セリカの歴代モデル!若者に大ヒットした「スペシャルティカー」セリカの魅力
セリカは、トヨタ自動車が1970年~2006年まで国内販売した乗用車で、主にクーペとハードトップのボディタイプですが、歴代モデルによってはコンバーチブルが設定されています。
初代モデルが大ヒットし、「スペシャルティカー(スペシャリティカー)」というカテゴリを日本に定着させたことでも有名です。
また、セリカの上級モデルとして直列6気筒エンジンを搭載した「セリカXX」は、海外では「スープラ」の車名で販売。1980年に誕生した4ドアセダンの派生車「セリカ・カムリ」は、現在でも「カムリ」の車名で販売が続いています。
四輪駆動のセリカGT-FOURは、1980年代~1990年代までWRCでも活躍。7代36年の歴史を持つセリカが残した功績は非常に大きく、トヨタ屈指の名車といえるでしょう。
セリカの歴代モデルを画像とスペック表付きで解説
初代~7代までセリカの歴代モデルを画像とスペック表付きで紹介。セリカXXやセリカGT-FOURなどの上級グレードも解説します。
初代セリカ A20/30型(1970~1977年)未来の国からやってきたスペシャルティカー
 1970年登場初代セリカ クーペ1600GT
1970年登場初代セリカ クーペ1600GT
 1973年追加セリカ3ドアリフトバック
1973年追加セリカ3ドアリフトバック
愛称ダルマセリカ。シャシはカリーナと共通。エンジン、トランスミッション、内装を選べる日本初フルチョイスシステムを採用し、価格は57~100万と幅広い。ただし、1番人気はフルチョイス対象外のDOHCエンジン搭載GT。給油口の位置が独特。
| 全長 | 4,165mm | 
|---|---|
| 全幅 | 1,600mm | 
| 全高 | 1,310mm | 
| ホイールベース | 2,425mm | 
| 車両重量 | 940kg | 
| エンジン型式 | 2T-G | 
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC | 
| 総排気量 | 1588cc | 
| 最高出力 | 115PS/6400rpm | 
2代目セリカ A40/50型 (1977~1981年) 排ガス規制の最中でもDOHCエンジンを搭載
 2代目セリカリフトバックGT米国モデル
2代目セリカリフトバックGT米国モデル
 2代目セリカクーペ1600ST イギリスモデル
2代目セリカクーペ1600ST イギリスモデル
初代同様シャシはカリーナと共通。国産車初の3次曲面ガラス採用。マイナーチェンジでヘッドライトが丸型から角型4灯に。DOHCエンジンを設定していないC210型スカイラインを「名ばかりのGT」と挑発。1980年、4ドアセダンの派生車セリカカムリが誕生。
| 全長 | 4,410mm | 
|---|---|
| 全幅 | 1,635mm | 
| 全高 | 1,305mm | 
| ホイールベース | 2,500mm | 
| 車両重量 | 1,045kg | 
| エンジン型式 | 18R-GU | 
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC | 
| 総排気量 | 1968cc | 
| 最高出力 | 130PS/5800rpm | 
 海外で発売された初代スープラ(日本車セリカXX)
海外で発売された初代スープラ(日本車セリカXX)
初代セリカXXも登場。1978~1981年まで生産されたM型6気筒エンジン搭載のセリカの上級車種。海外車名はスープラ。内装が非常にラグジュアリーで、ハイソカー・ソアラの源流とも言われる。画像は海外仕様のA40系スープラ。
| 全長 | 4,600mm | 
|---|---|
| 全幅 | 1,650mm | 
| 全高 | 1,310mm | 
| ホイールベース | 2,630mm | 
| 車両重量 | 1,180kg | 
| エンジン型式 | 4M-EU | 
| エンジン種類 | 水冷直列6気筒SOHC | 
| 総排気量 | 1968cc | 
3代目セリカ A60型(1981~1985年)前期型と後期型で異なるヘッドランプを採用
 ライズアップ式ヘッドランプを採用した
