ポリッシャーの使い方 ~ 初心者でも使いやすいと評判の「サンダポリッシャー RSE‑1250」でボディ・ヘッドライト・ガラスを磨く
初心者でも使いやすいと評判のRYOBI(リョービ)の「サンダポリッシャー RSE-1250」を使い、車のボディ・ヘッドライト・ガラスを磨きました。
ポリッシャーを使いこなせるようになると、車磨きだけでなくDIYの幅も広がります。ディスク状のバフを取り付け、数千回の往復運動や回転運動を行う電動工具を使用すれば、車の洗車傷を目立たなくし、ワックスがけ後のボディをより美しく仕上げることが可能です。
ポリッシャーの使用をためらう理由のひとつは、本体の選択だけでなく、どのバフやコンパウンドを選べばよいのかが分かりにくい点にあるようです。
このコラムでは、ポリッシャー使用に対する不安を解消するため、使い方のコツだけでなく、初心者に分かりにくいバフやコンパウンドの選び方のポイントも紹介します。
RYOBI(リョービ)「サンダポリッシャー RSE‑1250」は初心者でも安心して使えるダブルアクションタイプ
「サンダポリッシャー RSE-1250」は初心者も扱いやすい小型電動ポリッシャー
数あるポリッシャーの中から、初心者でも安心して使えると評判のRYOBI「サンダポリッシャー RSE-1250」を選び、実際に使用しました。
このセクションでは、「サンダポリッシャー RSE-1250」が属するダブルアクションタイプの特徴や、商品のスペック情報も紹介します。
初心者向き「ダブルアクション」と研磨力重視「シングルアクション」など、ポリッシャーのタイプ別特徴
ポリッシャーは作動部の運動の違いによって、「ダブルアクション」「シングルアクション」「ギヤアクション」の3タイプに分類されます。今回使用した「サンダポリッシャー RSE-1250」はダブルアクションタイプです。ここでは、ダブルアクションだけでなく、シングルアクションやギヤアクションの特徴も紹介します。
シングルアクション・ダブルアクション・ギアアクションの動きの違い
回転運動と偏心運動で磨く「ダブルアクション」は研磨力を抑えて傷を付きにくくする初心者向きポリッシャー
最終仕上げやワックスがけに便利な「ダブルアクション」は、回転運動に軸をランダムに移動させる偏心運動を組み合わせています。このランダムな動きにより、車のボディなどを磨く際のムラ(オーロラマーク)や研磨傷が付きにくくなっています。
研磨力を抑えて磨き傷やバフ目を防ぐ「ダブルアクション」は、塗装を削りすぎるリスクが低く、初心者でも扱いやすいポリッシャーです。
シンプルな円運動で研磨力を高める「シングルアクション」はバフ目やオーロラマークが付きやすい上級者向けポリッシャー
塗装後の肌調整や荒い擦り傷を目立たなくする際に便利な「シングルアクション」タイプは、単一回転の円運動によって研磨力を最大限に引き上げます。
研磨力が最も高く、扱いが難しいこのタイプは、使用後にバフ目やオーロラマークが付きやすく、うっかり削りすぎると塗装下の素材(下地)を露出させてしまう恐れがあるため、経験と知識が必要な上級者向けのポリッシャーです。
円運動に変則的な動きを加えて研磨する「ギヤアクション」は頑固な水垢や浅い洗車傷の除去に便利
「ギヤアクション」は、回転運動に加えて強制的に偏心運動を行うことで、単調な円運動に変則的な動きを加えて研磨します。中間仕上げや頑固な水垢汚れの除去に便利です。
シングルアクションとダブルアクションの中間の研磨力を持つ「ギヤアクション」は、業務用でもよく利用され、円運動に変則的な動きを加えることでバフ目やオーロラマークが付きにくく、研磨熱の発生も抑えられます。
ポリッシャーデビューに最適な「サンダポリッシャー RSE-1250」のスペック
ポリッシャーの使い方を紹介するにあたり、実際に使用した「サンダポリッシャー RSE-1250」は、ダブルアクション・軽量・マジックテープ付き・二重絶縁構造で作業時の安全性が高いなどの特徴があり、初心者でも安心して使える商品です。
この商品は、回転運動と偏心運動を組み合わせて研磨ムラを防ぐほか、「回転数調整ダイヤル」を備えるなど、細かい作業も行いやすい設計になっています。
取扱説明書のP5にはスペック情報などが記載
| RSE‐1250 | |
| 無負荷回転数(min‐1) | 6,000~12,000 |
|---|---|
| 取付ペーパーサイズ(mm) | 外径125(マジック貼付タイプ・穴あき) |
| パッド寸法(mm) | 外径123 |
| 電源(V) | 単相100 |
| 電流(A) | 3.3 |
| 消費電力(W) | 300 |
| 質量(kg) | 1.5 |
| コード(m) | 2 |
バフの選び方 ~ ポリッシャー初心者は目の細かい「スポンジバフ」で経験を積む
ポリッシャーを使う際は、磨く対象物や用途に応じてバフを取り付けます。バフのサイズは機種ごとに異なるため、社外品を使用する場合はメーカー公表のスペックで事前に確認することが重要です。
ポリッシャー初心者にはクッション性の高い厚みのあるバフがおすすめ
バフの外径は小さいものでは80mm、大きいものでは240mmまであります。取付ペーパーサイズが125mmの「サンダポリッシャー RSE-1250」には、直径125mm程度のバフを装着するのが理想的です。
バフの厚さは20mm~50mmで、厚みがある方がクッション性に優れています。そのため、ポリッシャー操作に慣れていない場合は、厚めのタイプを使用すると安心です。
