昭和のスポーツカー

昭和のスポーツカー100選!60年代・70年代・80年代の懐かしの旧車まとめ

スカイライン2000GT-Rやトヨタ2000GT、サバンナRX-7など、昭和を彩った国産スポーツカー100選を年代別の画像付きでまとめました。各モデルの開発秘話やレースでの活躍だけでなく、昭和50年・51年排ガス規制世代の見極め方、旧車探しで確認すべき腐食や電装のポイントも紹介します。

昭和のスポーツカー100選!60年代・70年代・80年代の懐かしの旧車まとめ

1980年代の国産スポーツカーの名車一覧

70年代の「排ガス規制」への対応を乗り越えて迎えた80年代。走行性能を追求したスポーツカーもあれば、バブルを前にラグジュアリー志向が強いモデルもあり、個性的な車が数多く誕生しました。
現在では「ネオクラシックカー」とも呼ばれ、旧車市場でも人気の高い80年代の名車を紹介します。

日産 スカイライン2000ターボGT-E・S HGC211型(1980年)

日産 スカイライン2000ターボGT-E・S 2000ターボGT-E・Sのエクステリア5代目スカイライン(HGC211型)2000ターボGT-E・S

日産 スカイライン2000ターボGT-E・S HGC211型のエクステリアスカイライン2000ターボGT-E・S

日産 スカイライン2000ターボGT-E・S HGC211型のリアビュースカイライン2000ターボGT-E・Sリア

5代目スカイライン(通称ジャパン)は、発売当初GTモデルにDOHCもターボも存在せず、トヨタ・セリカに「名ばかりのGT」と広告で皮肉られた。しかし、80年にターボモデルのGTを追加し、最高出力145 PS/5,600 rpm、最大トルク21.0 kgm/3,200 rpmで大反撃!

日産 ブルーバード SSSターボ P910型(1980年)

日産 ブルーバード SSSターボ  P910型のエクステリア910型ブルーバード セダン ターボSSS-S

沢田研二の「ブルーバード、お前の時代だ」というCMが印象的で、久々のヒットとなった910型。BC戦争中にラインナップに加えた直6エンジンは国内では廃止し、バランス重視。SSSグレードにはセドリックで開発に成功したターボを搭載。

日産 レパード F30型(1980年)

日産 レパード F30型のエクステリア初代レパード F30型

直6エンジン搭載の北米向けブルーバード910型をベースに誕生した初代レパード。スポーツカー並の空気抵抗係数に、最高出力はトヨタ・ソアラの存在もあり190psまで引き上げられた。2.8Lモデルは世界初ワイパー付フェンダーミラーなど斬新な装備も魅力。

マツダ ファミリアハッチバック 1500XG BD1051型(1980年)

マツダ ファミリアハッチバック 1500XG BD1051型のエクステリアファミリアハッチバック 1500XG

5代目ファミリアの3ドアハッチバックモデル1500XG。歴代最大のヒット車であり、第1回日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した記念車。FRからFF式に変更。実用性を高めつつも、スタイリッシュなデザインで若者に大ヒット!

トヨタ ソアラ2800GT Z10型(1981~1986年)

トヨタ ソアラ2800GT Z10型のエクステリアソアラ2800GT前期型

トヨタ ソアラ2800GT Z10型の内装ソアラ2800GT内装

ハイソカーブームの火付け役ソアラはまさに当時の最先端を体現したクルマ。2.8Lの直6DOHCエンジンを搭載し、200km/hに迫るほどの速さ。単にパワフルなだけでなく、静寂性にも優れており、デジタルメーターやマイコン制御式オートエアコンなどが標準装備。

いすゞ ピアッツァJR120型/JR130型(1981~1991年)

