世界の自動車メーカー・ブランド

世界の自動車メーカーまとめ|海外25ヶ国の外車ブランドまるわかり!

世界の自動車メーカーにはどのようなものがあるのか、大衆車、高級車、スポーツカー、スーパーカーなどを生産するメーカーやブランドを解説し、人気車や代表車を写真付きで紹介。欧州の名門ブランドや自動車大国アメリカのビック3以外にも、中国の自動車メーカーや新興メーカーも要チェック!

世界の自動車メーカーまとめ|海外25ヶ国の外車ブランドまるわかり!

中国の自動車メーカー・ブランド一覧

近年、めざましい経済成長を遂げている中国。自動車産業も例外ではなく、世界最大の自動車市場として注目度は増すばかりです。

2019年現在、中国には100社以上の自動車メーカーがあると言われていますが、ライセンスのみ取得して、販売に至っていない会社も多いのが実情。実態に関しては国内の専門家ですら把握できておらず、業界再編が今後の課題です。

中国では輸入車には高い関税がかけられてしまうため、中国国内で自動車を販売したいのなら現地生産が現実的です。

ただし、中国の政策上、現地生産したい他国の自動車メーカーは中国メーカーとの合弁(複数の企業や国家がお互いに出資し、事業を起こすこと)が条件。日本の自動車メーカーも、既にいくつかの合弁会社を設立しています。

第一汽車(FAW)

1953年設立の国営自動車メーカー。中国で最初に創業された自動車メーカーでもある。グループにトヨタ、マツダ、VWなどとの合弁会社がある。2018年ロールス・ロイスの元チーフデザイナー、ジャイルズ・テーラー氏が副社長に就任。

第一汽車 紅旗 HQ3紅旗・HQ3 「紅旗」は第一汽車の高級ブランド HQ3はトヨタのクラウンマジェスタがベース

第一汽車 紅旗 L5紅旗・L5 政府要人などが搭乗することが多い最高級セダン

上海汽車(SAIC)

中国の自動車メーカービック3の1つ。グループ企業にGMとの合弁会社「上海通用」、VWとの合弁会社「上海VW」がある。現在、中国の大手自動車メーカーは自社開発の車種投入に熱心だが、上海汽車は慎重な姿勢を示している。

上海汽車 VW サンタナ2000/3000上海のタクシーはほとんどがこの上海VW・サンタナ(サンタナ2000/3000)

東風汽車(DFM)

1969年設立。中国の自動車メーカービック3の国有企業。ルノー日産、ホンダ、PSAプジョーシトロエン、起亜との合弁会社あり。2014年の資本提携によりPSAは、プジョー家・フランス政府・東風3者の持株比率が同等となった。

東風汽車 3008グループPSAとの合弁会社「神龍汽車」で販売した3008

東風汽車 風神 A60自主ブランド「風神」で販売したA60 G11型日産・ブルーバードシルフィがべース車

長安汽車(CHANGAN)

中国自動車メーカービック5の1つ。マツダ、スズキ、フォードなどと合弁事業を行っていたが、2018年9月スズキは合弁会社「長安鈴木」の持ち株を長安汽車へ譲渡し、中国市場から撤退することに。

長安汽車 アルト長安鈴木・アルト

奇瑞汽車(CHERY)

「きずいきしゃ」と読む。中国自動車メーカービック5の1つ。1997年設立とビック5の中では新興メーカーと見なされるが、自主ブランドの開発や海外輸出に早くから取り組んできた。ジャガーランドローバーとの合弁事業あり。

奇瑞汽車 Chery E5Chery E5

奇瑞汽車 Chery A3Chery A3

浙江吉利控股集団(GEELY)

「吉利汽車」の親会社であり、2010年スウェーデンの名門ボルボを買収したことで世界中の注目を集めた中国企業。2018年、吉利とボルボの共同ブランド「Lynk&Co」の新型セダン03が富士スピードウェイで公開された。

浙江吉利控股集団 01Lynk&Co 初の自動車「01」 発売137秒で6000台を受注し、世界記録となった

浙江吉利控股集団 Lynk&Co 032018年10月に発表されたLynk&Co「03」 日本発売の予定はない

韓国の自動車メーカー・ブランド一覧

韓国の自動車産業は、現代自動車(ヒュンダイ)の一強が長く続いています。1999年に起亜自動車を傘下に収めて以降、世界的なシェアも大幅に増え、サムスンに次ぐ大財閥となりました。

その一方、カルロス・ゴーン氏の逮捕で日産からのルノーサムスンへの受託生産が中止になったり、過激な労働組合員がGM韓国CEOのオフィスを襲撃したりなど、まさに先行き不透明。良くない材料も多数抱えています。

現代自動車(ヒュンダイ)

