商用車の人気ランキング

商用車の人気ランキングTOP10~燃費や荷室が優れた車は?

商用車の人気ランキングをミニバンに分類される車種中心に発表。トヨタ「ハイエース」やホンダ「アクティ・バン」、日産「NV350キャラバン」等の車種の燃費、積載能力や耐久性で比較して順位付け。各車のグレード別・スペックについても取り上げ。

商用車の人気ランキングを発表 使いやすいミニバンやワンボックスを比較

会社の商品を得意先やお客様の元へ運搬する、建築業界に勤める方々などが工具を積んで現場まで移動する際に利用する商用車。ここでは、多数の車がラインナップする商用車の中でもミニバンやワンボックスカーにターゲットを絞ったランキングを発表します。ノミネートした車が商用車として「積載能力」が優れているのか、「耐久性」が高いのか、「燃料代」は節約できるのかなどを判断材料として、順位付けを行いました。

職種によっては、順位に関係なく業界のニーズにベストマッチする商用車もありますので、今回のランキングは、日々のビジネスシーンをサポートしてくれる最適な車選びのために役立てていきましょう!

【10位:マツダ ボンゴ バン】1966年から販売される信頼性の高い商用車

マツダの「ボンゴ バン」は、1966年から長きにわたり販売されてきたワンボックスタイプの商用車。なお、ボンゴバン、ボンゴトラックともに2020年に生産終了が予定されています。

2016年2月に行われたマイナーチェンジでは、エンジンの改良を施すことで「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」認定をクリアしました。AT車では、ギア比の変速制御等を最適化・進化させることで、静粛性や加速性能を向上させました。

「ボンゴ バン」の2人乗りモデルでは、最大積載量が1,000kgを超える荷室スペースが確保されます。荷物の品質や状態を保つために、ショップオプションで赤外線カットフィルムやウインドーガードを設定可能です。

しかしボンゴバンは2020年5月13日に生産終了して、ボンゴトラックも2020年度中に生産終了します。1966年発売から発売して54年、長い歴史に終止符を打ち、後継をボンゴブローニイバンに譲ることになりました。

ボンゴ バンのスペック
駆動方式 2WD(FR) 4WD 2WD(FR) 4WD
ルーフ 標準ルーフ ハイルーフ
最大積載量(kg) 1,150[900]kg 1,000[750]kg 1,150[900]kg 1,000[750]kg
全長 4,285mm 4,285mm
全幅 1,690mm 1,690mm
全高 1,865mm 1,985mm
ホイールベース 2,220mm

【9位:トヨタ タウンエース バン】販売価格が安く小回りも利くのが魅力の商用車

タウンエース は1976年から発売されるトヨタのミニバンです。現行モデルは4代目にあたり、2014年4月に行われたマイナーチェンジで、エンジンをグレードアップさせて排出ガスのクリーン化を図り、低燃費を実現しました。

「タウンエース バン」は、燃料代を節約できて経済的で、販売価格が150万円台からとリーズナブルな価格帯。また、小回りが利いて、入り組んだ道のりを沢山の荷物を積んでスイスイと移動できるフットワークの軽さも備えます。

タウンエース バンのスペック
駆動方式 2WD(後輪駆動方式) 4WD(4輪駆動方式)
グレード GL DX GL DX
乗車人数 2/5人 2/5人
最大積載量 750kg[500kg] 700kg[500kg]
車両重量
4速オートマチック
1,240kg 1,230kg 1,300kg 1,290kg
車両重量
5速マニュアル
1,230kg 1,220kg 1,290kg 1,280kg
最小回転半径 4.7m 5.3m
全長 4,045mm
全幅 1,665mm
全高 1,900mm
ホイールベース 2,650mm
最低地上高 175mm
荷室長 2,045[1,255]mm
荷室幅 1,495mm
荷室高 1,305[1,300]mm
エンジン 3SZ-VE 水冷直列4気筒
最高出力 71kW/6,000rpm
最大トルク 134Nm/4,400rpm

【8位:日産 NV150 AD】Vモーショングリルを搭載して安全性の高さが人気の商用車

プロボックスとライバル関係にあたるのが日産「NV150 AD」です。2016 年のマイナーチェンジで、歩行者検知機能も備わるエマージェンシーブレーキ、LDW(車線逸脱警報)、VDC(ビークルダイナミックコントロール)を全車に標準装備させ、安全性能を飛躍させました。

日産のデザインアイコンである「Vモーショングリル」を採用し、商用車では疎かにしがちなデザインにもこだわります。2021年5月の一部改良では「NV150 AD」から「AD」へ車名変更しました。

