日産ブルーバードとは?歴代モデルと旧車・中古車として人気の車
日産ブルーバードは、6代目(910型)までは「ダットサン ブルーバード」の名前で販売されていた日本の自動車史を代表する大衆ミドルセダンです。2001年に10代目を持って販売を終了しましたが、後継シルフィは現行車種として今も活躍中!
トヨタのコロナとは、1960年代後半にはコロナとブルーバードの両方の頭文字をとってBC戦争と呼ばれる大規模な販売競争を繰り広げ、1970年後半~80年代にはCMでお互いが相手の車を皮肉るパロディを行っていたほどです。
このライバル関係はブルーバードの後継であるシルフィと、コロナの後継であるプレミオにも継続されています。
ダットサンブルーバードから日産シルフィまで!ブルーバード歴代モデル
初代「ダットサン ブルーバード」から、ブルーバードの名前を冠した最後の車となった「ブルーバードシルフィ」まで、53年の歴史をたどってみましょう。
日産(ダットサン)ブルーバードは、1959年に誕生して以来、小型タクシー市場において大幅なシェアを獲得していました。その後、60年代のマイカーブーム時には個人オーナーに愛され、特に2代目以降に設定されたスーパースポーツセダンを意味する「SSS(スリーエス)」グレードはモデル終了まで人気を博しました。
初代 ダットサン ブルーバード310型(1959~1963年)…「柿の種」の愛称で親しまれて一躍人気もの!
- DP312型 ダットサンブルーバード 1200ファンシーデラックス(1963年)
- DP312型 ダットサンブルーバード 1200ファンシーデラックス(1963年)のスペック
- DP312型 ダットサンブルーバード 1200ファンシーデラックス(1963年)
- DP312型 ダットサンブルーバード 1200ファンシーデラックス(1963年)
- DP312型 ダットサンブルーバード 1200ファンシーデラックス(1963年)
テールランプの形から「柿の種」の愛称がついた初代。それ以外は当時の平凡デザインだが、大きさもかっこよすぎないデザインもちょうど良く、童話「青い鳥」から名付けたブルーバードという名前も親しみがわきやすく人気の車に!日本初のエステートワゴンや女性専用仕様車も存在。
全長 | 3,915mm |
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全幅 | 1,496mm |
全高 | 1,470mm |
車両重量 | 900kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直4 気筒OHV |
総排気量 | 1.2/1.0L |
最高出力 | 34PS/43PS/55PS |
全ボディタイプ | 4ドアセダン ワゴン |
2代目 ダットサン ブルーバード410型系(1963~1967年)…スポーティグレード「SSS」グレードが誕生!
ダットサン ブルーバード 1300 2ドア DX(P411型)
人気を博した初代をモノコック構造にフルモデルチェンジ。デザインはイタリアのピニンファリーナ社に依頼するが、欧州調の尻下がりデザインは日本の大衆には不評で、後のマイナーチェンジで改良。スポーツモデル「SS(スポーツセダンの意味)」を追加し、好評のため「SSS」も登場!
全長 | 3,995mm |
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全幅 | 1,490mm |
全高 | 1,415mm |
車両重量 | 915kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直4 気筒OHV |
総排気量 | 1.0/1.2/1.3/1.6L |
最高出力 | 65PS/90PS/ |
全ボディタイプ | 2ドアセダン 4ドアセダン エステートワゴン |
3代目 ダットサン ブルーバード510型系(1967~1972年)…BC戦争で大ヒット!「プアマンズBMW」として欧州でも人気!
