煽り運転の対策・対処法

煽り運転をされないための対策と煽られた時の対処法

煽り運転は車間距離を意図的に詰める等の、事故に繋がる可能性の高い危険な行為。ドライブレコーダーを取り付けるなど、煽り運転をされないために効果的な対策、煽り運転された時には素直に道を譲るなどの対処法や罰則規定も紹介。

煽り運転をされないための対策と煽られた時の対処法

煽り運転をされないための対策やされたときの対処法

煽り運転が原因で生じてしまった不幸な事故が報道されると、各メディアが大々的にその危険性をクローズアップします。

メディアが取り上げないだけで、煽り運転をされるケースは毎日のように全国各地で起こっています。今回は、煽り運転をされないために有効な、ドライブレコーダーを設置するなどの対策、煽り運転をされた時の対処法を紹介します。その他の煽り運転の罰則規定についても取り上げます。

煽り運転や危険運転に該当する行為は「不安感」を基準に考えること

煽り運転をしようとするドライバー

煽り運転とは、意識的に行う他の車に対する嫌がらせ行為です。具体例として、以下の行為が煽り運転に該当します。

  • 先行車に対して、接触するスレスレまで車間距離をつめる
  • 先行車を意識的に追い回す
  • ハイビームやパッシング、クラクションで威嚇する
  • 無理な幅寄せをして並走する
  • ウィンカーを右に出し続ける

明確な定義はありませんが、他車に身の危険や強い不安感を与えうる運転行為は煽り運転といって良いでしょう。

煽り運転でよくある「車間距離の詰めすぎ」

車間距離

煽り運転は、先行車の速度に後続車がイライラして、車間距離を接触スレスレまで詰めてしまうというケースがよくあります。車間距離を詰める運転行為は、道路交通法26条「車間距離の保持」の違反事項となります。

急に停止したときとは、判例解釈では急ブレーキをかけて止まった場合だけではなく、何かにぶつかってブレーキをせずに急に止まってしまった場合も含むと判断します。

車間距離を保持できなかった場合の罰則規定

車間距離を詰める運転行為は、道路交通法違反です。高速道路か一般道路での走行時かによってもその罰則規定は異なります。

高速道路

  • 3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金
  • 1万円、1万5千円、2万円の反則金
  • 違反点数2点

一般道路

  • 5万円以下の罰金
  • 6千円、8千円、1万円の反則金
  • 違反点数1点

車間距離の目安

免許を取得してからは、さほど具体的な数字では意識した事のない車間距離は、停止距離で考えるとその数値を確認する事ができます。停止距離は、空走距離と制動距離との合算値となります。

空走距離とは、ドライバーが危険を感じ~ブレーキを踏んでから効き始めるまでに車が進んでしまう距離です。制動距離とはブレーキが効き始めてから車が停止するまでに進む距離の事です。

車間距離は、前を走る車が急にブレーキをかけた際に、その動きに合わせ自車がブレーキをかけてもぶつからない程度の車と車との距離の事をいい、停止距離とは深い関係にあります。

停止距離は、

  • 時速30kmでは 14m
  • 時速60kmでは 44m
  • 時速100kmでは 112m

とスピードが増える分だけ止まりにくくなるため延びていきます。その他には、路面が雨でぬれていたり、雪で覆われている雪道や凍結路面も距離が延びる要因です。

煽り運転が原因で起こった事故の罰則規定

煽り運転が原因で死傷事故が起きてしまった際には、危険運転致死傷罪が適用されるケースもあります。その罰則規定は、負傷事故であれば最長で15年以下の懲役、死亡事故であれば20年以下の懲役(加重により最長30年以下とすることも可)。

また、免許の点数は45~62点の範囲で減点、行政処分により5年~8年に及ぶ年単位で免許が取得できない欠格期間が下されます。

2020年以降はさらに厳罰化が進み、道路交通法によって「あおり運転」を定義。悪質な煽り運転の場合、例え事故をおこさなくても即座に「運転免許の停止処分」が下されるよう改定される見込みです。

後続車に煽られないための対策法

あおり運転はあおる方に問題があることが多いです。しかし、あおり運転の被害にあわないためには自分自身もターゲットにされないような運転を心がけることも大切です。

あおり運転のきっかけになる無理な車線変更は行わない

後続車が煽り運転に至ってしまう原因には、自車が無理な車線変更をおこなって後続車を危険な目に合わせてしまったが故の報復行為も考えられます。

自分の無理な車線変更が、煽り運転の原因となることもあります。後続車のドライバーを刺激して、煽り運転のきっかけを作らないためにも無理な車線変更は行わないように注意しましょう!

車からタバコやペットボトルなどのゴミは投げ捨てない

車の窓を開けて、タバコの吸い殻やペットボトル等のゴミを投げ捨てるのはエコとは言えませんし、後続車に危険の及ぶ行為ですので絶対に控えるようにしましょう。

ゴミの投げ捨てにより後続車に危険が及んでしまえば、後続車はその腹いせに煽り運転で仕返しするケースもあります。

「赤ちゃんが乗っています」ステッカーもあおり運転対策に効果的

「赤ちゃんが乗っています」ステッカー「赤ちゃんが乗っています(BABY IN CAR)」ステッカーはダイソーでも購入できる

「BABY IN CAR(赤ちゃんが乗っています)」等のステッカーをリアガラスに設置することで、後続車のドライバーの煽ってやろうという攻撃的心理は抑制されます。車内に赤ちゃんがいると思えば、煽り運転をして危険な目に合わせてやろうという行為は自制されます。

運転中に煽られてしまうと、気が動転してしまうという方は赤ちゃんステッカーを設置しましょう!

