日産のハイブリッド車種

日産のハイブリッドシステムと搭載車種一覧!電気自動車だけじゃない技術

日産e-POWER搭載の現行5車種(ノート・ノートオーラ・キックス・セレナ・エクストレイル)を比較。仕組みの特徴からメリット・デメリット、スペック一覧まで購入検討に必要な情報をまとめました。

日産のハイブリッドシステムと搭載車種一覧!電気自動車だけじゃない技術

日産のハイブリッドシステム「e-POWER」とは?仕組みと搭載車種まとめ

日産を代表するハイブリッド技術といえば「e-POWER」です。2016年のノートe-POWER登場以来、現在はノート・ノートオーラ・キックス・エクストレイル・セレナの5車種(7グレード)に搭載され、日産の主力ラインナップを支える中核技術へと成長しました。

本記事では、e-POWERの仕組みとトヨタのハイブリッドシステムとの違い、現在販売中のe-POWER搭載車種のスペックや特徴を詳しく解説します。

日産e-POWERの仕組み:100%モーター駆動のシリーズ方式ハイブリッド

ハイブリッドシステムには大きく分けて「パラレル方式」「シリーズパラレル方式」「シリーズ方式」の3種類があります。日産のe-POWERはシリーズ方式に分類され、エンジンは一切走行に使わず発電のみに専念、走行は100%モーターが担います。

各方式の違いを以下にまとめます。

ハイブリッドシステムの方式比較
方式 採用メーカー例 エンジンの役割 走行の動力源
シリーズパラレル方式 トヨタ(プリウス等) 走行+発電の両方 エンジン+モーター(状況に応じて切替)
パラレル方式 ホンダ(旧型)・スバル等 走行メイン+モーターが補助 エンジンメイン
シリーズ方式(e-POWER) 日産 発電のみ 100%モーター

e-POWERの最大の特徴は、走行中の動力が完全にモーターだけという点です。そのため発進・加速時のレスポンスは電気自動車(EV)と同等で、アクセルを踏んだ瞬間から力強くスムーズに加速します。また、エンジンの回転数が発電に最適化された一定条件でしか変化しないため、乗員が感じる走行音の変化が少なく静粛性に優れます。

なお、外部充電は不要でガソリンスタンドで給油するだけで済む点も、EVとの大きな違いです。

e-POWERの進化:第1世代から第3世代へ

e-POWERは2016年の初登場(第1世代)から継続的に進化しており、現在は第3世代の開発・投入が進んでいます。

第2世代では、ロードノイズが大きい路面を選んでエンジンを始動させることでエンジン音を路面騒音に紛れ込ませる「世界初の静粛化技術」が採用されました。また、アクセルペダル一つで加速・減速を制御できる「e-Pedal Step(ワンペダル操作)」も搭載され、街乗りの快適性が大幅に向上しています。

第3世代では、モーター・インバーター・発電機・減速機・増速機を一体化した「5-in-1 e-POWER電動ユニット」と発電に特化した専用エンジンを組み合わせることで、特に高速道路での燃費性能を従来比で平均9%、高速域では最大15%改善することを目指して開発が進んでいます。

現在販売中のe-POWER搭載車種一覧

日本国内で購入できるe-POWER搭載車種は以下の5モデルです。

ノート e-POWER:e-POWER専用のコンパクトカー

  • ノートオーラのサイドビューノート オーラ
  • ノートオーラのリヤビューノート オーラ
  • ノートオーラのアルミホイールノート オーラ

2016年11月にe-POWERを初めて搭載した車種として登場し、発売直後からトヨタのプリウスやアクアを押しのけて月間販売台数首位を獲得するほどの大ヒットを記録しました。現在は3代目モデルが販売中で、ガソリン車の設定はなくe-POWER専用車種となっています。グレードは「X」のみで、2WDと4WDから選択可能です。スポーティな「AUTECH」「AUTECH CROSSOVER」グレードも用意されています。

ノート e-POWER S(初代)のスペック参考値
全長 4,100mm
全幅 1,695mm
全高 1,520mm
室内長 2,065mm
室内幅 1,390mm
室内高 1,255mm
ホイールベース 2,600mm
車両重量 1,190kg
乗車定員 5名
総排気量 1.198L
エンジン最高出力 58kW(79PS)/5400rpm
モーター最高出力 80kW(109PS)
モーター最大トルク 254Nm(25.9kgm)
JC08モード燃費 37.2km/L

ノートオーラ e-POWER:プレミアムコンパクトの上位モデル

ノートをベースに内外装の質感を大幅に向上させたプレミアムコンパクトカーです。ノートよりひと回り高級感のある仕上がりで、静粛性・乗り心地・内装素材のグレードが向上しています。e-POWER専用モデルで2WD・4WDの両方が選べます。