ライズアップ式ヘッドランプを採用した
 ライトが格納式になった3代目セリカ後期型1600 GT-R
ライトが格納式になった3代目セリカ後期型1600 GT-R
 3代目セリカリフトバック後期型
3代目セリカリフトバック後期型
シャシはカリーナやコロナと共通。前期型は国産車唯一のポップアップ式ヘッドランプを採用。1983年のマイナーチェンジでリトラクタブル式ヘッドランプに変更。WRCグループB参戦のため、ホモロゲ―ションモデル「GT-TS」を200台発売。
| 全長 | 4,435mm | 
|---|---|
| 全幅 | 1,665mm | 
| 全高 | 1,320mm | 
| ホイールベース | 2,500mm | 
| 車両重量 | 1,150kg | 
| エンジン型式 | 18R-GEU | 
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC | 
| 総排気量 | 1968cc | 
| 最高出力 | 135PS/5800rpm | 
 2代目セリカXX 後期型2000GT
2代目セリカXX 後期型2000GT
セリカXXは1981~1986年まで販売。以降は国内でもスープラに改名。リトラクタブルヘッドライトを採用し、空力Cd値0.35。広告にはロータスの創業者コーリン・チャップマンを起用し、スポーティーさを猛PR。漫画『よろしくメカドック』にも登場。
| 全長 | 4,600mm | 
|---|---|
| 全幅 | 1,690mm | 
| 全高 | 1,315mm | 
| ホイールベース | 2,615mm | 
| 車両重量 | 1,270kg | 
| エンジン型式 | 5M-GEU | 
| エンジン種類 | 2.8L水冷直列6気筒DOHC | 
| ボディタイプ | 3ドアファストバッククーペ | 
4代目セリカ T160型(1985~1989年)駆動方式を変革!4WDのGT-FOURも登場
 4代目セリカ リフトバック
4代目セリカ リフトバック
 4代目セリカ 1987年にコンバーチブルが追加
4代目セリカ 1987年にコンバーチブルが追加
駆動方式をFRからFFへ変更。プラットフォームはFFコロナ/カリーナと共通で、型式は「T」に変更(スープラが「A」の型式)。86年にはフルタイム4WDのセリカGT-FOURも誕生。最終的に1.6Lを廃止し、1.8Lと2.0Lの全車DOHCとなった。
| 全長 | 4,365mm | 
|---|---|
| 全幅 | 1,690mm | 
| 全高 | 1,295mm | 
| ホイールベース | 2,525mm | 
| 車両重量 | 1,120kg | 
| エンジン型式 | 3S-GELU | 
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ | 
| 総排気量 | 1968cc | 
| 最高出力 | 136PS/6400rpm | 
 ST165型セリカGT-FOUR 映画『私をスキーに連れてって』で人気に火がつく
ST165型セリカGT-FOUR 映画『私をスキーに連れてって』で人気に火がつく
 WRC参戦を果たしたセリカGT-Four(ST165)
WRC参戦を果たしたセリカGT-Four(ST165)
1986年誕生のセリカGT-FOUR(ST165型)は、2.0LのDOHC16バルブターボ3S-GTEエンジンを搭載。ベベルギア式センターデフを装備したフルタイム4WDでWRC本格参戦。映画『私をスキーに連れてって』でも活躍し、四駆は雪に強いと印象付けた。
| 全長 | 4,365mm | 
|---|---|
| 全幅 | 1,690mm | 
| 全高 | 1,295mm | 
| ホイールベース | 2,525mm | 
| 車両重量 | 1,350kg | 
| エンジン型式 | 3S-GTE | 
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブターボ | 
| 総排気量 | 1968cc | 
| 最高出力 | 185PS/6000rpm | 
5代目セリカ T180型(1989~1993年)ボディ剛性が大幅向上!WRCでも大活躍
