LF-30 Electrifiedは市販化されないまま役割を終え、旗艦BEV構想はLS ConceptとLFAコンセプトへ
レクサスが東京モーターショー2019で世界初公開したコンセプトEV「LF-30 Electrified」は、市販化されないまま、電動化ビジョン「Lexus Electrified」を示すショーカーとしての役割を終えました。購入できる車両として設定されたことは一度もなく、掲げた技術と旗艦像は、後に登場したコンセプトモデルと市販バッテリーEV(BEV)へ形を変えて引き継がれています。
LF-30が示した「2030年のレクサス」という時間軸は、すでに折り返しを過ぎました。ここでは、その構想がどこへ向かい、レクサスのBEVが現在どこまで来ているのかを、新しい動きから順に整理します。
LF-ZCの量産開発が中止となり、レクサスのBEVはSUVへ軸足を移す
LF-30の系譜を継ぐ次世代BEVとして最も期待されていたのが、後述する「LF-ZC」の市販型でした。しかし2026年5月29日、この量産モデルの開発中止が明らかになりました。トヨタの中嶋裕樹副社長は、開発を中止した事実を認めたうえで、後続車があったからこそ責任を持って中止したと説明しています。愛知県の田原工場での生産を前提に、当初は2026年末の量産開始、その後2027年半ばへと延期されていた計画が、量産投資の実行前に取り下げられた形です。
ただし、車両としてのLF-ZCが消えても、そこで開発されたギガキャスト、次世代電池(全固体電池を含む)、ソフトウェア基盤「Arene」といった要素技術の開発は継続されます。すでにArene由来の技術は新型RAV4にソフトウェア開発基盤として採用されており、LF-ZCのために磨かれた技術は、姿を変えながら他のモデルへ展開されていく見込みです。
その受け皿として現実に動き出しているのがSUVです。2026年5月7日、レクサスはブランド初の3列シートBEV SUV「TZ」を世界初公開しました。トヨタテクニカルセンター下山で披露されたTZは、開発コンセプトに「Driving Lounge」を掲げ、BEV専用に開発したプラットフォームで全長5.1m級のボディに広大な室内を確保しています。リヤゲートには「TZ450e AWD」の表記が確認され、上位に「TZ550e」が用意される構成とみられます。生産はトヨタ自動車九州が担当し、日本での発売は2026年冬頃を予定しています。
セダンでも電動化は進みました。2026年6月11日に発売された8代目「ES」は、HEVとBEVを併せ持つレクサスの次世代電動車ラインアップの先陣を切るモデルです。BEVはFWDの「ES350e」がシステム最高出力165kW(224PS)・WLTCモード航続距離670km、AWDの「ES500e」が252kW(342PS)・航続636kmで、0-100km/h加速は5.5秒。150kWの急速充電なら10〜80%を約28分でこなします。価格は790万円から920万円です。ボディサイズは全長5,140mm×全幅1,920mm×全高1,555〜1,560mm、ホイールベース2,950mmと、従来型から一回り大きくなりました。
スポーツ領域では、後述する「Lexus LFA Concept」が2026年7月9日開幕のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2026で一般初公開されました。事前告知ではスーパーカー・パドックでの静的展示のみとされていましたが、実際にはヒルクライムのスタートラインに並び、同車にとって初のデモ走行が実施されています。
| モデル | 発売 | 現在の状況 |
|---|---|---|
| UX300e | 2020年10月 | 2025年11月に生産終了 |
| RZ | 2023年3月 | 2025年12月にビッグマイナーチェンジ、790万円〜950万円で販売中 |
| ES(ES350e/ES500e) | 2026年6月11日 | HEVと併売、790万円〜920万円 |
| TZ(TZ450e/TZ550e) | 2026年冬頃予定 | 2026年5月7日に世界初公開、日本導入待ち |
フラッグシップ像はLS Conceptへ、LF-30が示したステアバイワイヤはRZで市販化
