プレミオとアリオンが生産終了

アリオン・プレミオはフルモデルチェンジせず生産終了 後継なし 受け皿のカローラアクシオも2025年終了で5ナンバーセダン消滅

アリオン・プレミオは復活するのか、後継はあるのか。答えは「日本での後継なし」。5ナンバーセダンを引き継いだカローラアクシオも2025年に終了し、新車では選べなくなった現状と、中国で復活したアリオンの正体を整理します。

アリオン・プレミオはフルモデルチェンジせず生産終了 後継なし 受け皿のカローラアクシオも2025年終了で5ナンバーセダン消滅

アリオンとプレミオはフルモデルチェンジせず生産終了 後継はなく受け皿だったカローラアクシオも消滅

トヨタ店が扱っていたアリオン、トヨペット店が扱っていたプレミオは、カリーナとコロナの後継として登場した姉妹車です。カローラアクシオとカムリの中間に位置づけられる日本専売のセダンで、程よいサイズと質感の高さから根強く支持され、東南アジアなどでは数年落ちの中古でも高値で取引されるほどの人気を集めていました。

5ナンバーに収まるコンパクトなボディながら、外装・内装ともに上級セダンに迫る仕立てが魅力でした。しかし両車はフルモデルチェンジを受けることなく、2021年3月末に生産を終えています。日本国内でミドルセダンの需要を引き継いだのは、2019年に3ナンバー化した新型カローラセダンでした。

そして現在、アリオンとプレミオは後継が設定されないまま姿を消し、その受け皿とされたカローラアクシオも2025年10月末に生産を終了しました。国内の5ナンバーセダンは事実上消滅しています。一方でアリオンの車名だけは中国で現地専用セダンとして復活していますが、日本への導入はありません。

受け皿だったカローラアクシオも2025年10月末で生産終了 日本の5ナンバーセダンが消滅

アリオンとプレミオの役割を引き継ぐ存在とされてきたのが、5ナンバーサイズを守り続けたカローラアクシオ(姉妹ワゴンのカローラフィールダー)でした。ところがトヨタは2025年2月14日、カローラアクシオ・カローラフィールダー、そしてアクシオをベースとする教習車の生産を2025年10月31日で終了すると正式に発表しました。

これによって、国内で新車を買える5ナンバーセダンは事実上なくなりました。アクシオは「最後の5ナンバーセダン」でした。2019年に現行カローラ/カローラツーリングが3ナンバー化した後も、アクシオとフィールダーはE160系のまま5ナンバー車として併売され、取り回しの良いサイズ、2年車検、5MTの設定、200万円前後という手頃さから、社用車・営業車を中心に一定の需要を保っていました。しかし国内需要のSUVシフトや設計の古さ、継続生産車にも課される装備・法規対応コストの増大が重なり、13年半のロングセラーに幕が引かれた格好です。

つまり、記事執筆当時に「受け皿」と目されていたアクシオ自身も退場し、アリオン・プレミオが担っていた5ナンバーセダンという枠組みは、後継を持たないまま完全に途絶えたことになります。

アリオンの車名は中国で復活 一汽トヨタの現地専用セダンとして継続(日本導入はなし)

日本で生産を終える直前の2020年11月20日、中国・広州モーターショーで一汽トヨタが新型「アリオン(ALLION)」を世界初公開し、姉妹車の広汽トヨタ「レビンGT(凛尚)」も同時に登場しました。新型アリオンは2021年3月に中国で発売されています。

ただし、これは日本のアリオンの後継ではありません。中身はカローラ系のプラットフォームを用いた別物のセダンで、後席の広さと快適性を重視した中国市場向けの現地専用車です。生産終了の発表と時期が重なったため「これが次期型では」という見方も一部にありましたが、日本のアリオン/プレミオはそのまま歴史を閉じ、中国のアリオンが日本へ正規導入される動きもありません。名前だけが海を渡って残った、というのが実態です。

アリオンとプレミオは2021年3月末で生産終了、4月に販売終了

アリオンとプレミオがフルモデルチェンジを行わずに生産を終えることは、2020年12月1日にトヨタ公式サイトで告知されました。すでに各販売店では2020年11月29日をもって注文の受け付けを終えており、その分の生産が2021年3月31日で完了。販売そのものは2021年4月25日に終了しています。