韓国最大手の自動車メーカー。国内2位の起亜自動車は傘下企業。グループ全体では世界190か国以上で販売され、新車販売台数も毎年世界5位前後にランクインしている。日本には2001年に参入、2010年に乗用車販売から撤退。

ヒュンダイ ソナタ7代目 ヒュンダイ・ソナタ

ヒュンダイ エラントラ7代目 ヒュンダイ・エラントラ

起亜自動車(キア)

1944年設立の韓国第2位の自動車メーカー。1960年代からマツダのオート三輪やトラックをノックダウン生産しており、キア初の乗用車として「ファミリア」も販売。1999年の経営破綻により現代自動車の傘下へ。

キア オプティマキア・オプティマ 韓国国内では「K5」の名前で販売。シャシはヒュンダイ・ソナタと共通

キア K9キア・K9

ルノーサムスン自動車

筆頭株主はあくまでルノーであり、ルノー・日産・三菱アライアンスの一員。日産・ティアナをベースにした初代SM7(A34R型)やブルーバードシルフィをベースにした初代SM3(N17)型を生産販売。

ルノーサムスン SM7ルノーサムスン・SM7(2004~2011年) ベース車は日産・ティアナ

ルノーサムスン SM3ルノーサムスン・SM3(2002~2010年) ベース車はG10型ブルーバードシルフィ

韓国GM

米国ゼネラルモーターズの子会社。2011年までの社名はGM大宇自動車技術。2000年代はシボレーのコンパクトカー生産で好調だったが、しだいに低迷。労組のストライキもあり、2019年現在GMは韓国政府に支援を求めている。

韓国GM マティス韓国GM(旧・GM大宇)が生産したマティス 欧州ではAセグメントに位置するコンパクトカー

雙龍(サンヨン)自動車

双竜自動車とも表記される。1954年創立の韓国の自動車メーカー。90年代にはメルセデス・ベンツ・Eクラスのプラットフォームを流用した高級セダン「チェアマン」を発表。2010年以降はインドのマヒンドラ傘下へ。

サンヨン チェアマンメルセデス・ベンツ・Eクラス(W124型)をベースにした初代チェアマン

マレーシアの自動車メーカー・ブランド一覧

マレーシアは、東南アジアで唯一自国の自動車メーカーを持つ国です。自動車業界を牽引するのはプロトンとプロドゥアの2社。どちらも日本の自動車メーカーの合弁事業という形で設立されています。

プロトン

1985年、政府支援を受けて日本の三菱との合弁会社という形で設立(2004年三菱は資本提携を解消)。マレーシア初の国産自動車メーカーとして期待されたが、ダイハツが出資するプロドゥアの登場もあり苦戦。現在は吉利汽車が49.9%の株式を保有。

プロトン サガ三菱・ランサーを元に製造された初代プロトン・サガ

プロトン アイリ2010年登場のProton アイリ

プロドゥア

1993年、ダイハツとの合弁で設立されたマレーシアの自動車メーカー。三菱が出資したプロトンに次ぐ国産車メーカーとして存在感を示し、しだいに両社の販売台数は逆転。取り扱うのはほぼダイハツの姉妹車。

プロドゥア マイヴィダイハツ・ブーン(トヨタ・パッソ)の姉妹車PerOduaマイヴィ

プロドゥア カンチルダイハツ・ミラの姉妹車Peroduaカンチル(2000~2002年)

ナザ

マレーシアの企業グループ「ナザ」が設立した自動車メーカー。創始者の故ナシムディン・アミン氏は、21歳で自動車の輸入業を開始し、後にホテル業や建設業など一代で財を成した人物。近年は韓国・起亜自動車の製造を行っている。

ナザ リアナザ・リア/p>

ブフォーリ

1986年にオーストラリアのシドニーに設立。1992年にマレーシアのクアラルンプールへ移転した少量生産の高級自動車メーカー。1930年代のクルマからインスピレーションを受けたデザインが特徴。

ブフォーリ ジュネーブ2010年のジュネーブモーターショーで発表したブフォリ・ジュネーブ

インドの自動車メーカー・ブランド一覧

インドの人口は2019年現在は世界第2位ですが、2030年には中国を抜いて1位になることが予測されています。成長が見込める市場として、各国の自動車メーカーも注目している国でしょう。

インドの自動車販売では、タタ・モーターズが商用車部門1位、マルチ・スズキ・イディアが乗用車部門1位を誇っています。こうした勢力関係がどう変化していくのかに注目です。

タタ・モーターズ

インド最大手の自動車メーカーであり、商用車のシェアは60%以上。2008年に世界一安い乗用車タタ・ナノを発表。当時の日本円換算でも28万円という破格の安さ。現在は英国のジャガーとランドローバーを傘下に収めている。