 5代目セリカ 「ニューエアロフォルム」と呼ばれるスタイリングが特徴
5代目セリカ 「ニューエアロフォルム」と呼ばれるスタイリングが特徴
 5代目セリカ リフトバックZ-Rのリア
5代目セリカ リフトバックZ-Rのリア
曲面曲線を多用した近未来的なスタイリングの5代目セリカ。プラットフォームは先代の流用だが、ボディ剛性が向上。エンジンはすべて2.0Lに統一。4輪操舵システム(デュアルモード4WS)をトヨタ初採用。CMにはエディ・マーフィを起用。
| 全長 | 4,420mm | 
|---|---|
| 全幅 | 1,690mm | 
| 全高 | 1,305mm | 
| ホイールベース | 2,525mm | 
| 車両重量 | 1,210kg | 
| エンジン型式 | 3S-GTE | 
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブターボ | 
| 総排気量 | 1998cc | 
| 最高出力 | 225PS/6000rpm | 
 ワイドボディのGT-FOUR A 「A」はアドバンスの意味
ワイドボディのGT-FOUR A 「A」はアドバンスの意味
 WRC二冠を達成したST185型セリカGT-FOUR
WRC二冠を達成したST185型セリカGT-FOUR
 1993年にオーストラリアラリーで優勝を果たした セリカGT-FOUR ST185型
1993年にオーストラリアラリーで優勝を果たした セリカGT-FOUR ST185型
 1992年からST165型の後継としてラリーに参戦
1992年からST165型の後継としてラリーに参戦
 セリカGT-FOUR ST185型はマニュファクチャラーズ&ドライバーズのダブルタイトルを獲得
セリカGT-FOUR ST185型はマニュファクチャラーズ&ドライバーズのダブルタイトルを獲得
GT-FOUR(ST185型)は先代同様WRCでも活躍。ワイドボディのGT-FOUR Aも登場。1991年にはホモロゲ―ションモデルGT-FOUR RCが5000台(国内1800台)発売。日本車初WRCマニュファクチャラーズとドライバーズタイトルの二冠を達成。
| 全長 | 4,420mm | 
|---|---|
| 全幅 | 1,690mm | 
| 全高 | 1,305mm | 
| ホイールベース | 2,525mm | 
| 車両重量 | 1,400kg | 
| エンジン型式 | 3S-GTE | 
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブターボ | 
| 総排気量 | 1998cc | 
| 最高出力 | 225PS/6000rpm | 
6代目セリカ T200型(1993~1999年)個性的な丸目へ!GT-FOURは最終モデル
 6代目セリカ リフトバック
6代目セリカ リフトバック
 6代目セリカ コンバーチブル
6代目セリカ コンバーチブル
リトラクタブルから一転して、個性的な4灯ヘッドライトへ。シャシはカリーナED/コロナ・エクシヴと共通で、全幅が1750mmとなり、全車3ナンバーに。上級グレードにはスーパーストラットサスペンションを採用し、シャープなハンドリングを実現。
| 全長 | 4,435mm | 
|---|---|
| 全幅 | 1,750mm | 
| 全高 | 1,305mm | 
| ホイールベース | 2,535mm | 
| 車両重量 | 1,190kg | 
| エンジン型式 | 3S-GE | 
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ | 
| 総排気量 | 1998cc | 
| 最高出力 | 180PS/7000rpm | 
 ST205型セリカGT-FOUR
ST205型セリカGT-FOUR



 WRCグループA参戦 ST205型セリカGT-FOUR
WRCグループA参戦 ST205型セリカGT-FOUR
1994年、最後のGT-FOURモデルとなるST205型セリカGT-FOURが登場。ツインカムターボ3S-GTEは最高出力255PS。スーパーストラットサスペンション、大型リヤスポイラーなどを装着したWRC仕様車は国内限定2100台の発売。