世界的なSUV人気を背景に国内でもセダンの販売台数は落ち込んでおり、以前から廃止の観測は絶えませんでした。後継が用意されないまま生産を終えたことで、ミドルセダンの需要は当時、3ナンバー化した新型カローラセダンと、5ナンバーを守るカローラアクシオが分担する形になりました。

「プレミオ復活」の噂は実現せず 国産5ナンバーセダンの新車は消滅した

生産終了の前後には、プレミオが新型として復活するのではないかという噂も流れていました。5ナンバーセダンはタクシーや社用車といった法人用途で底堅い需要がある一方、個人向けでは台数が伸びにくいカテゴリーです。当時はカローラアクシオが残っていたこともあり、プレミオが単独で復活する可能性は低いとみていましたが、結果としてその通り、プレミオの新型が設定されることはありませんでした。

むしろその後、5ナンバーセダンを守っていたアクシオまでもが2025年に生産を終え、国産の5ナンバーセダンは新車として選べなくなりました。プレミオ・アリオンの生産終了は、単発の車種整理ではなく、日本から一つのセダン文化が失われていく流れの一部だったといえます。

廃止までにささやかれたアリオンとプレミオのフルモデルチェンジ情報

アリオンとプレミオの廃止は2020年12月1日にトヨタが公式発表しました。それ以前は廃止の観測と同時に、フルモデルチェンジを望む声や噂も少なからずありました。ここでは、当時どのような予想が語られ、実際にはどうなったのかを、両車の基本スペックと合わせて振り返ります。

「2021年のフルモデルチェンジでプレミオに統合」説はどうなったか

廃止が取り沙汰されていた頃には、2021年にフルモデルチェンジを行ってアリオンをプレミオへ統合し、プレミオのみを2Lエンジン搭載セダンとして残す、といった見方も出ていました。新型カローラセダンをベースにした上級モデルとして生まれ変わるのでは、という説もあったほどです。

しかし実際には、こうした統合・存続は行われませんでした。両車ともフルモデルチェンジを受けないまま2021年に生産を終えています。「復活」と呼べる出来事があったとすれば、それは前述のとおり中国で登場した現地専用アリオンで、日本のプレミオが名を変えて残ったわけではありません。

「カローラアクシオへ吸収統合される」という予想は外れた

アリオンのエクステリア2021年に生産を終えた5ナンバーセダンのアリオン

プレミオのエクステリアアリオンと姉妹関係にあったプレミオ 両車とも後継を持たずに生産を終えた

当時は、下位に位置するカローラアクシオが2019年にフルモデルチェンジで3ナンバーのワイドボディへ拡大し、その流れでアリオンとプレミオを吸収する、という予想が語られていました。実際に3ナンバー化したのは2019年に登場した新型カローラセダン(E210系)で、これは別モデルとして展開されました。カローラアクシオ(E160系)はワイドボディ化されず、5ナンバーのまま併売が続き、最終的に2025年10月末に生産を終えています。したがって「アクシオが3ナンバー化して両車を統合する」というシナリオは実現しませんでした。

結果として、アリオンとプレミオは統合という形ではなく、単純に後継を持たないまま退場しました。5ナンバーセダンの受け皿はアクシオが引き継ぎましたが、そのアクシオも数年後には姿を消し、カテゴリーそのものが失われる形になっています。

販売チャネル統合による車種整理の予想と、その後の実際

トヨタは2020年から2025年にかけて販売チャネルを統合し、取り扱い車種を絞り込む方針を打ち出していました。当時は乗用車・商用車を合わせて70車種以上あったラインナップを、兄弟車の統廃合で30車種程度まで半減させる、という見立てが語られていました。

実際にもこの流れは進み、姉妹車として設定されていたアリオン・プレミオはその整理のなかで廃止されました。マークXも2019年に生産を終えており、セダンのラインナップはカムリ、クラウン、センチュリーなどへと絞り込まれています。国内向けのセダンは、この数年で大きく数を減らしました。

