MR2のモデルチェンジ

MR2は復活するのか GR MR2商標出願で現実味 発売は2027〜2028年か

MR2は結局どうなった?GR MR2の商標出願で復活構想が前進。エンジンや価格、発売時期の見通し、スバル・ロータス共同開発説の行方までまとめて解説します。

MR2は復活するのか GR MR2商標出願で現実味 発売は2027〜2028年か

MR2が復活か GR MR2の商標出願で現実味 86・スープラに続くミッドシップスポーツの行方

トヨタのミッドシップスポーツ「MR2」が復活するのではないか、という観測は、ここへ来ていよいよ現実味を帯びてきました。
トヨタ86やスープラのチーフエンジニアを務めた多田哲也氏が、かねてより「大・中・小のスポーツカーをラインナップしたい」という趣旨の発言をしており、モータースポーツに熱心な豊田章男氏(現・会長)の存在もよく知られています。巷では「トヨタスポーツカー3本柱構想」とも呼ばれ、注目を集めてきました。そして2025年末、その期待を裏づけるような動きが表面化しています。

「GR MR2」の商標が2025年11月に出願 復活構想が一歩前進

2025年11月25日、トヨタは特許庁に「GR MR2」の商標を出願し、同年12月3日の公報でその事実が明らかになりました。区分は第12類で、「陸上の乗物用の動力機械器具」や「自動車並びにその部品及び附属品」などが指定されています。「GRスープラ」「GR86」と同じくGRの名を冠していることから、往年のMR2がGRブランドのモデルとして復活するのではないか、という見方が一気に広がりました。

あわせて、オーストラリアのトヨタからは「GR MR-S」の商標も出願されており、海外市場を見据えた展開の可能性もささやかれています。ただし、商標の出願はあくまで発売に向けた下準備の段階であり、必ずしも市販化を約束するものではありません。プロジェクトが準備のまま立ち消えになる例もあるため、現時点では「復活へ大きく前進した」という受け止めが妥当なところでしょう。

気になるのは中身です。2025年時点でトヨタ・レクサスにミッドシップのモデルは存在せず、もしGR MR2がミッドシップで登場するなら新たなプラットフォームが必要になります。そのヒントとされるのが、2025年の東京オートサロンで公開された「GRヤリス M コンセプト」です。GRヤリスをミッドシップAWD化したこの試作車には新開発の直列4気筒2.0Lターボ「G20E」(最高出力400ps超とされる)が搭載され、スーパー耐久での実戦投入も報じられました。市販化の時期は2027年から2028年頃という見方が有力で、価格は諸説あるものの、専用設計ゆえに手頃とは言い切れないとの観測も出ています。

GRがブランドとして独立 GR GT・GR GT3・LFAコンセプトも登場

MR2復活の話題が現実味を増している背景には、GR自体の位置づけの変化があります。トヨタは2025年、センチュリー・レクサス・トヨタ・GR・ダイハツという5つのブランドで商品を展開する戦略を打ち出し、GRを独立したブランドとして扱う方針を示しました。

その象徴が、2025年12月に発表された「GR GT」「GR GT3」、そしてレクサスの「LFAコンセプト」です。4リッターV8ターボを積むスーパースポーツがGRブランドのフラッグシップを担うことになり、ラインナップの拡充が進んでいます。こうしたGR強化の流れのなかで表面化したのがGR MR2の商標であり、トヨタがミッドシップスポーツの復活を視野に入れていることをうかがわせます。

FT-Seがジャパンモビリティショー2023で世界初公開 次期MR2のヒントとの見方も

トヨタは新型BEV「FT-Se」を、2023年のジャパンモビリティショー2023で世界初公開しました。
流麗なボディラインにGRのブランドロゴをリヤへ配したワンフォームシルエットを採用し、ドライバーとともに育っていくクルマを目指したモデルです。 ミッドシップスポーツのプロポーションを備えていたことから、このFT-Seが次期MR2につながるのではないか、という見方が当時から注目を集めました。