LF-30が担っていた「レクサスの旗艦はどうあるべきか」という問いは、2025年に大きく作り替えられました。2025年10月29日に開幕したジャパンモビリティショー2025で、レクサスは「LS Concept」を世界初公開。セダンという形そのものを見直し、空間の最大化を狙って前2輪・後4輪の6輪構成としたプレミアム3列シートモデルで、LSの名を冠しながらミニバンに近いパッケージを採る大胆な提案です。同時に「LS Coupé Concept」、3輪のパーソナルモビリティ「LS Micro Concept」も公開され、この3台がレクサスの新しいフラッグシップ群として位置づけられました。ブランドメッセージには「DISCOVER -誰の真似もしない-」が掲げられています。
同じ会場では、2025年8月のモントレー・カー・ウィークで外観のみ披露されていた「Sport Concept」のインテリアも初公開されました。ドライバー席を囲うコクピット、レーシングカーを思わせるステアリング、本格バケットシートを備えた構成です。この流れは2025年12月5日、「Lexus LFA Concept」の世界初公開へ結実します。GRの「GR GT」「GR GT3」と同時に発表されたBEVスポーツカーのコンセプトで、軽量高剛性のオールアルミ骨格、低重心、徹底した空力を柱に、テーマとして「Discover Immersion」を掲げました。初代LFAの精神を電動化時代に置き換える存在で、2026年5月22日からは「INTERSECT BY LEXUS TOKYO」でも展示されています。
市販車側でも大きな節目がありました。2025年12月24日、RZがビッグマイナーチェンジを受けて発売されています。BEVシステムを全面刷新してモーター出力・航続距離・充電時間を改善し、四輪駆動力システム「DIRECT4」の特性も見直されました。注目は、LF-30が2019年に提案したステアバイワイヤシステムが、RZ550e“F SPORT”でついに市販化されたことです。ラインアップはRZ350e/RZ500e/RZ550eを軸に構成され、価格は790万円から950万円。翌2026年3月2日には特別仕様車「RZ600e“F SPORT Performance”」(1,216万5,000円〜1,244万円)が加わり、空力パーツと大型ブレーキで運動性能をさらに引き上げています。
一方で、レクサス初の市販BEVだったUX300eは2025年11月をもって生産を終了しました。同時期にISの大半のグレードとRCも整理されており、ラインアップ再編の一環と位置づけられます。ハイブリッドのUX300hは販売が続いています。
LF-ZC・LF-ZLが登場し、LF-30のフラッグシップ構想を引き継ぐ
2023年10月25日、ジャパンモビリティショー2023でレクサスは「LF-ZC」と「LF-ZL」を世界初公開しました。LF-ZCは2026年導入予定とアナウンスされた次世代BEVのコンセプトで、全長4,750mm×全幅1,880mm×全高1,390mm、ホイールベース2,890mm。CLTCモードで航続1,000km、Cd値0.2以下という目標を掲げ、車体をフロント・センター・リヤの3分割とする新モジュール構造「ギガキャスト」と、ソフトウェアプラットフォーム「Arene OS」の採用が示されました。
そしてLF-30のフラッグシップとしての役回りを直接引き継いだのが「LF-ZL」です。全長約5,300mm×全幅約2,020mm×全高約1,700mm、ホイールベース約3,350mmという、当時のLSを上回る堂々たる寸法。フロントはスイングドア、リヤはスライドドアを組み合わせたピラーレス構造で、シグネチャーマテリアルには高知県産のバンブー(竹)を採用しました。LF-30のガルウィングドアと同様、BEVならではの構造自由度を空間価値に振り向ける発想です。
市販側では、2023年3月30日にRZ450eが日本発売されました。価格は880万円、特別仕様車「First Edition」が940万円で、グレードは当初モノグレードの“version L”のみ。同年11月にはFWDの「RZ300e」が追加されています。同じ2023年3月30日にはUX300eもマイナーチェンジし、電池容量を54.4kWhから72.8kWhへ増強、最大航続距離は367kmから512kmへと約40%伸びました。
ただし計画は順風ではありませんでした。2024年11月下旬、LF-ZCをベースとする次世代BEVの投入時期を、当初の2026年から2027年半ばへ延期する方針が明らかになっています。世界的なEV需要の伸び悩みに加え、車載OSを含むソフトウェア開発の進捗も背景にあるとみられ、この延期が最終的に前述の開発中止へつながりました。
