日産の歴代SUV人気車種8選
GT-RやフェアレディZ、シルビアなど多くの名車を生み出してきた日産自動車は、SUVの分野でも時代ごとに個性的なモデルを展開してきました。1980年代のRVブームを牽引したテラノやサファリから、コンパクトSUVブームの先駆けとなったジューク、アウトドア需要を一手に担ったエクストレイルまで、日産の歴代SUVを8車種まとめました。なお、本記事で紹介するモデルの中には現在生産・販売終了しているものも含まれます。
ミストラル:1990年代の世界戦略SUV

ミストラルは1993年にスペイン日産が「テラノ2」として生産・販売を開始し、1994年から日本でも販売されたSUVです。1999年2月に日本での販売は終了しましたが、欧州市場では2006年まで「テラノ2」の名称で継続販売されていました。
当時の車種区分では「RV(Recreational Vehicle)」に分類されていましたが、現在の基準で見ればSUVに該当します。全長4,580mmのロングボディに7人乗りを確保し、燃料はディーゼルを採用しています。欧州市場での長寿命は、ディーゼルエンジンの経済性と走破性が現地ユーザーのニーズに合致していたためと見られます。
| 全長 | 4,580mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,755mm |
| 全高 | 1,805mm |
| 総排気量 | 2,663cc |
| 車両重量 | 1,920kg |
| ホイールベース | 2,650mm |
| 乗車定員 | 7名 |
| 使用燃料 | 軽油(ディーゼル) |
| 日本販売期間 | 1994年〜1999年 |
サファリ:ランドクルーザーと並ぶ本格4WDの雄
7代目パトロール
7代目パトロールのインテリア
1980年から2007年まで日本で販売されたサファリは、トヨタ・ランドクルーザーのライバルとして長年競い合ってきた日産の最高級本格4WDです。日本での販売終了後も海外では「パトロール」の名称で販売が続いており、現行型は7代目にあたります。
砂漠や悪路など路面状況が命取りになる地域では、走破性と故障率の低さが車選びの最重要条件になります。そうした過酷な環境でサファリ(パトロール)が長年支持されてきた背景には、シンプルで整備しやすい構造と部品の入手しやすさがあります。メカニック的な視点では、サファリは整備性の高さがランドクルーザーと並んで世界的に評価されてきたモデルとされています。日本市場では生産終了していますが、中東・アフリカ・オーストラリアでは現在も実用4WDの主力モデルとして根強い人気があります。
| 全長 | 5,050mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,940mm |
| 全高 | 1,865mm |
| 総排気量 | 4,758cc |
| 車両重量 | 2,410kg |
| ホイールベース | 2,970mm |
| 乗車定員 | 7名 |
| 燃費 | 5.5km/L |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 日本販売期間 | 1980年〜2007年 |
ムラーノ:日本より海外で愛されたラージクロスオーバー

ムラーノは2002年に北米専売モデルとして登場し、国内からの強い要望を受けて2004年に日本でも発売されたラージサイズクロスオーバーSUVです。最終的には世界170ヵ国以上で販売される日産の世界戦略車へと成長しましたが、日本では2015年2月に生産終了となりました。

海外では2014年にフルモデルチェンジした3代目が登場し、北米市場を中心に継続販売されています。全長4,845mmというサイズ感は日本の都市部では持て余すこともありますが、広大な駐車スペースが確保しやすい北米では逆にちょうどいいサイズ感として受け入れられています。日本より海外での知名度が高いという逆転現象が起きている稀有なモデルです。
| 全長 | 4,845mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,885mm |
| 全高 | 1,730mm |
| 総排気量 | 3,498cc |
| 車両重量 | 1,840kg |
| ホイールベース | 2,825mm |
| 乗車定員 | 5名 |
| 燃費 | 8.7km/L |
| 使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
| 日本販売期間 | 2004年〜2015年 |
テラノ:1980年代のクロスカントリーブームを牽引した先駆者

1986年8月に登場したテラノは、トヨタ・ハイラックスサーフ、三菱・パジェロとともに1980年代のクロスカントリー車ブームを牽引した存在です。本格的な4WD機構と当時としては洗練されたエクステリアで、アウトドア志向のユーザーから圧倒的な支持を集めました。

1996年には上級グレード「レグラス」とスポーティ仕様「スターファイア」を追加してラインナップを拡充。しかし2000年代に入るとトヨタ・プリウスの登場に代表される低燃費志向の高まりにより大排気量SUVへの需要が落ち込み、2002年8月に日本国内での生産が終了しました。海外では「パスファインダー」の名称で販売が継続されています。テラノ時代を知るオーナーからは「維持費の高さは覚悟の上だったが、走りへの満足感は別格だった」という声が今も聞かれます。
| 全長 | 4,670mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,840mm |
| 全高 | 1,730mm |
| 総排気量 | 2,953cc |
| 車両重量 | 1,930kg |
| ホイールベース | 2,700mm |
| 乗車定員 | 5名 |
| 燃費 | 11.2km/L(10・15モード) |
| 使用燃料 | 軽油(ディーゼル) |
| 日本販売期間 | 1986年〜2002年 |
デュアリス:欧州で生まれ欧州で愛されたミドルクロスオーバー

2007年に発売されたデュアリスは、欧州戦略車として開発されたミドルサイズクロスオーバーSUVです。当初はイギリス工場で生産した車両を逆輸入するという異例のスタートでしたが、販売が好調だったことから同年後半には国内生産へ移管しました。

