AUDI初の電気自動車「eトロン(e-tron)」のSUVが2018年末に欧州市場で先行発売 スーパーカー「PB 18 e-tron」も世界初公開
アウディは、2018年3月にスイスで開催された「ジュネーブ・モーターショー2018」で、同社にとっては初となる電気自動車であるe-tronのプロトタイプを世界初公開しました。
2018年末に欧州市場で先行発売される新型e-tronは、本格的なスポーツ走行を可能とするラグジュアリータイプのSUVです。
日本でも人気の高いドイツの自動車メーカーであるアウディが、初めて発売する電気自動車「e-tron」のエクステリアやインテリアの特徴や、日本での発売時期や販売価格を予想も交えて解説します。
また2018年アメリカで行われたペブルビーチではeトロンシリーズのスーパーカー「PB 18 e-tron」も世界で初めて公開されています。
アウディが2020年までに3台のeトロンシリーズを投入すると明言している通り。今後の電気自動車業界に革命を起こす可能性があるアウディ「eトロン」の車種を紹介します。
アウディeトロンシリーズのスーパーカー「PB 18 e-tron」が世界初公開
アウディは完全電気自動車をeトロンと名付けシリーズ化しています。2018年に行われたジュネーヴモーターショーではSUVのeトロンを世界初公開して2018年以降に欧州市場で発売する予定になっています。
そして新たなeトロンシリーズとして世界初公開されたのがペブルビーチ2018で世界初公開されたスーパーカーの「PB 18 e-tron」です。
PBはペブルビーチの略称で、18が2018年、そしてアウディのレーシングカー「R18 e-tron クワトロ」の意思を引き継ぐ形で「PB 18 e-tron」と命名されました。
合計3つのモーターを搭載したクワトロシステム(4WD)は最大出力500kW、最大トルク830Nmで0-100km/h加速は脅威の2秒台を達成しています。
0-100km/h加速2秒台は日本車では日産GT-Rの2.7秒、世界一高額な市販車として有名なブガッティが販売するシロンが2.5秒なので、世界で名だたるスーパーカーにも引けを取らないEV車ということがわかります。
全長 | 4,530mm |
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全幅 | 2,000mm |
全高 | 1,150mm |
ホイールベース | 2,700mm |
車両重量 | 1,550mm |
乗車定員 | 1人/2人 |
最高出力 | 500kW(F:150kW/R350kW)/ブースト時570kW |
最大トルク | 830Nm |
0-100km/h加速 | 2秒程度 |
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3台並んで展示されたPB 18 e-tron -
フロントバンパーにはe-tronがデザインされている -
スーパーカーのイメージに近い流線形デザイン -
重なるようなヘッドライトデザインが斬新 -
PB 18 e-tronもアウディのアイデンティティ「シングルフレームグリル」を継承 -
PB 18 e-tronのスタイルはサーキットに良く似合う -
PB 18 e-tronのリヤはブラックアウトされコンビネーションランプが目立つ -
サイドから見るとPB 18 e-tronの低い姿勢がわかる -
PB 18 e-tronのコクピットは未来から来た車のように見える -
PB 18 e-tronのシートはホールド感の良いフルバケット式
ペブルビーチ2018でワールドプレミアされた「PB 18 e-tron」が市販化されるかどうかは明言されていませんが、アウディのeトロンシリーズで重要な役割を持つことは間違いないでしょう。
新型e-tronのSUVのエクステリアは「シングルフレームグリル」が際立つ
e-tronのプロトタイプからは、アウディのフロントグリルの特徴である「シングルフレームグリル」のデザインがより緻密となり、ボディ全体をバランスよく強調できる新次元に達したかのような印象を受けます。ヘッドライトは、ラグジュアリーSUVに相応しい存在感で、力強さと品を兼ね備えます。
同車は、ホイールベースは長く設計し、直進安定性を高めて、居住スペースを広くします。ラグジュアリーさと走行性能を追求するためには、ホイールベースの比率は重要です。
サイドビューからは、シャークアンテンやルーフスポイラーなどのエアロパーツを設置している事を確認できます。
ホイールは、SUVとの相性の良いスポークタイプのデザインを採用します。フェンダーアーチモールの取り付け効果は抜群で、足回りとサイドビューに更なる迫力を与えます。2018年末に発売されるe-tronの市販化モデルでは、エクステリアはさらなる魅力で包まれます。