5ナンバーセダンとしてのボディサイズと立ち位置

アリオンとプレミオは全幅1,695mmと、5ナンバー枠にきっちり収まる扱いやすいサイズが持ち味でした。取り回しの良さと室内の余裕を両立していたことが、法人・個人を問わず支持された理由です。当時は、アクシオの3ナンバー化に備えて5ナンバー需要の受け皿としてどちらか1車種を残すのでは、という見方もありましたが、結果的にはアリオン・プレミオともに残らず、5ナンバーセダンの役割は一時的にアクシオが単独で担うことになりました。

アリオン・プレミオのボディサイズ
アリオン プレミオ
全長 4,590mm 4,595mm
全幅 1,695mm 1,695mm
全高 1,485mm 1,485mm

そのコンパクトさは、日本の道路事情に合う最後の上級5ナンバーセダンとして貴重な存在でした。両車が退場し、受け皿のアクシオも2025年に生産を終えたことで、この価値観を受け継ぐ新車は国内から失われています。

生産を終えたアリオンとプレミオの画像31枚

  • 左斜め前から見たアリオンアリオン
  • 右斜め前から見たアリオンアリオン
  • アリオンのサイドビューアリオン
  • 左斜め後ろから見たアリオンアリオン
  • アリオンのリヤビューアリオン
  • アリオンのフロントシートアリオンの内装
  • アリオンのリヤシートアリオンの内装
  • アリオンのコックピットアリオンの内装
  • 左斜め前から見たプレミオプレミオ
  • 右斜め前から見たプレミオプレミオ
  • プレミオのサイドビュープレミオ
  • 左斜め後ろから見たプレミオプレミオ
  • プレミオのリヤビュープレミオ
  • ALLION A20のフロントビューALLION A20
  • ALLION A20の左サイドフロントビューALLION A20
  • ALLION A20の左サイドフロントビューALLION A20
  • ALLION A20の左サイドビューALLION A20
  • ALLION A20の左サイドリアビューALLION A20
  • ALLION A20のリアビューALLION A20
  • ALLION A20の右サイドリアビューALLION A20
  • ALLION A20の右サイドビューALLION A20
  • ALLION A20の右サイドフロントビューALLION A20
  • プレミオ 1.5F EXパッケージのフロントビュープレミオ 1.5F“EXパッケージ”
  • プレミオ 1.5F EXパッケージの左サイドフロントビュープレミオ 1.5F“EXパッケージ”
  • プレミオ 1.5F EXパッケージの左サイドフロントビュープレミオ 1.5F“EXパッケージ”
  • プレミオ 1.5F EXパッケージの左サイドビュープレミオ 1.5F“EXパッケージ”
  • プレミオ 1.5F EXパッケージの左サイドリアビュープレミオ 1.5F“EXパッケージ”
  • プレミオ 1.5F EXパッケージのリアビュープレミオ 1.5F“EXパッケージ”
  • プレミオ 1.5F EXパッケージの右サイドリアビュープレミオ 1.5F“EXパッケージ”
  • プレミオ 1.5F EXパッケージ右サイドビュープレミオ 1.5F“EXパッケージ”
  • プレミオ 1.5F EXパッケージ右サイドフロントビュープレミオ 1.5F“EXパッケージ”

姉妹車関係にあったプレミオとアリオンのモデルチェンジ遍歴

プレミオとアリオンは、トヨタが販売していた姉妹関係の4ドアセダンです。プレミオはコロナの後継、アリオンはカリーナの後継として登場しました。基本部分は共有しつつ、プレミオは60代以上の年配層を主なターゲットとし、アリオンはスポーティな性格づけで、エアロパーツやローダウンスプリングといったディーラーオプションが用意されていました。

