駐車監視機能付きドライブレコーダーで駐車中の当て逃げ・車上荒らしに備える
運転中の前方や後方の映像を記録するドライブレコーダーは、万が一の事故の証拠保全や、あおり運転対策として有効なカー用品です。ソニー損害保険の2024年全国カーライフ実態調査では、自家用車への搭載率は51.9%と、すでに過半数を超えるまで普及が進んでいます。中でも、駐車中も録画できる駐車監視機能(パーキングモード)を備えたモデルは、当て逃げ・ドアパンチ・車上荒らし・いたずらといった、運転手が車から離れている間に発生するトラブルへの備えとして関心が高まっている機能です。
警察庁の令和5年の刑法犯に関する統計資料によると、車上ねらいの認知件数は全国で年間24,934件、1日あたり約68件発生しています。エンジンを切った無人の車を狙う犯罪は決して珍しくなく、対策として駐車監視機能付きドラレコの存在感が増しています。
本記事では、駐車監視機能とは何かを録画方式・電源供給方式の観点から整理したうえで、代表的な機能を持つドライブレコーダーの機種を紹介します。あわせて、選び方のポイントやバッテリー上がりを避けるための注意点も解説します。なお、本文中で紹介する各機種は記事公開当時のモデルで、現在は後継機・上位機にラインアップが移行しています。
駐車監視機能はエンジン停止後も録画を継続する仕組みです
駐車監視機能付きのドライブレコーダーは駐車中の当て逃げなどに効果的です
ドライブレコーダーの中には、駐車中も電源供給を受けて録画を継続する駐車監視機能を持つモデルがあります。一般的なドラレコはシガーソケットからACC電源(アクセサリー電源)で動作するため、エンジンを切れば録画も止まります。駐車監視機能を使う場合は、本体内蔵バッテリー、外部バッテリー、あるいは車両バッテリーの常時電源から電力を確保する形になります。
取り付けの観点では、内蔵バッテリー方式なら配線がシガーソケットだけで済むため比較的手軽です。一方、車両バッテリーから直接電源を取るタイプは、ヒューズボックスからの分岐や常時電源・アースの3線結線が必要になり、不慣れな場合はカー用品店などへの取り付け依頼が無難です。
駐車監視の録画方式は3種類あります
駐車監視の録画方式は、大きく分けて常時録画・衝撃検知録画・動体検知録画の3種類です。それぞれ録画のきっかけが異なり、防犯性能とバッテリー・SDカード消費のバランスに差が出ます。
| 録画方式 | 録画のきっかけ | 向いている用途 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 常時録画 | 電源が入っている間ずっと | 駐車中の全状況を残したい | バッテリー・SDカードの消費が最大 |
| 衝撃検知録画 | Gセンサーが衝撃を検知したとき | 当て逃げ・ドアパンチ対策 | 感度設定が高すぎると誤検知が増える |
| 動体検知録画 | カメラ範囲で動きを検知したとき | 車上荒らし・いたずら対策 | 人通りが多い場所では録画が膨らむ |
常時録画は防犯性能が最も高い一方で、車両バッテリーから給電する場合の負担も最も大きくなります。衝撃検知録画はGセンサー(衝撃センサー)のみが待機しているため消費電力を抑えやすく、当て逃げが起きてから前後数秒を記録する用途に向きます。動体検知録画は不審者が車に近づいた段階で録画を開始するため、車上荒らしのようにナンバーや人物像を残したい場面で力を発揮します。
実際にドラレコを長く使っているオーナーから聞かれるのは、感度を高くしすぎると風や雨、近くを通った人にまで反応してSDカードがすぐ満杯になるという声です。録画ファイルの中から本当に必要な瞬間を探す手間も増えるため、機種ごとの感度設定で中程度から調整していくのが現実的です。
電源供給方式で使い勝手が大きく変わります
駐車監視の電源供給方式は、内蔵バッテリー方式・外部バッテリー方式・車両バッテリー直結方式の3つに分かれます。録画方式と並んで、購入前にもっとも確認しておきたいポイントです。
- 内蔵バッテリー方式:本体内のバッテリーで動作し、配線が簡単。録画時間は数十分から数時間程度と短めで、長時間駐車には不向きです。
- 外部バッテリー方式:専用のサブバッテリーをドラレコと接続して使う方式。車両バッテリーへの負担を抑えつつ、長時間の駐車監視が可能です。設置スペースが必要で、本体価格に加えバッテリー代がかかります。
- 車両バッテリー直結方式:車のバッテリーから常時電源を取って動作。長時間録画ができる反面、設定を誤るとバッテリー上がりのリスクがあります。電圧監視機能やタイマー機能付きのモデルを選ぶのが基本です。