ブルーバード 510型
BC戦争でファミリーカーとしてコロナとともに大ヒット!タクシーも含み14車種を販売。後にフェアレディZにも搭載される新型L型エンジンによって、高い走行性能を誇り、第18回東アフリカサファリラリーで総合優勝!北米では「プアマンズBMW」として日本車としての地位を確立した。
全長 | 4,095mm |
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全幅 | 1,560mm |
全高 | 1,420mm |
車両重量 | 945kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直4 気筒SOHC |
総排気量 | 1.3/1.4/1.6/1.8L |
全ボディタイプ | 2ドアセダン 4ドアセダン 2ドアクーペ ワゴン バン |
4代目ダットサン ブルーバード610型系(1971~1976年)…サメブルの愛称がつく当時の不人気車は旧車の人気モデル
「サメブル」の愛称がついたブルーバード2000GT-X
ブルーバード Uとサブネームをつけ、大型化・高級化を図るも「ブルーバードらしくない」と不人気車となった不運モデル。ウィンカー付近のくぼみがサメのエラを思わせるため、青い鳥なのに「サメブル」の愛称がつく。近年では希少価値から、旧車市場では高値がつくように!
全長 | 4,215mm |
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全幅 | 1,600mm |
全高 | 1,415mm |
車両重量 | 1,035kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直4 気筒 直6気筒 |
総排気量 | 1.6/1.8L/2.0L |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 2ドアハードトップ ワゴン バン |
5代目ダットサン ブルーバード810型系(1976~1979年)…オイルショックや排ガス規制の前に人気復活ならず
ブルーバード 810型
不人気だった610型のデザインを見直し、シンプルなスタイルに原点回帰。オイルショック等の影響もあって予定より遅れて登場したが、度重なる排ガス規制への対応も迫られ、人気回復には至らず。マイナーチェンジを繰り返すも3年4か月で販売終了。
全長 | 4,260mm |
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全幅 | 1,630mm |
全高 | 1,390mm |
車両重量 | 1,035kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直4 気筒 直6気筒 |
総排気量 | 1.6/1.8L/2.0L |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 2ドアハードトップ バン |
6代目 ダットサン ブルーバード910型系(1979~1993年)…27カ月連続クラス首位の販売台数を記録
ブルーバード 910型
初代や510型にも負けない名車。直線的でクリーンなデザインで人気が復活し、新車登録数27カ月連続クラス首位と、2代にわたる販売不振を忘れさせる鮮やかな復活劇を遂げる。FR式最後のブルーバードとなり、SSSグレードの人気カラーが赤なのも面白い。
ジュリーこと沢田研二が出演するCMで「ブルーバード、お前の時代だ!」のキャッチコピーを用いた。トヨタ・コロナのCMでは、ジュリーを思わせる男性が噴水に落ちるなど、皮肉的なパロディと思わせる描写があったが、コロナが嫉妬するほどの人気という見方もできる。
全長 | 4,510mm |
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全幅 | 1,655mm |
全高 | 1,370mm |
車両重量 | 1,110kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直4 気筒 |
総排気量 | 1.6/1.8L/2.0L |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 4ドアハードトップ 2ドアハードトップ バン ワゴン |
7代目 ブルーバードU11型系(1983~1990年)…ダットサンがとれて、「ブルーバード マキシマ」を国内販売
ブルーバード U11型
「ダットサン ブルーバード」から「日産 ブルーバード」へ名称変更し、初のFF式となったが、エクステリアは910型から大きな変更はなく、前期型のCMには継続して沢田研二が出演。1984年に後のセフィーロに繋がるV6エンジン搭載の高級モデル「ブルーバード マキシマ」が国内初登場。
全長 | 4,500mm |
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全幅 | 1,690mm |
全高 | 1,370mm |
車両重量 | 1,105kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直4 気筒 直6気筒 |
総排気量 | 1.6/1.8L/2.0L |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 4ドアハードトップ バン ワゴン |
8代目 ブルーバードU12型系(1987~1991年)…「走る、曲がる、止まる」4WDの持ち味をアピール
ブルーバード U12型
4ドアセダンと4ドアハードトップのみのラインナップだが、四輪駆動が初登場。CMも雪上での走行性能をアピールし、人気を博した。ラリー参戦車両としてに日産が公認改造した「SSS-R」モデルの販売も話題を呼び、実際に88年にはCクラスで総合優勝を果たす。
全長 | 4,520mm |
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全幅 | 1,690mm |
全高 | 1,375mm |
車両重量 | 1,130kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直4 気筒 |
総排気量 | 1.6/1.8L/2.0L |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 4ドアハードトップ 5ドアハッチバックセダン |
9代目 ブルーバードU13型系(1991~1995年)…セダンとハードトップで異なる2ボディを用意
ブルーバード U13型
エクステリアが大きく丸みを帯びた9代目。セダンは北米のスタジオがデザインした「SSS」「EEX」、ハードトップは日本でデザインした「ARX」と異なるスタイルを採用した。セダンの居住性は高かったが、結局ARXばかりが売れ、販売台数は伸びなかった。
全長 | 4,585mm |
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全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,370mm |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直4 気筒 |
総排気量 | 1.6/1.8L/2.4L |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 4ドアハードトップ |
10代目 ブルーバードU14型系(1996~2001年)…無印ブルーバードとしての42年の歴史に幕!
