モニター、エアバッグ7つ、電子式リアディファレンシャルロック |
補助装備 | ISOFIX、HSA、HDC、ブレーキアシスト、ABLS、プライバシーガラスなど |
日産 ナバラの歴史は9代目ダットサントラックから始まる
9代目ナバラのエンブレム
日産が販売するナバラは、9代目へとモデルチェンジした「ダットサン トラック」からオーストラリアや欧州で販売されるモデルにつけられた名前で、ナバラと名前がつくものはレジャーユースにも使いやすい商用車としてラインナップしています。
D21型のナバラ
D22型のナバラ
D40型のナバラ
日産 ナバラの型式と販売期間
D21型:1986年~2004年
D22型:1997年~販売中
D40型:2005年~販売中
D23型:2014年~
D22型とD40型は南アフリカで販売を継続していて、最新モデルは2014年にタイのバンコクで発表されたD23型です。ライバル車には、2017年に日本市場で復活したトヨタのハイラックスなどがあります。北米などで展開している「フロンティア」とは姉妹車でD40型がナバラに導入された形です。
2017年には上海モーターショーでD23型ナバラが発表され中国市場に投入されています。2018年にナバラをベースとしたフレームSUVの「テラ」が正式発表されました。
モノコックSUVの日産パスファインダー
トラックではないSUVとしての車種はパスファインダーというモデルがありますが、2012年に発売されたR52型からはフレーム構造ではなくモノコックボディとなっていて、クロスオーバーSUVになりました。そこで、ガタガタと揺れる道が多い国や頑丈な車が欲しい要望に応え、フレームSUVのテラを開発したと考えられます。
ナバラの起源 | 9代目「ダットサントラック」から発展し、海外市場で「ナバラ」として販売 |
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主な販売地域 | オーストラリア、欧州、タイ、中国、南アフリカなど |
D21型 | 1986年~2004年に販売。ナバラ初期のモデル |
D22型 | 1997年~現在も一部地域で販売継続中(南アフリカなど) |
D40型 | 2005年~現在も販売中。北米市場の「フロンティア」と姉妹車 |
D23型 | 2014年にバンコクで発表。現在の主力モデル |
中国市場展開 | 2017年の上海モーターショーでD23型ナバラを発表 |
SUV派生モデル | 2018年にフレームSUV「テラ」が登場(ナバラベース) |
ライバル車 | トヨタ・ハイラックス(2017年に日本市場で復活) |
派生SUVの違い | パスファインダーは2012年以降モノコック構造のクロスオーバーSUVに移行 |
フレームSUV開発の背景 | 悪路走行や耐久性を求める市場ニーズに応え「テラ」を開発 |
日産 ナバラのエクステリアは大きなグリルが特徴 インテリアは親しみやすいシンプルさが魅力
グリルとLEDヘッドライトが大型化した派手なエクステリア
日産 ナバラのエクステリアは、大きなグリルとLEDヘッドライト、メッキ加飾が周りに施されたフォグランプが装備されていて、荷台タイプは広い荷台面積を確保できる「Chassis」、レジャー用途にピッタリな「Pickup」の2種類、ボディタイプは2ドアのシングルキャブ、運転席の後ろに荷物を置くスペースがあるキングキャブ、5人乗り4ドアのダブルキャブがラインナップしています。
キングキャブのインテリア
ダブルキャブのインテリア
日産 ナバラのインテリアは、ブラックとシルバーのカラーリングで統一されたシンプルな内装で、上からハザードランプ、オーディオ、エアコンコントローラー、シフトノブが見えます。2018年4月に発表される予定のフレームSUVであるテラの内装にとても良く似ているので、ベースはナバラであることが予想できます。
ボディサイズは、ダブルキャブで全長5,255mm、全幅1,790~1,850mm、全高1,785~1,845mm、ホイールベースが3,150mmです。駆動方式は4×2の2WDと4×4の4WDがあり、グレードによって幅や高さが変わります。
全長 | 5,255mm |
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全幅 | 1,850mm |
全高 | 1,845mm |
ホイールベース | 3,150mm |
荷台フロア長 | 1,503mm |
荷台フロア幅 | 1,560mm |
荷台フロア高 | 474mm |
エクステリアの特徴 | 大型グリルとLEDヘッドライト、メッキ加飾付きフォグランプが存在感を強調 |
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荷台タイプ | 商用向け「Chassis」とレジャー向け「Pickup」の2タイプを設定 |
ボディタイプ | シングルキャブ/キングキャブ/ダブルキャブの3種をラインアップ |
キャビン構成 | 2ドア、荷物スペース付き、5人乗り4ドアなど用途に応じた構成が可能 |
インテリアの色調 | ブラックとシルバーを基調とした落ち着いた配色 |
内装レイアウト | ハザードランプ→オーディオ→エアコン→シフトノブの縦型構成 |
テラとの関係 | SUV「テラ」の内装デザインはナバラがベースとみられる |
