BMW MINI E

MINIクーパーSEが2024年3月1日に日本初上陸 463万円から 初代は日本未導入のまま終了しEV4系統へ拡大

MINIのEVは日本で買えるのか。答えは2024年3月から。クーパーE/SEに続き、6月にエースマンが491万円で登場、2025年2月にはJCW Eが616万円で発売されました。初代クーパーSEが日本に来なかった理由まで解説します。

MINIクーパーSEが2024年3月1日に日本初上陸 463万円から 初代は日本未導入のまま終了しEV4系統へ拡大

MINIクーパーSEの初代は日本未導入 日本での本格導入は2024年の第4世代から

「MINI Cooper SE」「MINI Cooper S E」がフランクフルトモーターショー2019で公開された

BMWはフランクフルトモーターショー2019で、新型EVモデル「MINI Cooper S E」を公開しました。
この個体はドイツ・ミュンヘンにあるBMW本社からフランクフルトモーターショー会場までの400kmの道程を実際に走行しました。会場入りまでのルート途中では、MINI コネクテッドシステムによる提案に従って急速充電ステーションに立ち寄り、35分間の急速充電で80%までバッテリーが回復したとのことです。

英国オックスフォードの工場で2019年11月から生産をスタートし、2020年から北米や中国などで販売されました。ドイツでの販売価格は3万2500ユーロ(日本円で約386万円)です。

MINI Cooper S Eは「MINIエレクトリック・コンセプト」の量産市販モデルで、最高出力135kW(184HP)、最大トルク270Nmの電気モーターを搭載。最高速は150km/h、0-100km/h加速は7.3秒で到達します。
加速・減速の操作はアクセルペダルのみで行うワンペダル仕様となっています。

ここで結論を先に書いておきます。この初代クーパーSE(第3世代MINIベース)は、日本へ正式導入されないまま生産を終えました。日本でMINIの量産EVが買えるようになったのは、2024年3月1日に発売された第4世代の「クーパーE」「クーパーSE」からです。2026年7月時点では、そこへエースマン、カントリーマンEV、ジョン・クーパー・ワークスEを加えたEV展開が続いています。以下、直近の動きから順に整理していきます。

MINI初のEVハイパフォーマンスモデル ジョン・クーパー・ワークスEが2025年2月27日に発売

2025年2月27日、ビー・エム・ダブリューはMINIのハイパフォーマンスモデル「ジョン・クーパー・ワークス(JCW)」に、ブランド史上初となる電気自動車を追加しました。3ドアをベースにした「MINI ジョン・クーパー・ワークス E」と、エースマンをベースにした「MINI ジョン・クーパー・ワークス エースマン E」の2車種です。

価格はJCW Eが616万円、JCW エースマン Eが641万円。同日から販売を開始し、納車は2025年第2四半期以降とされました。「MINIの日」である3月2日が日曜日だったため、発表は2月27日へ前倒しされています。

いずれも電気モーターで前輪を駆動し、最高出力190kW、最大トルク350Nmを発揮します(Eブースト機能を含む値)。ステアリングのパドル操作でEブーストを作動させると、約27psの追加パワーが10秒間供給される仕組みです。バッテリー容量は54.2kWhで、一充電走行距離はJCW Eが421km、JCW エースマン Eが403km。クーパーSEの218ps/330Nmと比べても、明確に一段上の性能が与えられました。

これにより、ガソリンのJCW、JCWコンバーチブル、JCWカントリーマン ALL4と合わせ、JCWのラインアップが完成した形になります。EVでも「ゴーカート・フィーリング」を掲げるあたりが、いかにもMINIらしい割り切りだと感じます。

エースマンはMINI初のEV専用クロスオーバー 2024年4月24日に世界初公開、6月6日に日本発売

かつて2024年に登場すると噂されていたエースマンは、2024年4月24日に北京モーターショーでワールドプレミアされ、日本では同年6月6日に発売されました。SUVタイプの電気自動車(BEV)で、MINIの新世代モデルとしてはカントリーマン、クーパーに続く第3弾にあたります。