初代タタ ナノ2019年現在も「世界一安い四人乗り乗用車」として記録されている初代タタ・ナノ

タタ プリマタタ・プリマ。タタ・モーターズはバス・トラック部門では世界5位のシェアを誇る

マルチ・スズキ・インディア

スズキの子会社。インド国内での乗用車シェアNO.1。『巨人の星』を原案にしたアニメのスポンサーを務め(主人公がプレイするのは野球ではなくクリケット!)、劇中にちょいちょい自社の車を登場させるなど抜け目がない。

マルチ・スズキ・インディア アルト800アルト・800

マヒンドラ&マヒンドラ

インドの大企業Mahindraが設立した自動車メーカー。トラクターや小型商用車などの販売も手掛けるが、SUV車の人気が高い。インドでの乗用車部門のシェア第3位。2014年以降フォーミュラEにも参戦中。

マヒンドラ Alturas G42018年に発表した新型SUV[マヒンドラAlturas G4

ヒンダスタン・モーターズ

ヒンドゥスタンとも表記されるインドのHindustan Motors。イギリス車モーリス・オックスフォードをベースに1958~2014年まで製造したアンバサダーはタクシーにも多く採用され、「インドの国民車」と呼ばれた。

ヒンドゥスタン アンバサダーヒンダスタン・アンバサダー

ブラジルの自動車メーカー・ブランド一覧

戦後は自動車製造などの工業で栄えたブラジルですが、70年代後半には国内経済が低迷し、自動車メーカーも経営難に陥るように。グルジェルなどは当時は国内の有力企業でしたが、1994年に倒産しています。

トロラー

1995年設立。オフロード車・SUV車を製造するブラジルの自動車メーカー。主力モデルのTroller T4はダカールラリーでも好成績をおさめた。2007年に米国フォードの子会社となる。

トロラー T4トロラーのフラグシップモデルT4

グルジェル

1969年ブラジル・サンパウロで設立した自動車メーカー。フォルクスワーゲン・ビートルをベースにした小型車を開発・し、国内外で人気を博す。しかし、1980年以降は経営状態が悪化し、1994年に消滅。

グルジェル BR-800Gurgel BR-800

プーマ(ピューマ)

1969年~1997年までブラジル・サンパウロに拠点を構えた自動車メーカー。フォルクスワーゲン車をベースにしたスポーツカーを生産。当時のブラジルでは国内で買える数少ないスポーツカーということもあり人気を博した。

プーマGTEプーマ・GTE

プーマGTSプーマ・GTS

モロッコの自動車メーカー・ブランド一覧

スペインの南側、地中海に面した北アフリカ北西部に位置するモロッコ。ヨーロッパやアフリカなど多様な文化が入り混じった異国情緒あふれる街並みに見せられ、近年観光客が増加しています。

ララキ

1999年設立のモロッコのスーパーカーメーカー。2002年にコンセプトカー「フルグラ」を発表。メルセデス製6.0LV12エンジン4ターボを搭載。その後もBorac、Epitomeなどを発表しているが、スーパーカー市場で成功しているとは言い難い。

ララキ FulguraLaraki Fulgura

南アフリカの自動車メーカー・ブランド一覧

南アフリカは、アフリカ最大の経済大国であり、日本を含めて世界の自動車メーカーが工場を構える生産拠点です。また、「バーキン」というロータス・カーズに関連する会社も存在します。

バーキン

ロータス・セブンのレプリカを製造する南アフリカの会社。ロータスの創始者コーリン・チャップマンの妻ヘイゼル氏が設立に関わっているため、数あるセブンのレプリカメーカーの中でも、ケーターハムと並んで正統派と見なされやすい。

バーキンBIRKIN S バーキン社はケータハムとの裁判以降「7」の商品名は使えなくなった

外車メーカーは多種多様!海外の自動車メーカーやブランドの動向に注目!

日本で「外車メーカー」「外車ブランド」というと、多くの人はBMWやメルセデス・ベンツ、ポルシェ、フェラーリ、ロールス・ロイスなど欧州の老舗メーカー、高級ブランドを思い浮かべるのではないでしょうか。
または、フォード社などの「アメ車」が思い浮かぶという方もいるでしょう。

しかし、世界には多種多様な自動車メーカーが存在し、スーパーカー専門の小規模生産会社や新しいクルマのあり方を提示するベンチャー企業も次々に登場してきます。また、老舗の名門自動車メーカーが買収されるのも珍しいことではなくなりました。
中国の自動車メーカーも存在感を増しており、「外車=老舗の欧州車・アメリカ車」という時代ではなくなりつつあります。

世界の自動車メーカーが今後どのようなクルマを作り発展していくのか、あるいは衰退してしまうのか注目です。
その国の環境や産業、文化、歴史、道路規格、美的センスなどによって受け入れられるクルマは違います。海外旅行の際には、街をどんなクルマが走っているのか見てみるのもオススメです!