ティアナのモデルチェンジ

ティアナの国内販売終了 海外市場はアルティマの名前で継続

ティアナはフルモデルチェンジせず2020年7月に生産終了。日産の古き良きセダンとして3代にわたり販売されてきたティアナ。これまで実施されたエクステリア・インテリア・安全性能・荷室・その他快適装備などの改良の変遷を解説。

ティアナの国内販売終了 海外市場はアルティマの名前で継続

ティアナは2020年7月で生産終了 期待されていたモデルチェンジの内容

一世風靡した日産のローレル、セフィーロの後継モデルとして誕生したのがティアナです。
日産のFFセダンとしては最大サイズで、中国などのアジア地域、オーストラリアなどのオセアニア地域、そして北米ではアルティマとして販売されているグローバルモデルとなっています。

2015年に北米のアルティマがマイナーチェンジして、その後の2016年7月28日には中国でマイナーチェンジされましたが、日本のティアナはマイナーチェンジされず、2020年7月に生産終了になりました。

次期ティアナと噂されたコンセプトカー「Nissan Vmotion 2.0 Concept」や、2018年3月28日に開幕したニューヨークモーターショーでワールドプレミアされたフルモデルチェンジ後の海外のティアナのエクステリアやインテリアなどを紹介します。

ティアナのエクステリアには日産のデザインアイコンの迫力あるVモーションを採用

新型アルティマ(ティアナ)のフロントグリル 新型アルティマ(ティアナ)の力強いVモーショングリル

新型アルティマ(ティアナ)のサイドビュー 斜め後方から見ると流麗なデザインが強調される

新型アルティマ(ティアナ)のアルミホイール 切削光輝加工のアルミホイール

ニューヨークモーターショー2018でフルモデルチェンジしたティアナ(北米ではアルティマ)はVモーション鋭くなり、ヘッドライトとの一体感が増しました。力強さも強調され、より先進性溢れるスタイリングへと進化しています。フォグランプにも変更が加えられ、シンプルなものとなっています。

2015年に北米仕様のアルティマへ、2016年に中国仕様のティアナへマイナーチェンジをした日産ですが、日本市場ではティアナのマイナーチェンジの噂はいまだありません。
今回のフルモデルチェンジした新型アルティマが次期ティアナとして日本市場へ投入される予定です。ティアナのモデルとなったコンセプトカー「Vmotion 2.0」のエクステリアも併せて紹介します。

  • Vmotion 2.0のサイドビュー
  • Vmotion 2.0のフロントビュー
  • 遠くから見たVmotion 2.0
  • Vmotion 2.0のリヤビュー
  • Vmotion 2.0のトランクライン
  • Vmotion 2.0のホイール
  • Vmotion 2.0のヘッドライト

キレのある鋭いボディラインが印象的で、フロントにデザインされたVモーションのボリュームも増しました。左右に大きく開いたエアインテークもフロントフェイスに迫力を与えます。

次期ティアナとしてはインパクトの強すぎるデザインですが、より大きなVモーションを採用することが示唆されているティアナの参考になるコンセプトカーだと言えます。

インフォテインメント機能が充実した先進性を感じるティアナのインテリア

  • ティアナのフロントシート厚みのある上質なフロントシート
  • ティアナのインフォテインメントシステムティアナはインフォテインメントシステムも充実
  • ティアナのプロパイロットスイッチステアリングホイールにあるプロパイロットのスイッチ
  • ティアナのシート全体像ティアナの内装はドアトリムまでしっかり作り込まれている

フルモデルチェンジしたティアナ(アルティマ)はインパネやドアトリムにラインを追加して質感の向上が図られました

ステアリングスイッチには注目の自動運転技術プロパイロットのスイッチも見えます。もともと上質な空間を持つティアナなので、それ以外の目立った内装の変化は見られません。

Vmotion 2.0のコクピット

「Vmotion 2.0」ではアウディでも採用されている大きなバーチャルコクピットを搭載しています。メーターレイアウトや車両情報、ナビゲーションなどマルチメディアに対応しています。

観音開きのVmotion 2.0

前席と後席のドアは観音開きとなっていて乗り降りしやすい優しい設計となっています。

Vmotion 2.0のフロントシート

室内はセダンとは思えないほど広大で、家族でもゆったり使えて快適なドライブを楽しめるでしょう。

Vmotion 2.0後席のディスプレイ

中央まで伸びたセンタークラスターにはディスプレイが搭載されているので退屈しません。

Vmotion 2.0のBOSEスピーカー

コンサートホールにいるような臨場感を楽しめるBOSEのプレミアムスピーカーも搭載しています。

Vmotion 2.0のステアリングホイール

ステアリングホイールは円形ではなく台形を採用しています。今までも車の概念を覆すような変化となっています。

「Vmotion 2.0」はあくまでコンセプトカーなので、市販されるティアナの参考にはならないかもしれません。2018年にフルモデルチェンジするティアナは「Vmotion 2.0」の内装を市販仕様に落とし込んだため、奇抜さはないものの使い勝手は向上しています。

ティアナはセレナやエクストレイルに採用する自動運転支援技術プロパイロットを搭載

ティアナには自動車専用道路の単一車線自動運転技術プロパイロットが搭載予定となっています。ミニバンのセレナからはじまりSUVのエクストレイル、EVのリーフへと搭載され、フルモデルチェンジでセダンのティアナに装備されることになります。セダンでは新型スカイラインもマイナーチェンジで搭載予定となっています。

