ルパンといえば車!フィアット以外にも大衆車やスポーツカーの個性豊かな名車が多数!
ルパンといえば車を使ったアクションシーンが見どころのひとつ!『ルパン三世』シリーズの舞台は日本のみに留まらず、非常に国際色豊か。それゆえにキャラクターたちの愛車も外国車が多いのが特徴です。
特に主人公ルパン三世の愛車としては「フィアット500(通称チンクエチェント)」が有名ですが、これは初期のころに作画監督だった大塚康生氏の愛車をモデルにしたためであり、当時は特にスポンサー関係があった訳ではありません。
今では『ルパン三世』は世界的に、特にフィアット社のあるイタリアでの人気が高いのも面白いところ。2015年に放送されたアニメ第4シーズンではイタリア・サンマリノが舞台となりました。
『ルパン三世』(原作モンキー・パンチ)の漫画の連載開始は1967年です。
50年以上にわたり愛されてきた『ルパン三世』シリーズに登場した車、映画『ルパン三世 カリオストロの城』の劇中車も含めて、ルパンファミリーの愛車を紹介します!
『ルパン三世カリオストロの城』でルパンやクラリス、銭形警部が運転した車一覧
『ルパン三世 カリオストロの城』は、劇場公開は1979年12月ですが、その後何度も地上波で放送されており、世代を問わずに愛されてきたルパンシリーズ屈指の名作映画です。監督を務めたのは、後にスタジオジブリを設立する宮崎駿氏なのも、よく知られた話です。
原作者のモンキー・パンチ氏も、95%のルパンファンが、好きになったきっかけとしてこの作品を挙げると、影響力の強さを認めています。
フィアットNUOVA500(チンクエチェント)
1957~1977年製造。イタリアを代表する小型大衆車。映画史に残るカーチェイス『カリオストロの城』での活躍でルパンの愛車の代名詞に。RRで全長3mに満たないが室内は意外に広い。ルパンは自分の手足のように自由自在に乗りこなす。
フィアットNUOVA500(チンクエチェント) 1962年式
全長2,970mm×全幅1,320×全高1,320の小型車 2代目フィアット500
空冷直列2気筒500CCのエンジンをリアに搭載 後輪を駆動した
チンクエチェントがベースのレーシングカー アバルト600
カーチェイス冒頭でルパンがレバーを引くとリアハッチが開きターボチャージャー(スーパーチェージャーという説もあり)が作動、ありえない加速を始めるシーンにコアなマニアは狂喜乱舞したものだが、その元ネタともいえるのがアバルト600。冷却のためリアハッチは開きっぱなしである。ご覧のとおりエンジンルームはスカスカだが、アニメではポルシェ並みの密度感だった。
メルセデス・ベンツSSK
TV第1シリーズからのルパンの愛車で、『カリオストロの城』では回想シーンで登場。1928年に発売。当時として異例の最高速度192km/hを実現。ルパンはこの車にフェラーリのV12エンジンを搭載し、300km/hまで出るように改造済み。
1928年式SSK ルパンの愛車は黄色だった
メルセデス・ベンツSSK(1929~1932) フェンダーの形状が違う
メルセデス・ベンツSSKの内装
シトロエン・2CV
1949~1990年生産。現代では主流だが、当時としては珍しいFF式を採用するなど独創的かつ機能的なフランスの小型大衆車。『カリオストロの城』の冒頭カーチェイスでクラリスが運転。監督の宮崎駿はこの車を長年愛車にしている。
1955年式シトロエン2CV キャンバストップでシートはパイプ組み
1980年代の2CV 劇中でクラリスが運転した車も赤紫系のボディカラーだった
ハンバー・スーパー・スナイプ
1938~1967年製造の大型高級車。『カリオストロの城』で伯爵の部下が運転していた車。1889年から自動車製造を開始したイギリスの老舗自動車メーカー・ハンバーが販売。戦後は輸出されることも多かったが、日本での需要はいまひとつだった。
劇中車と思われるハンバー・スーパー・スナイプ マーク1(1946年式)
ハンバー・スーパー・スナイプ マーク2(1949年式)
日産ブルーバード 410型
『カリオストロの城』で銭形警部が搭乗したパトカーは1963~1967年製造の2代目ブルーバード。スーパースポーツセダンを意味するグレード「SSS」が初登場したモデル。「銭ブル」の愛称がつく。ナンバーは「埼玉5 た 110」。
日産ブルーバード410型後期モデル
C.M.Pトラック
『カリオストロの城』で銭形警部のパトカーの後ろを走っていた機動隊のトラック。C.M.Pとはカナディアン・ミリタリー・パターンの略、すなわちカナダ製の軍事トラックであり、第二次世界大戦期に大量生産された。
CMP シボレー C15
『ルパン三世 THE FIRST』に登場した車種
2019年12月6日公開、シリーズ初の3DCG映画となった『ルパン三世THE FIRST』の劇中車を紹介。ルパンの愛車の代名詞「フィアット500」も大活躍でしたが、それ以外にも印象的な劇中車が搭乗します。