パワートレインについては、GRヤリスやGRカローラが積む直列3気筒1.6L(テンロク)のガソリンターボを採用するのではないか、という声もありました。もっとも、その後に有力視されているのは前述のGRヤリスMコンセプト系の直列4気筒2.0Lターボであり、パワートレインの見立ては現在では移り変わっています。
なお、GRMN専用の限定生産で1,000万円オーバーになるという予想も一部にありましたが、GRヤリスの延長線上に位置づけられれば1,000万円を下回る可能性も指摘されており、価格帯はいまだ見通せない状況です。

トヨタ新型MR2の共同開発パートナーにポルシェが浮上したとの噂も

MR2と思われるモデルの開発が取り沙汰されるなかで、共同開発のパートナーがポルシェになるのではないか、という噂も過去に浮上したことがあります。きっかけは、トヨタのチーフエンジニアだった多田哲也氏が海外メディアのインタビューでポルシェの名に触れたと伝えられたことでした。

もっとも、どの企業と組むのか、あるいは単独開発なのかは定かではなく、この話はあくまで一時期の観測にとどまります。実際、その後の展開ではGRヤリスMコンセプトのように自社開発の色合いが濃くなっており、ポルシェとのタッグという見立ては現時点では裏づけのない段階のままです。MR2復活という話題自体が大きなニュースであることに変わりはありませんが、共同開発先については慎重に見ておく必要があります。

2021年までに新型19車種を販売 この中にMR2がいるのではという観測もあった

MR2のエクステリア復活が待ち望まれてきたトヨタMR2

2018年12月13日、アメリカの自動車メディア『Autoguide』のインタビューで、トヨタ北米の副社長ジャック・ホリス氏が2019〜2021年までに19車種の新型モデルを投入する意向を示しました。

当時販売されていたトヨタ86が3本柱の「中」、2019年に登場したスープラが「大」。となると、この19車種のなかにトヨタの小型スポーツカーがいて、2020年か2021年に登場するのでは——と期待されたものです。もっとも、結果的にこの時期に小型スポーツカーが加わることはなく、MR2復活の話が具体化するのは、後年のGR MR2商標出願を待つことになりました。

MR2復活が語られてきた根拠は? 次期スポーツカーはミッドシップという見方

MR2の復活が取り沙汰されてきた背景には、豊田章男氏をはじめ、チーフエンジニアクラスの発言があります。「現代では採算がとれない」といわれがちなスポーツカーですが、そのなかでもトヨタは86やスープラを復活させてきました。以下では、これまで語られてきた復活の根拠を振り返ります。

根拠1.トヨタのスポーツカー構想で小型スポーツカー枠だけが空いていた

MR2復活がたびたび取り上げられてきた理由の1つ目は、多田氏や豊田氏の「スポーツカー3本柱構想」のうち、小型スポーツカー枠だけが空いていたことです。

トヨタの小型スポーツカーといえば、ライトウェイトスポーツ黎明期に人気を集めたスポーツ800(ヨタハチ)や、1980年代に日本初の量産ミッドシップとして登場し日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したMR2が挙げられます。

両氏の発言が個人的な希望ではなく会社としての方向性なのだとすれば、ライトウェイトスポーツ復活の可能性は十分にあり得ます。実際、GR MR2の商標出願という具体的な動きが表面化したことで、この見立てはより説得力を帯びてきました。

根拠2.「次はミッドシップ」とチーフエンジニアが発言

多田氏や豊田氏のほかにも、MR2の復活をにおわせる発言をしたのが、トヨタのチーフエンジニアである甲斐将行氏です。スープラをBMWと共同開発する際に手腕をふるった人物です。

2018年9月、甲斐氏はアメリカの自動車専門誌『Road & Track』で「86、スープラとFRは揃った。次はミッドシップの番」と語っています。MR2は日本初の量産ミッドシップを採用した車であり、ミッドシップのスポーツカーといえばMR2を思い起こす人は多いでしょう。実際、インタビュー中には「セリカとMR2」の名前も挙がっていました。