ボディサイズは全長4,080mm×全幅1,755mm×全高1,515mm、ホイールベース2,605mm。クーパー3ドア(全長3,875mm)とカントリーマン(全長4,445mm)の間を埋める位置づけで、全高が1,550mmを下回るため多くの機械式駐車場に対応できるのも実用面での強みです。

グレードは2種類。「エースマンE」は最高出力135kW、最大トルク290Nm、バッテリー容量42.5kWh、一充電走行距離310kmで491万円。「エースマンSE」は160kW、330Nm、54.2kWh、406kmで556万円です。0-100km/h加速はそれぞれ7.9秒と7.1秒。後席を倒せばラゲッジは最大1,005Lまで拡張できます。

MINIとして初めてEV専用に開発されたモデルであり、内燃機関版は存在しません。デザインは「カリスマティック・シンプリシティ」と呼ばれる新しい言語で構築され、八角形のフロントグリルや角張ったヘッドライトが採用されました。従来の丸目に慣れた層からは賛否が分かれたものの、コンパクトSUVを求めていた旧クロスオーバーのユーザーにとっては、待望のサイズ感だったと言えます。

MINIの量産EVが日本初上陸 クーパーE・SEが2024年3月1日に463万円から発売

日本におけるMINIの量産EVは、2024年3月1日にようやく登場しました。約10年ぶりのフルモデルチェンジを受けた第4世代のMINIクーパー3ドアに、EVモデルの「クーパーE 3ドア」と「クーパーSE 3ドア」が設定されたのです。

価格はガソリンの「クーパーC 3ドア」が396万円、「クーパーS 3ドア」が465万円、EVの「クーパーE 3ドア」が463万円、「クーパーSE 3ドア」が531万円。納車は2024年第2四半期以降とされました。

クーパーEは最高出力135kW(184PS)、最大トルク290Nm、バッテリー容量40.7kWhで一充電走行距離305km。クーパーSEは160kW(218PS)、330Nm、54.2kWhで402kmとなり、0-100km/h加速はそれぞれ7.3秒と6.7秒です。初代クーパーSEのバッテリーが32.6kWh、航続が234km前後だったことを踏まえると、性能は大きく引き上げられました。
同日にはSUVの「カントリーマンE」「カントリーマンSE ALL4」も発表され、一気に4モデルのEVが揃っています。いずれも外部給電機能を備え、大型の円形有機ELディスプレイが新世代の象徴となりました。

MINI クーパーSEが欧州市場で2020年3月より発売

道路を走る新型MINIクーパーSEMINI クーパーSEのエクステリア

MINI クーパーSEは2020年3月からヨーロッパで発売されました。発売前の段階で全世界の10万人が購入を検討しているとされ、期待値の高い一台でした。

クーパーSEはフロントのボンネットの中に電気モーターを設置し、トランスミッションやパワーエレクトロニクスと一体化することでコンパクトな設計となっています。0~60km/h加速は3.9秒、0~100km/h加速は7.3秒に到達し、最大出力は184hp、最大トルクは27.5kgmを発揮。一度の充電での航続可能距離は270km、急速充電ステーションを利用すれば35分で8割の充電を完了することができます。

ドライブモードは「スポーツモード」「グリーン+モード」など4種類が用意されていて、加速・減速の操作はアクセルペダルひとつで行う仕様。ナビゲーションシステムなどを利用できるMINI コネクテッドサービスも搭載しています。

米国では2019年時点で2万9900ドルから、英国では「MINIエレクトリック」の名で販売されましたが、この初代モデルが日本市場へ導入されることは最後までありませんでした。

MINIのEVモデル「クーパーSE」がロサンゼルスモーターショー2019に出展

2019年11月より開催されたロサンゼルスモーターショーで、MINIハッチバックのEV車「クーパーS E」が出展されました。

MINIクーパーSEはフランクフルトモーターショーにも出展されており、市販型EVを示唆するモデルとして登場。イエローのアクセントカラーを取り入れるなど、EV専用デザインが散りばめられます。冷却機能が不要なため、フロントグリルはクローズされています。

車内には5.5インチのカラースクリーンやデジタルディスプレイを搭載。4つのドライブモードを選択可能で、本格スポーツ走行から航続距離重視のエコ走行まで好みの走り味を選べます。

