イタリア車メーカー一覧

イタリア車メーカーのフラッグシップモデルや車種まとめ

イタリア車メーカーのフラッグシップモデルをまとめて解説。フィアット500・アバルトのガソリン車終了、フェラーリ12Cilindri登場、ランボルギーニのPHEV化など最新動向とともに、各モデルのスペックと購入前に知っておくべき注意点を紹介します。

イタリア車メーカーのフラッグシップモデルや車種まとめ

イタリア車メーカーの特徴とフラッグシップまとめ

フェラーリ、ランボルギーニ、マセラティ——一度は名前を聞いたことがあるスーパーカーやラグジュアリーカーのメーカーが集まる国、イタリア。フィアット500のようにおしゃれで親しみやすいモデルから、億を超える価格のハイパーカーまで、多様なメーカーが存在します。

各メーカーの歴史とエンブレム、代表モデルのスペックに加え、購入検討前に知っておくべき最新動向も合わせて紹介します。

フィアットは500(チンクエチェント)など世界的に愛される車をつくるイタリアの自動車メーカー

フィアットの盾形エンブレムフィアットのエンブレム

フィアット 500X コンパクトSUVフィアット 500X

1899年にイタリア・トリノで設立したフィアットは、自動車・航空機・トラクターの製造から新聞社まで手がけるイタリア最大の企業グループです。現在はステランティスグループの一員として事業を展開しています。

フィアットの中でもっとも有名なモデルが「500(チンクエチェント)」です。初代は1936年に発売され、1957年発売の「NUOVA500」は20年間で通算400万台を製造したベストセラーになりました。日本でも2008年から累計約13万台が販売される大ヒット作となりましたが、内燃機関搭載の500・500Cは2024年5月をもって日本向け生産を終了し、現在は在庫販売のみとなっています。電動化戦略に伴う判断で、電気自動車の「500e」へとシフトしています。

走行中のフィアット 500X

SUVモデルの「500X」は2015年に発売され、ジープ・レネゲードとプラットフォームを共有する兄弟車です。マイナーチェンジ後は1.3L直列4気筒ターボエンジン+6速DCTに変更され、駆動方式はFFのみとなりました。全長4.27mと小柄なボディと高い着座位置による見切りの良さは、街乗り主体のユーザーにとって扱いやすい点です。実際に運転席に座ると、視点の高さとコンパクトなボディの組み合わせが都市部での日常使いに向いていることがよくわかります。

フィアット車の維持でメカニック的な視点から指摘されやすいのは、デュアルクラッチトランスミッションの扱いです。低速・渋滞時のギクシャクした動きが出やすいため、慣れが必要な点を事前に理解しておくといいでしょう。

フィアット500X スポーツ 諸元(参考)
全長 4,270mm
全幅 1,795mm
全高 1,625mm
ホイールベース 2,570mm
車両重量 1,460kg
エンジン 直列4気筒ターボ
排気量 1,368cc
最高出力 170PS/5,500rpm
最大トルク 250Nm/2,500rpm
駆動方式 4WD(旧型)/ FF(現行型)
乗員定員 5人
ハンドル設定
メーカー フィアット
設立 1899年、イタリア・トリノ
現在の親会社 ステランティスグループ
代表車種 500X、500e(EV)、600e(EV)
500(チンクエチェント) 2024年5月に内燃機関モデルの日本向け生産終了。電気自動車「500e」へ移行
500X 2015年発売。ジープ・レネゲードとプラットフォーム共有。現行型はFF・6速DCT

アバルトはフィアット車をベースに高性能化するイタリアのスポーツブランド

サソリをあしらったアバルトのエンブレムアバルトのエンブレム

アバルト 124スパイダー オープンスポーツカーアバルト 124スパイダー

アバルト 695 BIPOSTO 限定スポーツモデルアバルト 695 BIPOSTO

アバルトは1949年に設立した自動車部品メーカーで、フィアット車をベースにしたレース車両でも知られてきました。1971年にフィアットグループに入り、現在はステランティスのスポーツブランドとして位置づけられています。日本でも長年にわたり「走るフィアット」として熱狂的なファンに支持され、2022年には年間販売台数で日本がイタリアを抜いて世界1位となったほどです。

しかしガソリン仕様の「F595」「695」は2024年5月をもって日本向けの生産を終了しました。ステランティスグループの電動化戦略に伴うもので、現在アバルトブランドで新車購入できるのは電気自動車「500e」のみとなっています。ガソリン車の在庫は正規ディーラーで残りわずかな状況で、中古市場での需要は生産終了後に高まっています。