| 全長 | 4,420mm | 
|---|---|
| 全幅 | 1,750mm | 
| 全高 | 1,305mm | 
| ホイールベース | 2,535mm | 
| 車両重量 | 1,380kg | 
| エンジン型式 | 3S-GTE | 
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブターボ | 
| 総排気量 | 1998cc | 
| 最高出力 | 255PS/6000rpm | 
7代目セリカT230型(1999~2006年)7代36年の歴史に幕を下ろした最終型セリカ
 7代目セリカ前期型 SS-II ボディタイプは3ドアリフトバックのみ
7代目セリカ前期型 SS-II ボディタイプは3ドアリフトバックのみ
縦長のヘッドランプが特徴的なセリカ最終モデル。GT-FOURは存在せず、全車FFで1.8L直4エンジンを搭載。先代の同グレードから60~90kgの大幅な軽量化に成功。ロングホイールベース、ショートオーバーハングにより高速安定性が向上した。
| 全長 | 4,335mm | 
|---|---|
| 全幅 | 1,735mm | 
| 全高 | 1,305mm | 
| ホイールベース | 2,600mm | 
| 車両重量 | 1,120kg | 
| エンジン型式 | 2ZZ-GE | 
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC | 
| 総排気量 | 1,7958cc | 
| 最高出力 | 190PS/7600rpm | 
セリカの後継は、北米では前輪駆動・2ドアスポーツクーペの「サイオンtC」(2016年販売終了)という見方をされることがあります。
また、国内では、2012年発売のトヨタ86が実質後継という声もあります。確かに量産クーペであり、ラリーやサーキットのベース車両になりえる点など、類似点もあります。
しかし、セリカは4代目以降FF(GT-FOURは4WD)であり、86はFRです。トヨタは86をセリカの後継と発言したことはなく、あくまで現行車種のラインアップ的に、立ち位置が近いというだけです。
セリカは復活の可能性もあり?アメリカで「セリカ」の商標権を申請済み
2019年にBMWと共同開発でスープラを復活させたトヨタですが、2020年以降にセリカを復活させるという噂があります。
復活が噂される根拠は2つ。
1つはスープラ開発にも携わったトヨタのチーフエンジニア甲斐将行氏がアメリカの自動車専門誌『Road & Track』で、セリカの復活に対して前向きな姿勢を示したこと。
もう1つは、2017年8月と2021年1月19日に、トヨタが米国特許商標庁に「セリカ(CELICA)」商標権の再登録申請を行ったことに由来します。
新型スープラは価格490万円~、直列6気筒モデルは690万円の価格ながら、非常に好調なセールスを記録しています。セリカ復活への期待は今後ますます高まるでしょう。
セリカは時代を彩った名車!話題性に事欠かない歴代モデルたち

70年代~90年代の日本の自動車文化のなかで、セリカは話題性に事欠かないクルマです。
1970年に初代モデルが誕生。日本初のスペシャルティカーはプリンススカイラインスポーツですが、商業的に成功を収めたのはセリカが初めてです。
1977年発売の2代目セリカは、オイルショック、排ガス規制のなかでもDOHCエンジンを搭載。規制適合に苦心していたライバル車スカイラインGT-Rに対し、「名ばかりのGT達は、道をあける」と広告で強烈に皮肉ります。後1980年にスカイラインGT-Rはセリカにはないターボエンジンを搭載し、逆にセリカを挑発。
トヨタと日産が熱く火花を散らしていた時代を象徴する出来事です。
1986年、4代目に設定された四輪駆動のセリカGT-FOURはWRCで活躍。優れた戦歴を残しただけでなく、映画『私をスキーに連れてって』の劇中車にもなり、「4WDは雪に強い」と広く大衆に印象付けました。
セリカはモデルチェンジの度に大きくエクステリアを変更しつつも、そのデザインは非常に洗練されており、今見てもスタイリングの良さに驚きます。まさに時代を彩った名車の1つでしょう。

 
        

