MINIの新型EV車ミニE(MINI E)のコンセプトモデルから市販車を予想していた頃

2017年9月12日から始まったドイツのフランクフルトモーターショーで、MINIが「エレクトリックコンセプト」を初公開するとBMWグループが発表しました。
MINIが計画する2019年からの市販EV車ラインナップ計画を示すコンセプトモデルとして登場することから、非常に注目されたモデルです。

MINIはこれまで2008年にMINI Eと呼ばれるEV車を発表したことがあり、その時はEV車の課題である航続距離に問題があるなど試験的な車両にとどまりました。
その時のノウハウはBMWの市販EV車であるi3に活かされています。

ここからは、当時エレクトリックコンセプトが「MINI E」として市販された場合の仕様をどう予想していたか、そしてその答え合わせを紹介します。

MINIの新型EVがいよいよ正式発表 2019年発売開始の可能性が濃厚とされた

ミニ初の量産電気自動車「ミニ・クーパーSE」「ミニ・エレクトリック」として発売された

かねてより発売が噂されていたミニ初の量産電気自動車を独BMWが正式に公開しました。車名は「ミニ・クーパーSE」、英国では「ミニ・エレクトリック」として発売されています。

「ミニ・クーパーSE」は32.6kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、1回の充電での航続可能距離は235km~270km。リチウムイオンバッテリーは、新プラットフォームにより上手く格納され、室内空間やラゲッジスペースは、ほぼ従来のミニと同サイズです。

ドライブトレインはBMW「i3 S」から流用し、電気モーターは最高出力184ps、最大トルク270Nmを発生させます。0-60km/h加速3.9秒、0-100km/h加速7.3秒と、走りの良さも期待できる電気自動車となりました。

2019年9月のフランクフルト・モーターショーで詳細が明かされ、2019年秋に生産を開始。本格的な納車は2020年からとなりました。北米・中国への配車が優先され、イギリスでの販売は2020年3月以降。日本への導入は、この世代では実現していません。

ライバル車としては、2019年5月に欧州予約を開始した「ホンダe(アーバンEV)」が挙げられていました。なお、そのホンダeは日本では2020年に発売されたものの、販売が伸びず2024年に生産を終えています。コンパクトEVの難しさを象徴する結末でした。

エレクトリックコンセプトが市販EV車のMINI Eになると見られていた

2008年に登場したMINI E2008年に誕生したMINI E

MINIが公開したエレクトリックコンセプト

エレクトリックコンセプトのバンパー

エレクトリックコンセプトの全体像2017年8月30日にBMWから公開されたエレクトリックコンセプト

フランクフルトモーターショー2017に先駆けて発表されたエレクトリックコンセプトの画像には、2008年のMINI Eで採用されたグリーンとグレーの配色パターンが採用されています。
この画像から、開発が順調に進めば、このエレクトリックコンセプトが次期市販EV車になることが読み取れました。

ベース車両はMINI3DOOR

エレクトリックコンセプトのリアビュー

2017年8月30日にBMWから公開された画像を見ると、3ドアのMINIをベースにしているのが分かります。
2008年に発表されたMINI EもMINI3DOORをモデルにしており、市販版も3ドアをベースにするという読みは、実際にその通りとなりました。市販名がMINI EではなくクーパーSEになった点だけが、当時の予想と異なる部分です。

ボディサイズは変わらず重量は増える

2017年3月に発売したMINIのPHEV(充電できるハイブリッド車)はベース車両となったMINI CROSSOVERと比較すると120kg重くなっています。これはEV車の弱点である航続距離を伸ばすために必要なバッテリーを大量に積んでいるためです。
そのため市販されるEVも、ベース車両と同じボディサイズでも重量は重くなると考えられました。実際にクーパーSEは、ガソリンのクーパーSに対して車両重量が増えています。