シトロエンHトラック
『ルパン三世THE FIRST』でルパンが乗せられていた護送車。1947~1981年製造。フランスをはじめとした欧州では、マイクロバスや救急車、現金輸送車など幅広い用途で活躍。ヘッドライトなどの部品は2CVと共通。
シトロエンHトラック 日本では移動販売車としての活用される機会が多かった
ブルーバード 510型
『ルパン三世THE FIRST』でルパン護送中の埼玉県警のパトカー。1967~1972年製造の3代目、歴代ブルーバードの中では特に高い人気を誇る。「スーパーソニックライン」と称されたシャープな直線ボディが特徴。
日産 510型ブルーバード 『ルパン三世THE FIRST』では埼玉県警のパトカーとして登場
510型ブルーバード 国内外で大ヒットした人気車
「ブルーバード」と聞いて思い浮かべる人が多い直線基調のボディスタイル
ルパン三世の愛車・作中に登場した車まとめ
映画、アニメシリーズ、TVスペシャルなど『ルパン三世』シリーズに登場した車をまとめました。
作中では卓越したドライビングテクニックを持つルパンが運転し、カーチェイスを繰り広げることが多いですが、次元大介や峰不二子がハンドルを握った車種も紹介しています!
アルファロメオ 6C1750
アニメシリーズ2から登場。CMに入る前のタイトルクレジットで、ルパンが飛び乗り、ハンドルがとれるという演出がされた。1929~1933年に製造。戦前のレースで活躍した超高性能スポーツカーであり、伝説的クラシックカー。
アルファロメオ6C1750Gran Sport – Walter Freund made body
※1965~1967製造の復刻モデルにあたるアルファロメオ・グランスポルト・クアトロルオーテでは?という説もある。
フォルクスワーゲン・タイプ181
1969~1983年生産。ビートルの愛称で知られるVWタイプ1をベースにした軍用小型車。実質的には第二次世界大戦中にドイツで使用されたキューベルワーゲンの改良型・後継モデル。
Volkswagenタイプ181
Volkswagenタイプ181のリアビュー
アルファロメオ・175
劇場版『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』劇中車。1967~1977年製造。エンジン排気量は1,779ccだが、1930年代の名車6C1750(アニメシーズン2でルパンも愛車にしている)にあやかりこの車名となった。
アルファロメオ・175GTV(北米仕様)
オースチン・ミニ・クーパー
劇場版1作目『ルパンVS複製人間』劇中車。元は不二子の愛車。「ミニ」はビートルズからエリザベス女王まで愛用したイギリス車で、「クーパー」はエンジン出力等をあげたスポーツタイプを指す。モンテカルロリー3連覇の活躍がものすごく有名。
Austin Mini Cooper Mk1(1963年式)
スバル・360
『1$マネーウォーズ』『ルパン三世VS名探偵コナン』劇中車。1958~1970年に製造。イタリアのフィアット500、ドイツのVWタイプ1、フランスのシトロエンC2V、イギリスのミニなどと同じく、日本における「初代・大衆車」的存在。
軽自動車スバル360 当時の軽の排気量は360cc
ACコブラ
『EPISODE:0 ファーストコンタクト』劇中車。イギリス車ACエースに、米国フォードのV8エンジンを搭載したスポーツカー。1960年代に人気を博すも、製造台数はわずか1000台。キットカーのモチーフによくされている。
ACコブラ427
フォルクスワーゲン・タイプ1
TV第2シリーズに登場。1941~2003年まで60年以上生産され、単一モデルとしては世界最多の製造台数記録を持つドイツ車。愛称はビートル。「小型大衆車」という点で、ルパンの愛車代表イタリアのフィアット500と混同されることも…。
「カブトムシ」のようなスタイルが特徴的なタイプ1カブリオレ
フェラーリ・312B
1970年に製造されたF1マシン。車名の由来は「3.0Lの12気筒ボクサーエンジン」だが、正確には「180度V型」と呼べるものである。TV第1シリーズ1話で登場。ルパンは国際A級ライセンスを保持しているので、サーキットでも難なく運転してみせた。
フェラーリ 312B
ランボルギーニ・エスパーダ
1968~1978年製造。後にランボルギーニ・カウンタックやランチァ・ストラトスなども手掛けるマルチェロ・ガンディーニがデザインを担当している。V12エンジン搭載のグランツーリスモ。TV第1シリーズ劇中車。
ランボルギーニ・エスパーダ・シリーズI
ランドローバー・シリーズ1(ピンクパンサー)
ランドローバーはイギリスの四駆駆動専門の自動車メーカー。英国王室御用達。ルパンはたびたびランドローバー車に乗るが、TV第2シリーズOPでピンクパンサーが登場。砂漠ではピンクは迷彩色となり発見されにくいのだ!