ドライブレコーダーあるいはダミーカメラやドラレコステッカーを設置

ドラレコステッカーダイソーでは煽り運転対策に効果的な「ドラレコステッカー」も販売している

リアガラスにドライブレコーダーあるいはダミーカメラを取り付ける事も、後続車に煽られないための対策法の一つです。

後続車が何かしらの理由で煽り運転をしようと思う衝動に駆り立てられても、先行車のリアガラスにドライブレコーダーらしきものが設置されていれば、自分の挑発運転が映像として保存される事を嫌って冷静な気持ちへと成り得るので、煽り運転の抑止効果が働きます。

煽り運転の証拠映像としてドライブレコーダーは必要です

ドライブレコーダー

煽り運転をされたと警察に相談しても、物的証拠がなければ立件されるのが難しいのが現状です。煽り運転で泣き寝入りしないためにも、車内にドライブレコーダーを設置しておきましょう!

ドライブレコーダーに保存される映像は、客観的物的証拠として非常に有効です。煽り運転をするケースには、単にムカムカしている気分のウサ晴らしのために行う衝動的なタイプのものだけではなくて、慰謝料などの賠償金を狙って、意図的に煽り運転をして事故を起こそうとする当たり屋的な場合もあります。

そういった、慰謝料等を狙って煽り運転をする人達に対抗する手段としても、ドライブレコーダーに保存されている真実を語る映像は有効です。

煽り運転・危険運転をされたときの対処法

もし自分自身があおり運転のターゲットにされてしまった場合、どのような対策が考えられるのでしょうか。焦らず確実に対応し万が一の事故を起こさないための対処法です。

道を素直に譲って追い越してもらうのが最善策

後続車が煽り運転をする理由として、先を急ぎたいのに先行車のスピードが遅くてイライラしてしまう心理があります。その他の理由も考えられますが、素直に道を譲って先に行ってもらえば煽り運転をしていた車はいなくなります。

後ろは気にせず平常心で自分の運転に集中

道を譲ろうにも道路事情によっては難しいケースもあります。そういった場合には、後ろは気にせず自分の運転に集中しましょう。

煽り運転を気にして、スピードを上げて意識は後ろの車ばかりに集中してしまうと、最も注意すべき前方の安全確認がおろそかになってしまいます。煽り運転の影響を受けて自分の運転に集中できなくなってしまうと、事故につながりやすくなってしまいます。

煽り運転はされていても後ろは気にせずに、平常心で自分の運転に集中しましょう。もしも、一本道で煽り運転をされていたら道端に空きスペースを発見したら、そこに停車して後続車に道を譲ってあげましょう。

煽り運転や危険運転をされた時の注意点 冷静に判断して行動

何故あおり運転の被害にあっているのか、その理由を考えることも大切です。理由を考えることであおり運転をするドライバーへの対策も考えられるので、自分自身の状況を整理してみましょう。

自車が追い越し車線を走行していないかを確認

高速道路でスピードの出る車に乗っていれば、出したくなってしまうのがドライバー心理です。その他にもプライペートで先を急ぐ事情があれば、スピードアップにつながっていきます。

高速道路を走行中に煽られていると感じたら、自車が追い越し車線にいないかどうかを確認しましょう。追い越し車線は、スピードを出して急ぎたいドライバーに譲る配慮も必要です

追い越し車線を譲って走行車線へと車線変更をしたのに、それでもなお煽り行為が続くようであれば、高速道路のパーキングエリアあるいはサービスエリアに移動する事をお勧めします。最寄りに、そういった場所がなければ路肩へ移動して停車する事をお勧めします。

急ブレーキで対抗すると過失が発生して最悪の場合は事故につながる可能性も

煽られている場合の対抗措置として急にブレーキを踏みこめば、事故の危険性はさらに高まります。急ブレーキは、煽り運転が原因で事故が起きてしまったとしても、過失責任が自分にも及ぶ可能性のある運転行為なので控えるようにしましょう。

煽り運転をされても平常心で!事故を防いで第三者に被害を与えないために

煽り運転とその対策

自分のした無理な車線変更が煽り運転の原因となる事もあります。もちろん、自分に全く理由がないのに煽り運転をされてしまうケースもあります。

理由はどうであれ、煽り運転をされた場合には平常心でいつも通りに安全運転に徹し、先を急ぎたい後続車に素直に道を譲るのが得策です。無理にスピードを上げてしまえば、自車も速度超過で交通違反となってしまいますし、意識が後ろの車ばかりに集中して前方の安全確認が疎かになってしまえば第三者をも巻き込んだ事故を招いてしまうかもしれません。

煽り運転が自分の不幸につながらないため、関係のない人に被害を与えないためには、後ろの車を意識しすぎない平常心が大切です。