2000年代の日産の車種一覧
90年代後半に深刻な経営危機に陥った日産が1999年にフランス・ルノーと資本提携をしたのはご存じの通り。カルロス・ゴーン氏が発表した『日産リバイバルプラン』のもと再建を図ります。
初となる軽自動車の販売やOEM提供も受けることになりました。
シルビア・ヴァリエッタ(2000~2002)
シルビア ヴァリエッタ S15型
シルビアS15型をベースにしたオープンカー。電動式ハードトップを持つ「クーペカブリオレ」であり、ピラーが残らないタイプとしては日本初。シルビア最終型S15の中でも希少性の高いモデルとして中古市場でも人気のモデル。
ハイパーミニ(2000~2002)
- ハイパーミニ(2000~2002)
- ハイパーミニ(2000~2002)の説明
- ハイパーミニ(2000~2002)
- ハイパーミニ(2000~2002)
- ハイパーミニ(2000~2002)
軽自動車規格(2人乗りのスモールカー)の電気自動車。最小回転半径は3.9メートル。よくコンセプトカーと言われるが、市販化されており、当時は1台約400万円。カーシェアリングの実証実験にも用いられた。
モコ(2002~2016)
モコ SA2型
日産が初めて本格的に販売した軽自動車で、かわいい車として人気を博した。スズキ提供のOEM車。通常OEMはさほどエクステリアに違いはないが、日産はモコを日産らしい顔に仕立てるためにマーチなどと類似性を持たせ、細部までこだわっている。
ムラーノ(2002~2008)
ムラーノ TZ50型
アメリカ・中東・中国で人気のクロスオーバーSUV。日産の経営不振のなか北米専売モデルとして開発されるが、エクステリアのデザイン性が高く評価され、グローバルな人気車種に。日本でも2004年~2008年まで販売された。
キューブキュービック(2003~2008)
キューブ キュービック BZ11型
コンパクトカーであるキューブのホイールベースを延長し、3列シートの7人乗りミニバンに仕上げたモデル。キューブより170mmほどリアが長いが、前からすれ違っても気づくのは困難。3列シートのフットスペースは驚きの狭さ。人ではなく荷物を詰め込む用。
ティーダ(2004~2012)
ティーダ C11型
日本では2004~2012まで販売。本格的にルノーと共同開発した世界戦略車のハッチバック。日産側の日本の道路事情に配慮すべきという意向により5ナンバーサイズの維持にこだわった一方で、内装はコンパクトカーとしては異例の高品質。
ティーダラティオ/ラティオ(2004~2016)
ティーダ ラティオ SC11型
日産とルノーが共同開発したティーダの派生車種となるセダン。2代目以降の名称はラティオ。後継ではないが、サニーの廃止に伴う国内外の受け皿となったモデル。
ラフェスタ/ラフェスタ・ハイウェイスター(2004~2018)
ラフェスタ B30型
リバティの後継にあたるミニバンで、両側スライドドアも維持。ガラスルーフを装備し開放感もPRした。2代目はマツダ・プラマシーから異例のOEM提供を受け「ラフェスタ・ハイウェイスター」となるが、OEM車と認識されにくい。
オッティ(2005~2013)
オッティ H91W型
三菱eKワゴン・eKスポーツのOEM車。これまでモコ、ラフェスタなどのOEM車には「日産らしい顔」を作ってきたが、オッティはエクステリアにもあまり変更を加えなかった。
ピノ(2007~2010)
ピノ HC24S型
スズキ・アルトのOEM車で、同じくOEM提供を受けるマツダ・キャロルとも兄弟車にあたる軽自動車。日産のラインナップでは最も価格が低く設定されたが、ABSは標準装備としている。
デュアリス(2007~2014)
ディアリス J10型
イギリスから輸入販売したクロスオーバーSUV(国内販売は初代のみ。2014年にエクストレイルに統合される形で終了)。海外ではキャシュカイの名前で、特に欧州では都会派SUVの代表車種として大人気!現在は中国でも販売を伸ばしている。
マイクラC+C(2005~2010)
マイクラC+C K12型