デザートピンクのSAS仕様ランドローバー シリーズ1・通称ピンクパンサー「ピンク」は砂漠では迷彩色となるカラー!
イギリス軍特殊部隊SAS(Special Air Service)仕様のランドローバー。第二次世界大戦のアフリカ戦線で敵基地の破壊工作に活躍した「突撃車」の流れを汲む車両で、戦後の植民地反乱鎮圧などに使われた。なお、戦時中のSASが使用したのは砂漠用に改造したジープで、その活躍が「ラットパトロール」の元ネタ。タミヤ模型から「1/35イギリス陸軍 S.A.S. ランドローバー・ピンクパンサー」と「1/35イギリス陸軍 SASジープ」が今も発売中。
ランドローバー・シリーズ1
ティレル・P34
TV第2シリーズ「モナコフGPに賭けろ」で登場したF1カー。1975年に史上初6輪のF1カーとしてお披露目された際には集まった記者全員が黙り込んだ、まさに異端の存在。76~77年まで実践投入され、表彰台回数は14回、うち優勝1回。
ティレル P34 1983年の車両規定改正で6輪車は禁止に
アルピーヌ・A110(初代)
フランスの自動車会社アルピーヌ(後ルノーの子会社)が製造したスポーツカー。1973年に初開催された世界ラリー選手権の初代チャンピオン。2018年からは日本でも新型A110が販売されている。
Alpine A110(1961~1977年)
ルノー・5
フランス・ルノーが販売していた小型ハッチバック(1972~1984年)。実用性の高いFF車で、欧州ではベストセラーカーとなる。日本への輸入は1976年~。「5」で「サンク」とフランス語的に呼ぶ人が多い。
日本へ輸入された初代サンク
ルノー・8・ゴルディーニ
2018年放送『PART5』のルパンの愛車。1962~1971年製造のRRセダン「8」をチューンした高性能モデル。ゴルディーニとはチューニングメーカーの名前であり、創設者のアメデ・ゴルディーニは「魔術師」の異名で知られた天才メカニック。
ルノー8・ゴルディーニ エンジンレイアウトはRR 数々のレースで活躍
ルパンの愛車と同じ白に青ストライプのボディ
スバル・サンバー
TV第2シリーズ「ルパン逮捕ハイウェイ作戦」に登場。1961年から現在まで販売が続く軽トラ&軽バン(7代目からはダイハツ・ハイゼットのOEM)。サンバーをベース車にしたワーゲンバス風のカスタムカーが流行したことも。
スバル・3代目サンバー バン 550後期型
スバル・レオーネ
TV第2シリーズ「ルパン逮捕ハイウェイ作戦」に警察車両として登場(この回ではルパンはスバル・サンバーに乗っている)。初代は1971~79年に発売され、72年に乗用車初の4WDモデル「レオーネ・エステートバン4WD」もラインナップ。
スバル・初代レオーネ 1600 4WD
エステートバン1600 4WD
トヨタ・セリカ
2018年放送『ルパン三世PART5』に登場。1970年に誕生し、人気を博した日本のスペシャリティカー代表。リアのデザインがフォード・マスタングに似ており、米国では「マスタング・セリカ」の愛称がついた。
トヨタ・セリカGT TA22型
トヨタ・セリカGT TA22型リア
トラインアンフ・TR-4
TV第1シリーズ『殺し屋はブルースを歌う』でルパンとのドライブで不二子が運転。イギリスの自動車ブランド・トライアンフのスポーツカー。特徴的なより目のヘッドライトは日野・コンテッサ1300なども手掛けたジョバンニ・ミケロッティの案。
Triumph TR-4(1961–65)
三菱・500
TVスペシャル『sweet lost night』『the Last Job』などに登場し、次元が運転。1960年発売の軽自動車。政府の「国民車構想」を実現すべく三菱が自社開発したオリジナルの乗用車。だが2年前に発売されたスバル360を前に撃沈。1962年製造中止。
1960~1962年に販売された三菱500
