新型エクストレイルに搭載されたプロパイロットの秘密
2017年6月8日に販売開始された新型エクストレイルには、自動運転技術の「プロパイロット」が搭載されました。プロパイロットとは、高速道路上で発揮する自動運転技術のことで、加速・減速・操縦を自動的に行ってくれます。
新型エクストレイルに搭載された「プロパイロット」の情報や、自動運転技術が搭載されている車種、自動運転の今後について考察します。
プロパイロットとは日産が開発した自動運転技術のこと
2017年6月8日にマイナーチェンジを行った新型エクストレイルに、同型として初めてのプロパイロットが搭載されました。
高速道路上で、同一車線(同じ車線上)において前走車との距離を保ちながら加速・減速・操縦を行ってくれる技術で、いねむり防止のために一定時間ステアリングから手を離したらプロパイロットの操縦機能がスタンバイ状態に戻る安全装置もついています。
プロパイロットがあれば、特に事故が起こりやすい長距離運転の帰り道でも判断ミスによる事故に遭う確率も減らすことが出来ますし、ドライバーの負担も減らすことが出来ます。
新型エクストレイルでプロパイロットをセットする方法
1.プロパイロットのボタンを1回押す
2.巡行したい速度を設定する
3.もう1度プロパイロットボタンを押して完了
高速道路上で、0~100km/hの速度帯において自動運転してくれる技術は、単調で眠くなる高速道路や自動車専用道路での走行で、ドライバーにとってとても助かる技術です。
また、新型になったエクストレイルは、フロントマスクの変更でより都会的な印象になり、シャークフィンアンテナの採用や、バックドアのセンサーで足をかざして開けられるなど、とても便利に進化しています。
他にも様々なドライバーサポートシステムを実装しています。
- 上から見下ろしたような映像をナビまたはルームミラーに表示してくれる「インテリジェントアラウンドビューモニター」
- 2・3列目のシートに人や荷物が乗っていても後方がクリアに見える「インテリジェントルームミラー」
- 駐車を支援してくれる「インテリジェントパーキングアシスト」
- ハイ・ロービームを自動的に切り替える「ハイビームアシスト」
日産の自動運転技術「プロパイロット」を搭載する車種
プロパイロットの第1弾として登場したのが、2016年8月にフルモデルチェンジしたミニバン「セレナ」です。セレナは、定員8名のワンボックスタイプのミニバンで、家族を乗せて走る車に自動運転技術のプロパイロットが搭載されたことで、話題を呼びました。
プロパイロット搭載車種の第2弾として登場したのが、2017年6月にマイナーチェンジしたSUV「エクストレイル」です。アウトドアに使う車として人気のある秘密は、使い勝手のいい防水シートにあります。2列シート5人乗りのグレードでは、シートの他にもフロアやラゲッジスペースまで防水仕様になっていて、濡れた荷物も気にせず乗せられます。
プロパイロットが搭載された車種は、ミニバン・SUVとファミリー層に人気のある車へ搭載されてきました。セレナに搭載されてからおよそ1年後にエクストレイルに搭載された実績を踏まえ、次に搭載される車種と時期は、新型コンパクトカーのリーフがフルモデルチェンジでプロパイロット第3弾として登場しました。
プロパイロットは自動運転レベル2の段階
自動運転の定義はレベル0~4まで設定されていて、同一車線自動運転技術のプロパイロットは、加速・減速・操縦の複数をシステムが行ってくれる「レベル2」に該当します。
自動運転のレベルについて
レベル0:ドライバーが加減速・操縦全てを行っている状態
レベル1:加減速・操縦の1つをシステムが支援する状態。(自動ブレーキなど)
レベル2:加減速・操縦の複数をシステムが行う状態。(プロパイロットなど)
レベル3:加減速・操縦の全てをシステムが行い、状況によりドライバーが介入する状態
レベル4:加減速・操縦の全てをシステムが対応し、ドライバーの介入が不要な状態
日本政府は、レベル3(加速・減速・操縦を全てシステムが行い、ドライバーは待機している状態)の実現を2020年までに実用化することを目指していて、ハンドルから手を離していても自動運転が継続されるとドライバーにとっても負担はさらに減ります。
レベル4の完全自動運転が実現した社会は、路線バスやタクシーの無人化などが可能で、スマホ1つでシステムと会話し、人と話すことなく配車・送迎をしてくれる未来が訪れる可能性があります。
日産の技術「プロパイロット」は未来の自動運転に繋がる技術
日産・新型エクストレイルに搭載されたプロパイロットは、2017年の段階では自動運転レベル2の技術です。日本では2020年までに、半自動運転のレベル3の実現を目指していて、ドライバーの運転での負担を軽減させる進化したプロパイロット搭載車種が今後、発表される可能性も高いです。
また、レベル4の完全自動運転車が行き渡った未来は、ドライバーが自ら運転することなく行きたい所へ運んでくれ、車が自ら駐車スペースへ戻り、スマホなどのデバイスで呼んだら来てくれることが常識になっている未来が待っている可能性もあります。
他にも、「マニュアル車」という言葉は、トランスミッションがマニュアルの車ではなく、「ドライバー自ら運転出来る車」という意味に置き換わり、自分で車を運転したい時は現在のサーキット場のような場所で行うなど、スポーツタイプの車はいまよりももっと趣味性の高い車になっているかもしれません。雪道など不安定な路面に自動運転技術がどこまで対応するか楽しみです。