いすゞ ピアッツァJR120型/JR130型のエクステリア初代いすゞ ピアッツァ

いすゞ ピアッツァJR120型/JR130型のリアビュー初代いすゞ ピアッツァのリア

いすゞ117クーペの後継であり、ボディデザインは117同様ジウジアーロが手掛けた。70年代の日本車にシャープなデザインが多かったのに対し、曲面を多用した異色のクルマだったが、いすゞはオリジナル案そのままの量産化に踏み切る。販売当初は伸び悩んだが、後に人気車となる。

トヨタ セリカXX 2800GT A60型(1981~1986年)

トヨタ セリカXX  2800GT A60型のエクステリアセリカXX 2800GT 前期型

2代目セリカXX。ソアラと差別化したリトラクタブルヘッドライトでスポーティーなルックスに!ソアラと同じエンジンを積んだ2800GTは排ガス規制後、リミッターカットだけで200km/hオーバーに。目的地までの距離が表示される元祖カーナビ「ナビコン」がオプションで追加可能。

日産 スカイライン 2000ターボRS DR30JFT型(1983年)

日産 スカイライン 2000ターボRS後期型のエクステリア「鉄仮面」の愛称がついた2000ターボRS後期型。

日産 スカイライン 2000ターボRS DR30JFT型のエクステリアスカイライン 2000ターボR

6代目スカイラインの上級グレード2000RSには日産車としてケンメリGT-R以来のDOHCエンジンを搭載。83年に追加された2000ターボRSは最高出力を40psアップさせ「史上最強のスカイライン」を名乗りレースにも復帰!後期型は独特のマスクから「鉄仮面」の愛称がつく。

三菱 ランサーEX (1979~1987年)

三菱 ランサーEXのエクステリアランサーEX 1400GL

2代目ランサー。1.2L/1.4L/1.6L/1.8Lがラインナップし、1.8Lと海外向け2.0Lのみにターボモデルが存在。愛称は「ランタボ」。ターボモデルは最高出力135psだが、車両重量1トンというボディの軽さ&大トルクによって、ゼロヨン加速16秒前半という走りが話題に!

三菱 コルディア(1982~1987年)

三菱 コルディアのエクステリアコルディアGSR 4WDターボ

ランサーセレステの後継にあたるハッチバッククーペ。ミラージュがベース車のため、三菱独自のスーパーシフト(4MT×2段階副変速機)も搭載。後にパートタイム4WDのターボ車も追加。国内の販売は苦戦するも、南アフリカでは1990年まで販売が続く。

トヨタ セリカ 1800GT-T(1981~1985)

トヨタ セリカ 1800GT-Tのエクステリアセリカ1800GT-T TA63型

3代目セリカA60型には日本車として初めてツインカムターボを搭載した1800GT-Tを追加。これまでゼロヨン加速はソアラ2800GTの16秒が最速と言われていたが、1800GT-Tはなんと15秒台後半をマーク。異次元の走りで、ツインカムターボ時代を到来させる。

マツダ コスモ ロータリー・ターボ(1982)

マツダ コスモ ロータリー・ターボのエクステリアマツダコスモGTロータリーターボ

マツダ コスモ ロータリー・ターボ ターボチャージャーのエクステリア当初はがっかりされた12A型エンジンだが、ターボチャージャーを組み合わせて大変身!

世界初のロータリー・ターボ車。3代目コスモに搭載されたエンジンは総排気量1.2Lクラスの12A型だったためファンはがっかりしていたのだが、ターボ装着によって160ps と30馬力もアップ!空気抵抗を計算しつくしたボディもあり、213km/hオーバーと国内最速記録を塗り替える。

ホンダ シティ・ターボ AA型 (1982年)

ホンダ シティ・ターボ AA型のエクステリア初代シティ・ターボ AA型

ホンダ シティ・ターボ AA型のリアビュー初代シティ・ターボAA型リア

1.2Lクラスの小型車である初代シティ。「1.5BOX」とも表現される背の高いユニークな見た目で若者を中心に人気を博し、「もっとスポーティーさも欲しい」という要望に応えるべくターボモデルを追加。ゼロヨン16.26秒と意外に速く、話題に。

