新型エクストレイルに搭載されたプロパイロットの秘密
日産の人気SUV、エクストレイルの現行モデルには、先進運転支援技術である「プロパイロット」が搭載されています。プロパイロットとは、高速道路などの自動車専用道路で、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作を自動的に支援してくれる技術です。これにより、ドライバーの負担を大きく軽減します。
現行の新型エクストレイルに搭載されているプロパイロットの情報や、日産の自動運転技術が搭載されている車種、そして自動運転技術の今後の展望について詳しくご紹介します。
プロパイロットとは日産が開発した自動運転技術のこと
日産の「プロパイロット」は、高速道路や自動車専用道路において、同一車線(同じ車線内)での運転操作を支援する先進技術です。車両に搭載されたカメラやセンサーが前走車との距離を正確に保ちながら、加速、減速、さらにはステアリング操作まで自動的に行ってくれます。
プロパイロットは、ドライバーの安全確保のため、一定時間ステアリングから手を離すと警告を発し、それでも操作がない場合は操縦機能がスタンバイ状態に戻る安全装置が組み込まれています。この技術は、特に事故が起こりやすい長距離運転の疲労時や、渋滞時にもドライバーの負担を大幅に減らし、判断ミスによる事故の可能性も軽減します。
新型エクストレイルでプロパイロットをセットする方法
1.プロパイロットのボタンを1回押す
2.巡航したい速度を設定する
3.もう1度プロパイロットボタンを押して完了
高速道路上で、約0km/hから設定した速度までの範囲で自動運転を支援してくれるこの技術は、単調で眠くなりやすい長距離走行や、頻繁に停止・発進を繰り返す渋滞時の走行で、ドライバーにとって非常に役立つ運転支援技術です。
また、新型エクストレイルは、デザインを一新したフロントマスクでより都会的なSUVとしての印象を強め、シャークフィンアンテナの採用、バックドアのセンサーに足をかざして開けられるハンズフリー機能の搭載など、使い勝手の面でも大きく進化しています。新型エクストレイルは、日産の電動化技術であるe-POWERを搭載している点も特徴です。
他にも様々なドライバーサポートシステムを実装しています。
- 上から見下ろしたような映像をナビまたはルームミラーに表示してくれる「インテリジェントアラウンドビューモニター」
- 2・3列目のシートに人や荷物が乗っていても後方がクリアに見える「インテリジェントルームミラー」
- 駐車を支援してくれる「インテリジェントパーキングアシスト」
- ハイ・ロービームを自動的に切り替える「ハイビームアシスト」
日産の自動運転技術「プロパイロット」を搭載する車種

プロパイロットの第1弾として、2016年8月にフルモデルチェンジしたミニバンの「セレナ」に搭載され、市場に登場しました。セレナは、定員8名のワンボックスタイプのミニバンで、家族を乗せて走る車に自動運転技術のプロパイロットが搭載されたことで、当時大きな話題を呼びました。セレナは現在もプロパイロットを搭載した人気モデルです。
2022年にフルモデルチェンジしたT33型エクストレイル
T33型エクストレイルのスペック
プロパイロット搭載車種のラインアップは、その後も拡大を続けています。日産のプロパイロットは、ミニバンの「セレナ」だけでなく、SUVの「エクストレイル」、電気自動車(EV)の「リーフ」「アリア」、コンパクトカーの「ノート」、さらには軽自動車の「デイズ」「ルークス」「サクラ」など、多くの人気車種へ採用されています。特に、軽自動車に自動運転技術を搭載したことは、日産の先進性を示すものとなりました。
プロパイロットは、ファミリー層に人気の高いミニバンやSUVから、軽自動車やEVといった幅広い車種に展開されており、日産の自動運転技術に対する力の入れようがうかがえます。日産は、プロパイロット2.0といったさらに進化したシステムも開発しており、自動運転の未来を牽引しています。
プロパイロットは自動運転レベル2の段階

自動運転の技術は、レベル0からレベル5まで国際的に定義が設定されています。日産が開発した同一車線自動運転技術であるプロパイロットは、加速、減速、操縦の複数の操作をシステムが同時に行う「レベル2」に該当します。このレベル2は、高度な運転支援にあたりますが、ドライバーは常に運転の主体であり、周囲の状況を監視する必要があります。
自動運転のレベルについて
レベル0:ドライバーが加減速・操縦全てを行っている状態
レベル1:加減速・操縦のいずれか1つをシステムが支援する状態。(自動ブレーキなど)
レベル2:加減速・操縦の複数をシステムが同時に行う状態。(プロパイロットなど)
レベル3:加減速・操縦の全てをシステムが行うが、緊急時はドライバーが運転を引き継ぐ状態(条件付き自動運転)
レベル4:特定の条件下で加減速・操縦の全てをシステムが対応し、ドライバーの介入が不要な状態
レベル5:あらゆる条件下で加減速・操縦の全てをシステムが対応し、完全自動運転となる状態
日本政府は、レベル3(加速・減速・操縦の全てをシステムが行い、ドライバーは運転操作の必要がなく待機できる状態)の自動運転について、既に実用化を進めています。特に、プロパイロット2.0のように、一定の条件下でハンズオフ(ハンドルから手を離すこと)を可能にする技術も登場しています。これにより、ドライバーの負担はさらに軽減します。
レベル4の完全自動運転が実現した社会では、将来的に路線バスやタクシーの無人化などが可能になります。スマートフォンなどのデバイスでシステムと連携し、人と話すことなく配車や送迎が行われる未来が訪れる可能性があります。自動運転技術は、交通事故の削減や物流の効率化にも大きく貢献することが期待されています。
日産の技術「プロパイロット」は未来の自動運転に繋がる技術

日産・新型エクストレイルをはじめとする多くの車種に搭載されたプロパイロットは、現在の自動運転レベル2の先進技術です。日産は、このプロパイロットをさらに進化させ、レベル3やレベル4といった高度な自動運転技術へとつなげています。今後も、ドライバーの運転での負担を軽減させる、より進化したプロパイロット搭載車種が続々と発表される可能性が高いです。
また、レベル4の完全自動運転車が普及した未来は、ドライバーが自ら運転することなく目的地へ運んでくれることが当たり前になり、車が自ら自動で駐車スペースへ戻り、スマートフォンなどのデバイスで呼んだら指定の場所へ迎えに来てくれる未来が待っている可能性もあります。これは、自動運転が私たちの生活を大きく変えることを意味します。
他にも、「マニュアル車」という言葉は、トランスミッションがマニュアルの車ではなく、「ドライバー自ら運転出来る車」という意味に置き換わるかもしれません。自分で車を運転したい時は、現在のサーキット場のような専用の場所で行うなど、スポーツタイプの車はいまよりももっと趣味性の高い車になっているかもしれません。雪道や悪天候といった不安定な路面状況に自動運転技術がどこまで対応するか、今後の技術開発に注目が集まっています。





