バフは素材によって「ウールバフ」と「スポンジ(ウレタン)バフ」の2タイプに分かれる
バフには様々なサイズや厚さの製品がありますが、素材により「ウールバフ」と「スポンジ(ウレタン)バフ」に大別されます。このセクションでは、バフ選びに役立つ各タイプの特徴を紹介します。
ウールバフは主に洗車傷を目立たなくする荒磨きに使用
ウールバフは羊毛素材で研磨力が高く、洗車傷の均一化や、固着化したイオンデポジットの除去・肌調整に適しています。ウールバフにはハードタイプとソフトタイプがあり、ハードタイプの方が研磨力が強いです。シングルアクションポリッシャーに取り付ければ、深い傷も目立たなくすることが可能です。
ただし、研磨力が非常に高いため、ポリッシャー初心者がウールバフを使うと、塗装面を深く削りすぎて再塗装が必要になるリスクがあるため注意が必要です。
柔らかなウレタン素材の「スポンジバフ」は仕上げ磨きやワックス塗布に最適
スポンジバフは柔らかなウレタン素材で作られており、浅い洗車傷を目立たなくしたり、水垢除去や塗装面の艶出し、仕上げ磨き、ワックス塗布などに使用されます。
スポンジバフは目の細かさに応じて「中目」「細目」「極細目」「超微粒子目(艶出し)」などに分類されます(メーカーによって表記は異なる場合があります)。
ポリッシャー初心者には、磨き傷が付きにくい目の細かいスポンジバフを装着し、操作に慣れていく方法がおすすめです。
| 利用シーン | |
|---|---|
| 中目 | 浅い傷の除去、頑固な水垢の除去、初期研磨(ハードタイプウールバフ後の研磨) |
| 細目 | 固着化している汚れの除去、中間研磨(中目コンパウンド後の研磨) |
| 極細目 | 中間研磨、淡色車の仕上げ、バフ目消し(極細目コンパウンドとの組み合わせ) |
| 超微粒子目(艶出し) | 仕上げ磨き、超鏡面仕上げ、ワックスの塗り込み作業 |
| 濃色車用超微粒子目 | 特に黒系など濃色車ボディカラーの最終仕上げ磨き |
コンパウンド種類別特徴・理想的なバフとの組み合わせパターン
ポリッシャーを使って対象物を磨いていく際には、研磨剤が配合されているコンパウンドも利用します。液状あるいはペースト状の研磨剤を配合するコンパウンドは、粒子の大きさによって「粗目」「細目」「極細」「超微粒子(艶出し)」といった4タイプに分類されることが一般的です。
| 種類(粒度の目安) | 特徴・バフとの組み合わせ方 |
|---|---|
| 粗目(P1000番程度) | 粒子が最も大きく研磨力が強いです。目立つ大きな傷や深い洗車傷の補修、塗装肌の調整に用います。組み合わせるバフはハードタイプのウールバフが適しています。 |
| 細目(P2000番程度) | ウォータースポットや塗装シミの除去、洗車傷の補修(荒磨き)、肌調整に利用します。組み合わせるバフはソフトタイプのウールバフか、目の粗いスポンジバフ(中目・細目)が理想的です。 |
| 極細(P3000番~P4000番程度) | 浅い洗車傷の研磨・水垢の除去・肌調整、細目で付いたバフ目消しに用います。組み合わせるバフはスポンジバフの細目〜極細目が適しています。 |
| 超微粒子(P6000番以上・艶出し) | 艶出し・最終仕上げ磨きの際に用います。濃色車に対して仕上げ磨きを行う際には専用タイプの商品が適しています。組み合わせるバフはスポンジバフの超微粒子目です。 |
※メーカーによっては異なる呼称や番手で表記されています。
コンパウンドは武蔵ホルト株式会社が製造販売する「リキッドコンパウンド・ミニセット」を使った
「リキッドコンパウンド・ミニセット」には細目・極細・超極細の3本がセット
今回サンダポリッシャー RSE-1250に組み合わせたコンパウンドは、武蔵ホルト株式会社が製造販売を行う「リキッドコンパウンド・ミニセット」です。同商品には、容量80mlの細目・極細・超極細サイズのコンパウンドが3本セットされています。
商品裏面には使用方法や各コンパウンドの性能などが記載
| 細目(初期研磨用) | 粒子サイズ:7ミクロン 色調:ベージュ 成分:研磨剤、石油系溶剤、界面活性剤 |
|---|---|
| 極細(中間研磨用) | 粒子サイズ:1ミクロン 色調:ホワイト 成分:研磨剤、石油系溶剤、界面活性剤 |
| 超極細(最終仕上げ用) | 粒子サイズ:0.2ミクロン 色調:ホワイト 成分:研磨剤、石油系溶剤、界面活性剤 |
ポリッシャーの使い方~ ヘッドライトカバー・ガラス・ボディを「サンダポリッシャー RSE-1250」で研磨
リョービの「サンダポリッシャー RSE‐1250」を使って、ヘッドライトカバー・ガラス・ボディを磨きました。各部位をどのように磨いていったのかを解説していきます。
ポリッシャーを使ってヘッドライトカバーを磨いてみた
黄ばんだり、小石などと接触して傷が付きやすい「ヘッドライトカバー」をポリッシャーで磨いて綺麗にしていきます。ポリッシャーでいきなり磨いてしまうと、磨き傷が付きやすくなってしまうため、事前に泥・砂汚れを落とすなどの下地処理が必要となります。
ポリッシャーを使用する前に必要な下地処理の流れ
- 泥・砂汚れを洗車して落とします
- 鉄粉除去スプレー・粘土を使ってボディに付着している鉄粉を除去します
- ポリッシャーを当てたくない箇所をマスキングテープで養生します
- 必要に応じて#1000~#1500番程度の耐水ペーパーで水研ぎし、コンパウンドをかけます

