インスパイアのモデルチェンジ

インスパイアは中国専売で継続 現行7代目は2023年登場・1.5TとPHEV設定 日本導入は見送り

インスパイアは日本で復活する? 現行は中国専売の7代目(2023年〜)で、価格は18.28万元から。日本にはベースのアコードがあるため導入予定はありません。初代アコードインスパイアから中国専売化までの歴史と、現在の販売状況をまとめました。

インスパイアは中国専売で継続 現行7代目は2023年登場・1.5TとPHEV設定 日本導入は見送り

インスパイアは中国専売セダンとして展開 北京モーターショー2018でコンセプトを公開

インスパイアは、ホンダがかつて日本で販売していたミドルクラスセダンで、日本国内では2012年まで展開していました。その後、車名は中国市場で復活し、2018年の北京モーターショーで新型インスパイアのコンセプトモデルが公開されました。

市販モデルは2018年に中国の東風ホンダから発売され、ベースは広汽ホンダが扱う10代目アコードです。中国では、アコードを広汽ホンダが、その姉妹車であるインスパイアを東風ホンダが販売する「二本立て」の体制がとられています。ここでは、コンセプト公開時のエクステリアやベースとなった10代目アコードのスペックを振り返りつつ、その後の展開と現在の状況までを整理します。

インスパイアは中国専売セダンとして継続 現行は2023年登場の7代目(2026年時点)

北京モーターショー2018でコンセプトが披露されたインスパイアは、まもなく市販化され、2018年に東風ホンダから6代目として発売されました。当時の見立てどおり日本へは導入されず、中国専売モデルとしての歩みが続いています。

6代目は2021年11月に中期改良(フェイスリフト)を受け、Honda CONNECTやHonda SENSINGを刷新。中国名「英仕派(インシーパイ)」も2021年10月に正式決定しました。そして2023年7月には、11代目アコードをベースとする7代目へと切り替わり、1.5Lターボに加えてプラグインハイブリッド(PHEV)も設定されています。

2024年12月には年次改良版となる「2025年モデル」が登場し、ガソリン版の価格は18.28万〜21.38万元(日本円でおよそ380万〜440万円前後)です。ボディサイズは全長4,979mm・全幅1,862mm・全高1,449mm・ホイールベース2,830mmと、ベースのアコードに準じた堂々たる中型セダンに仕上がっています。月販はおおむね4,000台前後で、中国のガソリンBセグメントセダンとしては健闘している部類です。ただし、中国市場の急速なEVシフトのなかで、ホンダも「e:N」「燁(Ye)」といった電動ブランドへ軸足を移しており、ガソリンセダンを取り巻く環境は年々厳しくなっているという見方もあります。

なお2025年8月には、インスパイアを含む一部車種(ガソリン版・PHEV版、2022〜2024年製)でリコールが届け出されています。日本市場については、ベースのアコードがハイブリッドを含めて販売されていることもあり、インスパイアが導入される見込みは立っていません。

ベース車両は10代目アコード 中国の東風ホンダ向けに開発された6代目

インスパイア コンセプトのエクステリア中国専売として登場した6代目インスパイア ハイブリッドも設定

北京モーターショー2018で公開されたインスパイア コンセプトは、広汽ホンダが扱う10代目アコードをベースとした車両でした。

ベースとなるアコードは2018年4月に広汽ホンダから発売されたばかりで、1.5Lと2.0Lのエンジンを搭載し、トランスミッションには10速AT、スポーツグレードには6速MTも用意されていました。ハイブリッドモデルもあり、電動化が進む中国市場に向いた構成でした。

インスパイア コンセプトのヘッドライト「インスパイア」の車名は約6年ぶりに復活。ただし日本には導入されなかった

ホワイトのボディにブラックルーフ、サイドシルにはブラックの加飾が施され、洗練された印象です。フォグランプ周りには逆L字型のメッキパーツを備え、ホイールもコンケイブの効いたフィンタイプ。ヘッドライトはLEDで、ウインカーは上部に細く配置されスタイリッシュにまとめられていました。

6代目インスパイアは2018年後半に中国で発売された

インスパイア コンセプトのフロントビューコンセプトを経て、6代目インスパイアは2018年に中国で販売開始

インスパイア コンセプトの市販モデルは、予告どおり2018年後半に東風ホンダから発売され、6代目インスパイアが誕生しました。10代目アコードをベースとしているため、ボディサイズは全長4,893mm・全幅1,862mm・全高1,449mmとアコードに近い数値でした。

6代目インスパイア(10代目アコードベース)のボディサイズ
全長 4,893mm
全幅 1,862mm
全高 1,449mm
ホイールベース 2,830mm

パワートレインは、電動車の需要が高まる中国市場に合わせ、当初の見立てどおり2.0LのLFA型直4ハイブリッドが用意されました(ガソリンの1.5Lターボもラインナップ)。ハイブリッドの燃費は日本基準(JC08モード換算)でおよそ31.6km/L相当とされていました。