キックス e-POWER:コンパクトSUVの定番

コンパクトSUVのキックスにもe-POWERが搭載されています。SUVらしい車高と視界の広さを持ちながら、e-POWERの滑らかな加速と低燃費性能を兼ね備えた一台です。街乗りから郊外ドライブまで幅広く対応します。

セレナ e-POWER:ミニバン販売台数No.1を誇る人気モデル

新型セレナ

2018年に初代e-POWERモデルが登場し、現行モデルでは第2世代e-POWERを搭載。2024年の年間国内販売でミニバン販売台数No.1(80,899台)を獲得しており、日産のe-POWERを象徴する車種の一つです。また2024年にはe-POWER車に電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載した4WDグレードも追加されました。ミニバンでありながらモーター駆動特有の力強いトルクで坂道もスムーズに走れる点が評価されています。

セレナ e-POWER X のスペック
全長 4,690mm
全幅 1,695mm
全高 1,865mm
室内長 3,170mm
室内幅 1,545mm
室内高 1,400mm
ホイールベース 2,860mm
車両重量 1,730kg
乗車定員 7名
総排気量 1.198L
エンジン最高出力 62kW(84PS)/6000rpm
モーター最高出力 100kW(136PS)
モーター最大トルク 320Nm(32.6kgm)
JC08モード燃費 26.2km/L

エクストレイル e-POWER:VCターボ搭載のSUVフラッグシップ

エクストレイル

2022年に登場した現行エクストレイルでは、e-POWERが初めて可変圧縮比エンジン「VCターボ」と組み合わされました。VCターボによる大きな発電量がパワフルなモーターを実現しており、SUVとして高い走行性能と低燃費を両立しています。悪路走破性に優れ、4WDモデルには「e-4ORCE」が搭載されてさらなる走行安定性を発揮します。

過去の日産ハイブリッド車:パラレル方式を採用していた車種

e-POWERが登場する以前、日産は「インテリジェント デュアル クラッチコントロール(1モーター2クラッチ方式)」と呼ばれるパラレル方式のハイブリッドシステムを採用していました。変速機とエンジン・モーターを繋ぐクラッチを2つ搭載し、「モーターのみ」「モーター+エンジン」「エンジンのみ」の3パターンを走行状況に応じて使い分ける仕組みです。

このシステムを搭載していた車種のうち、スカイライン ハイブリッド・フーガ ハイブリッド・シーマ ハイブリッドの3車種は2022年8月に生産終了しました。騒音規制の強化に対応できなかったことと、国内セダン市場の縮小が主な理由です。旧型エクストレイル ハイブリッドも同様に現在は生産終了しており、現行エクストレイルはe-POWERへ移行しています。

これらの車種のスペックは購入参考として以下に掲載しています(中古車市場で流通しています)。

スカイライン ハイブリッド(生産終了)

スカイライン 350GT HYBRID 2WDのスペック
全長 4,815mm
全幅 1,820mm
全高 1,440mm
ホイールベース 2,850mm
車両重量 1,780kg
乗車定員 5名
総排気量 3.498L
エンジン最高出力 225kW(306PS)/6800rpm
モーター最高出力 50kW(68PS)
JC08モード燃費 17.8km/L

フーガ ハイブリッド(生産終了)

フーガ HYBRID 2WDのスペック
全長 4,980mm
全幅 1,845mm
全高 1,500mm
ホイールベース 2,900mm
車両重量 1,850kg
乗車定員 5名
総排気量 3.498L
エンジン最高出力 225kW(306PS)/6800rpm
モーター最高出力 50kW(68PS)
JC08モード燃費 18.0km/L

シーマ ハイブリッド(生産終了)

シーマ CIMA HYBRID 2WDのスペック
全長 5,120mm
全幅 1,845mm
全高 1,510mm
ホイールベース 3,050mm
車両重量 1,950kg
乗車定員 5名
総排気量 3.498L
エンジン最高出力 225kW(306PS)/6800rpm
モーター最高出力 50kW(68PS)
JC08モード燃費 15.6km/L

e-POWERのメリット・デメリットまとめ

e-POWERを選ぶ際の判断材料として、メリットとデメリットを整理しておきます。

e-POWERのメリット・デメリット
メリット デメリット
100%モーター駆動による滑らかで力強い加速 高速道路での燃費がガソリン車に劣る場合がある
外部充電不要でガソリン給油のみでOK エンジン発電時の音が気になることがある
ワンペダル操作(e-Pedal Step)で街乗りが楽 車両価格がガソリン車より高め
EVに近い静粛性(第2世代以降でさらに向上) プラグイン充電はできないためEV補助金の対象外

街乗りや通勤メインの使い方であればe-POWERの燃費・快適性のメリットを存分に享受できます。一方で長距離の高速走行が多い場合は、トヨタのシリーズパラレル方式ハイブリッドと実燃費を比較して選ぶことをおすすめします。