シルビアの歴代モデル

シルビアの歴代モデルは7代で歴史は意外に古い?姉妹車・改造車も人気

シルビアS13・S15など歴代7モデルの特徴をわかりやすく比較。なぜヒット作と不人気作が交互に生まれたのか、開発背景も解説。姉妹車や派生改造車の情報、復活の可能性についても最新状況をまとめています。

シルビアの歴代モデルは7代で歴史は意外に古い?姉妹車・改造車も人気

シルビアの歴代モデルを振り返る!思い出のS110・懐かしのS13など名車を画像付き紹介

シルビアは1965年〜2002年にかけて販売された、7代の歴史を持つ日産のスポーツクーペです。日産が若者向けのスペシャリティーカーとして開発し、デートカーとして商業的な成功をおさめた一方、手ごろな価格でチューニングしやすいFR駆動を活かしてドリフトカーとして走り屋層にも絶大な人気を誇った、二面性を持った名車です。

2002年の生産終了から20年以上が経過した今も中古車市場での人気は根強く、世界中にコアなファンが存在し続けています。本記事では初代CSP311型から最終7代目S15型まで歴代モデルを諸元表付きで振り返り、姉妹車ガゼール・180SXや、シルエイティ・ワンビアといった派生モデルについても解説します。

シルビア歴代モデルは7代で歴史は意外に古い?モデルチェンジは人気と低迷の繰り返し

シルビアの人気隆盛期といえば5代目S13型や7代目S15型が有名ですが、初代は1965年に誕生しており、歴史は意外なほど長くなっています。3代目以降、フルモデルチェンジのたびにヒットと低迷を繰り返したのもシルビアの特徴のひとつです。姉妹車のガゼールや180SXもそれぞれ名車として語り継がれています。

初代 シルビア CSP311型(1965〜1968年)…クリスプカットと呼ばれた継ぎ目のない美しき高級クーペ

シルビア CSP311型のエクステリアシルビア CSP311型

日産が「クリスプカット」と呼ぶ、継ぎ目のない美しいデザインの高級クーペ。フェアレディ(SP310)と共通シャシを使用し、デザインは絶賛されましたが、乗り心地の悪さと割高感から生産台数はわずか554台にとどまりました。希少性ゆえに中古市場では1,000万円超えも当たり前で、博物館レベルのビンテージカーです。

シルビア CSP311型 諸元表
全長 3,985mm
全幅 1,510mm
全高 1,275mm
車両重量 980kg
乗車定員 2名
エンジン種類 R型 直列4気筒 1.6L OHV
最高出力 90PS/6,000rpm
ボディタイプ 2ドアクーペ

2代目 シルビア S10型(1975〜1979年)…高級路線からコンセプト変更するも北米デザインがウケず

シルビア S10型のエクステリアシルビア S10型

シルビア S10型のリヤビューシルビア S10型

初代から7年の販売中止期間を経て復活したS10型。「働く女性が乗る北米向けセクレタリーカー」にコンセプトを変更し、「NEW Silvia」のエンブレムを採用。プラットフォームはサニーと共通です。北米スタイルが日本では受け入れられず、販売不振に終わりました。

シルビア S10型 諸元表
全長 4,135mm
全幅 1,600mm
全高 1,300mm
車両重量 990kg
乗車定員 5名
エンジン種類 L18 直4 1.8L シングルキャブ
最高出力 105PS/6,000rpm
ボディタイプ 2ドアハードトップ

3代目 シルビア S110型(1979〜1983年)…流行をおさえたデートカー路線で初の商業的ヒット

シルビア S110型のエクステリアシルビア S110型

センターピラーのないハードトップや直線的なデザインなど当時の流行をとらえ、ムーディーなデートカーとして月4,000台以上を販売した初の商業的ヒット作。ベースはサニー(B310型)やバイオレット(A10型)で、後期型はラリー車「240RS」のベース車にもなりました。姉妹車ガゼールは日産モーター店から販売されました。

シルビア S110型 ZS-L諸元表
全長 4,400mm
全幅 1,680mm
全高 1,310mm
車両重量 1,105kg
乗車定員 5名
エンジン種類 Z20 直4 2.0L
ボディタイプ 2ドアハードトップ/3ドアハッチバック