プリムス・ロードランナー
TV第4シリーズのOPに黄色の車両が登場。ルパンにしては珍しくアメ車。マッスルカーブームで市場が高級化路線に進むなか、1968年登場のロードランナーはカーペットすらオプション扱い。価格を抑えることで若者に愛された。
ロードランナーは1968~1980年まで発売
初代(1968~1970年)プリムス・ロードランナー「プリマス」と表記されることもあり
アルファロメオ・ジュリエッタ・スパイダー
TV第4シリーズEDで不二子が腰をかけている赤い車は初代ジュリエッタ。1950~60年代にかけて欧州で大人気車となり、戦後アルファロメオが量産車メーカーに転向するうえで重要な役割を果たした。
アルファロメオ・ジュリエッタ・スパイダー1957年式
シボレー・コルベット C3
TV第2シリーズ136話で登場。リトラクタブル・ヘッドライトを採用し、独特のくびれボディが特徴的なアメ車。コカ・コーラの瓶を連想させるため「コークボトル」の愛称がついた。1968~1982年製造。
シボレー・コルベット C31978年式
メルセデス・ベンツ 300SLR
1954年のF1出場のW196をベースに、55年世界スポーツカー選手権に出場したレーシングカー。総生産台数9台(オープン7、クーペ2)。TVスペシャル「お宝返却大作戦!!」登場。作中では架空スーパーカーとされたが、デザインがそっくり。
メルセデス・ベンツ・300SLR
フィアット500トポリーノ
TV第4シリーズ20話『もう一度、君の歌声』に登場。老夫婦の思い出のクラシックカーはルパンも愛車とするフィアット500、その初代モデルで「ハツカネズミ」の愛称があるトポリーノ(1936~1955年)。名作映画『ローマの休日』の劇中車でもある。
フィアット500トポリーノ(1936~1955年) 初代チンクエチェント
マトラ・M530
F1でタイトルを獲得するなどモータースポーツ界で名を馳せたフランスの自動車メーカー・マトラ(2003年経営難のため自動車事業撤退)が製造したタルガトップの小型スポーツカー。1967~73年販売。TV第2シーズン登場。
マトラM530 LX
マトラM530LXのリア
トライアンフ1800ロードスター
トライアンフ1800ロードスター 1946年式
『ルパン三世プリズン・オブ・ザ・パスト』でルパン・次元・五右衛門が3人で荒野を駆け抜けた際に搭乗したオープンカー。第二次世界大戦後1946~48年まで製造。1776ccの直列4気筒エンジン搭載、最高速度は約121km/h。
スーパーセブン(ロータス・セブン)
ルパンが運転したのはロータス・セブン・シリーズ2(1961~1967)の可能性が高い
『ルパン三世プリズン・オブ・ザ・パスト』OPに登場、ナンバーは「札幌303 さ・8-07」。セブンは1970年以降ケータハムに生産権が移行、その他多数のメーカーがレプリカを作り出したクルマだが、劇中車はロータスらしきエンブレムが確認できる。
ハインケル・カビーネ
ハインケル・カビーネ
ハインケル・カビーネの車内 変速機は4速MT
第二次世界大戦後に、ドイツの航空機メーカーであったハインケルが製造したバブルカー。全長2,550mm、3輪のTyp150は車両重量243kgと超小型軽量。最高出力は約10PSと超非力。『プリズン・オブ・ザ・パスト』の水上カーチェイスで登場。
ルパンの世界観にはスタイリッシュな車がよく似合う!
『ルパン三世』シリーズには、フィアット、メルセデス・ベンツ、アルファロメオ、ルノーなどの欧州の自動車メーカーを筆頭に、時にはシボレー・コルベットやプリムス・ロードライナーなどのアメ車、そしてスバル・サンバー、トヨタ・セリカなど意外な日本車が登場することもあります。
スタイリッシュな『ルパン三世』には、やはりかっこいい車がよく似合います。シリーズを見るときには、ぜひ劇中車にも注目してみてください!