軽自動車の高速道路マナー

軽自動車で高速道路を走行する時の運転のコツとマナー

軽自動車で高速道路を走行する際には、普通車に迷惑をかけない為に追い越し車線は極力利用しないなどのマナーがある。車間距離は広めに取る・ハンドルは大きくきらないなどのマナー、悪天候が影響を与えてしまう制限速度や軽の中でもおすすめしたいターボエンジンを搭載した車も紹介。

軽自動車で高速道路を走行する時の運転のコツとマナー

軽自動車で高速道路を走行する際に守るべきルールと試せば安心な運転テクニックなど

街乗り運転では便利なことが多い軽自動車は、高速道路を使って長時間運転していると不便を感じることがあります。その不便さの原因には、軽自動車が「排気量660cc以下、全長3.4m以下・全幅1.48m以下・全高2.0m以下」という規格の基で、車を開発・製造しなければならないことが長時間運転の不便さに大きく関わっています。

軽自動車の規格以上の条件で車を開発できる普通自動車と比較すれば、軽には以下の特徴が目立ってしまいます。これらの特性を理解することが、軽自動車で高速道路を安全に走行する第一歩です。

  • 室内空間が狭いため、スピードの出る高速道路で長い時間運転をすると疲労が溜まりやすいです。
  • 車両重量が軽いので、高速走行時には強風の影響を受けやすいです。
  • 搭載しているエンジンのパワーがないので、普通車よりも加速やスピードが出にくいです。

これから、軽自動車が高速道路を走行する際にスピードの出る普通車に迷惑をかけないためのマナー、事故を起こさないために役立つ運転テクニックなどを紹介していきます。軽自動車で高速道路を快適に走るヒントを見つけましょう。

高速道路での軽自動車の制限速度あれこれ~天候が影響を与えて最高速度が制限されることがある

雨が降る高速道路

軽の制限速度も普通車と同じで最高速度は100km/h・最低速度は50km/h

軽自動車も普通車と同様に高速道路を走行する際には、標識や標示によって速度が制限指定されている以外のケースの制限速度は最高速度が100km/hで、最低速度は50km/hです。

パワフルなエンジンを搭載している普通車の方が、最高速の上限を高く設定しているように思われがちですが、制限速度に違いはありません。高速道路の制限速度は、軽自動車でも普通車でも原則として同じです。

安全上の配慮から、中型・大型トラック、大型の特殊自動車や牽引車は、最高速度を80km/hと低く設定しています。軽自動車はこれらの車両とは異なり普通車と同じ制限速度を適用します。

悪天候などで最高速度が制限される事もある

雨風が強い・濃霧が発生して見通しが悪いなどの悪天候に見舞われている場合には、最高速度が100km/hから80km/hなどに制限されます。高速道路では玉突き事故が割合的には多いです。

速度制限を厳しくすることは自然の影響を受けて運転をしづらい状況下では、大きな事故を未然に防ぐために大切なことです。悪天候以外で最高速を規制するのは、工事を行っている時です。軽自動車も普通車も、制限速度の変更に従い安全運転を心がける必要があります。

高速道路の制限速度の上限は現在「120km/h」に引き上げられています

警察庁は2016年に、高速道路の制限速度の上限を現在の100km/hから120km/hに引き上げる方針を発表し、現在、一部区間では実施しています。新東名高速道路や東北自動車道などの一部の区間で試験的な引き上げを経て、現在は設計速度が高い区間を中心に120km/h規制を拡大しています。

高速道路の最高速度が120km/hに引き上げられることで、軽自動車が影響を受けてしまうのは確実です。これまでは、最高速度を超えて走行している車が取り締まりの対象でしたが、今後は追い越し車線を制限速度以下で走行している軽自動車が、後続車の妨げとなることで取り締まりの対象となる可能性も出てきます。軽自動車で高速を走る際は、周囲の流れに配慮することがさらに重要になります。

軽自動車の場合高速料金が普通自動車よりも安くなる場所もある

高速道路を使う車

首都高や阪神高速道などの都市部の高速道路では、軽自動車の料金は普通自動車の料金と同一に設定している場合が多いです。しかし、NEXCOが管理する地方の高速道路(全国の高速自動車国道)では全てではありませんが普通車に比べて1割~2割程度も料金を安く設定しています。軽自動車は高速道路で普通車よりも料金面でお得になることもありますので、長距離を走る際は料金を確認しましょう。