フルモデルチェンジが2018年になることから、プロパイロットもバージョンアップする可能性があります。ティアナは日産の世界戦略車だけにいち早く最新のプロパイロットが搭載されることもありそうです

ティアナのフルモデルチェンジに併せて直噴ターボエンジンなどパワートレインを追加する可能性も

現行ティアナのエンジン

現行ティアナのパワートレインは2.5L 直4 DOHC エンジンのみのラインナップですが、フルモデルチェンジしたティアナには2.0L 直4 VCターボエンジンと、新開発の2.5L 直4 DOHC 直噴エンジンの2種類を用意しています

現行ティアナは2,563,920円からスタートするコストパフォーマンスの高い車ですが、2.5Lの直噴モデルと、2.0LのVCターボモデルを展開することで今以上にユーザーへアピールできます。日本へ上陸するときにはどのようなパワートレインがラインナップされるのか、もう少し様子見しましょう。

現行ティアナのパワートレイン・燃費・ボディサイズなどのスペック

展示される現行ティアナ

現行ティアナは1つのパワートレインを4つのグレードで展開しています。ハイブリッドモデルはなく全てガソリンモデルですが、JC08モード燃費は14.4km/Lと優秀な数字となっています。
今回はベースグレードのティアナ XEのスペックを紹介します。

ティアナXEのスペック
200GT-t
全長 4,880mm
全幅 1,830mm
全高 1,470mm
室内長 2,130mm
室内幅 1,515mm
室内高 1,215mm
ホイールベース 2,775mm
車両重量 1,460kg
最低地上高 130mm
最小回転半径 5.5m
総排気量 2.488L
最高出力 127kW(173PS)/6000rpm
最大トルク 234Nm(23.9kgm)/4000rpm
乗車定員 5名
ボディカラー 全6色
JC08モード燃費 14.4km/L
価格 2,563,920円~
ティアナの販売価格一覧
グレード 駆動方式 販売価格
XE 2WD 2,563,920円~
XL 2WD 2,896,560円~
XL ナビAVMパッケージ 2WD 3,213,000円~
XV ナビAVMパッケージ 2WD 3,513,240円~

ティアナの画像4枚

  • 日産ティアナのエクステリア
  • 日産ティアナのフロントマスク
  • 日産ティアナのサイドビュー
  • 日産ティアナのリヤビュー

夜明けを意味するティアナのモデルチェンジ遍歴

ティアナは日産が販売していた高級大型セダンで、世界戦略車として海外でも展開されていました。日本での販売終了後、海外では「アルティマ」の名前で継続販売されています。

ティアナ 初代 J31型/2003年~2008年

2003年2月、ローレルやセフィーロの市場を継承するモデルとしてデビューしました。世界40ヵ国で販売され、海外のメインマーケットは中国でした。10月、オーテックジャパンによる特別仕様車「AXIS」が追加設定されました。
2004年6月、中国向け仕様を発表し、予約を開始。7月にはタイでの販売を開始しました。12月には韓国でティアナをベースとした「ルノーサムスン・SM7」を発表。
2005年1月、「230JK P-コレクション」「250JK FOUR P-コレクション」が追加されました。12月にはマイナーチェンジでフロントを中心としたデザインの変更とインテリアカラーやデザインの設定も変更となりました。
2006年4月、「230JM モダンコレクション」を発売。12月、運転席パワーシートが装備された「230JK P-コレクションⅡ」「250JK FOUR P-コレクションⅡ」が発売されました。
2007年4月、インドでの販売を開始し、7月には「230JK M- Collection クールモダン」「350JM クール門段」を発売。11月、特別仕様車「230JK ナビコレクション「250JK FOUR ナビコレクション」を発売しました。

ティアナ 2代目 J32型/2008年~2014年

2008年6月、2代目ティアナが登場します。グレード体系は「XE」「XL」「XV」の3グレードを用意。12月には仕様向上で安全装備を強化しました。
2009年8月には仕様向上でHDD方式のナビゲーションシステムが向上し、同時にオーテックジャパン扱いの特別仕様車「250XL/250XL FOUR プレミアムセレクション」を発売しました。
2010年7月の一部改良で燃費性能を向上。
2012年6月、マイナーチェンジを実施。12月末に3.5Lモデルが廃止されました。

ティアナ 3代目 L33型/2013年~2020年

2013年3月、3代目ティアナの販売が中国で開始されました。グレード体系は2代目を踏襲しています。 11月、中国市場専売となる「ティアナセドリック」の販売を開始。
2014年2月、日本市場での販売を開始しました。
2015年2月、日本での一部改良でフロントグリルを一部ピアノブラック調に。安全装備強化されました。12月、一部改良で全車にエマージェンシーブレーキと踏み町会衝突防止アシストを標準装備としました。
2016年7月、中国仕様がマイナーチェンジをし、Vモーションを採用してデザインが大幅に代わりました。
2018年12月、中国仕様がフルモデルチェンジし、車名も「アルティマ」に改名。
2020年7月、日本仕様の販売を終了しました。

ティアナのモデルチェンジ遍歴
ティアナのモデル 販売年表
初代 J31型 2003年~2008年
2代目 J32型 2008年~2014年
3代目 L33型 2013年~2020年

日産の上級セダン「ティアナ」は2020年7月に生産終了

ティアナ

ティアナは日本だけでなく世界中で販売されている人気セダンです。日本よりも先に中国や北米でマイナーチェンジされたこともあり、日産の世界戦略車として期待を集めていました。
しかしフルモデルチェンジはせずに2020年7月で生産終了、16年の歴史に幕を下ろしました。