記事中の写真にある「695 BIPOSTO」は2015年9月発売の限定モデルで、公道走行可能なサーキット仕様として知られていました。1,368ccのエンジンを190PSまで引き上げ、フルスペック仕様にはドグリング機構を備えたレース用トランスミッションを採用した非常に尖ったモデルでした。

アバルトのガソリン車を中古で購入するなら知っておきたいのは、「595」と「695」の違いです。595は160〜180PSのエンジンを搭載するカタログモデル、695は180PSがベースの上位グレードで限定車が多い点が特徴です。どちらも5速MTまたはAMT(ロボタイズドMT)が中心で、左ハンドルのみ、あるいは右ハンドル設定も一部あります。購入時は整備歴の確認が特に重要で、消耗品交換履歴が明確な個体を選ぶことが維持コストを抑えるカギになります。

695 BIPOSTO フルスペック仕様 諸元(参考/生産終了)
全長 3,675mm
全幅 1,640mm
全高 1,480mm
ホイールベース 2,300mm
車両重量 1,060kg
エンジン 直列4気筒ターボ
排気量 1,368cc
最高出力 190PS/5,750rpm
最大トルク 270Nm/2,500rpm
駆動方式 FF
乗員定員 2人
ハンドル設定 左のみ
メーカー アバルト
設立 1949年、イタリア
現在の親会社 ステランティスグループ
現行モデル アバルト 500e(EV)のみ。F595・695は2024年5月に日本向け生産終了
695 BIPOSTO 2015年9月発売の限定モデル。公道走行可能なサーキット仕様。現在は生産終了
中古車の注意点 整備歴・消耗品交換履歴の確認が重要。最終モデルの5MT車は希少性が高まっている

フェラーリは世界中の人が認めるスーパーカーのトップブランド

跳ね馬のエンブレムが刻まれたフェラーリの盾型エンブレムフェラーリのエンブレム

フェラーリ 812 superfast ロングノーズのFRスーパーカー(生産終了)フェラーリ 812 Superfast(生産終了)

フェラーリ LaFerrari ハイパーカーフェラーリ LaFerrari

1947年に設立したフェラーリは、スーパーカーメーカーとしての知名度は世界最高峰です。自動車の製造のほか、テーマパーク(イタリアとアブダビ)や直営ストアも運営し、ブランドビジネスにも力を入れています。フェラーリは現在、独立した上場企業(NYSE・MIL)として運営されており、ステランティスグループからは独立しています。

フェラーリ 812 Superfastのリヤビュー(生産終了モデル)

記事に掲載している写真の「812 Superfast」は2017年3月に発表されたモデルで、2022年に生産終了しています。6,496ccのV型12気筒自然吸気エンジンから800PSを発揮した伝説的なモデルです。0-100km/h加速2.9秒、最高速度340km/hというスペックは今も色あせておらず、中古市場では根強い人気があります。

後継の現行フラッグシップは2024年5月にワールドプレミアされた「12Cilindri(ドーディチ・チリンドリ)」です。812 Superfastと同じく6,496ccの自然吸気V12エンジンをフロントミッドシップに搭載し、最高出力830PS、最高回転数9,500rpm、0-100km/h加速2.9秒、最高速度340km/h以上を実現しています。日本での本体価格は5,674万円(発売当初)からと、まさに別世界の価格帯です。

フェラーリ購入前に見落とされがちなのは、維持費と正規メンテナンス契約の費用です。エンジンオイルやフィルター交換だけでも国産スポーツカーとは桁違いのコストがかかります。また、正規ディーラーのメンテナンス契約を締結している車両と、そうでない車両では将来の売却時の査定額に大きな差が出るケースが多いとされています。

812 Superfast 諸元(参考/生産終了モデル)
全長 4,657mm
全幅 1,971mm
全高 1,276mm
ホイールベース 2,720mm
車両重量 1,630kg
エンジン V型12気筒(自然吸気)
排気量 6,496cc
最高出力 800PS/8,500rpm
最大トルク 718Nm/7,000rpm
駆動方式 FR
乗員定員 2人
ハンドル設定 左のみ
メーカー フェラーリ
設立 1947年、イタリア
812 Superfast 2017年発表、2022年生産終了。6,496cc V12自然吸気、800PS
現行フラッグシップ 12Cilindri(2024年5月発表)。6,496cc V12自然吸気、830PS、最高速340km/h以上
電動化の動向 一部モデルにPHEV(296 GTBなど)を導入。V12自然吸気は12Cilindriでも継続

ランボルギーニはフェラーリとライバル関係にあるスーパーカーブランドで現行フラッグシップはPHEVのレヴエルト

雄牛をあしらったランボルギーニのエンブレムランボルギーニのエンブレム

ランボルギーニ アヴェンタドールS クーペ(生産終了)ランボルギーニ アヴェンタドールS(生産終了)

