Cクラスは2021年に5代目(W206)へ全面刷新 全車が電動化
メルセデス・ベンツの中核を担う「Cクラス」は、この記事が扱う4代目W205型のマイナーチェンジ(2018年)を経て、2021年に5代目のW206型へとフルモデルチェンジしました。最大の変化は、エンジンがすべて直列4気筒に集約され、全車がマイルドハイブリッドまたはプラグインハイブリッドで電動化されたことです。かつての直列6気筒やV型8気筒は姿を消しました。
ここではまず、現行W206への刷新とその後の動きを整理し、続いて2018年に実施されたW205型マイナーチェンジのエクステリア・インテリア・運転支援・価格を、当時の内容としてご紹介します。
現行は5代目W206 2021年に全面刷新し全車を電動化
新型Cクラスは2021年2月23日にワールドプレミアされ、日本では同年6月29日に発表、7月下旬から先行予約が始まりました。セダンがW206型、ステーションワゴンがS206型で、導入時の中心グレードは「C 200」「C 220 d」、価格は651万円からとされました。プラットフォームはEクラス由来の後輪駆動用「MRA2」で、全長は約4,751mm(先代比プラス65mm)、ホイールベースは約2,865mmへと拡大し、居住性を高めています。
パワートレインは、C 200が1.5L直列4気筒ターボ(204ps)にISGマイルドハイブリッドを組み合わせ、C 220 dは2.0L直列4気筒ディーゼルターボ(200ps)を搭載。いずれも9速ATと組み合わされます。さらに、EV走行でおよそ100kmを走れる大容量バッテリーのプラグインハイブリッド「C 350 e」も設定されました。インテリアはSクラスに通じる縦型の大型センターディスプレイ(最大11.9インチ)と12.3インチのデジタルメーターを備え、後輪操舵(リアアクスルステアリング)による小回り性能の向上も図られています。かつて予想された「600m先を照らす先進ライト」「ワイドな大型ディスプレイ」「長距離EV走行が可能なPHEV」といった要素は、この世代でおおむね現実のものとなりました。
なお、悪路にも対応するクロスオーバー版「Cクラス オールテレイン」も本国では設定され、かつての予想どおりラインアップに加わっています。
AMGはV8を廃止 頂点はPHEV「C63 S E PERFORMANCE」へ
ハイパフォーマンスのAMGモデルも、W206型で大きく姿を変えました。かつて本記事が「C53が設定されるのでは(4気筒+マイルドハイブリッドで最高出力416ps程度か)」と見込んでいた点については、実際にはC53は設定されず、スポーツモデルは「メルセデスAMG C43 4MATIC」に、頂点はプラグインハイブリッドの「メルセデスAMG C63 S E PERFORMANCE」になりました。
C43 4MATICは、名前こそ43ながら中身は2.0L直列4気筒ターボ(M139)で、電動ターボチャージャーとISGを組み合わせています。そして最上位のC63 S E PERFORMANCEは、歴代のV8を捨て、フロントに2.0L直列4気筒ターボ、リアにモーターとバッテリーを積むPHEVとして登場。システム最高出力は680PSに達します。日本ではセダンが2023年10月25日に1660万円で発売され、ステーションワゴンも同年末に加わりました。EV走行換算距離は15km程度と短めですが、電気の力で加速レスポンスと総合性能を引き上げているのが特徴です。
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C 63 S E Performance -
C 63 S E Performance -
C 63 S E Performance -
C 63 S E Performance -
C 63 S E Performance
さらに2025年4月24日には、C63 S E PERFORMANCEにカーボンセラミックブレーキなどを備えた特別仕様車「Edition Peak(エディション ピーク)」が50台限定・1824万円で追加されました。V8サウンドを愛したファンからは4気筒化を惜しむ声もありますが、電動化時代の“最速C”として独自の存在感を放っています。
2020年 レーダーセーフティパッケージを標準装備化
W205型の後期には、安全装備の強化も進みました。C 180(セダン/ステーションワゴン/クーペ/カブリオレ)、C 200、C 200 4MATIC、そしてクリーンディーゼルのC 220 d(セダン/ステーションワゴン)に、先進運転支援をまとめた「レーダーセーフティパッケージ」が標準装備化されています。C 180・C 200・C 200 4MATICは2020年2月28日から、C 220 dは2020年4月から順次の納車とされました。
レーダーセーフティパッケージの機能一覧
- アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック (自動再発進機能付)
- アクティブステアリングアシスト
- 渋滞時緊急ブレーキ機能
- アクティブレーンチェンジングアシスト
- アクティブエマージェンシーストップアシスト
- アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し検知機能付)
- 緊急回避補助システム
- トラフィックサインアシスト
- アクティブレーンキーピングアシスト
- アクティブブラインドスポットアシスト(降車時警告機能付)
- PRE-SAFEプラス(被害軽減ブレーキ付後方衝突警告システム)