駆動方式 | 2WD(4×2)と4WD(4×4)を設定、走行環境に応じて選択可能 |
サイズバリエーション | グレードによって全幅・全高が異なる |
日産 ナバラのパワートレインは2.3Lディーゼルエンジンを搭載
2種類のターボエンジンを設定
オーストラリア仕様のナバラに搭載されているエンジンは2.3Lのディーゼルエンジンで、ツインターボ仕様とシングルターボ仕様の2種類があります。
シングルターボ仕様は2WDのRX、4WDのRX(シャーシ・ピックアップ)に搭載されていて、ツインターボ仕様は2WDのSTとST-X、4WDのSL、ST、ST-Xに搭載されています。
型式 | YS23DDTT | YS23DDT |
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種類 | 直列4気筒ツインターボ | 直列4気筒ターボ |
排気量 | 2,298cc | 2,298cc |
最高出力 | 140kW/3,750rpm | 120kW/3,750rpm |
最大トルク | 450Nm/1,500~2,500rpm | 403Nm/1,500~2,500rpm |
ほかにも、タイ仕様では2.5Lのディーゼルエンジン(YD25DDTi)が搭載され、2.5Lのガソリンエンジン(QR25DE)のラインナップもあります。
搭載エンジンの基本構成 | 2.3Lディーゼルエンジンをベースに、シングルターボとツインターボの2種類を展開 |
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シングルターボ仕様の搭載グレード | 2WDのRX、4WDのRX(シャーシ・ピックアップ)に採用されている |
ツインターボ仕様の搭載グレード | 2WDのST/ST-Xと、4WDのSL/ST/ST-Xで使用される |
用途に応じた仕様選択 | 燃費と価格重視ならシングルターボ、高出力志向にはツインターボが適している |
タイ仕様の特別設定 | 2.5Lのディーゼル(YD25DDTi)とガソリン(QR25DE)エンジンも用意されている |
ガソリン仕様の特徴 | QR25DEは高回転域までスムーズに吹け上がる自然吸気エンジン |
地域別の展開戦略 | オーストラリアやタイなど、市場のニーズに応じたエンジン設定を行っている |
排気量の共通性 | 2.3Lディーゼルはターボ数に関わらず共通排気量で設計されている |
トランスミッション | 6速マニュアルと7速オートマチックが選択可能 |
日産 ナバラの販売地域は欧州市場やアジア市場で展開 価格帯は日本円で約181万円から
日本ではピックアップトラックの需要はあまりないため今の所は海外専売車種になっている
日産ナバラは欧州やオーストラリア、タイなどで販売されていて、日本には導入されていません。タイでの販売価格はシングルキャブで549,500タイバーツ、キングキャブで635,000タイバーツ、ダブルキャブで691,000タイバーツとなっていて、日本円にすると181万円から228万円になります。(1タイバーツ3.3円での計算)
日産 ナバラの価格帯(タイ仕様)
シングルキャブ:549,500タイバーツ(約181万円)
キングキャブ:635,000タイバーツ(約209万円)
ダブルキャブ:691,000タイバーツ(約228万円)
販売されている地域 | ヨーロッパ、オーストラリア、アジア諸国(特にタイ)で幅広く展開中 |
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日本での販売状況 | 現時点では導入されておらず、海外専売モデルとなっている |
日本市場の課題 | ピックアップトラックの需要が低く、市場規模が限定的である点が導入障壁 |
タイでの価格帯 | 約181万円~228万円(シングルキャブ~ダブルキャブ)と比較的リーズナブル |
価格差の理由 | 装備内容や駆動方式、ボディタイプの違いにより段階的な価格設定がされている |
為替の影響 | タイバーツと円の為替レートにより日本円換算価格は変動する |
主要市場のニーズ | 欧州では多用途車として、東南アジアでは実用性重視の商用としての需要が高い |
競合モデル | トヨタ・ハイラックスや三菱・トライトンなど、同セグメントのピックアップが主な競合 |
将来的な導入可能性 | 安全装備やスタイル性を評価する声もあり、今後日本で導入される可能性もある |
日産 ナバラは普段乗りにも使える仕事の相棒
日産 ナバラは、かつて日本で仕事にも日常使いもできる自家用トラックとして人気のあったダットサン トラックの後継車種で、9代目のフルモデルチェンジの時にオーストラリア仕様のナバラが発売されました。
オーストラリアだけではなく欧州やタイでもナバラは販売されていて前モデルのD22型は南アフリカで、姉妹車のフロンティアは北米で販売されています。ナバラの一部コンポーネントを共通する車種には、メルセデス・ベンツのXクラスがあります。
2017年には中国市場に投入され、ナバラをベースとするフレームSUVのテラが2018年4月発表。日本ではトヨタのハイラックスや三菱のトライトンが復活しSUVやピックアップトラックが、ひそかにブームになりつつありますし、日産のナバラも日本導入する可能性は高まりつつあるでしょう。