フェアレディZ S30型

フェアレディZ初代S30型とZ432の歴史とスペック~当時の価格と現在の中古車相場を徹底解説

1969年誕生の初代フェアレディZであるS30型Z432を中心に、4バルブ・3キャブ・2カムのS20型エンジンの詳細スペックから日本仕様・輸出仕様のグレード構成、当時の価格の現代換算、現行RZ34型との比較まで、Zの系譜をわかりやすく解説します。

日産フェアレディZの歴史はここから始まった!1969年から続くZの系譜

ダットサンから続くスポーツカー「フェアレディ」の歴史は、メーカー名が日産自動車に変わりモデル名にZがついてからも続いています。現行モデルは2022年に登場した「RZ34型」で、2025年モデルは549万7,800円から930万2,700円(税込)のラインナップとなっています。

フェアレディZとして初代モデルにあたる「S30Z」は1969年に発売したモデルで、DOHCエンジンでスカイライン2000GT-Rに搭載されていたエンジンを積んだ「PS30型」(Z432)も販売されていました。

1969年に発売したZ432を見ながら当時のスペックやS30Zの人気ぶりをチェックしていきましょう。旧車・クラシックカーのカテゴリーに入り中古車で新車の何倍もの値段がついている現在でも、ドラマやマンガに登場するS30Zや後継のS130Zは、当時の若者にとって憧れのスポーツカーでした。

フェアレディZ PS30型は初代のみ4年間だけ生産された希少なモデル!DOHCエンジンを搭載し4バルブ・3キャブ・2カムの豪華仕様

フェアレディZ 432 PS30型 1971年式

フェアレディZ 432 PS30型 1971年式

フェアレディZ 432 PS30型 1971年式

フェアレディZ 432 PS30型 1971年式

フェアレディZ 432 PS30型 1971年式

初代フェアレディZのPS30型は、1969年から1973年の4年間だけ販売した希少なモデルで「フェアレディZ432」とも呼ばれています。スカイライン2000GT-Rに搭載されていた直列6気筒のDOHC2.0Lエンジン(S20型)を積み、約419台が製造されたといわれています。モデル名の「432」は、エンジン特性を示す「4バルブ・3キャブレター・2カムシャフト」の頭文字を取ったものです。

フェアレディZ 432(PS30型)のスペック

ボディサイズは全長4,115mm・全幅1,630mm・全高1,290mmの5ナンバーサイズで、搭載エンジンの排気量も2.0L以下ですので登録区分は小型自動車の5ナンバープレートです。実際に間近で見ると、現行RZ34型(全幅1,845mm)との差が215mmもある細身のボディラインに改めて驚かされます。

フェアレディZの2018年モデル。現行RZ34型ではさらに全幅が広がっている

2022年に登場した現行モデルのRZ34は全長4,382mm・全幅1,845mm・全高1,315mmとなっており、初代S30型と比べると全長が267mm伸び、全幅は215mm広くなっています。なお、写真のZ34型(2008年〜2021年)の全長は4,250mmです。

S20型エンジンスペック
型式 S20型
種類 直列6気筒DOHC
排気量 1,989cc
バルブ数 4(シリンダーあたり)
燃料供給装置 ソレックスキャブレター3基
最高出力 160PS/7,000rpm
最大トルク 18.0kgf・m/5,600rpm
使用燃料 有鉛ハイオク
フェアレディZ 432(PS30型)の特徴まとめ
生産期間 1969年〜1973年(4年間のみ)
モデル名 フェアレディZ432(型式:PS30)
名称の意味 「432」は「4バルブ・3キャブレター・2カムシャフト」を意味する
エンジン供用元 スカイライン2000GT-R(S20型エンジン)と同型
総生産台数 約419台(非常に希少)
ボディサイズ 全長4,115mm・全幅1,630mm・全高1,290mm
登録区分 5ナンバー(小型乗用車)
現行モデルとの違い RZ34型(2022年〜)は全幅が215mm広く、全長も大幅に拡大
現在の評価 希少性・エンジン性能から旧車ファンに高額で取引される

S30フェアレディZの種類は5種類以上?日本仕様とアメリカ仕様がありわずか数十台しか生産されなかったものもある

「フェアレディZ432」という名称は、4バルブ・3キャブレター・2カムのエンジン特徴に由来しています。S30型フェアレディZには、PS30のほかにもベースモデルの「フェアレディZ」、快適装備が充実した上級グレードの「フェアレディZ-L」があります。

販売当初のフェアレディZグレード

・フェアレディZ(ベースグレード・日本)
・フェアレディZ-L(上級グレード・日本)
・フェアレディZ432(スポーツグレード・日本)
・フェアレディZ432-R(競技用グレード・日本)
・ダットサン240Z(アメリカ・イギリス仕様)

2,400ccのL24型エンジンを搭載したモデルはアメリカやイギリスでしか販売していませんでしたが、1971年の3ATを搭載したマイナーチェンジで「240Z」「240Z-L」「240Z-G」の3種類が追加されています。Z-Gグレードはいまでいうところのエアログレードで、Gノーズ(グランドノーズ)とよばれるフロントエアロバンパーとオーバーフェンダーを装着したモデルです。また、競技用グレードのZ432-Rは全部で30台ほどしか製造されていないといわれており、中古車市場には滅多に出てこない幻のモデルとなっています。

S30型フェアレディZのバリエーション一覧
モデル名 販売地域 特徴・備考
フェアレディZ 日本 ベースグレード。シンプルな装備で当時のスタンダードモデル
フェアレディZ-L 日本 上級仕様で、快適装備やインテリアが強化されている
フェアレディZ432 日本 S20型エンジン搭載。DOHC・3キャブ・4バルブ構成で高性能
フェアレディZ432-R 日本 競技専用モデル。軽量化・装備簡素化。生産台数は約30台
ダットサン240Z アメリカ・イギリス 輸出仕様。2.4LのL24型エンジンを搭載。高出力と信頼性で人気
240Z-L アメリカ中心 240Zの快適装備モデル。日本のZ-Lに相当
240Z-G アメリカ中心 Gノーズやオーバーフェンダーを備えたエアログレード

PS30フェアレディZの価格は当時182万円!いまの物価に直すといくらになるのか?