海外ではマイクラの名前で販売されているマーチ。マイクラC+Cはイギリスで開発・生産されたオープンカー(クーペカブリオレ)で日本では1500台限定で輸入販売。マーチなのにオープンカーでどことなく欧州っぽさを感じられるという日常の延長にある非日常感が魅力。
スカイラインクロスオーバー(2009~2016)
スカイラインクロスオーバー J50型
スカイラインクロスオーバー J50型
SUVらしい乗り心地とクーペの走りを融合させた車。4WDとFR式がラインアップ。「スカイライン」とついているが、型式はJ50型でスカイラインとの直接的な繋がりは薄い。若い世代にもスカイラインブランドを知ってほしいという思いでの命名。
キューブ(1998~2019)
キューブ Z12型
左右非対称な後部ウィンドウにびっくりした人も多いコンパクトカー。アシンメトリーデザインは2代目(2002~)からで、3代目(2008~2019)はキューブらしさを残しつつ、大分丸みを帯びた。2019年12月生産終了。
ティアナ(2003~2020)
ティアナ L33型
通称・走るリビング。「おもてなし」の内装が人気でファミリーにもおすすめのプレミアムセダン。海外では「セフィーロ」「マキシマ」「アルティマ」などの名前で販売されている世界戦略車。2020年に国内販売終了。
ジューク(2010~2020)
ジューク F15型
個性的すぎるデザインで賛否両論だったが、大成功したコンパクトSUV。ヨーロッパでも好意的に受け入れられる(北米市場では現在キックスが後継)。後にトヨタがコンセプトカーデザインほぼそのままのC-HRを出せたのもジュークの成功が大きかったと思われる。
- ジュークの後継車種として2020年に日本導入したキックス
- キックス
シルフィ(2000~2021)
シルフィ NB17型
2代目まではブルーバードシルフィ。当然ブルーバードの後継。トヨタ・コロナの後継プレミオとはBC戦争時代からライバル関係を継続中。ホシノインパルが「地味だけど真面目な良いクルマ」と評価して、「IMPUL BLUEBIRD SSS」というG11型スポーツモデルを作ってくれた。
シーマ/セドリックシーマ/グロリアシーマ(1988~2022)
シーマ FPY31型
シーマ HGY51型
日産の最上級セダンでありフラグシップモデル。バブル期に販売された初代は1年で35,000台以上売れ、納車1年待ちで「シーマ現象」とも呼ばれた。2010年に4代目をもって生産を終了するが、2012年に5代目の販売を開始。
フーガ(2004~2022)
フーガ Y51型
セドリックとグロリアの後継にあたり海外ではインフィニティQ70として販売。2009年の2代目からフルモデルチェンジがなく、国内のライバル車トヨタ・クラウンが新型をぞくぞく販売しているので動向が気になるところ。
マーチ(1982~2022)
マーチ K13型
日産を代表するコンパクトカーで欧州では「マイクラ」の名前で販売。丸型デザインになったのは3代目(2002~)からでピンクやオレンジなどのカラーも可愛いと女性にも人気の車だった。2022年生産終了。
日産の歴史には多くの困難あり!しかし、産み出した名車は数知れず!
かつては「販売のトヨタ、技術の日産」と呼ばれ、日本の2大自動車メーカーだった日産。しかし、90年代に倒産寸前の経営危機に陥り、ルノーと資本提携を結びます。
しかし、2018年11月、日産再建の功労者といわれたカルロス・ゴーン氏が金融商品取引法違反容疑で逮捕され、同年11月22日に日産の会長職を解任となりました。
創業から80年余り、日産はかなり波乱万丈な歴史を歩んでいる企業と言えそうです。これからの日産がどうなっていくのか、良い話も悪い話もありますが、「良い自動車を作り続けてほしい」というのは多くの人の願いなのではないでしょうか。
未来の話は一度置いておき、日産の歴代車種を実際に見たいのなら、神奈川県座間市の日産座間工場内にある『日産ヘリテージコレクション』がおすすめです。完全予約制で見学日が限られますが、創業以来の名車300台が保管されている、旧車・クラシックカー好きなら1度は訪れたい自動車博物館です。