MINI Eの発売は2019年~2020年と予想したが、市販名はクーパーSEだった

街にとまるエレクトリックコンセプト

MINIのEV市販車は2019年~2020年に登場すると予想していました。この時期の読みは当たっています。

当時、欧州を中心にガソリン車、ディーゼル車を廃止する動きが出ていました。
フランスが2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止すると発表し、その後イギリスが追従。スウェーデンに本拠地を置くボルボは2019年以降の新モデルをEV車のみにすると発表していました。
自動車大国であるドイツのBMWも2019年のラインナップにMINIの市販EV車を投入すると発表しています。

ただし、そのMINIの市販EVは「MINI E」ではなく「クーパーSE」(英国名:MINIエレクトリック)として世に出ました。車名の予想は外れたことになります。
なおボルボの「2019年以降はEVのみ」という宣言も、実際にはマイルドハイブリッドを含む電動車を指すものでした。MINI自体も2030年代初頭までにフルEVブランドへ移行する計画を掲げていましたが、EV市場の伸び悩みを受け、オックスフォード工場でのEV生産再導入時期は現在も再検討が続いています。この頃に語られた「EV一色の未来」は、想定より緩やかな歩みになっているのが実情です。

航続距離はEV車でトップレベルを目指すとされた

エレクトリックコンセプトのヘッドライト

当時、世界で最も売れていた日産のリーフ、予約段階でそれを上回ったと言われたテスラのモデル3、MINIを傘下に収めるBMWのi3を比較していました。
以下は2017年時点の数値であり、現在の各車とは大きく異なる点にご留意ください。

2017年時点の主要EV比較
日産 リーフ テスラ モデル3 BMW i3
全長 4,445mm 4,676mm 4,010mm
全幅 1,770mm 1,885mm 1,775mm
全高 1,550mm 1,435mm 1,550mm
ホイールベース 2,700mm 2,870mm 2,570mm
航続距離 280km 345km 390km
乗車人数 5名 5名 4名
価格 3,197,880円~ 約385万 5,090,000円~

結果として、初代クーパーSEの航続距離は270km前後にとどまり、当時のライバルを上回るには至りませんでした。
一方、第4世代のクーパーSEは54.2kWhのバッテリーで402km、JCW Eは421kmを確保しています。バッテリーが大型化したことで、少なくとも街乗り中心の使い方では不足を感じにくい水準になりました。

MINI Eの販売価格は300~400万円台と予想したが、日本では463万円からとなった

エレクトリックコンセプトのテールランプ

MINIのPHEV車であるMINI COOPER SEクロスオーバー ALL4の販売価格は4,790,000円~、ディーゼルモデルが4,930,000円~となり、PHEVモデルのほうが14万円安く販売されていました。

これを踏まえ、MINI EのベースとなるMINI3DOORのディーゼルモデルが3,760,000円~だったことから、販売価格は300~400万円台と予想していました。

また、EV車市場でライバルとなるリーフやモデル3の販売価格も300万円台に抑えられていたため、MINIもこの辺りに合わせてくると考えていました

実際には、日本で最初に導入されたクーパーE 3ドアが463万円、クーパーSE 3ドアが531万円という設定です。バッテリーの大容量化や安全装備の高度化、円安の進行もあり、予想を上回る価格帯となりました。ただしCEV補助金や自治体の助成を組み合わせれば、実質的な負担はもう少し抑えられます。

MINIのEVは2026年もラインアップを拡大中

MINI E

2019年から2020年にかけて、テスラ、BMW、ボルボなどがEV市場へ本格参入しました。100年に1度と言われる自動車革命の中で、日本でも熱狂的なファンを持つMINIのEVは大きな注目を集めています。

2026年7月時点で、日本で買えるMINIのEVはクーパーE/SE、エースマンE/SE、カントリーマンE/SE ALL4、そしてジョン・クーパー・ワークスE/エースマンEという構成です。新世代MINIは2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤーとRJCカー オブ ザ イヤーで輸入車部門の最優秀モデルをダブル受賞しており、電動化と「らしさ」の両立は一定の評価を得たと言えるでしょう。
一方で、BMWグループはオックスフォード工場へのEV生産再導入時期を検討中としており、2030年代初頭のフルEVブランド化という青写真は、当初のスケジュール通りには進んでいません。エンジンとモーターが併存する時間は、当時の予測より長くなりそうです。