ランボルギーニ ウルス SUVランボルギーニ ウルス

ランボルギーニは1963年にトラクターメーカーとして設立され、フェラーリのライバルとして急成長しました。1999年にアウディグループ(VWグループ)に入り、現在はランボルギーニ・ジャパンが正規輸入販売を行っています。

ランボルギーニ ミウラ 伝説のスーパーカーランボルギーニ ミウラ

ランボルギーニ カウンタック 角張ったウェッジシェイプのスーパーカーランボルギーニ カウンタック

記事中の写真にある「アヴェンタドールS」は2017年発売のモデルで、2022年に生産を終了しています。6,498ccのV型12気筒自然吸気エンジンで740PSを発揮し、0-100km/h加速2.9秒、最高速350km/hという驚異的なスペックを誇りましたが、50年以上続いたカウンタックからの伝統的なパワートレインレイアウトもこのモデルで終わりを迎えました。

現行フラッグシップは2023年に発表された「レヴエルト(Revuelto)」です。ランボルギーニ初のプラグインハイブリッド(PHEV)で、6.5L・V12エンジンと3基の電気モーターを組み合わせたシステム出力は1,015PSに達します。0-100km/h加速2.5秒、最高速350km/h以上を実現しながら、純電動での市街地走行も可能です。ベース価格は5,000万円を超えており、2024年から2026年分まですでに完売しているとされています。

ランボルギーニといえば「日常使いには難しい」というイメージが強いですが、レヴエルトはEVモードを使って静かに市街地を走ることもでき、実際のオーナーからは「思ったより使いやすい」という声も聞かれます。ただし全幅2m超のボディは日本の立体駐車場では利用できないケースがほとんどで、専用の駐車環境の確保は必須です。

アヴェンタドールS 諸元(参考/生産終了モデル)
全長 4,797mm
全幅 2,030mm
全高 1,136mm
ホイールベース 2,700mm
車両重量 1,575kg
エンジン V型12気筒(自然吸気)
排気量 6,498cc
最高出力 740PS/8,400rpm
最大トルク 690Nm/5,500rpm
駆動方式 4WD
乗員定員 2人
ハンドル設定 左のみ
メーカー ランボルギーニ
設立 1963年、イタリア
現在の親会社 アウディグループ(VWグループ)
アヴェンタドールS 2017年発売、2022年生産終了。6,498cc V12自然吸気、740PS
現行フラッグシップ レヴエルト(2023年発表)。V12 PHEV、システム出力1,015PS、0-100km/h 2.5秒
現行ラインナップ レヴエルト、ウルス(SUV)、テメラリオ(後継ハイブリッド)

マセラティはクアトロポルテが有名なスポーツ性能の高いラグジュアリーカーを製作するイタリアの自動車メーカー

トライデント(三叉の槍)をモチーフにしたマセラティのエンブレムマセラティのエンブレム

マセラティ クアトロポルテ ラグジュアリーセダンマセラティ クアトロポルテ

マセラティ レヴァンテ SUVマセラティ レヴァンテ

マセラティは1914年にイタリアで設立し、スポーツカーを製造・販売してきた会社です。1993年にフィアットグループに入り、現在はステランティスグループに属しています。

マセラティ クアトロポルテのV8エンジン

フラッグシップセダンの「クアトロポルテ」は1963年の初代から長く続くモデルで、現行(6代目)は2013年発売です。中でも「クアトロポルテ GTS」は3,800ccのV型8気筒ツインターボエンジンで530PSを発揮するモデルでしたが、V8エンジンを搭載する「トロフェオ」グレードは2023年後半をもって生産終了となりました。現在の最上位はV6エンジン搭載の「モデナ」グレードです。次期型クアトロポルテは2028年にEVとして発表される見通しとされています。

マセラティ クアトロポルテの上質なレザーインテリア

インテリアは上質なイタリアンレザーを使ったラグジュアリーな仕立てで、アームレストにはUSBポートやコンセントを備えています。左右独立シートには、シートリクライニングとベンチレーション機能も備わっており、長距離移動でも疲れにくい設計になっています。

マセラティを選ぶうえで知っておきたいのは、電動化が進むブランドの変化です。2022年に日本でも注目を集めたコンパクトSUV「グレカーレ」は現在のラインナップの主役となっており、2023〜2024日本カー・オブ・ザ・イヤー10ベストカーにも選出されています。マセラティは「イタリア的スポーティさとラグジュアリーを両立する」という方向性は変わらないものの、従来のセダン中心からSUV中心へのシフトが進んでいます。

