シルビアの歴代モデルを振り返る!思い出のS110・懐かしのS13など名車を画像付き紹介!
シルビアは1965年~2002年までに販売された7代の歴史を持つ日産のスポーツクーペです。日産側は若者向けのスペシャリティーカーとして開発し、実際にデートカーとして商業的な成功をおさめました。
しかし、シルビアは一方で、80年代に徐々に減りつつあった「FR式のスポーツカー」であり、価格も比較的手ごろでチューニングしやすいため、ドリフトカーとして走り屋などの層にも人気を集めているのは有名な話です。
シルビア歴代モデルは7代で歴史は意外に古い?モデルチェンジは人気→不人気の繰り返し
シルビアの歴代モデル7代をご紹介。シルビアの人気隆盛期といえば、80年代のS14型や90年代のS15型が有名ですが、意外に歴史は古く、初代は1965年に誕生しています。姉妹車であるガゼールや180SXも名車として有名です!
初代 シルビア CSP311型(1965~1968年)…クリスプカットと呼ばれた継ぎ目のない美しき高級クーペ
シルビア CSP311型
日産がクリスプカットと呼ぶ美しいデザインの高級クーペ。フェアレディ(SP310)と共通シャシを使用。デザインは絶賛されたが、高級クーペらしからぬ乗り心地や割高感あり554台の生産に終わった。希少性ゆえに今では1000万円超え当たり前。博物館にあるようなビンテージカーである。
全長 | 3,985mm |
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全幅 | 1,510mm |
全高 | 1,275mm |
車両重量 | 980kg |
乗車定員 | 2名 |
エンジン種類 | R型 直列4気筒 1.6L OHV |
最高出力 | 90pS/6,000rpm |
全ボディタイプ | 2ドアクーペ |
2代目 シルビア S10型(1975~1979年)…高級路線からコンセプト変更するも北米デザインがウケず
シルビア S10型
シルビア S10型
初代シルビアから7年の販売中止期間経て復活したS10型。2代目は北米向けのセクレタリーカー(働く女性が乗る車)とコンセプトを変更しており、「NEW Silvia」のエンブレムをつけている。プラットフォームはサニーと共通。北米スタイルが受けず、日本では販売不振に陥った。
全長 | 4,135mm |
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全幅 | 1,600mm |
全高 | 1,300mm |
車両重量 | 990kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | L18 直4 1.8L シングルキャブ |
最高出力 | 105PS/6,000rpm |
全ボディタイプ | 2ドアハードトップ |
3代目 シルビアS110型(1979~1983年)…流行をおさえたデートカー路線で初の商業的ヒット
シルビア S110型
センターピラーのないハードトップや直線的なデザインなど流行をとらえ、ムーディーなデートカーとして月4000台以上のヒットとなったS110型。ベースはサニー(B310型)やバイオレット(A10型)。後期型は240RSのベース車であり、日産モーター店から姉妹車ガゼールも販売した。
全長 | 4,400mm |
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全幅 | 1,680mm |
全高 | 1,310mm |
車両重量 | 1,105kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | Z20 直4 2.0L |
全ボディタイプ | 2ドアハードトップ 3ドアハッチバック |
4代目 シルビアS12型(1983~1988年)…意欲的だが先代S110型の存在が大きすぎ人気低迷
シルビア S12型
当時のスポーツカーで流行していたリトラクタブル・ヘッドライト(通称パカライ)を搭載した貴重なモデル。ターボを追加したFJ20ET型は190馬力を実現したが、デザインが不評で販売面では苦戦。先に姉妹車ガゼールの販売が終了し、モデルチェンジを待つことに。
全長 | 4,430mm |
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全幅 | 1,660mm |
全高 | 1,330mm |
車両重量 | 1,140kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直列4気筒2.0/1.8L |
全ボディタイプ | 2ドアクーペ 3ドアハッチバック |
5代目 シルビアS13/KS13型(1988~1993年)…歴代シルビア最大のヒット作!ドリフトカーとしても人気に
シルビア S13型
シルビア最大のヒット作。日産はホンダ・プレリュードに対抗するバブル期のデートカーとして開発したが、スタイル重視で「ボンネットは低い方がカッコイイ」とFR式を採用したら、ドリフトカーとして峠でも人気が爆発する結果になった。日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞。
全長 | 4,470mm |
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全幅 | 1,690mm |
全高 | 1,290mm |
車両重量 | 1,140kg |
乗車定員 | 4名 |
エンジン種類 | CA18DET |
最高出力 | 175ps(129kW)/6400rpm |
全ボディタイプ | 2ドアクーペ 2ドアコンバーチブル |
6代目 シルビアS14型(1993~1998年)…大型化とたれ目が大不評で「失敗作」という厳しい意見も!
シルビア S14型
名車S13とプラットフォームは同じだが、3ナンバーに大型化し、外観を変更したため大幅な人気ダウン。シルビアに求められているのは軽快さ、シャープさ、「ツリ目」だと判明。中古S13の人気が高騰、モデルチェンジを避けた姉妹車180SXが安定して売れるという皮肉な結果に。
全長 | 4,520mm |
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全幅 | 1,730mm |
全高 | 1,295mm |
車両重量 | 1,190kg |
乗車定員 | 4名 |
エンジン型式 | SR20DET |
最高出力 | 160ps(118kW)/6400rpm |
全ボディタイプ | 2ドアクーペ |
7代目 シルビアS15型(1999~2002年)…異例の5ナンバー戻しで「シルビアらしさ」を詰め込む集大成
シルビア S15型 オーテックバージョン
不人気車となったS14を踏まえて、異例の5ナンバー戻しでボディを小型化。ツリ目のエクステリア、ターボを搭載したFRらしい走行性能、運転席Aピラーに油圧計やブースト計をセットなど、期待される「シルビアらしさ」に応えた。排ガス規制により生産終了となるが、中古での人気は高い。
全長 | 4,455mm |
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全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,285mm |
車両重量 | 1,240kg |
乗車定員 | 4名 |
エンジン型式 | SR20DET |
最高出力 | 250ps(184kW)/6400rpm |
全ボディタイプ | 2ドアクーペ 2ドアコンバーチブル |
シルビアの姉妹車ガゼールと180SXも人気車種!