| LF-30 Electrified | LF-Z Electrified | LF-ZC | LF-ZL | |
|---|---|---|---|---|
| 公開 | 2019年10月 | 2021年3月 | 2023年10月 | 2023年10月 |
| 全長 | 5,090mm | 4,880mm | 4,750mm | 約5,300mm |
| 全幅 | 1,995mm | 1,960mm | 1,880mm | 約2,020mm |
| 全高 | 1,600mm | 1,600mm | 1,390mm | 約1,700mm |
| ホイールベース | 3,200mm | 2,950mm | 2,890mm | 約3,350mm |
| バッテリー容量 | 110kWh | 90kWh | 非公表 | 非公表 |
| 航続距離 | 500km[WLTP] | 600km | 1,000km[CLTC]目標 | 非公表 |
| 最大出力/最大トルク | 400kW/700Nm | 400kW/700Nm | 非公表 | 非公表 |
LF-Z Electrifiedが登場し、LF-30の技術が量産モデルへ降りてくる
2021年3月30日、レクサスは「LEXUS CONCEPT REVEAL SHOW」でEVコンセプト「LF-Z Electrified」を世界初公開しました。全長4,880mm×全幅1,960mm×全高1,600mm、ホイールベース2,950mm、車両重量2,100kg。90kWhのリチウムイオン電池で航続600km、最高出力400kW(544ps)/最大トルク700Nm、0-100km/h加速3.0秒というスペックで、LF-30より一回り小さく、300kg軽く、航続は100km長いという関係にあります。LF-30が掲げた四輪駆動力制御とステアバイワイヤは、ここで「DIRECT4」という具体的な名前を与えられました。2025年までに実現を見据えたモデルという位置づけで、LF-30の遠い未来像を一段手前に引き寄せた存在です。
同じ2021年、レクサス初のPHEVとなる「NX450h+」が2代目NXとともに登場しました。2021年6月に公開され、同年秋から日本で販売開始。価格は714万円から738万円、総電力量18.1kWhの電池を積み、EV走行距離は約87〜90kmを確保しています。
年末には方針そのものが更新されます。2021年12月14日のバッテリーEV戦略に関する説明会で、レクサスは2030年までに全カテゴリーでBEVのフルラインナップを実現し、欧州・北米・中国でBEV100%、グローバル販売100万台を目指すと表明。さらに2035年にはグローバルでBEV100%を掲げました。LF-30発表時点の「2025年に全車種へ電動車を設定する」という目標から、一気に踏み込んだ内容です。
そして2022年4月20日、レクサス初のBEV専用モデル「RZ」が世界初公開されました。トヨタbZ4X/スバル ソルテラと同じe-TNGAをベースに、DIRECT4を搭載。LF-Zで提示された骨格が、初めて量産車の形をとった瞬間です。
UX300eの発売でLexus Electrifiedが動き出す
LF-30公開の約1か月後、2019年11月22日に開幕した広州モーターショーで、レクサス初の市販BEV「UX300e」が世界初公開されました。コンパクトクロスオーバーUXをベースにしたモデルで、GA-Cプラットフォームのフロントに最高出力150kW(203PS)/最大トルク300Nmのモーターを搭載します。
日本発売は2020年10月22日。2020年度分は135台の限定販売で、レクサス公式サイト上での抽選による商談申込という異例の売り方が採られました。価格は“version C”が580万円、“version L”が635万円。54.4kWhの電池を床下に配置し、WLTCモード航続距離は367km、急速充電はCHAdeMOで最大50kWまでの対応でした。当時のレクサス店は全国199店舗で、店舗数を下回る台数を争う狭き門となっています。
東京モーターショー2019で公開されたLF-30 Electrifiedのエクステリア・インテリア・基本スペック
レクサスは2019年10月23日、第46回東京モーターショー2019(会期10月24日〜11月4日)のプレスブリーフィングで、電動化ビジョン「Lexus Electrified」を体現したコンセプトEV「LF-30 Electrified」を世界初公開しました。LF-30 Electrifiedは、ガルウィングドアを備えた未来的なエクステリアに、スタイリッシュなインテリアを組み合わせた電動車です。車名の「30」は2030年を指し、10年以上先のレクサス像を提示する狙いがありました。