1969年に発売した当時の値段は、Zで84万円・Z-Lで105万円・432Zが182万円で、1971年に日本でも追加された240ZGは150万円でした。当時と現在のお金の価値を比較するには、消費者物価指数を使う方法と大卒初任給ベースで換算する方法があります。

1970年の消費者物価指数は32.6で、計算式に当てはめると「10,000円×100÷32.6=30,674円」となり、1970年の1万円は現在(2020年代)の約3万円に相当します。

S30フェアレディZの新車価格(物価指数で計算・約3倍換算)
1970年 現在換算(約3倍)
Z 84万円 約252万円
Z-L 105万円 約315万円
240ZG 150万円 約450万円
432Z 182万円 約546万円
トヨタ2000GT 238万円 約714万円

別の見方で計算してみると、1970年の大卒初任給は約4万円、近年の大卒初任給は約22〜23万円で、約5〜6倍の差があります。大卒初任給ベース(5倍換算)で考えると、1970年の1万円は現在の約5万円の価値になるといえます。

S30フェアレディZの新車価格(大卒初任給ベースで計算・約5倍換算)
1970年 現在換算(約5倍)
Z 84万円 約420万円
Z-L 105万円 約525万円
240ZG 150万円 約750万円
432Z 182万円 約910万円
トヨタ2000GT 238万円 約1,190万円

大卒初任給をベースにお金の価値を考えると、ベースグレードのZでも約420万円、432Zは約910万円という高額になります。現行モデルのRZ34(2025年モデル)のベースグレードは6速MTで549万7,800円(税込・日産公式2024年11月時点)ですので、大卒初任給ベースの換算のほうが当時の感覚に近いのではないでしょうか。

S30フェアレディZの価格と価値比較(1970年~現在換算)
モデル名 1970年価格 物価指数換算(約3倍) 初任給換算(約5倍)
フェアレディZ 84万円 約252万円 約420万円
フェアレディZ-L 105万円 約315万円 約525万円
240ZG 150万円 約450万円 約750万円
432Z 182万円 約546万円 約910万円
トヨタ2000GT 238万円 約714万円 約1,190万円

S30Zはマンガに登場し人気に!後継のS130Zも刑事ドラマで活躍し多くのファンを抱えるモデル

S30Zは漫画やアニメで登場していたため当時絶大な人気を得ていた

フェアレディZのS30型は、1990年から長期にわたって連載された漫画「湾岸ミッドナイト」に登場し、主人公が乗る車として劇中で活躍しています。悪魔のZと呼ばれたミッドナイトブルーのS30Zは、輸出モデルのダットサン280Zに搭載されていたL28型エンジンを3,134ccにボアアップしツインターボを搭載、800馬力の出力が出るまさに悪魔のような個体です。

1978年から発売された後継モデルの2代目フェアレディZ(S130型)も、「西部警察」というドラマで「スーパーZ」として活躍しています。ゴールドとブラックに塗り分けられたツートンカラーで、Tバールーフのモデルですがウィンドウがせりあがるガルウィング仕様になっているため乗り降りもしやすい仕様でした。

S30フェアレディZの人気背景と後継モデル
モデル名 S30フェアレディZ
メディア登場 漫画「湾岸ミッドナイト」で主人公車として登場(1990年〜長期連載)
特徴的な仕様 ミッドナイトブルー色、L28エンジンを3,134ccにボアアップしツインターボで800馬力
後継モデル S130フェアレディZ(2代目)
発売年 1978年
メディア出演 刑事ドラマ「西部警察」に登場、スーパーZとして活躍
特徴 ゴールド&ブラックのツートンカラー、Tバールーフ、ガルウィング仕様ウィンドウ

S30Zは日本だけではなく世界中で愛される名車である

ダットサン・フェアレディから受け継いだ日産・フェアレディZは、初代モデルのS30が1969年に発売されて以来フルモデルチェンジを繰り返し、現在は2022年に登場したRZ34型が販売されています。初代モデルのS30型は当時の若者にとって憧れのスポーツカーであり、1990年から長期連載された漫画の主人公が操る車になっていることでも人気の高さが伺えます。

ベースグレードのZは新車価格で84万円でしたが、大卒初任給ベースで現在の価値に直すと約420万円にもなる価格帯であり、当時の若い社会人が懸命に貯めて手に入れるイメージの車でした。発売からわずか数年しか販売されなかった「432Z」は182万円で、現在の価値にすると約910万円にもなる高額車両です。

旧車としてのS30の中古車市場を見てみると、ノーマル車両で500万円前後、Z432のコンディション良好な個体では1,000万円超え、さらにレストア済みの希少な個体では1,800万〜3,000万円の値がつく例も確認されています(2024年〜2025年の市場情報より)。また、RB25エンジンを移植したカスタム車両も1,000万円超の値段がつくことがあります。北米を中心に海外でも大人気の車種で、世界総販売台数は55万台にも上ります。日本国内だけではなく、ダットサン(日産)の名を世界中に知らしめたモデルとして世界の足掛かりを作ってくれたS30型フェアレディZは名車であることに間違いありません。