プレミオ・アリオン 初代 T24#型/2001年〜2007年

2001年12月、プレミオはコロナの後継、アリオンはカリーナの後継として販売を開始しました。いずれもMT車の設定はありません。
2002年10月、プレミオの「1.5F/1.8X」、アリオンの「A15」「A18」の装備を簡素化した低価格の「スタンダードパッケージ」を設定。
2003年4月、プレミオの「1.5F/1.8X」をベースとした特別仕様車「1.5F/1.8X Lパッケージ・リミテッド」、アリオンの「A15」「A18」をベースとした特別仕様車「A15”Gパッケージ・リミテッド”」「A18”Gパッケージ・リミテッド”」を発売。
2004年4月、プレミオから特別仕様車「Lパッケージ・プレミアムエディション」を発売するとともに、アリオンの「A15”Gパッケージ・リミテッド”」「A18”Gパッケージ・リミテッド”」を再設定。同年12月にはマイナーチェンジを実施し、プレミオはフロントデザインを力強さとエレガンスを融合させた意匠に、アリオンはフロント周辺やリヤコンビネーションランプをよりスポーティな造形へと変更しました。
2005年10月、プレミオの特別仕様車「1.5F/1.8X Lパッケージ・リミテッド」を再設定、アリオンから特別仕様車「A15”Gパッケージ・プレミアム”」「A18”Gパッケージ・プレミアム”」を発売。
2006年8月、プレミオにトヨペット店創立50周年記念の特別仕様車「Lパッケージ・Prime Selection」を、アリオンにトヨタ店創立60周年記念の特別仕様車「A15”Gパッケージ・60thスペシャルエディション”」「A18”Gパッケージ・60thスペシャルエディション”」を発売。

プレミオ・アリオン 2代目 T26#型/2007年〜2021年

2007年6月、プレミオ・アリオンともにフルモデルチェンジで2代目へ移行。室内長・室内幅が拡大され、ゆとりのある空間となりました。アリオンはよりスポーティなスタイリングを与えられています。
2008年1月、2.0Lエンジン「3ZR-FAE型」搭載グレードを追加し、初代同様に「スタンダードパッケージ」も設定。9月にはプレミオへ静粛性を高めた特別仕様車「2.0G”SUPERIOR”」、アリオンへ「A15”Gパッケージ スタイリッシュエディション”」「A18”Gパッケージ スタイリッシュエディション”」を追加。
2009年6月、プレミオから特別仕様車「1.8X”Lパッケージ・Prime Selection”」を発売。10月には一部改良でタイヤサイズを14インチから15インチへ変更し、プレミオの特別仕様車「1.5F"Lパッケージ・Prime Selection"」「1.5F/1.8X "Version C"」、アリオンの「A15"Gパッケージ スペシャルエディション"」を発売しました。
2010年4月、マイナーチェンジ。搭載エンジンやインテリアの変更、価格の引き下げを実施。12月には、プレミオから特別仕様車「1.5F"Prime Selection"」「1.8X"Prime Selection"」、アリオンから特別仕様車「A15"HID Edition"」「A18"HID Edition"」「A18"Gパッケージ・Luxury Edition"」を発売。
2011年10月、プレミオから特別仕様車「1.5F"Lパッケージ・Prime Green Selection"」「1.8X"Lパッケージ・Prime Green Selection"」、アリオンから特別仕様車「A15"Gパッケージ・Limited"」「A18"Gパッケージ・Limited Power-Seat Edition"」を発売。
2012年12月、一部改良で燃費性能の向上とインテリアの変更を実施。
2016年6月、マイナーチェンジで外観を大きく変更し、プレミオとアリオンでフロントデザインを共通化。内装も刷新し、安全装備も強化されました。
2020年9月、2.0Lモデルを廃止(公式発表なし)。
2020年11月29日、販売店での注文受け付けを終了。12月1日、トヨタ公式サイトで2021年3月末での生産終了を告知。
2021年3月31日、生産終了。4月25日、販売を終了しました。

プレミオ・アリオンのモデルチェンジ遍歴
プレミオ・アリオンのモデル 販売年表
初代 T24#型 2001年〜2007年
2代目 T26#型 2007年〜2021年

トヨタのアリオンとプレミオは5ナンバーサイズの最上級モデルだったが後継を持たずに生産終了

アリオンとプレミオ

アリオンとプレミオは、5ナンバーサイズの最上級モデルにふさわしい上質さを備えたセダンでしたが、2021年に両車とも生産を終えました。
後継は登場せず、5ナンバーセダンの役割は一時的にカローラアクシオが引き継ぎましたが、そのアクシオも2025年10月末に生産を終了しています。結果として、日本市場から手頃な5ナンバーセダンという選択肢そのものが失われました。アリオンの車名は中国で現地専用セダンとして残っているものの、日本へ導入される予定はありません。