三菱 スタリオン(1982~1990年)

三菱 スタリオンのエクステリアスタリオンGSR-VR ワイドボディ仕様

三菱 スタリオン初期型のエクステリアスタリオン初期型

クライスラー社のプリムスやダッジでOEM車になる予定もあり、デザインはアメリカ好み。日本では2.0Lターボが主力となり、最終的に最高出力200psまで引き上げ国産マッスルカーとなる。「ヘラクレスの愛馬、アリオンが今、星になって帰ってきた」とポエム風のキャッチが印象深い。

ホンダ バラードスポーツCR-X 1.5i AF型(1983~1987年)

ホンダ バラードスポーツCR-X 1.5i AF型のエクステリアバラードスポーツCR-X 1.5i

ホンダ バラードスポーツCR-X 1.5i後期型のエクステリアバラードスポーツCR-X後期型 1.5i リア

「FFライトウェイトスポーツ」を名乗りデビュー!新素材をボディ全体に使い、軽量化。一応4人乗りだが後部座席は狭く、北米用はあえて後席を失くし、小物入れに。販売当初はセミリトラクタブルライトだったが、1985年のマイナーチェンジで角形固定式に変更。

日産 フェアレディZ 300ZX Z31型(1983~1989年)

日産 フェアレディZ 300ZX Z31型のエクステリア300ZX(前期型)2+2だが外観上は2シーターとほとんど変わらない。

3代目フェアレディZ。消灯時もライトが見えるパラレルライズアップヘッドランプを採用。これまでの直6からV6ターボエンジンを主軸に変更。最高出力230ps、欧州モデルの最高速度は250km/h。当時の日本で「ライバル不在」といっていい高性能スポーツカー。

トヨタ カローラレビン AE86型(1983~1987年)

1983年式トヨタ カローラレビン AE86型のエクステリアAE86カローラレビン 1983年式

「頭文字D」の影響もあり、旧車市場で人気が高騰したAE86型。カローラがFF化したにもかかわらず、レビン/トレノはFRを貫いたトヨタは市場をよく理解していた。レビンは固定式ライト、トレノはリトラなので見分けは容易。当時の車体価格は154.8万円。

トヨタ MR2 AW10/AW11型(1984~1989年)

トヨタ MR2 AW10型のエクステリアAW10型MR2

トヨタ MR2 AW11型のエクステリアAW11型MR2

日本初ミッドシップエンジンの市販スポーツカー。2シーター、空力抵抗を計算したリトラ搭載ボディ、ショートホイールベース、ツインカムエンジンとまさにピュアスポーツ!リアトランク以外に、フロントにはタイヤを積むスペースあり。スープラに続き復活が期待される名車。

マツダ ファミリア BF型(1985~1994年)

ファミリア BF型のエクステリア6代目ファミリアBF型(欧州では「Mazda323」の名前で販売)

人気車だった5代目BD型をブラッシュアップする形でのモデルチェンジを目指した6代目ファミリア。日本初のフルタイム4WD、ファミリア初のディーゼルエンジン車や唯一のオープンモデルなどバリエーションが豊富に!4WDのターボ車はラリーでも活躍。

スバル アルシオーネ(1985年)

アルシオーネのエクステリア初代アルシオーネ

スバル唯一のリトラクタブルライトを搭載車で、近未来的デザインが話題に。カタログでは空気抵抗の少なさを猛アピールし、元航空機メーカーであるスバルの技術屋魂が爆発している。空気抵抗係数Cd値は当時0.30の壁があったが、0.29を記録したので自慢しても良い。

マツダ サバンナRX-7 FC3S(1985~1992年)