長時間の駐車監視と防犯性能を両立したい場合は、外部バッテリー方式または電圧監視機能付きの車両バッテリー直結方式が選びやすい構成です。屋根付き駐車場で短時間しか離れない、あるいは当て逃げ対策が主目的というケースであれば、内蔵バッテリー方式でも十分役割を果たします。
ドライブレコーダー本体の存在自体が抑止力になります
ドラレコを設置していること自体が、車上荒らし・いたずら・あおり運転に対する抑止効果を生むという指摘もあります。フロントガラスの目立つ位置に本体を装着し、「録画中」「ドライブレコーダー作動中」といったステッカーを車外から見える位置に貼るのが定番の手法です。リアウインドウにも同様のステッカーを貼れば、後続車からの幅寄せや過度な接近に対しても一定の心理的圧力が期待できます。
駐車監視機能付きドライブレコーダーの選び方のポイント
駐車監視機能付きドラレコは選択肢が非常に多く、価格帯も1万円台から5万円超まで幅があります。買ってから「思っていた使い方ができない」とならないよう、以下のポイントを押さえて比較するとミスマッチを減らせます。
録画方式と最大録画時間で選ぶ
前述のとおり録画方式は3種類あり、組み合わせて使える機種もあります。「当て逃げ対策メイン」なら衝撃検知中心、「車上荒らし対策メイン」なら動体検知中心、「すべてを記録したい」なら常時録画対応モデルという軸で絞り込むと選びやすくなります。最大録画時間は機種により12時間・24時間など差があるため、平均的な駐車時間と照らし合わせて確認しましょう。
画質・画角・HDR(WDR)対応で選ぶ
当て逃げや車上荒らしの記録で重要なのは、相手車両のナンバープレートや人物の顔がはっきり判別できることです。画素数はフルHD(1920×1080)以上、画角は水平110度以上の広角、明暗差に強いHDR(ハイダイナミックレンジ)/WDR(ワイドダイナミックレンジ)対応モデルが基本ラインです。夜間性能を強化したSTARVISセンサー搭載モデルや、後継規格のSTARVIS 2を採用した近年のモデルは、暗い駐車場でも被写体を判別しやすくなります。
バッテリー上がりを避けるための保護機能で選ぶ
車両バッテリーから給電するタイプを選ぶ場合、電圧監視機能(カットオフ電圧設定)とオフタイマーの有無を必ず確認しましょう。電圧監視機能は、バッテリー電圧が設定値を下回ったらドラレコへの給電を自動で遮断する仕組みで、バッテリー上がりを未然に防ぎます。オフタイマーは「最長12時間で停止」のように録画継続時間に上限を設けるものです。両方を備えていれば、長期出張や旅行で長時間車を動かさない場面でも安心感が高まります。
取り付けやすさ・配線方式で選ぶ
駐車監視を機能させるには、シガーソケット給電だけでなく常時電源への結線が前提になります。実際に車両バッテリーから配線を引いてみると、ヒューズボックスの位置・内張りの外し方・配線の隠し方など、車種ごとに作業の難易度が大きく変わります。配線作業に不安がある場合は、購入と同時にカー用品店やディーラーに取り付けを依頼するのが現実的です。費用は工賃で5,000円から1万円台が目安となります。
駐車監視機能のあるドライブレコーダーのメーカーと機種(記事執筆当時)
駐車監視機能(パーキングモード)を搭載しているドライブレコーダーを紹介します。ドラレコが普及し始めた頃は珍しい機能でしたが、現在では標準装備していることが多くなっており、選択肢が広がっています。ここで紹介する機種は記事執筆当時のモデルで、現在は後継機にバトンタッチしているものが多い点はご留意ください。各社の現行ラインアップでは前後2カメラ型や360度カメラ型、デジタルミラー型など、より高機能なモデルが主流になっています。
Yupiteru SN-ST50c
Yupiteru SN-ST50c
ユピテルSN-ST50cはスーパーナイトモード搭載で夜間でも鮮明に録画してくれます
| メーカー | Yupiteru(ユピテル) |
|---|---|
| 型番 | SN-ST50c |
| 画素数 | 200万画素 |
| レンズ画角 | 対角124° |
| GPS | 有り |
| Gセンサー | 有り |
| 記録方式 | 常時録画・イベント記録 |
| 駐車監視 | オプション品の接続が必要 |
ユピテルのベーシックモデルであるSN-ST50cは、フルHD画質でクリアな映像を記録できるだけでなく、スーパーナイトモードを搭載し、光源の少ない夜間でもはっきりと録画してくれます。暗くて見えにくい夜間の映像も鮮明に映るため、駐車場での状況確認に向いた1台です。