トヨタは2017年8月に「セリカ」の商標を米国特許商標庁へ申請しており、甲斐氏の発言には一定の裏づけがあったといえます。なお、その後はセリカとミッドシップ4WDが同一の車両を指すのではないかとの見方や、MR2の後継にセリカのバッジが付くのではないかという噂も流れましたが、いずれも確定した情報ではありません。

根拠3.小型スポーツと目されたS-FRは開発中止の可能性が濃厚

S-FRのエクステリア開発が中止された可能性が高いライトウェイトスポーツのS-FR

トヨタは以前から小型ライトウェイトスポーツに関心を示しており、2015年の東京モーターショーではコンセプトカー「S-FR」を披露していました。

そのため、スポーツカー3本柱の話が出ると、「新型スポーツカーとしてS-FRが加わるのでは。スポーツ800(ヨタハチ)の後継を意識しているのでは」といった声もありました。

しかし、2015年の東京モーターショー以降、S-FRの続報はほとんど表に出てこず、すでに開発が中止されている可能性が濃厚です。

2018年の甲斐氏の発言を踏まえると、トヨタはS-FRではなく、MR2・MR-Sの後継にあたる新型ミッドシップスポーツの開発へ舵を切ったと見るのが自然でしょう。

新型MR2の共同開発相手はスバルかロータスか という見立て

日本の自動車メーカーが1社だけでスポーツカーを作り上げるのは極めて難しいのが実情です。そのためトヨタは、86をスバルと、スープラをBMWと共同開発してきました。
MR2復活の際にも共同開発になる可能性は高いとみられ、なかでも有力視されてきたのがスバルとイギリスのロータス・カーズです。ただし、後年に表面化したGRヤリスMコンセプトのように自社開発の色が濃くなっている面もあり、以下はあくまで過去に語られてきた見立てとして振り返る内容です。

スバルとの共同開発説 現実的に見えるが簡単ではない

MR2復活に向けたトヨタの共同開発相手はスバルではないか、という話がありました。一見すると現実的で、国産初のミッドシップとしてデビューしたMR2と、世界的にも稀有なスバルの水平対向エンジンの組み合わせは、日本のファンとしてはワクワクする取り合わせです。

スバルが新型ホットハッチとミッドシップスポーツを開発中との噂

スバルは新型ホットハッチの投入を目指す一方、それとは別にミッドシップスポーツを開発しているという噂がありました。

新型ホットハッチとミッドシップスポーツの両方をスバル1社で抱えるのは予算的に厳しい。ならばミッドシップ側はトヨタとの共同開発ではないか、というのが話の筋でした。
トヨタとスバルは86(BRZ)を共同開発した実績があり、一見すると最も現実的で相性の良い組み合わせに映ります。

水平対向エンジンをミッドシップに積むのは容易ではない

水平対向エンジンをミッドに積んでほしいという要望は以前からあり、北米で人気の高いスバルであれば、高級スポーツカーになっても「出れば買う」という富裕層が一定数見込めるでしょう。

ただ、水平対向エンジンをミッド(リヤ)に搭載するのは簡単ではなく、整備性の問題もあり、価格も高騰しやすくなります。エンジンルームに相応の面積が必要になるため、ライトウェイトなMR2のイメージから遠ざかってしまう恐れもあります。
あくまで予想の域を出ない話ですが、スバルの動向も引き続き注目されるところです。

ロータスとの共同開発説 理想的だが実現性は未知数

もう1つの有力候補とされてきたのが、イギリスのロータス・カーズです。日本で最大級の販売部数を誇る自動車雑誌でも、2018年末の時点で共同開発相手を「ロータスでは」と予想する見立てが出ていました。

すでに具体的な情報を掴んでいたのかは不明ですが、両社の関係や歴史、技術面から見て十分に可能だからこその予想でした。もしライトウェイトスポーツの老舗ロータスと組めばインパクトは絶大で、世界中のカーマニアの注目を集める、極めて理想的なMR2復活劇になったことでしょう。

ロータスとトヨタはエンジン供給で関係が深い

ロータス・カーズはライトウェイトスポーツを主力とするメーカーで、2004年からトヨタがエンジン供給を開始し、一時期の主要モデルのエンジンはトヨタ製(チューニングのうえ搭載)でした。それ以前から、両者の関係は古く深いものがあります。