サバンナRX-7 FC3SのエクステリアサバンナRX-7 FC3S

サバンナRX-7 FC3SのカブリオレのエクステリアサバンナRX-7 カブリオレ

2代目RX-7、通称FC。初代に比べボディは大型化。13B型ターボロータリーエンジンに変更し、最高出力185ps、後に205psまでアップ。最高速度238.5km/hを超え、米国でも「ポルシェ944と同格」とまで言わしめた。87年にはオープンモデル「カブリオレ」を追加。

トヨタ ソアラ Z20型(1986~1991年)

ソアラ Z20型のエクステリアソアラ2.0GT ツインターボL

ソアラ Z20型のリアビューソアラ2.0GT ツインターボLリア

初代よりパワーアップした2代目ソアラ。ソアラ用に新開発された7M-GTEU型直6気筒DOHCターボエンジンは、当時の国内最高の230ps/33.0kgmを記録。バブル景気もあり大ヒット車となり、500台限定のオープンモデルも即完売の人気ぶり。ハイソカーブームを牽引。

トヨタ スープラ A70型(1986~1993)

スープラ A70型のエクステリアスープラ A70型後期型

スープラ A70型の前期型エクステリアスープラ A70型前期型

北米では1978年からセリカXXを「SUPRA」と命名していたが、このモデルで日本でも「スープラ」という名が定着。セリカXXから独立した専用ボディを与えられ、マイナーチェンジを繰り返し性能向上を意識し続けた。全日本ツーリングカーレースにも参戦!

日産 スカイライン 2ドアスポーツ クーペGTS-R R31型(1987年)

スカイライン 2ドアスポーツ クーペGTS-R R31型の選手権出場モデルエクステリアスカイラインGTS-R 1988年欧州ツーリングカー選手権出場車

スカイライン 2ドアスポーツ クーペGTS-R R31型のエクステリア2ドアクーペ2000GTS-R

スカイライン 2ドアスポーツ クーペGTS-R R31型のリアビュー2ドアクーペ2000GTS-Rリア

7代目スカイラインに追加された2ドアスポーツクーペのGTSシリーズ。「GTS-R」はレース参戦を目的に800台限定で発売された超スポーツモデルであり、最高出力は210ps。GT-Rは名乗らなかったが、全日本ツーリングカー選手権でも多くの勝利を手にした名車。

日産 サニーRZ-1(1986~1990年)

サニーRZ-1のエクステリアサニーRZ-1 フロント

サニーRZ-1のサイドビューサニーRZ-1 サイド

サニーRZ-1のリアビューサニーRZ-1 リア

サニーのクーペモデルとして販売されたRZ-1。エンジンやシャシなど基本メカニズムはセダンと共通だが、デザイン性に優れた小型車として人気を集めた。スポーティーグレード「ツインカムニスモ」も存在。後継はNXクーペ。

トヨタ セリカ GT-FOUR ST165型(1986年)

セリカ GT-FOUR ST165型のエクステリア4代目セリカにラインナップされた4WD車GT-FOUR

4代目セリカ。セリカ初のFF採用だけにとどまらず、トヨタ初のフルタイム4WDとしてGT-FOURをラインナップに追加。88年にWRC初出場、90年には年間4勝を挙げる。映画『私をスキーに連れてって』の劇中車にもなり、「スキー=4WD車」を定着させた。

スズキ アルトワークス CA72V/CC72V型 (1987年)

アルトワークスのエクステリアアルトワークスRS-R CC72型

アルトワークスのリアビューアルトワークスRS-R CC72型リア

2代目アルトから約3年後に登場したワークスシリーズ。前輪駆動はRS-SとRS-X、フルタイム4WDのRS-Rがラインアップ。総排気量550ccながら、直3DOHC4バルブインタクーラーターボのまさに「全部載せエンジン」で64馬力を達成。軽自動車の自主規制のきっかけに。

トヨタ カローラレビンAE91型/AE92型 (1987~1991年)