6代目インスパイア ハイブリッドのエンジンスペック
型式 LFA型
種類 直列4気筒 i-VTEC
排気量 1,993cc
エンジン最高出力 107kW/6,200rpm
エンジン最大トルク 175Nm/4,000rpm
モーター最高出力 135kW/5,000~6,000rpm
モーター最大トルク 315Nm/0~2,000rpm
燃費(参考) 31.6km/L

ひらめきや感動を意味するインスピレーションが由来 インスパイアのモデルチェンジ遍歴

インスパイアはホンダが展開してきた高級セダンで、日本では5代目まで販売されました。6代目・7代目は中国専売となっています。

インスパイア初代 CB5/CC2/3型(1989年~1995年)

1989年10月、「アコードインスパイア」が発売されました。グレードは「AZ-i」「AG-i」「AX-i」の3種類です。
1991年9月、特別仕様車「リミテッド」を発売。
1992年1月、ボディサイズを拡大した3ナンバーモデルとして、2.5Lの「CC2」と2.0Lの「CC3」を追加。4月には特別仕様車「スペシャルエディション」を発売。1993年2月に「F-ステージ」、1994年1月に「グランドステージ」を設定。
1995年4月、販売を終了しました。

インスパイア 2代目 UA1/2/3型(1995年~1998年)

1995年2月、フルモデルチェンジで2代目に。アメリカではアキュラから「アキュラ・TL」として販売されました。同年7月、上質な質感の「32V」を追加。
1996年11月、一部変更でエアバッグやABSを全車標準装備とし、安全装備を充実。
1997年10月、特別仕様車「リミテッド」を設定。
1998年10月、3代目と入れ替わりで販売を終了しました。

インスパイア 3代目 UA4/5型(1998年~2003年)

1998年10月、フルモデルチェンジで3代目に。パーソナルカーとしての色合いを強め、サッシュ式ドアの4ドアセダンとなりました。
2001年のマイナーチェンジではエンジンとトランスミッションが変更されました。
2003年6月、4代目と入れ替わりで販売を終了しています。

インスパイア 4代目 UC1型(2003年~2007年)

2003年6月、フルモデルチェンジで4代目に。姉妹車のセイバーと統合されました。グレードは「30TE」「30TL」「アバンツァーレ」の3種類。
2005年5月、特別仕様車「30TEリミテッド」を設定。11月にはマイナーチェンジでフロントグリルとリヤを大きく変更。
2007年12月、5代目と入れ替わりで販売を終了しました。

インスパイア 5代目 CP3型(2007年~2012年)

2007年12月、ボディサイズを拡大して5代目に。グレードは「35TL」「35iL」の2種類です。
2009年8月、一部改良で静粛性を向上。
2010年8月、マイナーチェンジでフロント周りやアルミホイールを刷新し、インテリアにも変更を加えました。
2012年10月、販売を終了。日本での23年の歴史に幕を下ろし、その役割は9代目アコードへと引き継がれました。

インスパイア 6代目(2018年~2023年)

2018年、中国で販売を開始。「インスパイア」として6年ぶりに復活し、1.5Lターボと2.0Lハイブリッド(i-MMD)を設定しました。2021年11月には中期改良を実施し、Honda CONNECTやHonda SENSINGを刷新しています。

インスパイア 7代目(2023年~)

2023年7月、11代目アコードをベースとする7代目へ移行。1.5Lターボガソリンに加え、プラグインハイブリッド(PHEV)を設定しました。2024年12月には年次改良の「2025年モデル」を発売し、ガソリン版は18.28万〜21.38万元で展開されています。

インスパイアのモデルチェンジ遍歴
インスパイアのモデル 販売遍歴
初代 CB5/CC2/3型 1989年~1995年
2代目 UA1/2/3型 1995年~1998年
3代目 UA4/5型 1998年~2003年
4代目 UC1型 2003年~2007年
5代目 CP3型 2007年~2012年
6代目(中国専売) 2018年~2023年
7代目(中国専売) 2023年~

インスパイアの日本導入は実現せず 中国専売セダンとして展開が続く

インスパイア

2018年に登場したインスパイアは、中国で販売される10代目アコードをベースに、ハイブリッドを含むパワートレインとシャープなエクステリアをまとった中型セダンでした。中国国内向けに開発されたモデルだけに、当時から日本導入の可能性は低いとみられていましたが、実際にその後も日本へは導入されていません。

日本ではベースとなるアコード(ハイブリッドを含む)が引き続き用意されていることもあり、インスパイアが日本で復活する場面は訪れませんでした。中国では現在も、広汽ホンダがアコードを、東風ホンダがインスパイアを扱う姉妹車体制が続いています。現行の7代目はガソリンとPHEVを設定し、中型セダンとして一定の支持を保っていますが、中国市場全体が急速に電動化へ傾くなかで、今後の展開が注目されます。