駐車監視機能を使用するためには、本体とは別にオプション品を購入し接続する必要がありますが、最大12時間の衝撃検知録画が可能です。
SN-ST50cの駐車監視に必要なオプション品
- 「5Vコンバーター付き電源直結コード」
- 「マルチバッテリー」または「電圧監視機能付き電源ユニット」
車体が揺れた時や駐車中にぶつけられた時など、衝撃を感知すると録画を開始します。駐車監視機能が欲しい場合は、本体と同時にオプション品も購入することで、設置作業を一度で済ませられスムーズです。実際に取り付けてみると、電源直結コードと電圧監視ユニットを噛ませる構成はやや配線が複雑になりがちなため、店舗での取り付け依頼を選ぶオーナーが多い印象を受けます。
Yupiteru SN-SV60vd
Yupiteru SN-SV60vd
スリムボディが特徴のユピテル SN-SV60vdはスッキリした見た目にしたい方におすすめのドラレコです
| メーカー | Yupiteru(ユピテル) |
|---|---|
| 型番 | SN-SV60vd |
| 画素数 | 200万画素 |
| レンズ画角 | 対角140° |
| GPS | 有り |
| Gセンサー | 有り |
| 記録方式 | 常時録画・イベント記録 |
| 駐車監視 | 標準装備 |
スリムボディでスッキリとした取り付けができるのがユピテルのSN-SV60vdです。SN-ST50cでは別途必要だった駐車監視機能のオプション品が標準装備されているため、本体のセットだけで駐車中の常時録画やセンサー録画ができます。
夜間でも鮮明に映像を撮影できるスーパーナイトモードも搭載しており、ボディ幅は約10cm、高さは約3.5cmのスリム設計で、フロントガラスに貼り付けても視界の邪魔になりにくい形状です。電圧監視機能付き電源ユニットも付属し、最大12時間のオフタイマー設定ができるため、車両バッテリーへの負担をコントロールできます。
無線LANを内蔵しているため、スマートフォンで専用アプリを使い、走行映像の確認・録画の開始や停止・映像のバックアップを取ることができます。実際のオーナーから語られるのは、SNSや家族とのやり取りでヒヤリハット映像を共有するハードルが大きく下がるという利便性です。
COMTEC HDR-352GHP
COMTEC HDR-352GHP
コムテックHDR-352GHPは逆光に強いHDR搭載で昼間の映像も鮮明に記録します
| メーカー | COMTEC(コムテック) |
|---|---|
| 型番 | HDR-352GHP |
| 画素数 | 200万画素 |
| レンズ画角 | 対角168° |
| GPS | 有り |
| Gセンサー | 有り |
| 記録方式 | 常時録画・イベント記録・マニュアル録画 |
| 駐車監視 | 標準装備 |
コムテックのHDR-352GHPは、駐車監視機能を標準装備し、逆光に強いHDRを搭載、夜間でも明るく録画できるよう大型のカメライメージセンサーも採用したモデルです。対角168度の超広角レンズは、車両前方の左右に駐車している隣車のドアパンチ被害なども視野に収めやすい設計です。
衝撃を受けると前後の映像を保存してくれるので安心です
駐車監視機能は最大12時間の録画が可能で、車両側のバッテリー電圧が低下したときは自動的に録画を停止し、バッテリー上がりを防止します。駐車中も常時録画を継続し、ぶつけられた瞬間など衝撃を感知したときは前後の映像を保存してくれます。
録画中のステッカーが2枚同梱されています
ドライブレコーダーの装着をアピールするステッカーも2枚同梱されており、走行中や駐車中に録画していることを周囲に知らせる抑止力としても機能します。映像を見るためのビューワソフトや運行管理ソフトも使用できるため、社用車や複数台運用での運行記録管理にも活用できます。
COMTEC HDR-751GP
COMTEC HDR-751GP
GPS付きで安全運転支援にも役立つコムテックHDR-751GP
| メーカー | COMTEC(コムテック) |
|---|---|
| 型番 | HDR-751GP |
| 画素数 | 200万画素 |
| レンズ画角 | 対角168° |
| GPS | 有り |
| Gセンサー | 有り |
| 記録方式 | 常時録画・イベント記録・マニュアル録画 |
| 駐車監視 | 標準装備 |