日本市場では「ミドルサイズSUV」という当時まだ珍しいカテゴリに位置し、エクストレイルとは異なる層に訴求しました。しかし2013年のエクストレイルフルモデルチェンジでラインナップが整理され、2017年に日本での販売が終了しています。欧州では後継の「キャシュカイ」がイギリスを中心に高い人気を維持しており、デュアリスの遺伝子は現在も欧州市場で生き続けています。
| 全長 | 4,315mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,780mm |
| 全高 | 1,615mm |
| 総排気量 | 1,997cc |
| 車両重量 | 1,520kg |
| ホイールベース | 2,630mm |
| 乗車定員 | 5名 |
| 燃費 | 11.8km/L(10・15モード) |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 日本販売期間 | 2007年〜2017年 |
スカイライン クロスオーバー:走りを知るドライバーのための高級SUV

2009年に発売されたスカイライン クロスオーバーは、日産が海外で展開するプレミアムブランド「インフィニティ」のEX35を日本仕様に仕立てたモデルです。スカイラインの名を冠するだけあり、3.7L・V6エンジン(最高出力333ps)を搭載した運動性能はSUVの枠を超えるレベルでした。車重1,770kgのSUVで0〜100km/h加速が6秒前後という性能は、当時の国産SUVとしては別格の水準です。

内装はブラックの本革シートを基本に、ドアの内側やインパネまで本革で統一されたエレガントな仕様です。実際に座ってみると、シートのホールド感と素材の質感がセダンのスカイラインとほぼ同等で、SUVであることを忘れるほどの仕上がりです。2016年6月30日に販売終了しており、現在は中古市場でのみ入手可能です。生産終了から年数が経過しており、購入の際はメーカー保証の状況と部品供給の見通しをディーラーで確認することをおすすめします。
| 全長 | 4,635mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,800mm |
| 全高 | 1,600mm |
| 総排気量 | 3,696cc |
| 車両重量 | 1,770kg |
| ホイールベース | 2,800mm |
| 乗車定員 | 5名 |
| 燃費 | 9.0km/L(JC08モード) |
| 使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
| 日本販売期間 | 2009年〜2016年6月 |
ジューク:コンパクトSUVというジャンルを切り拓いた個性派

2010年に登場したジュークは、国内のコンパクトSUVブームの火付け役となったモデルです。オートバイのヘッドライトを思わせる丸目のランプとバルジの立ったボンネットなど、それまでのSUVの常識を覆す個性的なデザインは発売当初から強烈な話題を呼びました。

日本仕様では11種類のボディカラーと30種類のパーソナライゼーションカラーを設定し、内装色はブラックを基本に6色から選択できました。後継の標準グレードに加え、日産のスポーツブランド「NISMO」バージョンや、ドバイ24時間耐久レースでペースカーに起用された高性能モデル「ジュークR」も開発されています。2013年と2014年に2度のマイナーチェンジを実施しましたが、2019年9月に日本市場での販売が終了しました。欧州向けに2代目が登場していますが、日本市場への導入はされていません。
| 全長 | 4,135mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,765mm |
| 全高 | 1,570mm |
| 総排気量 | 1,618cc |
| 車両重量 | 1,390kg |
| ホイールベース | 2,530mm |
| 乗車定員 | 5名 |
| 燃費 | 13.4km/L(JC08モード) |
| 使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
| 日本販売期間 | 2010年〜2019年 |
エクストレイル:アウトドアSUVの代名詞として世代を超えて支持される日産の主力
エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC
エクストレイル AUTECH SPORTS SPECのホイール
エクストレイル AUTECH SPORTS SPECのスペック
2000年に初代が登場したエクストレイルは、防水シートの採用や高い走破性を武器にアウトドア特化型SUVとしてデビューしました。「洗える車」というコンセプトは当時のSUV市場で斬新で、サーフィンや登山など濡れや汚れを伴うアクティビティを楽しむユーザーに刺さりました。現在は2022年7月に発売された4代目が販売中です。
現行の4代目エクストレイルはe-POWER(シリーズハイブリッド)を採用し、WLTCモード燃費は15.0〜17.4km/L(2WD・グレードによる)を達成しています。北米ではローグの名称で販売されており、世界でも通用するグローバルモデルです。プロパイロット(自動運転支援技術)は現行型にも標準またはオプションで設定されており、高速道路での長距離移動でその恩恵を感じるオーナーが多いモデルです。購入を検討する場合は、7人乗りを望むならオーテックスポーツスペックの設定を確認するとよいでしょう。
| 全長 | 4,660mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,840mm |
| 全高 | 1,720mm |
| 総排気量 | 1,497cc(e-POWER) |
| 車両重量 | 1,760kg(2WD) |
| ホイールベース | 2,705mm |
| 乗車定員 | 5名(7人乗り仕様あり) |
| 燃費 | 17.4km/L(WLTCモード、2WD) |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 販売開始 | 2000年(4代目は2022年〜) |
日産SUVの現行ラインナップと選び方

現在、日本市場で購入できる日産のSUVはエクストレイル・キックス・アリアの3車種が中心です。用途別に整理すると、アウトドアや週末のレジャー用途ならe-POWER搭載のエクストレイル、街乗り中心でコンパクトさを求めるならキックス、走行性能と環境性能を両立させたいならEVのアリアという選び方が基本になります。
本記事で紹介したミストラル・サファリ・テラノ・スカイライン クロスオーバー・ジュークはいずれも日本では生産・販売終了しており、現在は中古車市場でのみ入手可能です。中古で購入する場合は、部品供給の状況やディーラーでの整備対応可否を事前に確認することが重要です。特にサファリやテラノのように生産終了から20年以上経過するモデルは、純正部品の入手が困難な場合もあるため注意が必要です。






























