ワンペダルで加速・減速・停止可能!ストレスのないワンペダル操作
2017年9月6日にフルモデルチェンジが発表され、同年10月2日に販売される新型リーフにはワンペダルで加減速と停止が可能な世界初の技術「eペダル」という機能が搭載されました。
今まではブレーキとアクセルで車を操作していましたが、eペダルを使う事によりワンペダルでブレーキとアクセルを操作できるようになります。
今までの車の常識を覆す操作方法で注目を集めるeペダルはどのような仕組みなのでしょうか。
街乗りや渋滞などでストレスのない運転を実現する、日産の新技術であるeペダルを徹底解説します。
ワンペダルで運転できるeペダルの仕組み
eペダルはモーターを精確にコンピューター制御することにより実現しています。
ワンペダル操作で懸念されるトラブルは交通事故です。eペダルの操作中はモーターを使った回生ブレーキに入るとブレーキランプが点灯します。また雨や雪など滑りやすい路面状況を検知して回生ブレーキとブレーキを併用しコンピューターによる四輪制御を行います。
このようにトラブルを未然に防ぐための制御を全てコンピューターで行うため、ドライバーは「ワンペダル」のみで運転できるようになります。
しかし緊急性のある場合などフットブレーキを要する場面も想定されるため、車間距離をしっかりとり、eペダルに頼り過ぎない運転を心がけるのも大切なことです。
eペダルは3つの動作「加速」「減速」「停止」をワンペダルで操作
新型リーフに搭載されることとなったeペダルとはどのような技術なのでしょうか。
新型ノートe-POWERにもワンペダル操作を実現する「e-POWER Drive」が搭載されていましたが、e-POWER Driveは電気を回収するための「回生ブレーキ」を強くするシステムで、アクセルを踏むと加速、離すと強い回生ブレーキで減速、この2つの動作でワンペダル操作を可能としていました。
今回新型リーフに搭載されるeペダルは加速、減速、さらに停止と停止状態の保持と3つの動作までできる技術で、日産は運転の90%をeペダルでカバーできるとしています。
1.ペダルを踏むと加速
ペダルを踏むと加速します。これは普通の車の操作と一緒です。静かなモーター音と、力強いトルクを持つEVらしい加速を感じられます。
2.ペダルを戻すと減速
アクセルペダルを戻すことにより、通常のブレーキと同程度(最大0.2G)の減速感を発生させます。この操作により坂道でもスムーズに減速が可能となっています。
3.ペダルを完全に戻すと停止・停止状態を保持
ペダルを完全に戻すことにより車体が停止します。停止後は油圧ブレーキが自動的に作動し、停止状態を保持します。坂道の勾配も30%まで停止状態を保持できます。
eペダルではこの3つの動作をワンペダルで操作できます。
緊急性がある時はフットブレーキを使う
車の運転は刻々と変化するため常に状況を見極めながら運転する必要があります。
歩行者や車がいきなり飛び出してくる可能性があるとき、ワンペダル操作で急ブレーキをすることができるのでしょうか。ワンペダル操作での急ブレーキの操作方法は今の所、日産からのアナウンスはありません。
日産は運転の90%をeペダルで操作できるとしていますが、残りの10%を緊急性のあるブレーキ操作、と位置付けているようです。
ワンペダル操作可能な新型リーフにも通常の自動車と同様にブレーキペダルも装備されています。急な飛び出しやスリップを起こした時はパニックにもなるので、急ブレーキはブレーキペダルを使用したフットブレーキを使用することになりそうです。
電気自動車の普及がeペダル普及のカギを握る
日産が開発した世界初の技術eペダルは運転の負担を減らすことができる革新的な技術です。初めて搭載された新型リーフは日産の技術の粋を集めて作られた電気自動車なので、eペダルをアピールするには絶好の機会となったのかもしれません。
しかし今後発売される新型車にeペダルが採用されるのかというとまだまだ不透明な状況と言えます。モーターで走る電気自動車ではワンペダル操作できても、エンジンを搭載している自動車では上手く制御できるのか不安が残ります。
今後エンジンに変わりモーターを使う電気自動車が普及した場合には、ワンペダル操作可能なeペダルが次々と採用される可能性があります。
eペダルが普及した場合の問題点
ワンペダルで運転できるeペダルはドライブのストレスを軽減してくれる革新的な技術ですが、運転中にトラブルは起きないのでしょうか。eペダルで起こりうるトラブルを考えてみました。
急ブレーキのタイミングわからなくなる
ワンペダルの操作に慣れてしまうと、ブレーキペダルを使う急ブレーキのタイミングが分からなくなることが考えられます。
eペダルの仕組みではペダルから足を離すとブレーキがかかるので、普段から片足でアクセルとブレーキを使い分けている方は問題ないですが、普段両足を使いアクセルとブレーキを操作している方はパニックになる可能性があります。
駐停車する時の誤操作
eペダルにはクリープ機能(アクセルを踏まなくても徐々に車が動くこと)がありません。クリープ機能を使って駐停車していた方はブレーキペダルに足を置き、踏みながら間隔を調整します。
しかしeペダルを使って駐停車する場合、ペダルを離すとブレーキがきくためペダル操作が逆になってしまいます。操作が逆のため慌ててしまい加速と減速を誤操作する可能性があります。
新型リーフがeペダルの評価を決める
eペダルが世界で初めて搭載されるのが新型リーフです。
2016年には累計販売台数が35万台を突破し、世界で一番売れている電気自動車になりました。
フルモデルチェンジをした新型リーフは航続距離400kmを達成し、日産の自動運転技術プロパイロットとプロパイロット パーキングという最先端の装備を搭載し登場します。
そしてもう一つの目玉機能が今回紹介したeペダルです。世界中で広がりを見せる電気自動車のスタンダードとして、新型リーフがeペダルの評価と普及の可能性を握っています。