2017年に中国・吉利傘下に入ったロータスとの距離感

ロータスは2017年に中国の吉利汽車(ジーリー)に買収されました。少量生産でマニアックな車作りのイメージが強いロータスですが、買収後は方針転換を進めているとされ、トヨタと組むという選択肢もゼロではないでしょう。

ただしトヨタからすれば、吉利傘下となったロータスとどう付き合うかは悩ましい問題ともいえます。国際情勢の変化もあり、こうした事情が絡めば話は単純には進みません。仮に買収後に協業が具体化していたとしても、当初期待されたような早期の実現は難しかったとみられます。

新型MR2はハイブリッド・EV化など予想はさまざま 価格の行方も注目

共同開発の相手以外にも、新型MR2にはさまざまな予想が飛び交ってきました。

  • ボディサイズは拡大されるのではないか(どの程度大きくなるかが焦点)
  • ハイブリッド化するのではないか
  • EV化するのではないか

価格面でも予想は尽きません。
参考までに、かつてのトヨタ86はおおむね260万〜500万円台、スープラは450〜700万円前後という水準でした。

理想をいえば、MR2(MR-S)の系譜どおりコンパクトなミッドシップスポーツとして手の届く価格で登場してほしいところです。もっとも、専用プラットフォームの開発や安全装備の充実を考えると、現在のスポーツカー市場では価格が上振れしやすいのも事実です。GRヤリスの延長線上にあれば1,000万円を下回る可能性が指摘される一方、500万円を超えてくるとの見方もあり、価格帯はいまだ定まっていません。

日本初の量産ミッドシップ車 MR2のモデルチェンジ遍歴

MR2

MR2はトヨタがかつて販売していたクーペ型のスポーツカーです。コンセプトカー「SV-3」を1983年の東京モーターショーで発表し、若干の仕様変更を経て1984年に発売しました。日本だけでなく北米でも高い評価を受けたモデルです。なお、2代目の生産終了後、1999年には実質的な後継となるオープンモデル「MR-S」が登場し、2007年まで販売されました。

MR2 初代 AW10/11型(1984年〜1989年)

1984年6月、MR2がデビュー。「S」「G」「G-Limited」というグレード体系でした。
1985年、限定300台の特別仕様車「WHITE LANNER」や「1600Gスポーツパッケージ」を発売。
1986年1月、前期型をベースとした特別仕様車「ブラックリミテッド」を発売。8月には大規模改良でTバールーフ装備車を設定し、後期型と呼ばれるようになりました。
1988年1月、特別仕様車「スーパーエディション」を発売。一部改良で電動格納ミラーやハイマウントストップランプを設定し、内装生地も変更。最終型と呼ばれるモデルになりました。
1989年1月、特別仕様車「スーパーエディションII」を発売。同年10月に販売を終了しました。

MR2 2代目 SW20型(1989年〜1999年)

1989年10月、フルモデルチェンジで2代目へ。グレードは「GT」「GT-S」「G-Limited」「G」の構成でした。
1991年12月、マイナーチェンジを実施。足まわりの見直しでグリップ性能が向上し、ブレーキ強化などの安全面の改良や「GT-S」の追加も行われました。あわせて850台の限定車「MR2 G-Limited Super Edition」も発売されています。
1993年11月、マイナーチェンジを実施。エンジンを中心とした動力系の強化やボディの剛性向上が図られましたが、このマイナーチェンジ以降は受注生産となりました。誕生10周年記念車「ビルシュタイン・パッケージ」も設定されています。
1996年6月、一部改良で全グレードにスポーツABSを標準装備。
1997年12月、最後の一部改良でスポーツABSの構造変更と空力の改良を実施。
1999年10月、後継のMR-Sのデビューに伴い販売を終了しました。

MR2のモデルチェンジ遍歴
MR2のモデル 販売年表
初代 AW10/11型 1984年〜1989年
2代目 SW20型 1989年〜1999年