融雪剤の車への影響と対策

融雪剤は車へ塩害の原因にもなる!洗車などでの融雪剤対策まとめ

融雪剤は道路の雪を融かすので走りやすくなるが、塩分を含んだ水溜まりや融けかけた雪が発生。塩分が鉄に付着し続けるとサビを発生させるので車の寿命を縮めるが、アンダーコートを施工する、冬の間も下回りだけでも洗車をするなどの対策をとることでサビが発生しにくくなる。

融雪剤は車へ塩害の原因にもなる!洗車などでの融雪剤対策まとめ

融雪剤の車への影響は?愛車にできる対策まとめ

雪国を走る車の悩みごとといえば融雪剤によるサビ。融雪剤は、雪国では「塩カル」「塩ナト」「塩カリ」などとも呼ばれ、道路の雪をとかしてくれる身近で欠かせない存在です。
しかし、融雪剤が撒かれた道を走ったあと対策をせずに春を迎えると、下回りや見えるボディ部分に錆びが発生しやすくなります。

どうすれば融雪剤による車の錆びを防ぐことができるのでしょうか?道路に融雪剤を撒いている理由や融雪剤の成分、融雪剤による車のサビを防ぐ方法などを紹介します。

融雪剤を使うと道路の雪が融けやすくなるが塩分を含む水が発生

雪を運ぶ大型トラック

融雪剤の成分は「塩化カルシウム」や「塩化ナトリウム」で、積もっている雪が塩分を含むことで融けやすくなります。雪が融けてコンクリートが見えている道路は走りやすいものですが、その周りには塩分を含んだ融けかけている雪や水たまりが出来ています。

その水たまりなどの上を車が通ると、タイヤが塩水を跳ね上げボディ下部に塩分が付着します。さらに、前方を走る車が巻きあげた塩水を浴びると、ボディ前方にも塩分が付着。その塩分が鉄の部分に付着した状態が続くとサビが発生し、ボディ全体に進行してしまいます。

融雪剤によるサビ発生のメカニズム

1.融雪剤により雪が融ける
2.塩分を含んだ雪解け水が道路に溜まる
3.水たまりの上を通ることでボディ下部に塩分が付着する
4.前方の車が巻きあげた水を浴びることで前方にも塩分が付着
5.塩分の停滞によりサビが進行していく

特に水が溜まりやすい場所はリアタイヤハウスにある爪の裏側。そこからサビが発生するパターンもあります。

車のフェンダー部分のサビリアタイヤハウス付近に発生したサビ

融雪剤が原因の車のサビ発生を下回り洗車や塩害ガードで防ぐ方法

融雪剤と車

融雪剤による塩分を含んだ水が原因で発生するサビを防ぐにはどうすればいいのでしょうか?冬の間にできる対処法や、冬が来る前にできる対策を紹介します。

こまめに下回りを中心に洗車して融雪剤の塩分を落とす

洗車で融雪剤を洗い落とすドライバー

融雪剤による車のサビを防ぐには、冬でも下回りを中心にしっかりと洗車をすることが大切です。せっかく洗ってキレイにしても走行するとすぐに車は汚れますが、融雪剤の塩分を落とすことができます。冬の洗車は汚れを落とすことは二の次で、融雪剤の塩分を落とすことが目的と考えるといいです。

「冬の間は一切洗わず融雪剤の塩分を付着させたまま春を迎える車」と「冬の間でもこまめに洗って定期的に塩分を落としている車」とではサビの発生率がまったく違います。

冬場に洗車する理由

  • 融雪剤の塩分を落とすため
  • 汚れを落とすのは二の次

融雪剤の塩分はボディや下回りに錆びを発生させる原因になるので、月に1~2回程度コイン洗車場の水だけでもいいので、下回りを中心に洗っておくといいでしょう。ガソリンスタンドに設置されている洗車機でも「下部洗浄」のオプションをつけると自動で洗ってくれるので寒い冬でも楽です。

融雪剤によって融けた塩分を含んだ雪解け水は、春になって雨や清掃車が洗い流してくれるまでずっと道路に残っているので、春になっても油断せず月に1~2回、できれば週に1回洗車を行うことでサビの発生率を抑えることができます。

塩害ガード(アンダーコート)を塗布してサビの発生を抑える

アンダーコートが塗られた下回り

鉄の部分がむき出しであることが多い下回りに「アンダーコート」「塩害ガード」などと呼ばれている塗装をしておくことで、サビが発生する確率を低くすることができます。1回かけておけば絶対に錆びないというわけではなく、発生する確率を下げてくれるので、洗車と併用して行うとより効果が高まります。

ぶつけた・擦った傷はむき出しのままではサビやすいので必ず直す

塗装が剥がれた車

ぶつけた・擦ったところは、ボディカラーなどの塗装が剥がれて鉄の部分がむき出しになっていることが多く、むき出しになっている鉄板は塗装のガードが無い分サビやすくなっているので、塩害ガードや洗車をいくら頑張っても錆びが発生することもあります。

ボディなどの鉄板部分をぶつけた・擦った時は「このくらいなら大丈夫」と思わず、直しておくことで融雪剤による錆びが発生しにくくなります。

塩害対策が施されているアルミホイールに履き替える

融雪剤の影響をもっとも受けやすい足回り。特にホイールはその影響を避けられず、単にホイール表面が腐食するだけでなく、センターハブ部分のサビに繋がる可能性もあります。

融雪剤がよく撒かれるような地域にお住まいの場合、冬場はスタッドレスタイヤを履かせるのが基本でしょう。スタッドレス用のホイールは、塩害対策塗装が施された社外アルミがおすすめです。

メーカー自らが1000時間超の塩水噴射試験を行っているものは、耐久性にも期待が持てます。デザインは好きな物で構いませんが、水抜きを意識した設計のものだとより安心です。

融雪剤でのサビ発生は日頃洗車していれば起こりにくい

融雪剤まみれのSUV大量の融雪剤を浴びたあとの車

冬の期間は洗車してキレイにしてもすぐに汚れるので、洗車しても意味がないと思いがちですが、汚れを落とすだけではなく、融雪剤の塩分を落とす効果もあります。月に1、2回洗車を行っている車と、冬の間まったく洗車をしない車とではサビの発生率が違います。

サビが1度でも発生するとそこからどんどんと広がっていくので、サビによって廃車にする寿命が短くなります。愛車を少しでも長く乗るためには、冬が来る前に塩害ガード(アンダーコート)を施工しておく、月に1回以上下回りを中心に洗車するなど冬でも手をかけてあげることで車は長持ちしやすくなります。

特に高速道路は融雪剤を大量に撒いていることが多く通ったあとは、融雪剤の巻き上げなどにより真っ白に汚れます。このまま放っておくと塩分によってボディコーティングが弱ったり、サビが発生することがあるので、すぐに洗車するようにしましょう。

降雪地帯ではなくとも、スキーやスノーボードなどで雪山に行ったあとは融雪剤を撒いている道を走っていることも多いので、洗車してあげるとサビが発生する確率も低くなります。