カローラレビンのエクステリアカローラレビン後期型

カローラレビン後期型のエクステリア5代目カローラレビン 後期型ZS

レビン/トレノ初のFF車であり、外見から「ミニソアラ」と呼ばれたAE92型。ハチロクのような熱狂的ファンは少ないが、バブルもあり歴代モデルの中で最多の販売台数を記録。GT-Zモデルはスーパーチャージャーを装備し、スープラに次ぐトヨタのスポーツモデル代表だった。

ホンダ CR-X Si EF7型(1987年)

CR-X  Si EF7型のエクステリアCR-X Si 前期型

CR-X Si 前期型のリアビューCR-X Si 前期型リア

バラードの名前が外れた2代目CR-X。ヒット車だった先代のスタイリングを踏襲。最新のコンピュータ解析技術により軽量&高剛性を実現。最上級グレードSiはエンジン性能もアップさせ、クラストップレベルのスペックとなる。

ホンダ シビックSi EF3型(1987年)

ホンダ シビックSi EF3型のエクステリアシビックSi EF3型

ホンダ シビックSi EF3型のリアビューシビックSi EF3型リア

CR-X Siと同時発売された4代目シビックのスポーティーモデル。CR-Xより居住性に優れているが、走りを犠牲にしたわけではなく、ロングホイールベースにしたことで走行安定性が増し、コーナリング性能も高い。ファミリカーにしつつ、スポーツ走行も楽しめるクルマ。

三菱 ギャラン VR-4 E39型(1987~1992)

ギャラン VR-4のエクステリアギャランVR-4

6代目ギャラン。VR-4はWRCグループAへの参戦を目指して開発が進められたスポーティーグレードであり、当時の三菱の技術を結集したモデル。新開発の4G63型ターボエンジンは、後期には240psのパワーを発揮。後にランエボにも受け継がれた。

日産 シルビア S13型(1988年)

シルビア S13型のエクステリア歴代最大のヒット車となった5代目S13シルビア

シルビア S13型のリアビューシルビアS13型リア

当時、貴重となっていた若者でも買える安価なFR車として大ヒット。峠を走るためにてチューニングされるのが恒例で、海外でも「ドリフトカー=シルビア」というぐらいの認知度を誇る。中古人気も高騰し、姉妹車180SXをシルビアの顔にする「シルエイティ」という改造手法まで登場。

実車に会える場所とネオクラシックカーを探すときの注意点

紙面や画面で見た車を実際に目の前にすると、印象は大きく変わります。80年代のスポーツカーはカタログ写真で見るより車体が低く、ドアを開けた瞬間の腰の落ち込み方に驚く人が多いモデルです。トヨタ博物館、日産ヘリテージコレクション、ホンダコレクションホール、マツダミュージアムといったメーカー系の施設では、この記事で紹介した車の多くが動態保存を前提に維持されています。春秋にはオートモビルカウンシルやノスタルジック2デイズのようなイベントも各地で開かれ、オーナーから直接話を聞ける機会になります。

実際に探す段階では、状態の見方が現代の中古車と異なります。走行距離よりも、雨漏りの痕跡、フロアやサスペンション取付部の腐食、ゴム類の交換履歴のほうが重要な判断材料になります。80年代車はリトラクタブルヘッドライトやパワーウインドウ、デジタルメーターなど電装品が増えた世代で、モーターやリレーの不調が長期使用で出やすい部分です。とくにリトラの片目が上がらないという症状は定番のトラブルで、部品の在庫状況を含めて購入前に確認しておく価値があります。

買って後悔しやすいのは、日常の足として使うつもりで手に入れたケースです。エアコンの効きは現代車と比べるべくもなく、燃料噴射前のキャブレター車は冷間時に始動の手間もかかります。逆に、月に数回動かして自分でメンテナンスの手を入れられる環境がある人には、この年代の車がいちばん向いています。整備性の観点では、エンジンルームに余裕があり工具が入りやすいため、プラグ交換やオイル漏れの点検といった作業を自分で進めやすいのも昭和車の利点です。