洗車で砂や泥汚れを落とし、鉄粉除去スプレーで鉄粉を除去する下地作業が完了したので、ヘッドライトカバーの境界部にマスキングテープを貼って養生しました。
ヘッドライトカバーの立体形状に合わせてマスキングテープを貼る作業は、フロントグリルなど周辺部分を傷つけないよう慎重に行いました。

今回のヘッドライトカバーは黄ばんでいませんでしたが、小石などとの接触でできたと思われる擦り傷があったため、用意したコンパウンドスポンジ(手磨き用)で軽く磨きました。
バフの側面に油性マジックで「細目」などと書いておくと便利
「サンダポリッシャー RSE‐1250」にウールバフを取り付けます。ウールバフは研磨力が高いですが、ヘッドライトカバーはボディの塗装面と比べて頑丈な素材(ポリカーボネートなど)でできているため、比較的安心して使用できます。
バフを装着した状態のポリッシャーを置く際は、砂などが付着しないように注意
ウールバフを取り付ける際は、収納BOXの蓋などを利用してバフ面に砂などが付着しないように注意するとスムーズに作業できます。

「サンダポリッシャー RSE‐1250」でヘッドライトカバーを磨きます。ポリッシャーに慣れていない場合は、両手でしっかり固定することが磨き方のコツです。
その他の磨き方のコツも順次紹介します。
ポリッシャーの使い方と磨き方のコツ
- 磨く場所あるいはバフにコンパウンドを塗布します
- 傷が目立つ場所から順にブロック毎に分けて、縦方向・横方向の順に磨いていきます
- コンパウンドの種類を変える時には、ボディに残っているカスを拭き取ってバフも交換します
- 水平面を磨く際にはポリッシャーの自重を利用し、軽く押し当てます
- 垂直面を磨く際には傾け過ぎず、パネルと接触する面積が最大化するような角度を意識します
- 平面を一つの区切りとして磨くように心がけ、段差のある場所は一気に磨こうとはしません
- 10cm移動させるのに1秒くらいの時間をかけ、ゆっくりと動かしていきます

ポリッシャーを使ってヘッドライトカバーの傷を目立たなくする作業が終わったので、マスキングテープを剥がします。剥がす際には爪などで周辺領域を傷つけてしまわぬよう注意しました。