軽自動車の高速料金の区分は車種区分に基づきます。高速料金が安くなる点は、軽自動車の維持費のメリットの一つとして挙げられます。

普通車と比べれば~軽のボディは剛性が弱めでサスペンションは緩めに設定

軽自動車は「軽」という単語が端的に示しているように、普通自動車と比較すれば車両重量に重みがありません。それに付随してサスペンションは緩めに設定しています。軽自動車の車体は軽量であることが特徴です。

軽では軽自動車としての規格を満たすため、ユーザーに求められている低燃費などのニーズに応えるために普通車よりもボディパーツを薄くする必要があります。ボディパーツが薄くなれば、どうしてもボディの剛性が弱まってしまいます。高速走行時の安定性を欠く原因の一つとなります。

また、衝撃を吸収するサスペンションを緩めに設定することは、高速走行時の安定感を欠いてしまう要因となってしまいます。軽自動車のサスペンションは乗り心地とコストのバランスを考慮して設計されています。

ボディの剛性が弱く・サスペンションが緩ければ、車のスピードが出ていれば車体が震えてカタカタと音が鳴ってしまう要因ともなってしまいます。高速道路を走る軽自動車では、風の影響と振動に注意が必要です。軽自動車の高速での不安定さを理解しておく必要があります。

スーパーハイトワゴンタイプの軽の横風の影響を少なくするには荷台に重りを置く

都会の高速を走る軽自動車

軽自動車の中でも車高の高いスーパーハイトワゴンタイプの車は、風の影響を受ける面積が広くて横風にあおられやすくなってしまいます。高速道路などでスピードが出ていれば、車高のある車は揚力の影響を受けて不安定となり、横風の影響を受けやすくなります。車高が高い軽自動車は、特に横風に弱い傾向があります。

そういったタイプの軽で高速道路を走行する際には、燃費は落ちてしまいますがラゲッジルームに重い荷物を積載することで、車両重量を増やし横風にあおられにくくなり走行中の車体が安定します。これは高速での安定性を高める軽自動車の運転の工夫の一つです。

軽自動車で高速走行に向いているのはターボエンジン搭載車

軽自動車の中でも高速道路の走行に向いているのはターボエンジンを搭載している車です。日本語に訳すと過給機と意味を持つターボチャージャーの略語がターボです。

ターボエンジンを使うことで、エンジンへ送りこむ空気の量を増やすことが可能となります。その結果、エンジン機構で排気量以上のパワーを供給できるようになります。排気量が660cc以下と制限されている軽にターボエンジンが搭載されている車種は、普通車に近い加速やトルクを発揮できるため高速道路での走行に向いています。軽自動車 ターボは高速道路の長距離移動で特にその真価を発揮します。

軽の中で高速道路走行におすすめなのはターボエンジン搭載のスポーツモデルやハッチバックタイプ

高速でも難なく走るS660

かつて販売されていたホンダS660のようなターボエンジンを搭載したスポーツタイプの軽自動車は、車高が低く設計されているため、横風の影響を受けにくいこともあって高速道路での走行におすすめでした。現在は生産を終了していますが、中古車として高い人気があります。現行の軽自動車では、ターボエンジンを搭載した背の低いハッチバックタイプが、高速走行時の安定性から特に推奨されます。

全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,180mm
ホイールベース 2,285mm
最小回転半径 4.8m
燃費 24.2km/L
燃料 無鉛レギュラーガソリン
乗車定員 2名
車両重量 850kg
エンジン 水冷直列3気筒
総排気量 658cc
トランスミッション 無段変速オートマチック
メーカー希望小売価格 2,180,000円

軽自動車の車種を選ぶ際は、高速道路を走る頻度を考慮し、ターボの有無や車高をチェックすることが重要です。

軽自動車で高速道路を走行する際の注意点

夕方の高速道路

排気量が660ccという制限がある軽自動車で高速道路を走るときの注意点を紹介します。煽り運転が問題になる中、周囲の車とトラブルにならないドライビングテクニックを身に着けることも大切です。安全で快適な軽自動車での高速走行を目指しましょう。