室内では、ビジネスシーンをサポートするために、折り畳み式の助手席シートバックパソコンテーブルやビジネスバックトレイを設けます。

NV150 ADは、荷物の積み込み・積み降ろし作業を軽くするために「イージーローディング/ワイドオープンバックドア」設計を施します。

シートアレンジを利用すれば、A4コピー用紙箱(310×220×245mm)なら90個近くも積載できるラゲッジルームが確保されます。

【7位:ホンダ アクティ バン】登板能力が高く重量のある荷物も運べる力強さが現場から支持

ホンダ「アクティ バン」は、エンジンを前後の車輪の間に配置するMR方式を採用します。MR方式には、力強い走破性をもたらす・登坂能力をアップさせるなどのメリットがあります。

同車はサイドから吹き付ける風をスムーズに受け流す空力特性をボディに取り入れているため、高速道路やトンネル出口の風にあおられにくくなります。

アクティ バンは、独自のサスペンションシステムである「ド・ディオン式リーフリジッドリアサスペンション」を採用する事で、未舗装の道路においても高い安定走行を実現させます。そういった、商用車としての性能に、農業関係者からの支持が集まっています。

車内に積み込む荷物の収納力を上げるために、オプションで合計18個のユーティリティナットを追加する事が可能です。

アクティ バンのスペック
SDX PRO-A
駆動方式 2WD 4WD 2WD 4WD
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,880mm
ホイールベース 2,420mm
乗車定員 2/4人 2人
総排気量 0.656L
最小回転半径 4.5m 4.6m 4.5m 4.6m

【6位:トヨタ プロボックス】営業などの外回りで活躍する商用車で車内で仕事をするためのユーティリティーも充実

プロボックスは、営業車として製薬会社や電機メーカーなどの幅広い業種で利用されています。

社内で過ごすよりも、外回りをして車の中で過ごす時間の方が長いビジネスパーソンをサポートするために、室内装備を充実させているのが特徴です。ノートパソコンを置ける引き出し式のインパネテーブルでは、食事も楽しめます。

プロボックスは、床面地上高は585mmに設定し、荷物を出し入れする際の腰への負担を軽くします。フラットな低床設計は、作業の効率化も実現します。

サカンドシートをアレンジすることで、みかん箱(280mm×380mm×320mmサイズ)なら38個収納できる積載力も魅力的です。

同車は、プリクラッシュセーフティシステムやオートマチックハイビームなどの衝突回避支援パッケージングした「トヨタ セーフティセンスC」を全車に標準装備し、高い安全性も誇ります。

プロボックスのスペック
駆動 2WD 4WD
エンジン 1.3L 1.5L 1.5L
グレード GL DXコンフォート DX F GL DXコンフォート DX F GL DXコンフォート DX
全長 4,245mm 4,245mm
全幅 1,690mm 1,690mm
全高 1,525mm 1,530mm
定員 2/5人 2/5人
燃費 17.6km/L 19.6km/L 15.8km/L
総排気量 1.329L 1.496L 1.496L
最高出力 70kW/6,000rpm 80kW/6,000rpm 76kW/6,000rpm
最大トルク 121Nm/4000rpm 136Nm/4800rpm 132Nm/4,400rpm

【5位:ダイハツ ハイゼットカーゴ】維持費が安い軽自動車タイプの商用車でスマートアシスト3を搭載して安全性も高い

「ハイゼットカーゴ」は、ダイハツ工業から販売される軽タイプの商用車です。ハイゼットの初代モデルは、1960年に発売され、半世紀以上もの長きにわたって、日本の経済を支え続けてきました。

2017年11月のマイナーチェンジで誕生した現行モデルは、一部グレードでダイハツの先進衝突回避支援システム「スマートアシスト3」を搭載し、ヒルホールドシステムをAT車に標準装備します。

エクステリアでは、フロントグリルを台形型とし、ヘッドランプやリアコンビネーションランプのデザインを変更しました。

ハイゼットカーゴは、低床設計を採用する・開口部を大きくすることで、荷物の積載能力をアップさせます。「クルーズターボ SA3」などのグレードに標準装備される、荷室LEDランプは、夜間作業の効率性と安全性をアップさせます。

荷室には、ビールケース(445mm×365mm×315mm)を36個ほど積載できるスペースが確保されます。

【4位:日産 NV200バネット】乗用車として使う方もいるデザイン性の高い商用車で積載性も十分ある

「NV200バネット」は、バンタイプとワゴンタイプを発売する日産の世界戦略車です。海外では、タクシーとしても利用されています。2018年1月30日には、バンのAT車に4WDモデルが加わった事で、寒冷地での商用車としてニーズが高まりました。