- PRE-SAFEサウンド
- ドライブアウェイアシスト
- マルチビーム LED(ウルトラハイビーム付)
従来はオプション設定でしたが、この改良で標準化され、安全性能が大きく底上げされました。当時の価格は、セダンが4,840,000円(2020年4月1日以降は4,890,000円)、ステーションワゴンが5,090,000円(同5,140,000円)、クーペが6,070,000円(同6,130,000円)、カブリオレが6,600,000円(同6,670,000円)からでした。
2019年 PHV「C 350 e アバンギャルド」と特別仕様「ローレウスエディション」を追加
2019年には、Cクラス(セダン)にPHVの「C 350 e アバンギャルド」を新設定し、あわせて「C 200」「C 200 4MATIC」「C 220 d アバンギャルド」をベースにした特別仕様車「Laureus Edition(ローレウスエディション)」を追加しました。注文受付は2019年9月2日から始まり、C 350 e アバンギャルドとC 180は同年10月ごろ、ローレウスエディションなどは9月2日から順次納車されています。
C 350 e アバンギャルドは、最高出力211PS(155kW)・最大トルク350N・mの2.0L直列4気筒直噴ターボに、最高出力122PS(90kW)・最大トルク440N・mのモーターを組み合わせたPHVで、モーターのみでの最高速度は130km/h、EV航続は54kmでした。インテリジェントアクセルペダルにより効率的で快適な走りを実現しています。
特別仕様車ローレウスエディションは、「AMGスタイリングパッケージ」と「ワイヤレスチャージング機能」を標準装備したプレミアムな一台です。360°カメラシステムやシートベンチレーターを含む「レザーエクスクルーシブパッケージ」で快適装備を強化でき、センターコンソールには「Laureus」のロゴバッジが配されています。あわせてC 180には新型1.5L直列4気筒ターボ「M264」を採用し、63/63 Sを除くセダン/ステーションワゴンにボディカラー「グラファイトグレー」を追加、ドライブレコーダーやDロゴプロジェクター、ETC2.0対応車載器などの新規オプションも設定されました。
2018年にマイナーチェンジしたW205型Cクラスの詳細
ここからは、2018年に実施されたW205型Cクラスのマイナーチェンジ(改良点6,000か所以上ともいわれるビッグマイナーチェンジ)の内容を振り返ります。新型はジュネーブモーターショー2018で公開され、日本では2018年7月25日にセダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレが同時発売されました。W205世代で初めての大きな改良です。
W205型Cクラスのエクステリア
スリーポインテッドスターやダイヤモンドグリルなど、メルセデスらしいフロントを継承しつつ、灯火類とバンパー造形を刷新しています。
Cクラス セダンのエクステリア
セダンのAMGラインでは、スリーポインテッド・スターにダイヤモンド・ラジエーター・グリルを組み合わせ、フロントマスクに存在感を与えています。この改良では、Sクラスに搭載済みの「ウルトラレンジビーム」付きマルチビームLEDヘッドライトを初採用しました。
ヘッドライトは84個のLED光源から状況に応じた最適な配光を行い、最長照射距離は650mに達して、夜間の視界確保に貢献します。
AMGラインのモデルでは、空力を意識してサイドボディにエアロ処理を施し、ホイールにもこだわって足回りを引き締めています。
テールランプはワイド化され、デザインの見直しによってリヤの印象を一新しています。
| 全長 | 4,686mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,810mm |
| 全高 | 1,445mm |
| ホイールベース | 2,840mm |
| 車両重量 | 1,490kg |
| 乗車定員 | 5名 |
Cクラス ステーションワゴンのエクステリア
ステーションワゴンもセダン同様にヘッドライトをワイド化し、フロントバンパー周りのラインを見直しています。車種ごとにバンパーデザインを変え、キャラクターの差別化を図りました。
サイドボディには空力に配慮した立体的な造形を施し、効率性を高めています。実用性と質感を両立させ、ワゴンとしての魅力を引き上げました。
ラゲッジルームの使い勝手も磨かれ、積載性を重視するユーザーの満足度を高めています。
| 全長 | 4,702mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,810mm |
| 全高 | 1,457mm |
| ホイールベース | 2,840mm |
| 車両重量 | 1,550kg |
| 乗車定員 | 5名 |
W205型Cクラスのインテリア
この改良では、12.3インチのデジタルメーターディスプレイや、スワイプ操作に対応するステアリングのタッチコントロールボタンを採用し、操作性と先進感を高めています。
映像・音楽・ナビなどを扱う「マルチインフォテインメントシステム」は、タッチ操作に加えて音声操作にも対応します。スマートフォンのアプリ連携で利便性も向上しました。
快適装備では、エアコンやシートヒーター、マッサージ機能などを統合制御する「エナジャイジング・コンフォート・コントロール」をメーカーオプションで選べます。
