スープラ歴代モデル

スープラ歴代モデルまとめ 各世代の特徴・スペックと歴史を徹底解説

歴代スープラ(A40・A60・A70・A80・DB型)の違いを世代別に比較。直6エンジンやFR駆動の伝統、280PS達成、GRスープラ復活の経緯まで、スープラの歴史をまとめて確認できます。

スープラ歴代モデルまとめ 各世代の特徴・スペックと歴史を徹底解説

トヨタのフラッグシップスポーツカー「スープラ」歴代モデルの特徴と歴史を振り返る

海外メディアが発表した「世界で愛される90年代の名車ランキング」において、スープラはマツダRX-7やホンダNSXといった強豪を抑えて1位を獲得しました。

排出ガス規制に対応できず2002年に生産を終了したスープラは、2019年にBMWとの共同開発による5代目「GRスープラ」として復活。現在も進化を続けています。ここでは、セリカの上級車種として1978年に誕生した初代モデルから、現行の5代目GRスープラまで、歴代モデルの歴史と特徴を詳しく解説します。

初代スープラ(日本名:セリカXX)A40型・A50型 1978年〜1981年

初代スープラのエクステリア初代スープラはセリカの上級モデル「セリカXX」という車名で販売開始

スープラの開発は、北米市場で絶好調だった日産「フェアレディZ」のヒットに刺激を受ける形でスタートしました。北米トヨタのマーケティング調査で「6気筒エンジン搭載のスポーツカーへのニーズが高い」と判断され、1977年の東京モーターショーに出展、翌1978年にセリカの上級モデルとして発売されました。

日本での車名は「セリカXX」でしたが、アメリカでは「XX」が成人指定映画を意味する表記として使われていたため、海外市場ではラテン語で「至上・最高」「上へ」「超えて」を意味する「スープラ」という名称が採用されました。

初代スープラはFR方式・直列6気筒エンジンを搭載する高級志向のスペシャルカー

1978年4月に登場した初代スープラは、2代目セリカをベースにホイールベースと全長を延長した上位車種です。誕生以降歴代モデルに受け継がれるFR方式・直列6気筒エンジンはこの代から採用されました。

2シーターのフェアレディZと差別化するために、初代スープラはラグジュアリーな雰囲気を持つスポーツカーとして開発されました。角型4灯式ヘッドライトとT字モチーフのフロントグリルが外観の特徴で、2.0Lエンジンは最大出力123馬力、0〜100km/h加速は10.2秒を記録しました。1980年のマイナーチェンジでは全車のリアサスペンションを独立懸架式に変更し、ハンドリング性能をさらに高めました。

2代目スープラ(日本名:セリカXX)A60型 1981年〜1986年

2代目スープラのエクステリア60スープラはリトラクタブルヘッドライト(格納式ヘッドライト)が特徴

1981年7月のフルモデルチェンジで誕生した2代目A60型スープラ。同時期に登場したソアラに高級路線を譲り、2代目スープラはスポーツ性能の向上に専念できる環境が整いました。

セリカリフトバックをベースとする2代目は、リトラクタブルヘッドライト(格納式ヘッドライト)が印象的なフロントマスクを採用。ボディはワイド化され、ヘッドレストと一体化したバケットタイプのフロントシートが独自性を演出します。

フラッグシップモデル(日本名:セリカXX 2800GT)には2.8Lの5M-GEU型直列6気筒DOHCエンジンを搭載。5速MTのほか、マイコン制御の電子式4速AT(ETC-S)、全車パワステ、デジタルメーターなどの先進装備を採用しました。0〜100km/h加速は9.8秒、最高速度は200km/h超えを実現しました。

2代目はターボエンジン搭載車を追加してファン層を拡大

1982年2月にターボエンジン搭載車をラインナップに追加し、同年8月には2,000GTを投入してさらにファン層を広げました。1983年のマイナーチェンジではバンパー形状やテールレンズのデザインを変更し、ウェッジシェイプや足回りも見直してファストバックスタイルに磨きをかけました。

3代目スープラ A70型 1986年〜1993年

3代目スープラのエクステリア型番の70を取りナナマルスープラの愛称で親しまれる3代目スープラ

1986年2月のフルモデルチェンジで誕生した3代目からは、日本国内での「セリカXX」という車名が廃止され、「スープラ」に統一されました。キャッチコピーは「TOYOTA 3000 GT」で、往年の名車2000GTを意識した命名です。

型番から「ナナマルスープラ」の愛称で親しまれる3代目は、センターコンソールまでを一体化した横L字型インパネを採用し、デジタルメーターとアナログメーターを組み合わせた視認性の高いコックピットを実現しました。インタークーラー付きターボを加えた3.0Lエンジンをラインナップし、トランスミッションは5速MTと電子制御4速ATから選択可能。4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションと電子制御式サスペンション「TEMS」を採用し、全日本ツーリングカーレース初戦でも優勝を飾るなど、レースシーンでも活躍しました。