エクステリアは、いかにも商用車というデザインを採用しないスタイリッシュさが特徴的なため、自家用車として利用される方もいます。

フロントシートのアイポイントは高くし、ウエストラインは低く設定する効果で、運転中の視野は広がり、身体にフィットする質感や長時間ドライブの疲れにくさが向上します。

NV200バネットでは、積載能力をアップさせるために、「幅」と「低さ」にこだわります。荷室フロアでは、井桁構造を採用することで体に負担がかからない520mmもの低い底面地上高を実現します。

サスペンション構造などを見直すことで、ホイールハウスの張り出しを抑制させて、荷室長をロングサイズとします。

【3位:日産 NV350キャラバン】商用車の王様ハイエースのライバルで安全に使えるようにアラウンドビューモニターなどを設定

トヨタのハイエースとライバル関係にある日産の商用ミニバン「NV350 キャラバン」の現行モデルは、2017年7月のマイナーチェンジで誕生。2019年8月21日にはより高い上質感を追求した特別仕様車「プレミアムGX アーバンクロム」が登場しています。

マイナーチェンジでは、日産の先進安全装備である「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」VDC(ビークルダイナミクスコントロール)、ヒルスタートアシストシステムをバン全車に標準装備させ、「インテリジェント アラウンドビューモニター」をオプション設定としました。

エクステリアでは、フロントグリルをワイド化させ、一部車種ではヘッドランプやテールランプをLED化します。

NV350キャラバンは、「ブリリアントホワイトパール」や「ダークブルー」など計8色からボディカラーを選ぶことが出来るのも魅力的です。

NV350 キャラバンは、4ナンバーに分類される小型貨物車では、クラスNo.1の荷室の広さを誇ります。積載する荷物の種類に応じて有効活用できる「ラゲッジユーティリティナット」を、バン全車に標準装備させます。

ラゲッジユーティリティナットに「ルーフインナーバー」を設置すれば、天井付近のスペースも収納場所として利用できます。

【2位:スズキ エブリイ】配送に使う商用車のベストセラーで予防安全技術も搭載した日本代表の軽商用車

スズキのエブリイは、配送業や卸売業、小売業や建設業など様々な業種において利用される日本を代表する商用車です。エブリイの現行モデルは、レーダーブレーキサポートや誤発進抑制機能が備わるスズキの予防安全技術である「スズキセーフティ サポート」を搭載する高い安全性能も備えます。

「エブリイ」は、ワンボックタイプの軽商用車では、最大クラスの荷室サイズを誇ります。荷物の積み込み・積み降ろし作業に影響を与える開口部高や開口部幅でも同様の特徴を有しています。

エブリイ自慢のフラットな荷室床面を採用する荷室エリアには、パンケース(680mm×420mm×100mm)なら74ケース、ダンボール(601mm×450mm×453mm)なら15箱を積載する事ができます。

【1位:トヨタ ハイエース】日本だけでなく海外からも需要の高い商用車の王様

1967年に初代モデルが誕生したハイエースは、積載能力に加えて、優れた耐久性・故障が少ないという特徴をもった商用車です。「ハイエース」は、リセールバリューが高い、世界市場でも人気が高いなどの理由から、盗難被害の多い車でもありました。

そのため、2012年に行われたマイナーチェンジでは、エンジンイモビライザーなどを標準装備させるなどして、盗難防止システムを強化しました。

2017年12月1日のマイナーチェンジで誕生した現行モデルでは、事故を未然に防ぐ事ができる、「プリクラッシュセーフティシステム」や「レーンディパーチャーアラート」などの3つの安全機能がパッケージジングされるトヨタ・セーフティ・センスPを標準装備します。

ハイエースは、商用車としてのニーズに応えるために、走りの魅力・荷物の積載能力・安全性を引き上げます。そのため、ホイールベースやフロントオーバハングなどの比率、荷室開口高や底面地上高のバランスにもこだわります。

折りたたみリヤシートは、簡単操作で前方に移動できて、スムーズにラゲージルームを拡充できる構造を採用します。

ハイエースでは、「スーパーロングバン」や「ワイドボデイ」「ハイルーフ」など、全長・幅・高さの設定が異なる4タイプのボディが用意されています。そのボディタイプに、乗車人数の異なる車種、搭載するエンジンの組み合わせを変えて多数のグレードを用意します。

商用車の人気ランキング~上位勢は安全・快適装備が充実

商用車は、以前でしたら、荷物の積載能力や車の耐久性のみを重視していました。しかし、最近の商用車では、先進の安全装備を搭載させる、車内でパソコンを利用しやすいようにテーブルを備える、運転中に疲れにくさを与えるシート設計を取り入れます。

そういった、トレンドを多く取り入れている車が、今回のランキングでは上位を占めています。今後も、日本のビジネスシーンを支える商用車がどう進化していくのかが楽しみです。