クアトロポルテ GTS 諸元(参考/V8グレードは生産終了)
全長 5,270mm
全幅 2,128mm
全高 1,470mm
ホイールベース 3,170mm
エンジン V型8気筒ツインターボ
排気量 3,799cc
最高出力 530PS/6,500-6,800rpm
最大トルク 710Nm/2,250-3,500rpm
駆動方式 FR
乗員定員 5人
ハンドル設定 右・左
メーカー マセラティ
設立 1914年、イタリア
現在の親会社 ステランティスグループ
クアトロポルテ(現行6代目) 2013年発売。V8グレード(トロフェオ)は2023年後半に生産終了。次期型は2028年にEVで発表予定
現行ラインナップ クアトロポルテ(V6グレード)、グレカーレ(コンパクトSUV)、レヴァンテ(SUV)、グランツーリズモ
グレカーレ 2022年発売のコンパクトSUV。2023〜2024日本カー・オブ・ザ・イヤー10ベストカー受賞

アルファロメオはジュリアやステルヴィオが人気のスポーティなイタリアの自動車メーカー

ミラノの紋章とオフィドをあしらったアルファロメオの丸型エンブレムアルファロメオのエンブレム

アルファロメオ ジュリア フラッグシップセダンアルファロメオ ジュリア

アルファロメオ 4C ミッドシップスポーツカー(生産終了)アルファロメオ 4C(生産終了)

アルファロメオは1910年にイタリア・ミラノで設立された自動車メーカーで、1986年にフィアットグループに加わりました。現在はステランティスグループのブランドとして、日本ではステランティスジャパンが販売を担っています。かつてラインナップにあったジュリエッタは2021年、ミドシップスポーツカーの4Cは2020年に生産終了となっています。

フラッグシップセダンの「ジュリア」は2017年から日本で販売が始まったモデルで、現在も継続販売中です。最上級グレードの「クアドリフォリオ」には2,891ccのV型6気筒ツインターボエンジンが搭載されており、最高出力510PS、最大トルク600Nmを発揮します。0-100km/h加速3.9秒、最高速度307km/hというスペックはBMW M3やメルセデスAMG C63と真正面からぶつかる実力です。

ジュリアの「クアドリフォリオ」は、走りに対して真剣なドライバーから特に高い評価を受けています。試乗すると、アルファロメオ独自の「ALFA DNA」ドライブモードセレクターを切り替えることで、日常的なコンフォートからスポーツドライビングまで幅広い走行シーンに対応できる懐の深さが実感できます。ハンドリングはドイツ車とは異なる「イタリア的な軽快さ」があり、コーナーでの挙動のリニアさが評価されています。

購入を検討する際に知っておきたいのは、右ハンドル設定がある点です。多くのイタリア車が左ハンドルのみの中、ジュリアには右ハンドル仕様が設定されており、日本での日常使いに適しています。ただし、電装系のトラブルが稀に報告されることもあり、購入後は正規ディーラーとのアフターサービス体制の確認が重要です。

ジュリア クアドリフォリオ 諸元
全長 4,639mm
全幅 1,873mm
全高 1,426mm
ホイールベース 2,820mm
車両重量 1,555kg
エンジン V型6気筒ツインターボ
排気量 2,891cc
最高出力 510PS/6,500rpm
最大トルク 600Nm/2,500rpm
駆動方式 FR(クアドリフォリオ)
乗員定員 5人
ハンドル設定 右(日本仕様)
メーカー アルファロメオ
設立 1910年、イタリア・ミラノ
現在の親会社 ステランティスグループ
生産終了の主なモデル ジュリエッタ(2021年)、4C・4Cスパイダー(2020年)
現行主要モデル ジュリア(セダン)、ステルヴィオ(SUV)、トナーレ(コンパクトSUV)
ジュリア クアドリフォリオ 2.9L V6ツインターボ、510PS、0-100km/h加速3.9秒、最高速307km/h。右ハンドル設定あり

イタリア車はデザインとスポーツ性能、そして電動化の過渡期にある

イタリアの自動車メーカーとその代表車種

フィアット500とアバルトのガソリン車が生産を終え、フェラーリの現行フラッグシップが12Cilindriに交代し、ランボルギーニのアヴェンタドールがPHEVのレヴエルトに引き継がれた——イタリア車のラインナップは、この数年間で大きく更新されています。一方でフェラーリのV12自然吸気エンジンは生き続け、アルファロメオのジュリアとランボルギーニのウルスは根強い人気を保っています。

日本で新車購入できるイタリア車は各メーカーのディーラーで揃っており、ジュリアやグレカーレのように右ハンドル設定があるモデルも増えています。スーパーカー系は左ハンドルのみのモデルが多い点は変わりませんが、慣れれば問題ないというオーナーも少なくありません。購入前には試乗と合わせて、維持費やアフターサービス体制の確認を必ずおこなうことをおすすめします。