縦列駐車のコツ

縦列駐車が簡単に出来るミラーの見方とハンドル操作のコツ

縦列駐車は教習所でポールを使って練習したけど苦手という方が簡単に出来る方法を紹介。動画を観てイメトレする、同乗者がいればサポートしてもらうなどのコツや、目印となる場所を決めてミラーで後の車が見えるまでバックするなど、手順についても取り上げ。

縦列駐車が簡単に出来るミラーの見方とハンドル操作のコツ

縦列駐車の「苦手意識」を克服!都会の街中で役立つ手順と運転のコツ

地方にお住まいの方にとって縦列駐車は、運転免許を取得する際の技能教習で必死に練習したものの、それ以降は滅多に実践の場で試す機会がないかもしれません。しかし、都市部で運転される方にとって、縦列駐車は日常的に求められるスキルです。例えば、上司を駅や空港に送迎する際や、ビジネスでの訪問先周辺で一時的に停車する際など、スムーズに行える方が断然便利です。

また、プライベートでも、助手席にいる方が立ち寄りたいお店が路側帯のすぐ近くにある場合などに、スマートに縦列駐車がこなせれば同乗者にかっこいい印象を与えられるかもしれません。「縦列駐車 コツ」は、自信を持って都会の街中を運転するために欠かせない技術です。今回は、縦列駐車に苦手意識を感じている方が、スムーズに縦列駐車できる「縦列駐車 手順」と「縦列駐車 失敗しない」ための運転テクニックを紹介します。

縦列駐車のコツは一つ一つの動作を確実に行うこと

縦列駐車をするセダン

縦列駐車に慣れていない方は、「いったい何から手をつけたらいいのかわからない!」という状況に陥りがちです。まず、後方や周囲の状況を確認して安全を確保しましょう。その後、一つ一つの縦列駐車の動作を焦らず、冷静にこなしていくことが成功の鍵となります。「縦列駐車 苦手」という意識を変えるために、段階を踏んで練習しましょう。

ハンドル操作は車を停止した状態で行います

苦手意識のある動作を上達させるためには、複数のことを同時に行うのではなく、個別に分けて一つ一つの動作を着実にこなしていく方が、結果的に上達が早まります。縦列駐車が得意ではない方や、久しぶりに行う方は、ハンドル操作とシフト操作、アクセルペダルを踏む動作を同時には行わないことをお勧めします。例えば、ハンドル操作を完全に終えてから、シフトレバーを操作するといったように、動作を区切って行うことでミスを防ぎます。

特に、据え切り(車が停止した状態でハンドルを回す操作)を行うことで、車が動き出す前に曲がりたい方向へタイヤの向きを調整でき、車が動き始めてからの操作がシンプルになります。

周囲の道路状況に注意しながら、リラックスした状態で行います

交通量が多い場所で縦列駐車をしなければならない時もあります。その際、後ろから接近してくる車にせかされて、自分のペースを乱し、冷静さを欠いた状況で縦列駐車をしてしまうと、接触事故につながる危険性が高まります。「縦列駐車 焦る」という心理状態は事故の元です。

後ろから接近してくる車のことばかりを意識するのではなく、自分の車の前後、特に車を停めようとしているスペースの前後に止まっている車との接触を避けることに意識を集中します。深呼吸をしてリラックスした状態で、自分の決めた手順を確実に行っていきましょう。後続車には、ハザードランプを点灯させて駐車の意思を伝え、安全確保に努めることが重要です。

車に搭載されている運転サポートシステムを利用します

縦列駐車のスペースに収まるコンパクトカー

縦列駐車の運転技術は、バック駐車に比べて経験する機会が少なく、初心者にとっては最難関とも言われています。そのため、経験不足から苦手とするドライバーは少なくありません。しかし、街中で運転していると、縦列駐車の機会は必ずといっていいほど訪れます。その際、停車している車や路肩などに自分の車をこすってしまうドライバーは後を絶ちません。「縦列駐車 難しい」という課題は、多くのドライバーが抱えています。

そういった状況を改善するため、各自動車メーカーは、縦列駐車時のハンドル操作や、車庫入れ操作をアシストする運転サポートシステムを搭載した車を多数ラインナップしています。例えば、トヨタの高度駐車支援システム「アドバンスト パーク」(旧インテリジェントパーキングアシスト)は、スイッチを押すだけでハンドル操作だけでなくアクセル、ブレーキ、シフト操作まで支援し、縦列駐車の負担を大きく軽減します。

日産は、「プロパイロット パーキング」や「アラウンドビューモニター」を採用し、縦列駐車をサポートします。その他の自動車メーカーも、同様の駐車支援技術を積極的に導入しています。縦列駐車が苦手な方は、ご自身の車にそういったサポートシステムが搭載されていれば、積極的に利用して苦手意識を克服してみましょう。

同乗者がいれば縦列駐車をサポートしてもらいます

縦列駐車が苦手な方は、車に乗っているのが自分一人でなければ、同乗者にサポートしてもらいましょう。男性であれば、デートの時など、カッコ悪い姿を見せたくないからとためらう気持ちが強いかもしれません。しかし、自分一人で何とかしようとして、周囲の車や物に接触事故を起こした方が、はるかにイメージダウンにつながります。

バックする際に、後ろから接近している車がいないかの状況確認や、路肩や街路樹と自分の車がぶつからないかの確認を同乗者にサポートしてもらうだけで、精神的な負担が格段に軽減されます。また、場合によっては車外から適切な誘導をしてもらえると、より安全かつスムーズに駐車できます。「縦列駐車 誘導」は、安全確保の有効な手段です。