最後に、ヘッドライトカバーの表面に付着しているコンパウンドや削りカスをマイクロファイバークロスで拭き取りました。
ポリッシャーで車のガラスを磨く
車のガラスは水垢やウォータースポットなど、洗車だけでは落ちにくい汚れが付きやすいです。こうしたガラスのウロコや油膜除去には、ポリッシャーが効果的です。

ガラス面はヘッドライトカバーと同様にボディより頑丈な素材でできているため、比較的高い回転数で磨くことが可能です。

ガラス面はヘッドライトカバーよりも面積が広く単調なデザインのため、磨きやすかったです。
ポリッシャーで磨いた後のガラスは光沢感が増し、反射しやすくなっている
「サンダポリッシャー RSE‐1250」で磨いた後のガラスは、光沢感が増して反射しやすくなっています。撮影時には、自分が映り込まないよう注意しました。
ポリッシャーで車のボディを磨く
「サンダポリッシャー RSE‐1250」を使い、ボディのゆず肌や洗車傷を目立たなくしていきます。ボディの塗装面はガラスよりデリケートなため、ウールバフとスポンジバフを使い分け、コンパウンドも種類ごとに変えて慎重に研磨します。

ポリッシャーを使う前に、気になる傷はコンパウンドスポンジ(手磨き用)で磨きました。


ウールバフには粒子サイズ7ミクロンの細目コンパウンドを組み合わせます。商品裏面には「細目→極細→超極細」と記載されていますが、初心者がいきなりウールバフで細目コンパウンドを使用すると、磨き傷を付けたり素地を露出させる恐れがあります。
そのため、初心者にはスポンジバフと極細コンパウンドを組み合わせ、時間をかけて慎重に洗車傷を目立たなくする方法をおすすめします。


ウールバフに数滴の細目コンパウンドを付け、判子のようにボディへ押し当ててコンパウンドを塗布しました。

ボディ研磨中はかがむ姿勢になることが多いため、踏み台に座るなどして作業しました。

ポリッシャーを連続使用すると高速回転で磨いた箇所が熱を持ち、コンパウンドが焼き付くことがあります。これを防ぐため、タイミングを見て霧吹きで水をかけました。

ウールバフと細目コンパウンドを組み合わせて研磨作業を数回繰り返しました。
結果、洗車傷は目立たなくなりましたが、バフ目(磨き跡)が残りました。次にスポンジバフと極細コンパウンドで磨きます。

極細コンパウンドに切り替える際にバフも交換します。次はウールバフより研磨力が弱いスポンジバフを使用します。

スポンジバフには粒子サイズ1ミクロンの極細コンパウンドを使用します。

極細コンパウンドを数滴スポンジバフに付け、ボディに塗り広げました。


極細コンパウンドとスポンジバフで研磨を数回繰り返した結果、細目コンパウンド使用時に付いたバフ目は目立たなくなり、光沢感もアップしました。

最終仕上げとして、0.2ミクロンの研磨剤が配合された超微粒子(最終仕上げ)コンパウンドをスポンジバフに組み合わせます。
コンパウンドの種類を変えるタイミングでバフも交換します。

スポンジバフに超微粒子コンパウンドを数滴付け、判子のようにボディへ塗布しました。

プレスラインなど塗装が薄い部分は、一度電源を切り、一呼吸置いてポリッシャーの角度を微調整して慎重に研磨しました。

超微粒子コンパウンドとスポンジバフで数回研磨した後、ボディに付着したコンパウンドや削りカスをクロスで拭き取りました。
下からのアングルではゆず肌が確認できる
横からのアングルではゆず肌がほぼ分からず、艶も出ていることを確認
超微粒子コンパウンドとスポンジバフで研磨した結果、角度によってはわずかにゆず肌が見えるものの、横からの視点ではほぼ分からない状態に仕上がり、艶も出ました。
ポリッシャーを使えばマイカーを新車のように美しくできる
ポリッシャーを車磨きに使ってみたいという憧れはあっても、「使い方が難しそう」「磨いている途中で傷を付けてしまいそう」と考えて躊躇している方は多くいらっしゃいます。ポリッシャーには様々なタイプがあり、バフやコンパウンドの種類も多いため、初めて使う際には迷うことが少なくありません。
万人にとって最適な選択肢とは限りませんが、ポリッシャーデビューを考えている方には、軽量で回転数調整が可能なダブルアクションタイプの「サンダポリッシャー RSE‐1250」をおすすめします。
このポリッシャーに目の細かなスポンジバフを装着して練習すれば、手作業よりも短時間で効率よく仕上げることができ、マイカーの艶や光沢を新車のように美しくすることが可能です。



