新型e-tronのインテリアは快適性と実用性を備える
アウディは、プレスリリースで、市販化される電気自動車では、同社が販売するラグジュアリーモデルと同等のスペースと快適性を備えさせ、5人乗車時に沢山の荷物を積載できる設計とすることを宣言します。
プレスリリースの発表内容を実現するため「e-tron」では、ドライバーのスポーツマインドをこれまで以上に刺激するデジタルメーターやインフォテインメントシステムを採用します。
ステアリングホイールや、アクセルペダルといった運転操作に直接関わるパーツでは、スポーツ操作性を追求するだけではなく、ラグジュアリーな装飾を施す室内空間とマッチするデザインを取り入れます。
e-tronクアトロコンセプトでは、様々な情報を表示できるデジタルメーターを装備させ、インフォテインメントシステムのディスプレイ下には、空調などのマルチな機能を調整できるタッチパネルが搭載されます。
アウディ初の電気自動車「e-tron」では、コンセプトカーが提案したそういった快適装備を搭載させて、ユーザーの期待に応えます。
新型e-tronは30分の急速充電でロングドライブに出かけることができる
アウディは、プレスリリースで市販化されるe-tronは、最大150kWの容量での急速充電システムを利用すれば、30分以内の充電で、ロングドライブに出かけることが可能とするEVである事を発表しました。
ジュネーブ・モーターショー2018に出展されたプロトタイプカーである「e-tronクワトロ」のスペック情報を紹介します。
e-tronクワトロは、ボディ前部に1基、後部に2基のモーターを搭載させ、スポーツカーに匹敵する最高速度や加速力を実現します。2018年末に新型e-tronが登場する際には、更なる高スペックの実現が期待されます。
最高出力 | 435ps/503ps(ブーストモード時) |
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最大トルク | 81.6kgm |
駆動方式 | 4WD |
0-100km/h加速 | 4.6秒 |
最高速度 | 210km/h |
バッテリー容量 | 95kwh |
航続距離 | 400km~ |
e-tronのプロトタイプは苛酷な走行実証テストをクリアした
e-tronのプロトタイプは、4つの大陸で課された苛酷な走行実証テストをクリアしました。のべ250台のプロトタイプカーが走行した場所は、極寒のスカンジナビア半島、灼熱のアフリカ大陸、アジアの山岳地帯、中国の大都市の渋滞コース、アメリカのハイウェイです。
走行実証テストでは、プロトタイプカーが-20℃から+50℃の温度範囲においても、e-tronに導入される様々な充電方法が可能であるのか等を検証し、多くの実証データを採取しました。
250台のe-tronプロトタイプが走った合計距離は500万km以上で、その距離は地球125周分にも達します。
新型e-tronの日本での発売は2019年春、販売価格は1,200万円を超えると予想
2018年末に市販化される新型e-tronのドイツ国内での販売価格はおよそ80,000ユーロです。1ユーロ135円で単純計算すれば、1080万円となります。その額に輸送費などの諸費用が加算されます。
2019年春に日本で発売される予定のe-tronの販売価格は、ライバルとなるテスラXの販売価格1,115万円(75D)を上回る金額である1,200万円台と予想します。その理由は、e-tronは、アウディのラグジュアリーモデルと同様の快適性と高級感を電気自動車で実現させるからです。
新型e-tronが登場する2018年以降にEV競争が本格化
2018年末に欧州市場に新型e-tronが登場する、2018年末以降からEV競争は本格化します。
アウディの取締役会会長であるルパート シュタートラー氏は、自社のEV戦略について
- アウディ初の電気自動車は、未来に向けた重要なマイルストーン(画期的な出来事)となる
- 2020年には3タイプの電気自動車を発売する
- 2025年までに、あらゆるセグメントで20モデル以上のEVとプラグインハイブリッドを発売する
と発言をしています。
アウディ以外の各自動車メーカーも、未来の車社会の主役であるEVに積極的です。ドイツは、EVの本格普及を見据えて、2018年までに国内約200ヶ所で、急速充電をサポートする「充電ステーション」を整備します。
2018年4月25日に行われた北京モーターショーでは、EVのラインナップが目立ち、各自動車メーカーは、新型EVを積極的にPRしています。2018年いよいよEV競争が本格化していきます。
その主役となる可能性が高い車がアウディのe-tronシリーズです。