シルビアは日産の人気車種だったので、姉妹車も誕生しています。シルビアの姉妹車であるガゼールや180SXはそれぞれ人気ドラマの劇中で人気を集めたりなど、注目度の高かった車です。
ガゼールは3代目シルビアS110型の姉妹車!『西部警察』にも出演した車両
ガゼール S110型 西部警察劇中車
ガゼールでは、3代目シルビアS110型の姉妹車として登場しました。シルビアが日産サニー店の取り扱いなのに対し、ガゼールは日産モーター店、やや内装が豪華で価格も5,000円高く設定されました。デートカーとして人気を博したシルビアより、購買層を高めに考えていたのだろうと予想できます。
ガゼールは、当時の大ヒットドラマ『西部警察』で石原裕次郎さん演じる木暮謙三警視の愛車としてお馴染みでした(日産はスポンサーとして劇中車の全面提供を行っていた)。
なぜシルビアではなく、ガゼールを選択したのかは定かではありませんが、シルビアの人気は定着していたのでガゼールをPRしたかった、また劇中の小暮警視(石原裕次郎)の年齢を考えると、ガゼールの方がしっくりくるから、などの理由が考えられます。
180SXは6代目シルビアS13の姉妹車!シルビア同様若者に愛されたスポーツカー
180SX RPS13型
180SX(ワンエイティエスエックス)は6代目シルビアS13型の姉妹車です。S13型の北米向け販売モデル240SXを再度日本向けに仕立て直し、リトラクタブル・ヘッドライドや大型ハッチゲートを装備しているのがシルビアとの違いです。
シルビアS13型の登場1年後の1989年に発売されると、180SXは「ワンエイティ」と親しまれ、シルビア同様チューニングカーとしても人気を博します。シルビアS13型がS14型となっても、フルモデルチェンジはせず、前期・中期・後期とマイナーチェンジのみを実施し、1998年まで販売されていました。
シルエイティとワンビアは、180SXとシルビアを組み合わせた改造車
シルビアと180SXは、同型番S13を持つため、パーツの流用もしやすいのはカスタムカー好きにはよく知られた話です。シルビアと180SXのパーツを組み合わせた改造車は「シルエイティ」と「ワンビア」という名前で親しまれています。
シルエイティは180SXをベースに、顔をシルビアに変更!リトラクタブル・ヘッドライトがないデザイン
シルエイティは、180SXをベースに、フロント部分の外装をシルビアS13に組み替えたものです。「顔面スワップ・ボディスワップ」(スワップは交換するの意味)と呼ばれる改造手法の代表的な手法で、アフターメーカーから変換キットも発売されました。日産系のディーラーが限定500台で販売しており、こちらは「シルエイティ」と正規登録されています。
180SXとシルビアのもっとも大きなフロント面の違いは、180SXにあるリトラクタブル・ヘッドライトがシルビアにはないということです。
ワンビアは、シルビアのフロントマスクを180SXに変更したシルエイティの逆バージョン
シルエイティの逆に、シルビアS13型の車両に180SXのフロントマスクを組み替えたのがワンビアです。
しかし、リトラクタブル・ヘッドライトを外すシルエイティは軽量化などのメリットもありますが、ワンビアにはあまりなく、珍しいカスタムの部類でした。
シルビア復活の可能性は?S16型が登場する予定は2018年はかなり低いと予想
2002年に生産を終了したものの、現在でも国内外に根強いファンを持つシルビア。
2013年の東京モーターショーで披露された日産のクーペがシルビアに似ていたこともあり、以降復活がささやかれてきました。
しかし、2018年現在も日産側からの正式な発表はありません。
シルビアの当初のコンセプトは、「デートカーになるスポーツクーペ」でした。それが、「改造車としてサーキットや峠で人気のスポーツカー」となっていったのです。
トヨタ・86(スバルBRZ)などもありますが、やはり現在スポーツカーを販売して売れるかは微妙なところであり、「デートカー」というのは既に存在しないジャンルです。新たなファン層を開拓できれば理想的ですが、当時のファンが購買層の中心になる予感もします。
また、当時のシルビアの先進的な美しさを現代風によみがえらせる容易ではなく、日産の今の経営状態を考えると、果たしてシルビアを復活させる労力と利益が釣り合うのかという疑問も残ります。
歴代シルビアに寄せられた期待と希望は大きかった!
初代シルビアは、非常に高いデザイン性を持つ美しい高級クーペでした。しかし、価格面と知名度の問題もあり、販売が伸び悩みます。2代目も北米市場をメインに考えたため、日本では不人気モデルでした。
その後、3代目S110がデートカーとしてヒットしますが、面白いのは3代目以降、シルビアはフルモデルチェンジの度に、ヒットと人気低迷を繰り返していくことです。
不人気=悪い車ではありませんが、人気モデルの後ほどフルモデルチェンジが難しいのは事実。「クーペらしい美しさを維持してほしい」「スポーツカーらしい性能を手ごろな価格で」「チューニングカーとしてずっと存在してほしい」など、シルビアに寄せられる期待や希望が大きいゆえに歩んだ独自の歴史とも考えられます。