昭和のスポーツカーが今も高値で取引される理由

ここまで見てきた60年代から80年代の国産スポーツカーは、この10年ほどで中古相場が大きく動きました。理由のひとつがアメリカの通称「25年ルール」です。製造から25年を経過した車は連邦の安全・排ガス基準の適用外として輸入・登録できるため、日本から昭和・平成初期のスポーツカーが海外へ流出し、国内に残る個体が減り続けています。ハコスカ、ケンメリ、初代フェアレディZのように海外での知名度が高いモデルはとくに影響を受けやすく、状態の良い車両は市場に出た時点で買い手が決まるような流れになっています。

もうひとつの要因は、新車当時の生産台数そのものです。冒頭で紹介したスカイライン・スポーツは約60台、初代シルビア(CSP311型)は554台、ケンメリGT-Rは197台と、登場時から希少だった車が半世紀以上を経て流通に乗ること自体がまれで、相場は「良個体が出るかどうか」で決まります。逆に、ベレットやスターレット、フェローMAXのように当時よく売れた車種は、いまでも比較的手が届く価格帯で探せる余地があります。

間近で見ると、この年代のボディはプレスラインが浅く、ドアやボンネットの合わせ目も現代の車より大きめです。金型と手作業が併存していた時代の造り方が、外観からそのまま伝わってきます。

昭和の旧車を維持するときにかかる費用と部品事情

昭和の車は新規登録から13年・18年の経年重課をどちらも通過しているため、税負担は現行車より重くなります。自動車税(種別割)は13年超で約15%の重課となり、2.0Lクラスなら年45,400円。自動車重量税は18年超でさらに一段上がり、車両重量1.0~1.5tのクラスで2年分37,800円です。ただし昭和のスポーツカーは車重が軽く、ヨタハチやS800、軽自動車勢は1.0t以下に収まるため、2年分25,200円で済む車種も少なくありません。年間コストで見ると、重課ぶんの差額は月あたり数百円から千円台という計算になります。

車検については、初度登録時の保安基準で判定されます。現行の排出ガス規制や灯火基準に合わせる必要はなく、当時の基準を満たしていれば継続車検は通ります。旧車の維持で実際に負担が大きいのは税金より部品代と工賃で、ゴム・樹脂部品の劣化、燃料ホースの硬化、キャブレターの調整といった項目が定期的に発生します。

純正部品の入手性は年代で大きく分かれます。メーカー側の復刻としてはトヨタのGRヘリテージパーツ、日産とNISMOによるヘリテージパーツ、マツダの初代ロードスター向けレストアサービスがあり、ホンダも2026年4月から旧型車向けに純正互換部品の供給を始めました。ただし対象はハチロクやスープラ、RX-7といった80年代以降の人気モデルが中心で、60年代車は専門ショップの手持ち在庫、オーナーズクラブ経由の情報、社外のリプロダクト部品に頼る場面が多くなります。購入前に「その車種を診てくれる工場が通える距離にあるか」を確認しておくと、後々の維持がまるで違ってきます。

昭和のスポーツカーには不思議な魅力あり!

自動車の開発技術は日々進化していますので、純粋にスペックだけ比較すると、今と昭和のクルマでは比べ物にならないほどの差があります。

ですが、昭和のスポーツカーが今なお人々に愛されるのは、単に懐古趣味だけでなく、デザインや走る楽しさ、技術者の情熱、現在に至るまでの物語が感じられるからではないでしょうか。

「名車」と呼ばれるクラシックカーや旧車には、車に詳しくない人すら虜にしてしまう魅力が備わっています。少しでも旧車に興味を抱かれた方は、様々な地域で開催されるクラシックカーフェスティバルのようなイベント、全国にある自動車の博物館など、実車を見られる場所に足を運ぶのがオススメです。