AMG系のモデルでは、フロントシートのブラック&ホワイトのツートンなど、高級感と美しさを両立した内装が印象的です。AMGラインでは、マグマグレイやブラックに加えサドルブラウンのインテリアカラーが追加されました。
W205型Cクラスの運転支援システム
この世代のCクラスは、高性能化した車載カメラやレーダーに加え、ナビの地図情報を組み合わせた先進運転支援を搭載します。
「アクティブ・ディスタンス・アシスト・ディストロニック」は、高速走行時や渋滞時に先行車との車間を保ちながら車両を制御する部分的な自動運転を実現。地図情報との連携で、交差点やロータリー手前での速度調整といった支援も可能としました。
W205型Cクラスに搭載される主な安全装備
- アクティブブラインドスポットアシスト
- LEDインテリジェントライトシステム
- アクティブパーキングアシスト
- アクティブブレーキアシスト(歩行者検知機能付)
- アクティブ・レーントレーシング・アシスト
- アクティブ車線変更アシスト
- アクティブ・ステアリング・アシスト
W205型Cクラスの販売価格 セダンは4,490,000円から、ステーションワゴンは4,730,000円から
この改良では運転支援やインフォテインメントを充実させつつ、モデルによっては旧価格より抑えた設定とされ、初めてCクラスを選ぶ人にも手を伸ばしやすい価格帯となりました。以下は当時の価格です。
| グレード | 旧型モデルの販売価格 | 新型モデルの販売価格 |
|---|---|---|
| C180 | 4,410,000円 | 4,490,000円 |
| C180 アバンギャルド | – | 4,890,000円 |
| C200 アバンギャルド | 5,300,000円 | 5,520,000円 |
| C200 4MATIC アバンギャルド | 5,560,000円 | 5,800,000円 |
| C220d アバンギャルド | – | 5,780,000円 |
| C350e アバンギャルド | 7,260,000円 | – |
| メルセデスAMG C43 4MATIC | 8,860,000円 | 9,400,000円 |
| メルセデスAMG C63 | 12,240,000円 | 12,110,000円 |
| メルセデスAMG C63S | 13,570,000円 | 13,790,000円 |
| グレード | 旧型モデルの販売価格 | 新型モデルの販売価格 |
|---|---|---|
| C180 ステーションワゴン | 4,650,000円 | 4,730,000円 |
| C180 ステーションワゴン アバンギャルド | 5,300,000円 | 5,130,000円 |
| C200 ステーションワゴン アバンギャルド | – | 5,760,000円 |
| C200 ステーションワゴン Sports | 6,130,000円 | – |
| C200 ステーションワゴン Sports本革仕様 | 6,520,000円 | – |
| C200 4MATIC ステーションワゴン アバンギャルド | 5,920,000円 | 6,040,000円 |
| C220d ステーションワゴン アバンギャルド | – | 6,020,000円 |
| C200 4MATIC ステーションワゴン Sports | 6,390,000円 | – |
| C200 4MATIC ステーションワゴン Sports本革仕様 | 6,780,000円 | – |
| C350e ステーションワゴン アバンギャルド | 8,030,000円 | – |
| メルセデスAMG C43 4MATIC ステーションワゴン | 9,680,000円 | 9,590,000円 |
| メルセデスAMG C63 ステーションワゴン | 13,060,000円 | 12,350,000円 |
| メルセデスAMG C63S ステーションワゴン | 14,380,000円 | 13,980,000円 |
| グレード | 新型モデルの販売価格 |
|---|---|
| C180 クーペスポーツ | 5,640,000円 |
| メルセデスAMG C63 4MATIC クーペ | 9,500,000円 |
| メルセデスAMG C63 クーペ | 12,920,000円 |
| メルセデスAMG C63S クーペ | 14,240,000円 |
| グレード | 新型モデルの販売価格 |
|---|---|
| C180 カブリオレ スポーツ | 6,150,000円 |
| メルセデスAMG C43 4MATIC カブリオレ | 10,030,000円 |
| メルセデスAMG C63S カブリオレ | 14,830,000円 |
W205後期は充実の改良 その後Cクラスは電動化世代のW206へ
2018年のW205型マイナーチェンジは、マルチビームLEDや最新の運転支援を採り入れ、セダン・ステーションワゴン・クーペ・カブリオレを一挙に刷新した大がかりな改良でした。Dセグメントでは、BMW3シリーズやアウディA4といった強力なライバルがしのぎを削りますが、Cクラスは幅広いボディバリエーションと質感の高さで存在感を示してきました。
その後Cクラスは2021年に5代目W206型へと世代交代し、全車が直列4気筒+電動化へと舵を切りました。頂点のAMGもV8を手放し、PHEVのC63 S E PERFORMANCEへと生まれ変わっています。かつてクーペやカブリオレを含む多彩な布陣で楽しませたCクラスは、電動化の時代に合わせて姿を変えながら、いまもメルセデスの中核として進化を続けています。