ワイパーのビビリとは

ワイパービビリの原因と対策!異音がするときの直し方

ワイパービビリの原因は、ゴムが古くなって硬くなっている、汚れや油膜に引っ掛かりバタついている、撥水コートと相性の悪い標準ゴムを使っていることが挙げられる。ブレードやゴムを新品に交換、油膜取り、撥水コートに対応したワイパーゴムに替え快適な視界を手に入れる。

ワイパービビリの原因と対策!異音がするときの直し方

ワイパーのビビリ音が発生する原因と適切な対策

雨の日やウォッシャー液を使用した際、ワイパーを作動させると「ガガガ」という引っ掛かるような異音(ビビリ音)が発生することがあります。ワイパーが水分をスムーズに拭き取れず、視界不良を引き起こすと、特に雨天時の夜間運転では前方が見えにくく不安を感じる原因となります。

ビビリ音は運転への集中を妨げ、視界不良は事故にも繋がりかねません。そこで、ワイパーから異音が出る「ビビリ」の具体的な原因と、その対策方法をご紹介します。

ワイパーがビビる主な原因を特定する

ワイパーがスムーズに動かず「ガガガ」と音が出る現象は、主に以下の4つの要因に分けられます。ご自身の車でビビリが発生している原因を特定し、適切な対策を見つけましょう。

1.ワイパーゴムの劣化または硬化

ゴムが劣化しているワイパー

ワイパーブレードに取り付けられているゴムは、紫外線や熱、オゾンなどの影響により時間とともに劣化し、徐々に弾力性を失って固くなります。新品のゴムはフロントガラスの曲面に沿ってしなやかに動き、スムーズに水滴を拭き取りますが、固くなったゴムはガラス面への摩擦抵抗が増え、引っ掛かりやすくなり、ビビリ音の原因となります。

ワイパーゴムは消耗品であり、一般的に1年を目安に定期的な交換が推奨されています

2.フロントガラスの油膜や汚れの付着

油膜がついているフロントガラス

フロントガラスに油膜やその他の汚れが付着している状態では、ワイパーゴムとガラス面の間に異物が挟まっているのと同じ状態となり、摩擦が増加します。これによりワイパーがスムーズに反転・滑走できず、ビビリ音が発生します。

油膜の主な原因は、排気ガスに含まれる油分や、ボディワックス・コーティング剤の成分、古いウォッシャー液などです。

油膜が付着しているか確認する方法

  • 雨天時や夜間に、対向車のライトの光がギラギラと乱反射して見える。
  • 洗車してガラスの水分を拭き取った時に、水滴の跡が「ギラギラ」とした虹色の模様として残る。

カーシャンプーによる通常の洗車だけでは、頑固に固着した油膜は除去できません。専用の油膜取りクリーナーやガラスコンパウンドによる除去作業が必要となります。

3.撥水コーティングとワイパーゴムの相性

撥水コートと相性が悪いワイパー

フロントガラスに撥水コーティングを施工している場合、水滴が玉のようになり、走行速度に応じて水が流れていきます。しかし、この撥水剤の成分(シリコンなど)がワイパーゴムとの摩擦を増やし、標準的なゴムではガラス面を滑らかに滑ることができなくなり、ビビリが発生する原因となります。

撥水コートをかけている車は、撥水コーティング専用のワイパーゴムを使用することが強く推奨されます。

4.ワイパーブレードやアームの問題

ワイパーの骨組みであるブレード自体に歪みが生じている場合や、ワイパーを動かすアームの圧力バランスが崩れている場合も、ビビリの原因となります。ブレードの歪みはゴムの密着不良(拭きムラ)を引き起こし、アームの圧力が強すぎたり弱すぎたりすると、ゴムがスムーズに反転せず異音が発生します。

ワイパーのビビリを解消するための対策

ワイパーのビビリ音を解消するには、原因に応じた適切なメンテナンスが必要です。「油膜の除去」「ゴムの交換」「ブレードの見直し」の3点から対策を確認していきましょう。

1.ワイパーゴムまたはブレードの交換

ワイパーゴムを交換中の男性

ワイパーゴムは経年劣化により硬化しやすいため、1年を目安に新品へ交換することをおすすめします。ゴムの劣化によるビビリや拭きムラを解消する最も確実な方法です。

ワイパーの交換方法

  • ワイパーゴムだけを交換する:費用は安く済みますが、ブレードの歪みはそのまま残ります。
  • ワイパーブレードごと交換する:費用は割高ですが、作業が簡単でブレードの歪みも解消できます。

ブレードの金属部分の劣化や歪みが疑われる場合は、ブレードごと交換することで、ゴムのガラス面への密着性が改善され、ビビリが解消する可能性が高まります。

2.フロントガラスの油膜除去

フロントガラスの油膜を取る男性

油膜や汚れが原因でワイパーとガラス面の摩擦が増している場合は、これらを完全に除去することでビビリの発生は大幅に少なくなります。油膜が張っている状態では、ワイパーが水分を拭き取る際にスムーズに動けず、引っ掛かりが発生するためです。

油膜の取り方は、市販されている「油膜取り専用のクリーナー」や「ガラス用コンパウンド」を使うのが一般的です。油膜除去を行うと、雨天時のギラつきが無くなり、クリアな視界が確保されて運転がしやすくなります。

3.撥水コートに対応したゴムに交換する

撥水性能の高いフロントガラス

フロントガラスに撥水コーティングをかけている場合は、コーティングに対応したワイパーブレード・ゴムに交換することがビビリ対策として効果的です。

撥水コートに対応したワイパーゴムの種類

  • グラファイトゴム:ゴムの表面に炭素(グラファイト)をコーティングすることで、水が少ない状態でも摩擦抵抗を減らし、スムーズな動作を実現します。
  • 撥水ワイパー(シリコンワイパー):撥水成分(シリコンなど)を含んだゴムが、作動するたびに撥水成分をガラス面に塗布し、撥水被膜の形成・維持を助けつつ、ビビリを抑制します。

これらの専用ゴムに交換することで、撥水コートが施されたガラス面でもゴムの引っ掛かりが抑えられ、ビビリの原因を取り除ける可能性が高くなります。

ワイパービビリの原因と対策で快適なドライブを

ワイパーが動くたびに異音が鳴っていると、運転への集中力が削がれてしまいます。ワイパーのビビリの原因を探り、ゴムの交換や油膜除去などの適切な対策をとることで、スムーズな動きを取り戻し、快適なドライブをすることができます。

ビビリ対策だけでなく、油膜などの汚れを取ることで視界がクリアになり、安全運転に繋がります。定期的なワイパーメンテナンスを心がけましょう。