縦列駐車の動画を観てイメージトレーニングを行います

空間認識能力の善し悪しが、駐車操作の上手い下手を左右すると言われています。スポーツの分野において、イメージトレーニングが高い学習効果を持つことが指摘されていますが、これは運転テクニック、特に縦列駐車にも当てはまります。つまり、空間認識能力が高い人の方が、車の動きを立体的に把握しやすいため、縦列駐車が上手な傾向にあるということです。

空間認識能力が必要となる縦列駐車は、実際に運転されている動画を観てイメージトレーニングを行うことで、運転テクニックが確実に向上します。また、縦列駐車が苦手な人の運転と、スムーズにこなす得意な人の運転を見比べることも、自分の操作のどこに問題があるのかを客観的に把握できるため、上達のコツとなります。

いよいよ縦列駐車!手順をしっかり確認して確実に車を操作

カーナビのモニターを参考に駐車するドライバー

縦列駐車をするときの具体的な手順を紹介します。前後の車と距離が近くなるため、接触しないよう慎重に車を操作することも大切ですが、同時に思い切りよく適切なタイミングでハンドルを切らなければ、いつまでも車線と並行にならず、縦列駐車を完了できない状況になることもあります。「縦列駐車 やり方」をしっかり頭に入れて、確実に操作を行いましょう。

1.前方の車と1m程度横の間隔をあけて車を平行に停止させます

縦列駐車ができそうなスペースを見つけたら、まず前方に止めてある車の少し前に自分の車を停車させます。停車している車との横幅は、車体の側面がおよそ1mくらいの間隔が適切です。距離が近すぎると、後でハンドルを切り込む際に前方の車に接触する危険性が増し、離れすぎると、路側帯に寄せた際に車線にはみ出しやすくなります。

前方に止めてある車と、後方に止めてある車との間のスペースが、自分の車の縦サイズ(全長)の1.5倍ほどあれば、理想的で余裕を持って駐車できます。もしスペースが狭すぎる場合は、無理に縦列駐車を行わないことも重要です。

2.左に縦列駐車する場合は左いっぱいにハンドルを切ります

縦列駐車の手順

日本の道路では、基本的に左側に縦列駐車をすることになります。その場合は、後部を路側帯側へ向けるため、左いっぱいの方向にハンドルを思いきり切ります。ここでハンドルを中途半端に切ってしまうと、後で切り返しが多くなり、駐車に時間がかかってしまうため、停車した状態で迅速にハンドルを操作することがコツです。

3.目印となる場所を確認しながら車体を斜めにバックさせます

車を移動したい方向にハンドルをきったら、シフトレバーをR(リバース)に切り替えて、アクセルペダルをゆっくり踏み込んで、車をバックさせます。バックする際には、車をスムーズなラインで路側帯に近づけるための目印となる場所を決めておくと、操作が簡単になります。「縦列駐車 目印」は、特に初心者にとって非常に有効です。

目印として望ましいのは、後方に止まっている車の路側帯側の角や、自分の車の後輪の位置などです。そこを目印としてバックしていき、サイドミラーに後ろに止まっている車が完全に映りこんだり、適切な角度になったりした時点で、いったんストップします。この段階で、車体がおよそ45度くらいの角度になっていることが理想です。

4.タイヤが真っすぐになるようにハンドルを戻しながらバックします

縦列駐車を得意とするドライバー

車をいったん止めた後は、ハンドルをセンター(定位置)に戻し、タイヤが真っすぐになる状態にしてから、そのままゆっくりとバックしていきます。そうすることで、車体が路側帯に対して平行に近づき、外側の車線にはみ出すことなく綺麗に駐車できます。この操作で路側帯と車体が平行になったと感じた時点で、次の操作に移るために再び停止します。

車をバックさせる際には、どうしてもリア部分の方に意識が向いてしまいますが、実は同時に気を付けるべきはフロントの方です。バックをしながらハンドル操作を行う際には、外輪差の関係で前輪の方が後輪よりも外側のラインを通るという特性があります。したがって、フロント部分が前に停まっている車などと接触しないように注意しながら、ハンドルを戻していく必要があります。

5.反対方向にハンドルを切り、路側帯に車体を寄せます

車体が路側帯とほぼ並行になったら、最後にハンドルを右いっぱいに切り、前方にゆっくりと進みながら車体の幅寄せを行います。この操作により、路側帯と車体との間隔を適切に調整し、前後の車との間隔も微調整します。

縦列駐車はスペースが限られているため、あまり神経質になって路側帯に寄せすぎると、タイヤやホイールを縁石にこすってしまう恐れがあります。そのため、縦列駐車での幅寄せは、路側帯に寄せすぎず、車の乗り降りや交通の妨げにならない範囲でほどほどに留めるのが賢明です。

縦列駐車が得意になると、都会の街中での運転が楽しくなる

縦列駐車

交通網が発達している都会では、電車に乗る方が車で移動するよりも便利なことも多くあります。また、都会で車を運転すると、駐車スペースが限られている上に、駐車料金が高いといった不便さも感じるかもしれません。このような要因から、「縦列駐車 苦手」という意識がさらに強まる場合もあります。

けれども、都会の街中を車で運転していると、電車に乗っている時には見えない景色や、その土地ならではの雰囲気を、より臨場感を持って楽しむことができます。電車に乗っているだけでは、見えてこない都会の景色をもっと楽しむためには、いざという時に必要となる縦列駐車のテクニックを身につけて、運転に対する自信を高めることが大切です。

縦列駐車が得意になれば、これまで諦めていた場所への駐車も可能になり、行動範囲が広がります。ご紹介した手順とコツを参考に、「縦列駐車 練習」を重ねて、都会でのドライブを安全で快適に楽しみましょう。