4代目 シルビア S12型(1983〜1988年)…意欲的だが先代S110型の存在が大きすぎ人気低迷

シルビア S12型のエクステリアシルビア S12型

当時のスポーツカーで流行していたリトラクタブルヘッドライト(通称パカライ)を採用した貴重なモデル。ターボ搭載のFJ20ET型は190馬力を実現しましたが、デザインが不評で販売面では苦戦。先に姉妹車ガゼールの販売が終了し、S12型もモデルチェンジを待つ結果となりました。

シルビア S12型 諸元表
全長 4,430mm
全幅 1,660mm
全高 1,330mm
車両重量 1,140kg
乗車定員 5名
エンジン種類 直列4気筒 2.0L/1.8L
ボディタイプ 2ドアクーペ/3ドアハッチバック

5代目 シルビア S13/KS13型(1988〜1993年)…歴代シルビア最大のヒット作!ドリフトカーとしても人気に

シルビア S13型のエクステリアシルビア S13型

歴代シルビア最大のヒット作。ホンダ・プレリュードに対抗するバブル期のデートカーとして開発されましたが、スタイル重視でFR駆動を採用したことがドリフトカーとして峠やサーキットでも爆発的な人気を呼び、日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞しました。中古車市場での需要は今も高く、程度の良い個体は高値で取引されています。

シルビア S13型 K’s 諸元表
全長 4,470mm
全幅 1,690mm
全高 1,290mm
車両重量 1,140kg
乗車定員 4名
エンジン種類 CA18DET
最高出力 175PS(129kW)/6,400rpm
ボディタイプ 2ドアクーペ/2ドアコンバーチブル

6代目 シルビア S14型(1993〜1998年)…大型化と「たれ目」デザインが大不評で人気低迷

シルビア S14型のエクステリアシルビア S14型

名車S13型とプラットフォームは共通ながら、3ナンバーへの大型化と丸みを帯びた「たれ目」デザインへの変更が大幅な人気ダウンを招きました。「シルビアに求められるのは軽快さ・シャープさ・ツリ目だ」と改めて証明された世代とも言えます。中古S13型の人気が高騰し、モデルチェンジをしなかった姉妹車180SXが安定して売れ続けるという皮肉な結果になりました。

シルビア S14型 Q’s エアロSE 諸元表
全長 4,520mm
全幅 1,730mm
全高 1,295mm
車両重量 1,190kg
乗車定員 4名
エンジン型式 SR20DET
最高出力 160PS(118kW)/6,400rpm
ボディタイプ 2ドアクーペ

7代目 シルビア S15型(1999〜2002年)…異例の5ナンバー戻しで「シルビアらしさ」を詰め込んだ集大成

シルビア S15型 オーテックバージョンのエクステリアシルビア S15型 オーテックバージョン

不人気に終わったS14型の反省を活かし、異例の5ナンバー戻しでボディを小型化。ツリ目のエクステリア、ターボ搭載のFR駆動による走行性能、運転席Aピラーへの油圧計・ブースト計設置など、ファンが求める「シルビアらしさ」を集大成させたモデルです。平成12年度排ガス規制により2002年に生産終了となりましたが、中古車市場での根強い人気は今も続いており、状態の良い個体は高値がつくことも珍しくありません。

シルビア S15型 スペックRエアロ 諸元表
全長 4,455mm
全幅 1,695mm
全高 1,285mm
車両重量 1,240kg
乗車定員 4名
エンジン型式 SR20DET
最高出力 250PS(184kW)/6,400rpm
ボディタイプ 2ドアクーペ/2ドアコンバーチブル

シルビアの姉妹車ガゼールと180SXも人気車種!

シルビアは人気車種だったため姉妹車も誕生しています。ガゼールは人気ドラマの劇中車として、180SXはチューニングカーとしてそれぞれ独自の人気を持ち、今もファンに語り継がれています。

ガゼールは3代目シルビア S110型の姉妹車!『西部警察』にも出演した車両

ガゼール S110型 西部警察劇中車のエクステリアガゼール S110型 西部警察劇中車

ガゼールは3代目シルビアS110型の姉妹車として登場。シルビアが日産サニー店の取り扱いだったのに対し、ガゼールは日産モーター店の扱いで、内装がやや豪華で価格も5,000円高く設定されていました。購買層をやや上の世代に想定していたことがうかがえます。