3代目は3ナンバー仕様を追加し、後期型で280PSに到達

1987年には7M-GTEUエンジンに5速MTを組み合わせ、ブリスターフェンダーを採用する3ナンバー仕様「3.0GTリミテッド」を追加設定。1988年のマイナーチェンジではフロントマスクとテールライトのデザインを刷新し、使用燃料をハイオク仕様へ改良。3Lエンジン搭載モデルは輸入仕様と同様のワイドボディに変更されました。

1989年の一部改良では、装備を省いて価格を抑えた廉価グレード「3.0GTターボS」を追加。1990年のマイナーチェンジでは、2.5L直列6気筒ツインターボエンジンを搭載した「2.5GT」を設定し、ビルシュタイン社と共同開発した専用ショックアブソーバーを採用。高性能エンジン1JZ-GTE型を搭載する後期型最上級グレード「2.5GT」は最高出力280PSを達成し、当時の自主規制値に到達しました。

4代目スープラ A80型 1993年〜2002年

4代目スープラのエクステリア80型スープラは中古車市場でプレミア価格で取引されているほど人気

1993年5月に発売した4代目A80型スープラは「ハチマルスープラ」の愛称で今も高い人気を誇り、中古車市場ではプレミア価格での取引が続いています。キャッチコピー「THE SPORTS OF TOYOTA」が示すとおり、ラグジュアリーよりも純粋なスポーツカーを目指したモデルです。

3代目と比べてフェンダーをワイド化し全幅を1,810mmに拡大、全高を25mm下げ全長とオーバーハングを短縮して運動性能を追求。アクティブスポイラーや大型リアスポイラーなどのエアロパーツを充実させ、Cd値0.30という当時世界最高レベルの空力性能を実現しました。

日本の乗用車として初の6速MTを搭載し、3.0L自然吸気・3.0Lツインターボエンジンをラインナップ。最高出力280PS、0〜100km/h加速4.6秒を達成し、世界中のカーエンスージアストに愛されるモデルとなりました。

スープラは排出ガス規制に対応できず2002年に生産終了

1994年8月のマイナーチェンジでは、トルセンLSDや大型リアスポイラーを装備した「SZ-R」を追加設定。1996年のマイナーチェンジでは全車にABSを導入し、サスペンション改良・ボディ剛性強化・デュアルエアバッグ標準装備化で安全性を向上させました。1997年のマイナーチェンジではツインターボエンジンのVVT-i化とボディ補強を実施。スーパーGTで4度のチャンピオンを獲得するなどレースシーンでも輝かしい実績を残したスープラですが、2000年に強化された排出ガス規制への対応が困難となり、2002年に惜しまれながら生産終了となりました。

5代目GRスープラ DB型 2019年〜

2019年に発売した新型GRスープラのエクステリア「ロングノーズ&ショートデッキ」の伝統を踏襲したGRスープラ

A80型の生産終了から17年後の2019年5月、トヨタはBMW「Z4」と共同開発した5代目スープラ(DB型)を発売しました。プラットフォームこそZ4と共有しますが、サスペンションやエンジンのチューニングで明確に差別化されており、兄弟車でありながら乗り味はまったく異なります。

トヨタのスポーツモデル専門ブランド「GR(GAZOO Racing)」の専売車種として、A80型以前のモデルと区別するために「GRスープラ」の名称で展開されています。

GRスープラは「直6エンジン+FR+ショートホイールベース」でスポーツ性能を追求

GRスープラは型式こそ変わりましたが、歴代スープラの伝統である「直列6気筒エンジン+FR(後輪駆動)」を継承しています。トヨタ社内でハイブリッド化が何度も検討されましたが、ボディが大型・重量化するのを嫌い、見送られました。

全長4,380mm×全幅1,865mm×全高1,290mmのボディに、コンパクトカー並みの2,470mmというショートホイールベースを採用。これにより軽快なハンドリングを実現しつつ、車両重量もA80型とほぼ同等に抑えています。年々厳しくなる騒音規制のなかでも、スープラは世界各国の規制に対応したマフラーを独自開発し、現代において数少ない「スポーツカーらしい音を楽しめる1台」となっています。

トヨタのフラッグシップスポーツカー「スープラ」は新たな歴史を刻み続けている

歴代スープラ

セリカXX時代から半世紀近くにわたり、多くの人々に愛されてきたトヨタのフラッグシップスポーツカー「スープラ」。初代から5代目まで、各世代がそれぞれの時代の技術と規制のなかで「FRスポーツカー」としての本質を追求してきました。

5代目GRスープラは超ショートホイールベースという現代に逆行するレイアウトを採用しながら、最新の電子制御システムで安定性と運動性能を両立させています。今後スープラがどのような進化を遂げるかは注目されるところですが、世界的な電動化の流れを受けながらも、トヨタならではのスポーツカー哲学を体現した1台を生み出し続けることでしょう。各年代のスープラは特徴こそ異なりますが、いずれも「時代を超えた名車」として語り継がれています。