軽自動車では極力追い越し車線を利用しない

普通自動車のドライバーが高速を走っている時にイライラするケースで多いのが、軽自動車が追い越し車線を走行している時です。軽自動車に搭載される排気量が660cc以下と制限されているエンジンでは、いくら頑張っても普通車に搭載されている高性能エンジンには敵いません。高速道路ではスピードを出すことが許されています。

軽自動車は普通車に比べて加速が遅いという自覚を持ち、高速道路では追い越し車線を極力走行しないようにすることで、お互いに嫌な思いをする事態を避けることができます。軽自動車 追い越し車線の利用は最小限に抑え、走行車線をメインに走りましょう。

長い距離を運転するならエンジンの状態などをチェック

大型連休中に高速道路を利用して軽自動車で長旅に出る時には、エンジンオイルは十分か、あるいはタイヤの空気圧は十分か、ラジエーターの冷却水の量を確認するなど、事前にメンテナンスチェックを行いましょう。街中走行よりも高速道路を走行している時の方が、スピードを出すのでエンジンやタイヤなどへの負担が強くかかります。

事前に状態チェックを行うことで不測の事態を避けることができます。軽自動車のエンジンは高回転を維持することが多く長距離の高速走行は特に負荷がかかるため、入念な点検が重要です。

軽自動車以外でも役に立つ高速道路を運転するときに他の車に迷惑がかからないテクニック

車間距離を開けて走るドライバー

一般道よりスピードが出るため車間距離は長めにとる

先行車との車間距離を、一般道を走行している時のような間隔で詰めてしまうと、事故の原因になってしまいますし、前を走っているドライバーさんにはプレッシャーを与えてしまいます。高速道路ではスピードが出ているので車間距離を広くとらないと、先行車が少しでも速度を下げた時に判断が遅れてしまうと、衝突してしまう危険性は一般道よりも高まってしまいます。

具体的な数値で言えば、100km/hで走行していれば車間距離は100m。80km/hで走行していれば80mが空けるべき車間距離の目安となります。軽自動車で高速を走行する際も、十分な車間距離を確保し安全を守りましょう。

スピードが出ている高速道路ではハンドル操作は極力小さく

車のスピードが出ている状況でハンドルを大きく右にきると、右方向に進む距離がスピードの分だけ広がります。ハンドルを街中運転のような感覚できってしまうと、路側帯にぶつかってしまうリスクは高まります。スピードが出ている時の運転は、ハンドルを大きくきらないように注意しましょう!軽自動車の軽量な特性からも、高速での急なハンドル操作は避けることが重要です。

スピードメーターで「何キロ」出ているのかを確認

信号がほとんどない高速道路をしばらく運転していると、体がスピードに慣れてしまって今の速度を遅く感じてしまいます。すると、アクセルを強く踏み込んでスピードを上げてしまいます。その時のスピードは制限速度を超えていることがしばしばです。スピードが上がれば、事故のリスクも上がってしまいます。

主観的な自分の体が感じる体感速度ではなくて、客観的な数値を表示しているスピードメーターをこまめに見て、制限速度を越えないように何度も確認することが大切です。軽自動車で高速を走る際は、速度の出しすぎに特に注意しましょう。

軽自動車は街中走行に適した車! 高速道路では普通車に迷惑をかけない運転を

軽自動車で高速道路

軽自動車は、交通網が発達していない地方で暮らしている方々にとっては生活の足となっています。軽は街中では、小回りが利いて・燃費が良くて・駐車スペースに困らなくて利便性を感じることが多々あります。けれども、高速道路を走行している時には、速度を出して走っている普通車のドライバーさんから邪魔もの扱いされてしまうことがあります。

軽自動車ユーザーの方々の運転シーンのメインは一般道だと思います。軽で高速道路を走行している時には、「高速走行」に向いている普通車に迷惑をかけないような運転を心掛けることでお互いにイライラしたり、ハラハラしたりすることを避けることができます。軽自動車を利用して高速道路を走る際は、マナーを守り、安全に配慮した運転を実践しましょう。