ガゼールは大ヒットドラマ『西部警察』で石原裕次郎さん演じる木暮謙三警視の愛車として広く知られました(日産がスポンサーとして劇中車を全面提供していました)。シルビアではなくガゼールを選んだ理由の定かではありませんが、ガゼールのPRを兼ねていた可能性や、劇中の木暮警視の年齢・立場にはガゼールのほうがしっくりくる、といった理由が考えられます。

180SXは5代目シルビア S13型の姉妹車!シルビア同様若者に愛されたスポーツカー

180SX RPS13型のエクステリア180SX RPS13型

180SX(ワンエイティ)は5代目シルビアS13型の姉妹車です。S13型の北米向け販売モデル「240SX」を日本向けに仕立て直し、リトラクタブルヘッドライトと大型ハッチゲートを装備しているのがシルビアとの主な違いです。

1989年の発売後は「ワンエイティ」の愛称で親しまれ、チューニングカーとしてもシルビアと並ぶ人気を誇りました。シルビアS13型がS14型にモデルチェンジしても180SXはフルモデルチェンジを行わず、前期・中期・後期とマイナーチェンジを重ねながら1998年まで販売されました。

シルエイティとワンビアは180SXとシルビアを組み合わせた改造車

シルビアS13型と180SXは同じS13系プラットフォームを持つため、パーツの相互流用がしやすいことがカスタムカー好きの間では有名です。この2車のパーツを組み合わせた改造車が「シルエイティ」と「ワンビア」です。

シルエイティは180SXをベースにフロントをシルビアに換装!リトラクタブルヘッドライトのないすっきりした顔に

シルエイティは180SXをベースに、フロント部分の外装をシルビアS13型のものに換装した改造車です。「顔面スワップ・ボディスワップ」と呼ばれる代表的な改造手法で、アフターメーカーから変換キットも販売されました。日産系ディーラーが限定500台で正規販売しており、「シルエイティ」として正式登録されています。リトラクタブルヘッドライトを固定式に換えることで軽量化が図れる点は、ドリフト車としての実用的なメリットにもなりました。

ワンビアはシルビアのフロントを180SXに換装したシルエイティの逆バージョン

シルエイティとは逆に、シルビアS13型のフロントマスクを180SXのものに換装したのがワンビアです。重いリトラクタブルヘッドライトを追加するため軽量化のメリットはなく、シルエイティに比べると実用的な動機に乏しいこともあり、珍しいカスタムの部類でした。

シルビア復活の可能性は?コンセプトデザインは公開されたが市販化は未定

2002年の生産終了以降も国内外に根強いファンを持ち続けるシルビア。復活への期待は長く続いており、日産も2013年の東京モーターショーでFRクーペのコンセプトカー「IDx」を披露、2021年には欧州日産がBEV(電気自動車)仕様の新型シルビアを想起させるコンセプトデザインを公開しました。いずれも多くのファンから歓声を受けましたが、市販化には至っていません。

2024年3月に日産が発表した中期経営計画「The Arc」では、2026年度までに30車種の新モデルを投入する計画が示されましたが、その中にシルビアは含まれておらず、短期的な復活の可能性は低いと見られています。ただし、電動化が進む自動車業界の中で、トヨタGR86やスバルBRZのような手ごろなスポーツクーペ市場への需要は依然として高く、日産がシルビアブランドを電動スポーツカーとして復活させる可能性はゼロではありません。

かつてのシルビアが「デートカー兼ドリフトカー」として独自の地位を築いたように、新型が実現する際にどんな新しいコンセプトでファン層を開拓するかが鍵となりそうです。

歴代シルビアに寄せられた期待と希望は大きかった!

歴代シルビア

初代シルビアは高いデザイン性を持つ美しい高級クーペでしたが、価格と知名度の問題から販売が伸び悩みました。2代目も北米市場を優先したため日本では不人気に終わっています。

3代目S110型がデートカーとしてヒットして以降、シルビアはフルモデルチェンジのたびにヒットと低迷を繰り返すという興味深い歴史を歩みました。不人気=悪い車ではありませんが、「クーペらしい美しさ」「FRのスポーツカーらしい走り」「手ごろな価格でチューニングできる車」というシルビアへの大きな期待が、そのハードルを超えられないモデルを生みやすくしたとも言えます。

2002年の生産終了から20年以上を経た今もなお世界中で愛され続け、復活への期待が語られ続けるシルビアは、日本が生んだスポーツカーの中でも特別な存在であり続けています。