LF-30 Electrifiedのフロントマスクが先進的だ
未来的なデザインとスペックを備えるLF-30 Electrifiedのエクステリアやインテリア、搭載された自動運転技術などについて詳しく掘り下げていきます。
LF-30 Electrifiedのエクステリアはガルウィングドアを採用した先進的なデザイン
LF-30 Electrifiedのエクステリア
LF-30 Electrifiedは近未来さを感じさせる
レクサスLF-30 Electrifiedの足回り
ボンネットレスのボディ全体にスピンドル形状を組み合わせ、アグレッシブなエクステリアデザインとしたLF-30 Electrifiedは、空力性能にも配慮した機能美を表現しています。翼形状となったライトも特徴的です。スピンドルグリルを面ではなくボディ全体の骨格として扱う考え方は、のちに市販車のRXやRZが採用する「スピンドルボディ」へつながっていきました。
ボディサイズは全長5,090mm×全幅1,995mm×全高1,600mm、ホイールベースは3,200mmです。バッテリー容量は110kWh、航続可能距離は500kmに到達。0-100km/h加速は3.8秒、最高速度は200km/hとなります。
LF-30 Electrifiedのサイドビュー
レクサスLF-30 Electrifiedはガルウィングドアを採用した自由度の高い造形としています。ボディカラーは青緑の金属皮膜を採用した専用色「Voltaic Sky」。周囲の目をひく独特な輝きを放ちます。
| 全長 | 5,090mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,995mm |
| 全高 | 1,600mm |
| ホイールベース | 3,200mm |
| 重量 | 2,400kg |
| 航続距離[WLTP] | 500km |
| バッテリー容量 | 110kWh |
| 充電電力 | 150kW |
| 0-100km加速 | 3.8秒 |
| 最大速度 | 200km/h |
| 最大出力/最大トルク | 400kW/700Nm |
いずれもコンセプトモデルとしての公表値で、型式認証を伴う実測値ではありません。それでも110kWhという電池容量は、2020年に発売されたUX300eの54.4kWhの2倍を超える規模で、当時としては相当に野心的な設定でした。
LF-30 Electrifiedのインテリアは「TAZUNA(手綱)コンセプト」を取り入れ人馬一体の乗り心地を実現
レクサスLF-30 Electrifiedのコックピット
レクサスLF-30 Electrifiedのリアシート
「TAZUNA(手綱)コンセプト」を掲げ、レクサス独自の世界観を表現したLF-30 Electrifiedのコックピット。独立したシートを備え、それぞれの席に居住性を確保しました。シャフトやエンジンルームがないため、ゆとりある車内空間の実現に成功しています。
フロアやステアリングホイールには焼杉を採用し、日本らしい落ち着きのある意匠に。さらにレクサスが特注した最高品質のアルカンターラを運転席や天井、ステアリングに用いています。リサイクル金属をドアトリムに採用するなど、再生素材を取り入れることで環境への配慮にもこだわりました。素材で日本らしさを表現する手法は、2023年のLF-ZLが高知県産バンブーをシグネチャーマテリアルに選んだこと、2026年発売の新型ESが「バンブーレイヤリング(面発光)」を採用したことへと引き継がれています。
ヘッドアップディスプレイはステアリングスイッチと連携しており、運転への集中を妨げることなくオーディオやナビゲーションシステムへのアクセスを可能としています。航空機のファーストクラスにインスパイアされたLF-30 Electrifiedの助手席には、ジェスチャーコントロール機能対応のディスプレイを設置し、多彩な情報が得られるようになっています。
LF-30 Electrifiedの天井に搭載されるグラスルーフ
後部座席にはリラクゼーション・リクライニング・アラートといった多彩な機能を設定。アルカンターラ特注の素材を使用したシートは人工筋技術を応用し、乗員の体型にしっかりフィットする構造となっています。ディスプレイウインドウ「スカイゲート」を搭載したグラスルーフは、ジェスチャーや音声による操作でナビゲーションや星空の映像を映すことができます。