ブルーバード U14型
曲線デザインだった先代U13 から伝統の直線デザインに戻し、セダンのみ販売した歴代最終モデル。プラットフォームはプリメーラと共通。スポーティな「SSS」とファミリー向け「ルグラン」「XE/FE」をラインナップ。2000年には実質的な後継車となる「ブルーバードシルフィ」が併売。
全長 | 4,565mm |
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全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,395mm |
車両重量 | 1,250kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直4 気筒 |
総排気量 | 1.8L/2.0L |
全ボディタイプ | 4ドアセダン |
初代(11代目)ブルーバードシルフィG10型(2000~2005年)…ブルーバードの後継
ブルーバード シルフィ G10型
2000年にブルーバードU14型と併売された後継モデルだが、ベースはサニーであり、ブルーバードより車格が小さく、型式も違う。落ち着いたデザインのため、小型車ながら社用車・公用車としての需要が多く、当時のガソリン車としては排出ガス性能が非常に高い。
2代目(12代目)ブルーバードシルフィG11型(2005~2012年)…ブルーバードの名前が消滅
ブルーバード シルフィ G11型
5ナンバーをキープしつつ、初代よりホイールベースを165mmも延長し、日産の「モダンリビング」コンセプトに合うように快適性を追求。2005年に販売を終了し、後継は「シルフィ」の名前になったため、「ブルーバード」53年の歴史に幕を閉じる。
歴代ブルーバードで人気の旧車や中古車は?
歴代ブルーバードの中で人気が高いのは、すべて「ダットサン ブルーバード」の名称で、FR式だった60年~70年代に販売されたモデルです。反対に、新しいモデルほど価格が低く、ブルーバードシルフィは中古車市場では50万以下の車両も多数見受けられます。
旧車で人気が高いのは記念すべき初代と名車と名高い510型と910型
旧車として人気が高いのは、当時も大ヒットしていた「柿の種」の愛称がある初代310型、BC戦争時代の3代目510型、華麗な復活劇を遂げた6代目910型の3モデルです。3代目510型は200~300万円の値段がつくこともあります。
グレードとしては、2代目以降に設定された「SSS(スリーエス)」というスポーティーモデルが人気です。
当時の不人気車だった「サメブル」が旧車として人気あり
旧車市場では、名車と名高い車だけでなく、当時の不人気車が人気を集めることがあります。販売台数は少ないものの、個性的なデザインで「サメブル」の愛称がついた4代目610型も旧車として人気です。希少性から300万円超の値段がつくこともあります。
日産ブルーバードは日本の家庭に「車」という自由を与えた
日産ブルーバードは「ものすごい個性的で、今なお高値がつくビンテージカー」という訳ではありません。しかし、幸せの青い鳥という童話のイメージ通り、庶民が少しずつ経済的に豊かになっていく時代にマイカーとして親しまれてきました。
ブルーバードの名前が既に消滅してしまっているのは残念ですが、無印ブルーバードとしての42年、ブルーバードシルフィも入れると53年の歴史を刻んだ名車であることは間違いないでしょう!