コムテックのHDR-751GPは、フロントガラスにスッキリと取り付けられるスリムタイプで、標準的なサイズのドラレコだと運転中の視界が気になってしまう方にも向いたモデルです。HDR-352GHPと同様に駐車監視機能を標準装備し、HDR-751GPではタイムラプス録画にも対応するため、SDカードの容量を効率的に節約できます。
最大12時間の録画ができ、バッテリー上がり防止のために電圧が下がってくると自動的に録画を中止するバッテリー保護機能も備えています。GPSを搭載しており、走行中の位置情報に基づいて、自動速度取締装置(オービス)の場所や取締ポイントが近づいた際に警報を発する機能(取締ポイント警告)も利用可能です。ドラレコの設置を知らせるステッカーも2枚同梱しているため、あおり運転や車上荒らしの抑止力としても機能します。
KENWOOD DRV-W630
KENWOOD DRV-W630
思い出のドラレコ映像を動画サイトなどに手軽にアップロードできるケンウッドDRV-W630
| メーカー | KENWOOD(ケンウッド) |
|---|---|
| 型番 | DRV-W630 |
| 画素数 | 400万画素 |
| レンズ画角 | 対角115° |
| GPS | 有り |
| Gセンサー | 有り |
| 記録方式 | 常時録画・イベント記録・手動録画 |
| 駐車監視 | オプション品の装着が必要 |
ケンウッドのDRV-W630は無線LANを搭載したドラレコで、スマートフォンと接続して映像の確認や転送が手軽にできるため、SNSなどでの共有も簡単です。単に映像を録画するだけでなく、運転支援機能も搭載しており、前方衝突警告や車線逸脱警告などをドライバーに通知します。
DRV-W630の運転支援機能
- 前方衝突警告
- 車線逸脱警告
- 発進遅れ警告
- リフレッシュ通知
- エコドライブ表示
- 情報表示モード
駐車監視機能はオプションとなり、本体とは別売りのドラレコ用車載電源ケーブルを購入して接続する必要がありますが、最大24時間の衝撃感知・動体感知による駐車録画が可能になります。録画できる映像はフルHDより高画質のWQHDモードを搭載した400万画素で、事故時の証拠としての解像感はもちろん、ドライブ中の景色を綺麗に残したいユーザーにも適した画質設計です。
こんな人には駐車監視機能付きドラレコがとくにおすすめです
駐車監視機能付きドラレコは、すべての車に絶対必要なものではありません。一方で、以下のような環境・使い方をしている場合はとくに導入メリットが大きくなります。
- 屋外駐車場(コインパーキング・路上・自宅前など)に長時間駐車することが多い
- 過去にドアパンチ・いたずら・当て逃げの被害に遭った経験がある
- 商業施設や駅前など、不特定多数が出入りする場所に停めることが多い
- 新車・高額車・カスタム車に乗っており、車上荒らしのターゲットになりやすい
- 会社の車両を管理しており、駐車場での事故・トラブルを把握したい
反対に、屋根付きの自宅ガレージで保管していて短時間しか屋外に停めない場合は、内蔵バッテリー方式の手軽なモデルで十分機能を果たすケースが多いです。「念のため」で高機能モデルを選んでも、使いこなさないまま終わるパターンも見られます。生活スタイルに合った機能レベルを選ぶことが、無駄な出費を抑えるポイントです。
ドラレコは駐車監視機能の有無と種類を確認して選びましょう

ドライブレコーダーは走行中の映像を録画し、事故時の重要な証拠を残す装備として、カー用品の中でも優先度の高いパーツです。ただし自動車事故は走行中だけに起こるものではなく、エンジンを切った駐車中の当て逃げやドアパンチ、車上荒らしの被害は、通常のドラレコでは記録できません。
そこで役立つのが駐車監視機能付きのドラレコです。この機能は、最大12時間や24時間など設定された時間、車のバッテリーや専用バッテリーから給電を行って監視を続けます。オフタイマーや電圧監視機能が用意されているのは、バッテリーを消耗しすぎてバッテリー上がりに至らないようにするためです。
商品によって、本体のみで駐車監視機能が使えるもの、オプション品を別途用意しなければ機能しないものがあるため、購入前にスペック表をしっかり確認しましょう。録画方式(常時・衝撃検知・動体検知)、電源供給方式(内蔵・外部・車両バッテリー直結)、画質・画角・HDR対応、バッテリー保護機能の4点を軸に比較すると、駐車環境と使い方に合った1台が見つかりやすくなります。駐車監視機能を備えたドラレコがあることで、駐車場での「もしも」の場面でも証拠を確保しやすくなり、車上荒らしへの抑止力としても機能します。





