LF-30 Electrifiedのサウンド空間は、ハイエンドカーサウンドシステムのパイオニアであるマークレビンソンが設計。ヘッドレスト内蔵のスピーカーはノイズキャンセリング機能つきで、車内の静粛性を大幅に高めています。
LF-30 ElectrifiedはLexus Advanced Posture Controlなどの先進技術を投入
LF-30 Electrifiedに搭載されるLexus Advanced Posture Control
レクサスLF-30 Electrifiedには、どんな路面状況でも安定した走りを実現する車両運動制御技術「Lexus Advanced Posture Control」が採用されました。四輪それぞれの駆動力を細かく制御するという考え方は、2021年のLF-Z Electrifiedで「DIRECT4」として名前を与えられ、2022年公開のRZと同年発売のRXで量産化されています。
ステアリングとタイヤの機械的結合を廃したステアバイワイヤも、LF-30が示した要素のひとつです。この技術は2025年12月のRZビッグマイナーチェンジで「RZ550e“F SPORT”」に搭載され、市販車として実現しました。異形ステアリングホイールと組み合わせた「ワンモーショングリップ」により、持ち替えを伴わない操舵が可能になっています。
また、LF-30 Electrifiedは「ショーファー(自動運転)」と「ガーディアン(高度安全運転支援)」を備える運転支援機能を搭載。家の駐車場から玄関までの自動運転迎車機能、自動駐車機能も想定され、ハイレベルな利便性が提案されました。
車両搭載のAIシステムでは、個人端末「コントロールキー」や音声認識によってオーディオや室温などの調整、ナビゲーションシステムの操作ができるとされました。
専用アシスタント「Lexus Airporter」はドローン技術を応用したもので、玄関と車両のあいだで荷物を自動運搬するという構想です。こうしたショーカーならではの提案は、市販車の装備として採用されることはありませんでした。
LF-30 Electrifiedの充電方法にはワイヤレス充電技術を採用。電力の配分や充電制御といったエネルギーマネジメントを行うAIも搭載し、毎日の充電作業をより簡単なものに進化させるとしていました。
LF-30 Electrifiedが示した未来と、レクサスBEVが到達した現在

東京モーターショー2019で登場したLF-30 Electrifiedは、レクサスがBEVブランドへ舵を切る出発点に置かれた一台でした。車両運動制御技術「Lexus Advanced Posture Control」やステアバイワイヤ、自動運転技術を投入し、それらの先進性を映した未来的なエクステリア・インテリアを与えられています。
その後の6年余りで、レクサスの電動化は具体的な商品として姿を現しました。ブランド初のBEVとなったUX300eは2020年10月に日本発売され、2025年11月に生産を終えています。初のPHEVはNX450h+として2021年秋に登場。BEV専用モデルのRZは2023年3月に880万円で発売され、2025年12月のビッグマイナーチェンジでステアバイワイヤを手に入れました。2026年には新型ESがBEVのES350e/ES500eを揃え、3列シートBEV SUVのTZが冬の発売を控えています。
一方で、LF-30が体現した「10年先の旗艦」というテーマは一直線には進みませんでした。役割を継いだLF-ZLは市販化時期が示されないままで、次世代BEVの本命だったLF-ZCは量産開発が中止されています。レクサスの旗艦像は、6輪のLS ConceptとBEVスポーツのLFA Conceptという2本立てへと組み替えられました。2035年にグローバルでBEV100%という目標そのものは維持されていますが、市場環境を見ながら投入順序を入れ替える柔軟な運び方に変わってきています。
LF-30 Electrifiedが購入できる車両になることはありませんでした。それでも、ガルウィングドアが示した構造の自由度、素材で日本らしさを語る手法、四輪駆動力制御とステアバイワイヤという二つの走りの技術は、いずれも現在のレクサスに残っています。ショーカーとしての務めは、十分に果たしたと言ってよいでしょう。





























